【ストックホルム】（ダウ・ジョーンズ）スウェーデンの中央銀行、リクスバンクのスベンソン副総裁は16日
、スウェーデンクローナ相場が下落すれば、国内輸出産業の下支えとなり、幅広い経済にとって好材料だとの見
解を示した。
スベンソン副総裁は当地で開かれたセミナーに出席し、国内銀行は比較的堅調であるため、スウェーデンはい
ささか「安全な投資先」と考えられていることが、おそらくクローナ相場の底堅さの背景にあると指摘した。た
だ、スウェーデンはクローナの上昇と同時に脆弱（ぜいじゃく）な景気循環に直面しているため、クローナ高は
拡張的金融政策を導入する理由になり得るとも述べた。
さらに、スウェーデンの金融政策は引き締め過ぎで、それが原因で失業率は必要以上に高水準となっていると
したほか、インフレは中銀目標の2％を大幅に下回っていると語った。
リクスバンクは昨年12月、政策金利（レポ金利）を1.25％から1.00％に引き下げた。利下げについて理事会メ
ンバー6人中5人が賛成票を投じた。概してメンバーの中で最もハト派的とされるスベンソン副総裁は0.75％への
利下げを主張していた。
金融危機を受けて他国の住宅価格が下落しているにもかかわらず、スウェーデンでは住宅価格が高止まりして
いるため、家計債務が高水準にのぼっている。一部の市場専門家はこれについて懸念を示している。
だがスベンソン副総裁は、リクスバンクは金融政策を通じて家計債務を抑制しようとするべきではないとし、
そうした取り組みは失業率を高めるという点で非効率的で代償が大きいと述べた。
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