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放射線量とかいろいろ覚え書き(2)(追記あり)

2012-01-09 16:21:40 | げんぱつ
twitterでとても興味深いツイートが回ってきたので、
こちらにも書き留めておきます。

PKAさんのわかりやすい放射性物質の影響に関する講義 - Togetter」より

主婦の方とPKAさんとのやりとりです。
ここでは、特に印象的なものを抜粋していますが、
全てを読んでから各自でお考えくださいね。

(’12/4/5追記;ちなみに私は、”放射線を正しく怖がる”というスタンスです。≠原発推進)

PKAさんのプロフィール
”広義の放射線科のうち、放射性物質を使った
検査・治療を行う核医学分野の医師です。”

「ちょっと飛ばしすぎた感があるので、この話は一旦切りましょう。簡潔に言うと、専門家らしく見える人が必ずしも全ての専門家ではないということです。では、この件はまた興味が湧いたら聞いてみてください。」

「次に2つ目。武田氏は正しいことと混ぜて間違ったことを言う(しかも引用元表記がないので元情報を確認できない)という問題があるんですよ。一番検証しづらいやり方で、意図的なのか偶然なのかは知りませんが、厄介なのは確かです。(続く)」

「たとえばこれ( http://t.co/N9yWBPr1 )。彼は非常に上手なので、断定はせずに、でも『原発事故が原因』かのように誘導しています。でも、白血病がそんなに早く発症するはずないんですよ。この症例は明らかに原発事故以前に最初の白血病細胞が生まれてます。」

「ということで、彼は言質を取られないように上手く言い回してはいますが、伝わる情報には大嘘が含まれます。ちなみに、この『白血病にしては早い』ってのは、白血病は最初の1個が出来てから、それがものすごい数まで増えて初めて発症するんで、実際は何ヶ月もかかるんですよ。」

「次にEM菌。これは断言します。全く役に立ちません。EM菌が放射能を分解するという触れ込みですが、菌が行えるのは生化学的な反応(化学物質としての反応)までであって、原子核の中身をいじるのは物理的に不可能です。むしろ雑菌で感染症起こしうるので絶対にやめてください。」

「それと、微量放射線による下痢・鼻血・心筋梗塞という噂に関しては、『それは放射線の影響ではなく別の原因』と断言していいです。なぜなら、それと同等〜遥かに高線量の被曝をさせるような検査・治療の副作用にそんなものはありません。」

「強調しておきたいのは、内部被曝というのは今回の原発事故で初めて起こった未知の出来事ではなく、医療の世界では何十年も前から普通に発生している出来事であり、さらに言うと、体内のカリウム40や炭素14という天然放射性物質で生まれる前からみんな内部被曝してることです。」

「あと、鼻血とか下痢とかってのは、放射線の急性症状といいますが、こんなのが出て普通に回復すると思ってるのは、高線量放射線への認識がめちゃくちゃ甘いです。仮に放射線でそんな症状が出たら、かなりの確率で死にますよ。高線量の放射線は本当に凶悪ですから。」

「あ、天然放射線と人工放射線ですか。それも有名な嘘です。天然だろうと人工だろうと放射線は放射線ですんで。前にも書いたことですが、『バットで殴ったら怪我するけど、丸太で殴っても怪我しない』って言ってるくらい滑稽な話です。」

「我々の考え方はこうです。『天然の放射性物質も人工の放射性物質も同様に健康に悪影響を持つが、そもそもの量が微量であるので、目に見えるような悪影響としては出てこない』」

「実際のところ、この仮説が本当に正しいかは分からないんですが、確かなのは『低線量被曝の悪影響は調べても調べても分からないほど小さい』ということなので、そんな小さいリスク相手にするよりは、他のもっと目に見えたリスクを小さくする方がいいだろう、というのが私の意見です。」

「ただ、このプルトニウム、人体にはほとんど吸収されないんですよ。排泄経路が細い代わりに、吸収経路も細いわけです。もちろん、α線核種で生体影響は大きいので、触れないに越したことはないですが、幸いそもそもの量が非常に少なく拡散もしにくい物質です。」

「身近な例に例えると分かりやすいかもしれません。放射線は『1等しかないけど1等が当たると癌になる宝くじ』と思ってください。そんな宝くじを1枚2枚もらったところでまず当たりませんが、あまりにも枚数が多くなると1等当選も現実的になってきます。」

「 『僅かな放射線でも僅かながら癌を増やす』という考え方を基本にしているわけです。で、こういう影響の場合、『どこまで安全か』というのは非常に難しい質問になるんですよ。さっきの宝くじの例えで言えば、『何枚までならもらっても安全か』って質問になるんですね。」

「ただ、まあそんなこと言ってるときりがないので、既知の情報をもとに『この程度までなら十分余裕を持って「大丈夫」と言っていいだろう』って値が出されています。これが国の決めた食品なり飲料水なりの規制上限値で、(続く)」

「あれは規制上限ギリギリのを摂取し続けても『大丈夫』って言えるくらい厳しい設定になっています。実際、多少超えたところで何も起きません。ただ、量が増えるごとにじわじわと危険度は上がるので、『これ以上のものは流通させちゃダメ』って決めてるんですね。いわば『けじめ』。」

「なので、『絶対安全』はない一方で、予め決められた基準値がきちんと守られている限りは、危険性は無視していいレベルに留まると考えてもらっていいです。これは毒物とかでも一緒の話。実際、日常の食品にもごく微量の毒物は常に入っていますが、微量だから大丈夫なんです。」

