名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

宮本輝著 「異国の窓から」

2007年04月15日 23時01分31秒 | 読む

ずっとチェコの中世の世界に憧れてて、たまたま今
従妹がポーランドに留学中ってこともあって、今年の
ゴールデンウィークは中欧へ行こうと計画。
 
中欧への旅の前には、この本を読んでおくといいと、
Wさんに薦められて読んだのがこれ、宮本輝著「異国の旅から」。

宮本輝が小説『ドナウの旅人』を書く前、
構想を練るために出かけた旅の紀行集。


道中知り合った、解放前の東ヨーロッパの
人々の暮しと風景が垣間見れる紀行文集。


西ドイツ紀行文中の一節。

『ロシアの文学をすべて読破したとしても、
私達はロシアの星の色を、人々の匂いを、空気の肌ざわりを、
理解することなど断じて出来はしないのだ。
ある概念として、2、3歩、そこに近づけるだけである。

だが、私たちの知らない場所の、よるべない1点に立ちつくして、
何を考えるでもなく、ぼんやりとあたりを見渡しているうちに、
個々の心の領域に応じて、それまで見えなかったものが、
言葉にならないにせよ、確かに見えてくることは事実なのだ。』

これが、彼の感じる旅の意味なんだろうな。

別編「イタリー」紀行中、老夫婦と出会った一節。

『心というものがいかに大切であるか。
ひとつの心が、いかに周囲の汚れを洗い流していくか。
それを、人は異国の孤独の中で考えるといいだろう。
群集は、私をミケランジェロの壁画の一部でさえ、ゆっくりと
見させてはくれなかった。しかし、群集はその老夫婦との一日を与えてくれた』

そんな思いがけない出会いと、脈絡のない物思い。

そんなのも旅の醍醐味ですよね。

どっか遠く行きたいな。


申し込んでたツアー、「チェコ・ポーランド13日間の旅」
人数不足のため催行しないことが決定。

あ~ぁ。

え~っと、つまりね、何が言いたいかって言うとね、
GW空いちゃったから遊んでくださいってことなんです。
ね~、お花見パーティやろうよ! 


異国の窓から

文藝春秋
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ドナウの旅人〈下〉

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