疾風怒濤の80年代

日本中が熱い風に包まれていた1980年代
そのころの音楽・映画・テレビなどを語る30代のための
広場です!

7月歌舞伎 Ninagawa十二夜

2005年07月27日 03時38分47秒 | 演劇
今日、歌舞伎座で蜷川さん演出の歌舞伎 「十二夜」を見てきました。

舞台のビジュアルイメージは、さすが蜷川さんで、アッと息を呑む美しい
物でしたが、どうでしょう?歌舞伎としてみるよりも、シェークスピア喜劇を
歌舞伎タッチで演じているという風に見たほうがいい感じでした。

つまり歌舞伎としてみるには、歌舞伎っぽくなく、さりとていつもの蜷川さん
ならもっとテンポアップをして見せるであろうところは、歌舞伎のしきたりに
したがってゆっくり見せるという風に、なんだか双方気を使ってしまっている
感じがしました。

特に技術面では、回り舞台の多用が非常に気になりました。確かに回り舞台は
歌舞伎に由来する手法ですが、現代演劇の中では、単純にもっと早く回しますし、
折角鏡を使った演出をされているなら、一瞬でふすまを入れ替えて場面転換
するぐらいのことは雑作も無いことだと思うのですが、そこをあえてやらずに
歌舞伎のテンポを守ったところに、どうも長く感じた感がありました。

内容面では、二つ言いたいことがあります。一つは獅子丸実は琵琶姫が、
左大臣を思う下りと、左大臣がなにやら獅子丸に心を惹かれる様子を
もう少し描いても良かったのでは?という点があります。
ケネス・ブラナーの映画「十二夜」はその辺りを強調して描いていたような
記憶があります。
もう一つは、最後 琵琶姫と主膳守が再会するところこそ、鏡を使うべきなのでは?と思いました。
鏡はそのメタファーとして使われていてこそ、効くのではないでしょうか。

とにかく蜷川さんが「十二夜」を演出するとなれば、我々はどうしても本場の
ケネス・ブラナーやらトレヴァー・ナンやらと比べたくなります。
その目で見ると、「歌舞伎に気を使いすぎなのでは?」と思いました。

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