端的に言って、松たか子という女優はちょっと過大評価されていると
私は思います。
というのは、彼女は松本幸四郎の次女であるという名門の出で、
さらに端正なルックスのせいで、テレビドラマでは透明感のある役を
やることが多いのですが、打って変わって、演劇になると
どうも汚れ役に抜擢されることが多いようです。
例えば「ミス・サイゴン」のキム
「ラ・マンチャの男」の娼婦アルドンサ
そして今回「メタル・マクベス」ではマクベスの妻
どれも非常に強烈な個性の、悪女の役です。
しかしどうでしょう？彼女はその役を全うできているでしょうか？
彼女の現在のキャパシティーの中ではやり切っているほうだと思います。
しかしどれも、ほかにもっともっと適任の女優がいるのに、何故か彼女が
こういう役をやることが多いのです。
多分本人も、こういう強い役をやることを望んでいるのでしょう。
それは良く分かります。でも彼女が悪い女の役をやるときに絶対的に抜けているものがあります。
それは、同じ絶望でも「一度は他人を心から信頼したのに、裏切られた」という気持ちです。
彼女が演じているのは、そうではなく「誰も本当の私を分かってくれないお姫様」の孤独のほうなのです。
彼女は「わかって欲しいのに、ただちょっとしたぬくもりが欲しいだけなのに」という、「悪事・悪態の根源」に少しも触れていません。そのせいで、彼女が
悪ぶれば悪ぶるほど、相手役の姿やテンションに全く左右されず、ただ
形としての蓮っ葉なオンナ像へと突っ走ってしまうのです。
だから彼女が悪女をやる芝居は底が浅いのです。それは本当に罪なことだと
思います。
また彼女で気になるのは「カーテンコール」をいやいややることですよね。
何度見ても本当に嫌そうに、面倒くさそうにカーテンコールをやるのは
良くないことです。そこからも彼女が本当にコミュニケーションの欠落を抱えていることが良く分かります。
私は思います。
というのは、彼女は松本幸四郎の次女であるという名門の出で、
さらに端正なルックスのせいで、テレビドラマでは透明感のある役を
やることが多いのですが、打って変わって、演劇になると
どうも汚れ役に抜擢されることが多いようです。
例えば「ミス・サイゴン」のキム
「ラ・マンチャの男」の娼婦アルドンサ
そして今回「メタル・マクベス」ではマクベスの妻
どれも非常に強烈な個性の、悪女の役です。
しかしどうでしょう？彼女はその役を全うできているでしょうか？
彼女の現在のキャパシティーの中ではやり切っているほうだと思います。
しかしどれも、ほかにもっともっと適任の女優がいるのに、何故か彼女が
こういう役をやることが多いのです。
多分本人も、こういう強い役をやることを望んでいるのでしょう。
それは良く分かります。でも彼女が悪い女の役をやるときに絶対的に抜けているものがあります。
それは、同じ絶望でも「一度は他人を心から信頼したのに、裏切られた」という気持ちです。
彼女が演じているのは、そうではなく「誰も本当の私を分かってくれないお姫様」の孤独のほうなのです。
彼女は「わかって欲しいのに、ただちょっとしたぬくもりが欲しいだけなのに」という、「悪事・悪態の根源」に少しも触れていません。そのせいで、彼女が
悪ぶれば悪ぶるほど、相手役の姿やテンションに全く左右されず、ただ
形としての蓮っ葉なオンナ像へと突っ走ってしまうのです。
だから彼女が悪女をやる芝居は底が浅いのです。それは本当に罪なことだと
思います。
また彼女で気になるのは「カーテンコール」をいやいややることですよね。
何度見ても本当に嫌そうに、面倒くさそうにカーテンコールをやるのは
良くないことです。そこからも彼女が本当にコミュニケーションの欠落を抱えていることが良く分かります。
感じ方は人それぞれなので仕方のないことですが、他のブログを読んでも今回のメタルマクベスでの松さんは良かったという人が多いような気がします。
以前テレビでカーテンコールが苦手だというお話をしているのを聞きました。松さんが出演する舞台はハッピーエンドというより、重く心に訴えるようなものが多いと思いますので、何時間も役になりきっているとすぐに笑顔で出てくるというのは難しいと思います。
観客としてもただただ拍手をしたいと思うときがあります。でも、私は今までいやいややっていると感じたことはありません。今回のメタルマクベスでも、何度か登場するときには内野さんや森山さんと楽しそうにしていました。
rinoさんがおっしゃている「過大評価」はおそらくその後の文章を読むと、
「業界が松たか子を過大評価しているために重要な役に抜擢される」
という意味での過大評価だと思います。
ただ、その例証として「非常に強烈な個性の、悪女の役への抜擢」
として、次の３役をあげておられます。
「ミス・サイゴン」のキム
「ラ・マンチャの男」の娼婦アルドンサ
「メタル・マクベス」ではマクベスの妻
間違った解釈をしていればごめんなさいね。指摘してください。
rinoさんは松たか子はこれらの役を演じる上で
「絶望」を演じきれていないとおっしゃっています。
私は松たか子の存在の特別であるところは、
つまり、彼女が抜擢される理由は演技力の高さもさることながら、
「絶望の果ての希望」を体現できるところだと思っています。
「ミス・サイゴン」のキム
「ラ・マンチャの男」の娼婦アルドンサ
これらはrinoさんとは、作品の解釈が異なるのでしょうが、
私は「非常に強烈な個性の、悪女の役」ではなく
「清女の役」だと思っています。
ただし、キムもアルドンサも一度は絶望している。
ここでいう絶望はクリスやドン・キホーテへの絶望ではなくて、
この世への絶望です。この絶望が演じきれているかといえば、
私も「松たか子」は、まだまだだと思います。
でも、その後の希望を見せられる女優という意味で彼女は優れていると
私は思っています。絶望との振り幅が大きければさらによいですが。
そして、彼女が抜擢される理由はその部分だと思います。
とくに野田秀樹さんが起用する理由はそうだと思います。
「絶望を演じること」を過大評価されているわけではない。
抜擢している人たちとrinoさんの評価軸が違うのではないでしょうか？
また、今度の「メタル・マクベス」のマクベス夫人は、
決して、いのうえさんは、rinoさんの言うような悪女として
描いてないと思いますよ。私は、いのうえさんのイメージしている
マクベス夫人を松さんは十分に演じていると思います。
前の記事を読むと、どうやらrinoさんはいのうえマクベス自体に
否定的のようですので、
これもいのうえさんとrinoさんの「マクベス」が違うに
すぎないのではないでしょうか？
「もっと適任の女優がいる」というのは、rinoさんの
「マクベス」にとって、そうなのだと思います。
それから、カーテンコールに対してはふじさんと同意見です。
カーテンコールが苦手なのは事実です。
彼女にもっと「エンターテイナーになれ！」と
自分のＢＬＯＧで書いたこともあります。
しかし、いやいやされていると思ってみたことは一度もありません。
Utakoさんがおっしゃっていたように松さんは演出家の注文に十分答えていると思います。