名古屋するめクラブ

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<ライブ> ハイドン トランペット協奏曲 名フィル第335回定期演奏会

2007年04月21日 23時15分11秒 | 観る(ライブ)

今日の演奏会のテーマは、『交響曲の変遷』。

交響曲の形式を確立したのはハイドンで、それは18世紀半ば。
20世紀、ブリテンがハイドンの形式から脱し、オネゲルはその形式を貫いた。

2人とも紛れもない“交響曲の父”の末裔。
“交響曲の父”と、その末裔の交響曲はあまりにも興味深い聞き比べでした。

何せ、初っ端(しょっぱな)が、ブリテンの「レクイエム」(レクイエムと言っても、さすがブリテン。打楽器やホルンが大活躍の現代版レクイエム)でしたから、2曲目のハイドンがかすんで聞こえるほど。また、ハイドンの形式を則ってはいるものの、オネゲルの「典礼風」も大物パーカッション大張り切りの派手で賑やかなもので、ハイドンがこの末裔の、自分と形式は同じと言えどもまるでかけ離れた印象を持つこのシンフォニーを聞いたとしたら、目を丸くしてびっくりしたことでしょう。

とは言え、今日の主菜は、間違いなくこの曲。
ハイドンというだけで付け足されたような演目だったけど、
ソリストの美しいトランペットの調べによって、今日のコンサートの
「つかみ」から「オチ」まですべて持ってっちゃった曲。

ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調。

ゲストトランペッター、マティアス・ヘフス。

彼のトランペットは、いかにもノーブルでまるで神へ捧げられたような、
全存在を優しく包み込むような、でも、あくまでもニュートラルな、
肉体をすーっと通り抜けるような、でも、心と脳に残り続けるような
ほんとに透明無色でありながら、甘~く柔らかなウツクシイ音色。

あんな音、ほんとにキレイな心の持ち主じゃないと出せないと思う。

トランペットに対する謙虚さみたいなのがにじみ出てた。

やっぱりキーワードは謙虚か。

感動した。マジで。

ハイドン:トランペット協奏曲
ムーティ(リッカルド),フィルハーモニー管弦楽団
アンドレ(モーリス), 東芝EMI
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 「音楽の絆」シリーズ春季
第335回定期演奏会 “交響曲の父”とその末裔 
4月20日(金)愛知県芸術劇場コンサートホール
[指揮]高関健
[トランペット]マティアス・ヘフス
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲) 作品20
ハイドン:交響曲第100番ト長調 Hob.I-100『軍隊』
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe-1
オネゲル:交響曲第3番『典礼風』