沖縄の基地のこと。
「誰も知らない基地のこと」という映画のDVDを見ました。
誰も知らない基地のこと
この映画を撮ったのは、二人のイタリア人の監督さんです。
最初はイタリアの米軍基地のことを映画にしようと考えたそうですが、
それは世界中の基地問題につながり、そして沖縄を抜きには語れない
ということになったそうです。沖縄の基地関係のシーンは存在感があります。
映画の中にはもちろん衝撃的な真実も含まれるし、
想像・憶測の域を出ないものもあります。
私の中で、「沖縄の基地」と言うと「ふてんま」「かでな」「へのこ」・・・
という言葉を聞いたことがあっても、漠然としたイメージしかありません。
「沖縄に駐留する米軍の主な基地と部隊(STOP!! 米軍・安保・自衛隊)」より(クリックで拡大)
1つとても考えさせられたのは「海兵隊」の存在です。
アメリカの海兵隊は、戦車や戦闘機なども持っていて、
空も海も陸も、どこでも戦えるように訓練されている。
”海”と付くけど、海軍とも違い、敵地に上陸して最前線で戦う人たちです(たぶん)。
ちなみに沖縄県の普天間基地はアメリカ海兵隊の基地、
嘉手納基地はアメリカ空軍の基地なんだそうです。
普天間基地はアメリカ海兵隊飛行場・機能と役割
(「普天間基地@米軍飛行場がある暮らし」)より
在日米軍の専用施設だけで日本には57施設、そのうち25施設が沖縄県にあり、
その中で海兵隊の施設が大きく占めています。
(合計 専用施設57, 共同利用施設28, 一時利用可能施設119)
配備部隊(Wikipedia)
アメリカ陸軍: 2,501人
アメリカ海軍: 6,766人
アメリカ空軍: 12,490人
アメリカ海兵隊: 14,951人
合計: 36,708人
日本外務省発表「米軍人等の居住者の人数について」(平成20年3月31日時点)
沖縄の基地問題がより深刻なのは、そのあたりのことも関係しているようです。
そして、普天間基地の移転(辺野古に代替施設?、海兵隊や関係者のグアムへの移転)
についても、地元の賛否も分かれ、二転三転しているようなのです。
普天間基地返還と代替施設について
普天間基地移設をめぐる宜野湾市民の願いと現実
(「普天間基地@米軍飛行場がある暮らし」)より
つい最近も新聞に、”辺野古への移設が動き出す?”
というような記事がありました。
政府は3月中にも県知事に埋め立て申請をしたい
県知事は、申請を受けたら、名護市長の意見を聴くことになっている
県知事の許可には、名護漁協の同意が必要
名護市長は反対の姿勢を見せている
名護漁協はほぼ同意の姿勢?
名護市長と名護漁協の意見が分かれている・・・
県知事さんはどうするのかなあ。
沖縄の方でも、基地に対していろいろな立場、考え方の方がいて、
なかなか答えをまとめられずにいるというのが現実のようです。
考え方の違い、
実際に騒音などの被害を受けている人、いない人、
在日米軍関係の利害関係がある人、ない人、
基地問題に関心がある人、ない人・・・
代替案なしで沖縄から(国内から?)基地すべてを撤退してほしいと訴える声。
当然ですが、どこへ移ってもその地域からは反対の声が上がります。
アメリカであるグアムでも同じです。
長い年月の間に、何本もの糸が絡み合ってしまっている。
どれかを引っぱってもきつく絡まるだけ。
一本一本の糸を、根気強くほどいていけたらいいけど、
でも誰がどうやって?
個人的に疑問が3つ。
(1)在日米軍が日本を守る、という部分、日本の自衛隊との兼ね合いはどうなっているのか。
下の図にもあるけど、在日米軍の人数や戦闘機より、自衛隊員のほうが何倍も多いです。
陸上兵力/艦艇/作戦機の数
防衛省・自衛隊:日米安全保障体制より
(クリックで拡大)
9条にある「武力の行使、交戦権」についても、
防衛省のサイト「自衛隊:憲法と自衛権」で解釈が書かれています。
「自衛権の行使に当たっては、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然のことと認められており、その行使は、交戦権の行使とは別のものです。」
(2)終戦前からすでに米軍よって建設されていたという普天間基地。
終戦後、経済上の成り行きで人が集まって来たというのはわかるけど、
あれほど基地から近い場所に家や施設等を建てることがなぜ可能だったのか?
