印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

斜め書きの印鑑

2015年09月19日 | 店舗経営 接客
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先日、印鑑リフォームのお客様で、6本の印材を送って来られて「全て、斜めの字入れにして下さい。」というご注文がありました。当店、楽善堂のホームページ、書体の見本に斜めに文字が入っているのをご覧になって、「他店の見本に無く珍しくて面白い」と言って下さいました。書体、作風を全て変えての6本で、その中に江戸文字の書体もありました。

印鑑の文字の並べ方には、3種あります。縦、横、斜め、です。斜めの場合、右上から左下に入れます。それぞれの特徴は、
1、縦書き 一番多い方法。上から下に読むので、読みやすい。画数が多い漢字(特に横画)がある場合、横画の分間(線と線の間)が、窮屈になる。隷書、古印体のように扁平書くと格好がよい書体には向いている。

2、横書き 右から左に読むので読みにくい点がある。田島さん、田中さんのようなお名前の場合、左から読んで、島田さん、中田さんのように読まれる心配がある。右から書くのは、縦書き文書の最後に署名、その下に捺印をした文化があり、これに倣っている。横書き、と言っても、2行の縦書きで、1行に1文字しかない、という考え方もある。
文字を入れるスペース、縦を長く取れるので、横画の多い漢字でも分間(線と線の間)を楽に入れることができる。例として、斎藤さん、後藤さん、のようなお名前の場合。
特に篆書(てんしょ、印鑑特有の書体)は縦長のスペースに入れると文字の格好がよい。

3.斜め書き 右の字が少し上に上がっているので、読みやすい。縦長に文字を入れられるので、横書きと同様に文字を楽に入れられる。文字にもよるが、左右の払いの線や、右の字の人屋根(ひとやね、会う、字の上部分)の終筆を伸び伸びと書ける。

店頭の接客時、お客様から頂いたお名前を拝見して、縦書き、横書き、斜め書きなど、印(いん)として、バランスの良い並べ方をご提案しています。また、お客様のお好みも大事なので、文字並びをご指示いただいた場合は、可能な限り格好の取れる仕事で対応しております。



▲書体、隷書の縦書きです。


▲書体、古印体(こいんたい)の横書きです。右から左に「鈴木」さんです。


▲書体、古印体の斜め書きです。「吉」字の第一画の起筆部分が左に長く出せました。




八王子 印鑑 楽善堂のホームページ http://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ページhttp://inkan-reform.com

英語版のページ、外国人のお客様用ページ http://www.name-stamp.tokyo/

楽善堂のレア物印鑑・象嵌(ぞうがん)細工の象牙印鑑http://rakuzendo.com/shohin/shohin017.html


楽善堂、gooのトップペhttp://blog.goo.ne.jp/rakuzendo

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