ringoのつぶやき

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大震災日本を立て直す(1)理化学研究所理事長野依良治氏、科学の力、世界から結集。

2011年04月17日 21時43分56秒 | 東北関東大地震 2011/3/11 14:46

2011/04/17, 日本経済新聞 朝刊

巨大地震と大津波、原子力発電所事故の三重災害からの復興を模索する動きがようやく始まりつつある。東北や関東の被災地の生活と産業を再建し、日本再生につなげる道筋はあるか。国内外の有識者に聞いた。


人類生存の研究

 


 「震災で親戚の若者を亡くした。大学を卒業したばかりの前途ある人の死を思うと、自分が生きていることに罪悪感すら感じる。自然の力の大きさと、人間の非力さ、科学者の想像力の欠如を思い知らされた」


 「原発事故では政府のコミュニケーション能力の不足を痛感する。世界が先の見通しを知りたいのに、政府が発するメッセージが弱い。みなどうしていいのか困っている。科学者は自分の専門外のことに口を出せず、人々が教えてほしいと思う期待に応えていない」
 ――東北、関東の被災地の復興、さらに日本の再生には何が必要ですか。


 「日本の力は科学技術にある。科学技術の底力を培わなくては、復興も成長も中長期的にみておぼつかない。東北の復興の要に、世界からトップクラスの科学者が集まる研究所をつくることを提案したい」


 「そこで取り組むのは人類生存のための研究だ。エネルギーや食料、環境など人類共通の課題に世界の先頭に立って挑む明確なメッセージを打ち出せば、世界から共感をもって迎えられ人材が集まる。人事制度など制約を取り払って活力ある研究ができる特区にすればよい」


 「被災地も日本も3・11の前に戻るのではなく、震災を契機に新しい東北や日本を目指さねばならない。東北の復興では地域の力を十分に生かすため分権を進める。首都機能の一部を移転し、東北州として自立性の高い自治体を目指してはどうか」


若いリーダーを

 


 「生命の進化を振り返ると、極限的な事象で環境が大きく変わったときに新しいものが生まれる。震災は新生への契機となる。新しい組織では若い人をリーダーにして思いきって力を振るえるようにすべきだ」


 ――この機会に政府の第4期科学技術基本計画(2011~15年度)を見直すよう主張していますね。


 「第4期の政策は科学技術(サイエンス・アンド・テクノロジー)にイノベーション(技術革新)を目標に加えたSTIを旗印にしたが、Rを加えてSTIRにしろと言っている。Rはリコンストラクション(再建)のRであり、リフォーム(改革)のRだ」


 「科学技術の研究の仕組みを改革するときだ。STIRは英語で『かきまぜる』という意味もある。よどみをかきまぜないと日本の再生につながらない」


 「問題解決型の科学が要る。物理学者だけでエネルギー問題は解決できない。社会が抱える課題の解決には個々の専門分野だけではだめだ。さまざまな知識や技術を組み合わせ、まとめることで可能になる。マグロの刺し身もワサビやしょうゆ、器があり板前の技量でおいしくいただける。人々はマグロではなくマグロの刺し身が食べたいのだ。科学も同じだ」


(聞き手は編集委員滝順一)
 のより・りょうじ 京都大学大学院修了後、名古屋大学教授などを経て2003年理化学研究所理事長。01年に不斉合成の研究でノーベル化学賞受賞。72歳

 ――震災は縦割りでタコツボの学問や組織を変えるでしょうか。
 「東北大学を州立大学にし、そこを突破口にして旧態依然の国立大学の再編を促したい。大学改革を叫んでも、東京大学も京都大学もなかなか変わらない。東北大学を、東大を超える学術研究と地域再生の拠点として育てることを政治が強いリーダーシップをもって進めてもらいたい」
 ――被災地では復旧への動きが緒に就いたばかり。原発の事故は収束のめどが立ちません。

 


東電、KDDI株売却へ 原発賠償へ株式資産の半分

2011年04月17日 21時34分03秒 | 

2011/04/17, 02:00, 日経速報ニュース

東京電力は保有するKDDIの株式を売却する方向で調整に入った。保有時価は約1800億円に上り、福島第1原子力発電所事故の損害賠償に対応した資産リストラの柱となる。株価への影響を抑えるため、売却方法や時期、株数などは今後詰める。


 東電はKDDIの発行済み株式の8%に相当する約36万株を保有し、京セラ、トヨタ自動車に次ぐ第3位株主。東電関係者によると、既にKDDI側に株式売却について打診しているもようだ。


 原発事故に対応し、東電は聖域を設けず資産売却を進める方針。取引先企業など約250社の株式を保有しているが、金額ベースではKDDI1社でほぼ半分を占める。2006年以降に通信子会社などをKDDIに売却し、その対価を株式で受け取ったためだ。事業面の関係は薄く、売却による資金確保を探る。


 ただ、大量の株式を市場で売却すると株価への影響が大きい。このため証券会社が仲介して複数の機関投資家に市場外で購入してもらうなど、影響緩和策を検討するとみられる。売却時期、保有株をすべて売るかどうかについても株式相場や財務状況をにらんで判断することになり、最終的な売却額は未定だ。


 東電はKDDI以外の保有株や、不動産など固定資産の売却も検討し、資産リストラを急ぐ。