自分の土地だから?基地がすぐに撤退すると思ったから?
何かしら理由、事情があるはずだけど、誰もが疑問を持つことだと思う。
(3)辺野古周辺の「ジュゴンを守るために基地建設反対」
というものがありますが、その活動をされている方々は、
仮にジュゴンがいなかったら受け入れる、というわけじゃないんですよね?
* * *
参考>>
日米地位協定Q&A(外務省)
日米安全保障条約(外務省)
在日米軍再編(外務省)
陸・海・空自衛隊の任務(防衛省・自衛隊)
自衛隊:在日米軍などの兵力態勢の再編について(防衛省)
* * *
「誰も知らない基地のこと」は最後に、
「アレン・ネルソンの思い出に捧ぐ」という言葉で
締めくくられています。
ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?
[ アレン・ネルソン ]
↑小学生高学年くらいから読めます。
(アレン・ネルソン氏プロフィール)
貧困家庭に育ち、高校中退後、1965年、18歳で海兵隊に志願入隊。
1966年、沖縄駐留を経て、ベトナム戦争の最前線に派遣。
1970年1月に除隊するが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に、長く苦しむ。
1995年に沖縄で起きた海兵隊員による少女暴行事件をきっかけに、
1996年、沖縄を訪れる。以来、毎年、市民グループの招きで来日。
全国各地で、延べ1000回以上、自身の体験を語り続けた。
2009年1月 多発性骨髄腫を発症。2009年3月25日 家族に見守られながら永眠。
多発性骨髄腫は、ベトナム戦争で米軍が使用した枯葉剤に被曝した兵士に、
多発する病気であると、アメリカ退役軍人省も認めている。
「誰も知らない基地のこと」という映画のDVDを見ました。
誰も知らない基地のこと
この映画を撮ったのは、二人のイタリア人の監督さんです。
最初はイタリアの米軍基地のことを映画にしようと考えたそうですが、
それは世界中の基地問題につながり、そして沖縄を抜きには語れない
ということになったそうです。沖縄の基地関係のシーンは存在感があります。
映画の中にはもちろん衝撃的な真実も含まれるし、
想像・憶測の域を出ないものもあります。
私の中で、「沖縄の基地」と言うと「ふてんま」「かでな」「へのこ」・・・
という言葉を聞いたことがあっても、漠然としたイメージしかありません。
「沖縄に駐留する米軍の主な基地と部隊(STOP!! 米軍・安保・自衛隊)」より(クリックで拡大)
1つとても考えさせられたのは「海兵隊」の存在です。
アメリカの海兵隊は、戦車や戦闘機なども持っていて、
空も海も陸も、どこでも戦えるように訓練されている。
”海”と付くけど、海軍とも違い、敵地に上陸して最前線で戦う人たちです(たぶん)。
ちなみに沖縄県の普天間基地はアメリカ海兵隊の基地、
嘉手納基地はアメリカ空軍の基地なんだそうです。
普天間基地はアメリカ海兵隊飛行場・機能と役割
(「普天間基地@米軍飛行場がある暮らし」)より
在日米軍の専用施設だけで日本には57施設、そのうち25施設が沖縄県にあり、
その中で海兵隊の施設が大きく占めています。
(合計 専用施設57, 共同利用施設28, 一時利用可能施設119)
配備部隊(Wikipedia)
アメリカ陸軍: 2,501人
アメリカ海軍: 6,766人
アメリカ空軍: 12,490人
アメリカ海兵隊: 14,951人
合計: 36,708人
日本外務省発表「米軍人等の居住者の人数について」(平成20年3月31日時点)
沖縄の基地問題がより深刻なのは、そのあたりのことも関係しているようです。
そして、普天間基地の移転(辺野古に代替施設?、海兵隊や関係者のグアムへの移転)
についても、地元の賛否も分かれ、二転三転しているようなのです。
普天間基地返還と代替施設について
普天間基地移設をめぐる宜野湾市民の願いと現実
(「普天間基地@米軍飛行場がある暮らし」)より
つい最近も新聞に、”辺野古への移設が動き出す?”
