地震イツモノート
―阪神・淡路大震災の
被災者167人にきいた
キモチの防災マニュアル
印象に残ったこと。(茶色の文字は引用です)
「日本の面積は、世界の面積の400分の1。
そこに、世界の地殻エネルギーの10分の1が集まっています。」
「地震が起きる可能性、『もしも』ではなく『いつも』あるのです。」
「その時。何が起きたかわからない。
それは、地震に持っていたイメージとかけ離れていたりします。」
「地震の瞬間は何もできない、と、考える。」
「家具は倒れるもの」「インテリアは飛ぶ!」「ガラスは割れる」
「街がガス臭かった」
「生き残りの鍵は『知恵』」
ヘリコプターの音で声が聞こえなかった
「互いに必要な連絡や声かけ、救助活動に支障をきたしました。
普段なら電車で20分のところでは、いつもと変らない日常生活がいとなまれているという現実。
地震によって、被災者と傍観者、見る者、見られる者という大きな溝が生まれていることに、
気がつかない人も多くいました。」
→もちろん、ヘリコプターや、傍観者が悪いわけじゃないことはみなわかってる。
この本を読んでこういう事実があったということを知ることができた。
大事なのはこのような場面をイメージできるかどうか、だと思った。
情けなさに泣きはじめた
「服の救援物資がきて、その中に一着だけきれいそうでよさそうな服が入っていた。
それをめぐり取り合いになった。
それを見ていた一人の主婦が『情けない!やめてよ!』と叫んで泣き始めた。
取り合いをしていた人たちも我に返り、情けなさに泣き始めた。」
私だってその場にいたら取り合ったかもしれない。
やりきれません。
* * *
わかってはいるけど、どこか他人ごと。
非現実的という希望的観測?
でもこの本を読むと、具体的だから説得力があって現実なんだと思わされる。
闇雲に怖がってもいけないけど。
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興味深いのは、最後に「地震が教えてくれる未来」として、
災害弱者について触れられていることです。
「自分の身は自分で守れ」から「自分たちの身は自分たちで守れ」へ。
「私」から「私たち」へ
これも、著者の方が体験から学ばれ気づかれたことなのだと思う。
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私たちにできることとは?
具体的に行われている試みが紹介されています。
いかにも「防災イベント」では、なかなか人が集まらない。
楽しいイベントの中で、防災に役立つような体験ができるような工夫を凝らす。
イザ!カエルキャラバン>ワークショップ紹介
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このほかにも、被災された渥美公秀氏(監修)の5つのコラムや、
感動したお話、いろいろ役立つ内容が書かれています。
イラストがいっぱいの読みやすい本です。