「で、暫定基準値を超えるお米をどれだけ食べ続けたら問題かが質問でしたね。米の暫定基準値500Bq/kgでしたっけ。仮に1000Bq/kgの米があるとして内部被曝を計算してみましょう。セシウム137の実効線量係数(mSv/Bq)は1.3*10^-5ですから、(続く)」

「1000Bq/kgの米を1kg食べたら13μSvの被曝ってことになりますね。ハッキリ言いましょう。こんな被曝はゴミ。私なら毎日でも容赦なく食います。これが10000Bq/kgの米なら1kg食べて130μSv。ちょっと気持ち悪いですが、まず何も起きません。」

「でも、浴びないに越したことはないわけで、500Bq/kg未満のを食べた方がいいとは当然思います。もっと少ないならもっといいですけど、それくらいになると「ダイエットで体重1グラムの変化に血眼」みたいな話になるので労力の無駄。別のことやった方が余程有意義です。」

「では、残りの質問もスパスパ答えていきましょう。まず越谷から明石に引っ越す件。空間の放射線レベルがそんなもんであれば、引っ越すのは負担を増やすだけであまり意味はないと思います。お子さんにもストレス与えて、逆に病気などのリスクを上げる可能性さえあると思います。」

「この話で重要なのは、無農薬だから安心で安全だ、ということだって思い込みかもしれないということです。何を食べるにせよ、どう生活するにせよ、リスクを完全に除去はできませんし、小さすぎるリスクは比較自体が難しいので、気にしても仕方がないというのが私の持論です。」

「最後の小出さん。私は彼のことはあまり知らないんですが、以前から原子力には反対する立場だった方のようですね。状況でコロコロとスタンスを変えていないので、その意見には一定の重みがあると思います。ただ、彼の著書で主張している内容を見ると、やはりちょっと変なんですよ。」

「可能性が極めて低いことを伏せて語ったら、言ってる内容は嘘じゃなくても、伝わる内容は嘘になってしまいます。自分の立場(反原子力)に都合がいいからって、こういう印象操作は許されることではないです。」

「ということで、小出さんのことはあまり知らない立場ながら、その主張を調べた感じでは、ちょっと自分の反原子力というスタンス(思想と言ってもいいです)を大切にするあまり、中立的に話せなくなってるのかなぁ、という印象は受けます。」

「次に免疫の話。世間ではよく『免疫力を上げる』として健康食品などが売られていますが、免疫ってそんな単純なものじゃないんですよ。そんな食べ物などでホイホイ上がったり下がったりしたら困ります。私はああいう売り文句は「おまじない」と見なしています。」

「というのは、免疫ってきちんと正しい相手に正しく働かないといけないものなんですよ。強けりゃいいってものではないんです。強い免疫が引き起こす病気ってのもありますし(アレルギーや自己免疫疾患)、一筋縄じゃいきません。」

「なので、きちんとした効果がある物質にはほぼ確実に副作用がつきまといます。体内で起こってる現象はすごく複雑ですから、特定部分に影響して他の部分に影響しないものなんてほとんどなくて、狙ったこと以外の現象は全部『副作用』になるんですね。」

「つまり、健康食品などが『副作用がない』って謳ってるのは、要するに効能もほとんどないと考えていいわけです。何もしない物質なら、悪いこともしません。」

「明確なのは、人間はいろいろなものを摂取して生きてきたということ。そして僅かな毒や害は克服して生きてるということ。なので、私の意見としては、「○○がいいから食べなきゃ!」的に特定のものを摂取するのでなく、多くの種類のものをバランスよく摂るのをお薦めします。」


この「まとめ」に対するPKAさんのコメントより
「確かに科学で『絶対』は言えないので、実は低線量被曝はすごく有害なのが、過去の調査では偶然にも網を全部すり抜けた可能性も絶対に無いとは言えません。あらゆる観測をすり抜けた巨大隕石が数分後に地球を滅亡させる可能性がゼロではないように。でも、そういうあまりにも小さくて通常は相手にされない可能性を過大に取り上げたことが、今回の原発の件では多くの混乱を引き起こしてる気がするのです。」

「こう書くと、『巨大地震と大津波は起こったし、原発事故も起こった』という指摘が出たりするかもですが、あれは後から「実は危険性が指摘されていた」とか「使用期限を過ぎた炉だった」とか、そこまで極端に小さくはないリスクを看過していた(主に対応にかかる費用の問題から)ことを匂わせる話が出てきていると私は認識しています。」

追記:
「内容に1ヶ所間違いがあるのを指摘されたので訂正します。武田氏の8月末の白血病記事を『時期的に原発事故が原因というのはあり得ない』としたのは、私が他の事例と混同したことによる誤りで、この事例自体は時期的には原発事故由来の白血病である可能性を否定できません。」

「ただ、近所に住んでいた程度では推定される線量が非常に少ないことより、原発事故が原因である可能性は非常に低く、原発事故が原因であるかのような誘導が適切でないことには変わりありません。なお、この白血病の原因が原発事故である可能性は、体内の天然放射性物質が原因である可能性より低いと推定されることは付記しておきます。」


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ブログ内参考>>
放射線量とかいろいろ覚え書き(3)「放射線の被曝量と人体への影響」 2012-04-06
放射線量とかいろいろ覚え書き(随時追記) 2012-01-09

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