というような記事がありました。
政府は3月中にも県知事に埋め立て申請をしたい
県知事は、申請を受けたら、名護市長の意見を聴くことになっている
県知事の許可には、名護漁協の同意が必要
名護市長は反対の姿勢を見せている
名護漁協はほぼ同意の姿勢?
名護市長と名護漁協の意見が分かれている・・・
県知事さんはどうするのかなあ。
沖縄の方でも、基地に対していろいろな立場、考え方の方がいて、
なかなか答えをまとめられずにいるというのが現実のようです。
考え方の違い、
実際に騒音などの被害を受けている人、いない人、
在日米軍関係の利害関係がある人、ない人、
基地問題に関心がある人、ない人・・・
代替案なしで沖縄から(国内から?)基地すべてを撤退してほしいと訴える声。
当然ですが、どこへ移ってもその地域からは反対の声が上がります。
アメリカであるグアムでも同じです。
長い年月の間に、何本もの糸が絡み合ってしまっている。
どれかを引っぱってもきつく絡まるだけ。
一本一本の糸を、根気強くほどいていけたらいいけど、
でも誰がどうやって?
個人的に疑問が3つ。
(1)在日米軍が日本を守る、という部分、日本の自衛隊との兼ね合いはどうなっているのか。
下の図にもあるけど、在日米軍の人数や戦闘機より、自衛隊員のほうが何倍も多いです。
陸上兵力/艦艇/作戦機の数
防衛省・自衛隊:日米安全保障体制より
(クリックで拡大)
9条にある「武力の行使、交戦権」についても、
防衛省のサイト「自衛隊:憲法と自衛権」で解釈が書かれています。
「自衛権の行使に当たっては、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然のことと認められており、その行使は、交戦権の行使とは別のものです。」
(2)終戦前からすでに米軍よって建設されていたという普天間基地。
終戦後、経済上の成り行きで人が集まって来たというのはわかるけど、
あれほど基地から近い場所に家や施設等を建てることがなぜ可能だったのか?
自分の土地だから?基地がすぐに撤退すると思ったから?
何かしら理由、事情があるはずだけど、誰もが疑問を持つことだと思う。
(3)辺野古周辺の「ジュゴンを守るために基地建設反対」
というものがありますが、その活動をされている方々は、
仮にジュゴンがいなかったら受け入れる、というわけじゃないんですよね?
* * *
参考>>
日米地位協定Q&A(外務省)
日米安全保障条約(外務省)
在日米軍再編(外務省)
陸・海・空自衛隊の任務(防衛省・自衛隊)
自衛隊:在日米軍などの兵力態勢の再編について(防衛省)
* * *
「誰も知らない基地のこと」は最後に、
「アレン・ネルソンの思い出に捧ぐ」という言葉で
締めくくられています。
ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?
[ アレン・ネルソン ]
↑小学生高学年くらいから読めます。
(アレン・ネルソン氏プロフィール)
貧困家庭に育ち、高校中退後、1965年、18歳で海兵隊に志願入隊。
1966年、沖縄駐留を経て、ベトナム戦争の最前線に派遣。
1970年1月に除隊するが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に、長く苦しむ。
1995年に沖縄で起きた海兵隊員による少女暴行事件をきっかけに、
1996年、沖縄を訪れる。以来、毎年、市民グループの招きで来日。
全国各地で、延べ1000回以上、自身の体験を語り続けた。
2009年1月 多発性骨髄腫を発症。2009年3月25日 家族に見守られながら永眠。
多発性骨髄腫は、ベトナム戦争で米軍が使用した枯葉剤に被曝した兵士に、
多発する病気であると、アメリカ退役軍人省も認めている。