印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

英語版のYouTube動画を公開しました!!

八王子 印鑑 楽善堂

創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。

判読できない印鑑の文字 「心」と「也」

2009年06月30日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

沖縄は早々と「梅雨明け」したそうですが、関東地区はまだ不安定な天気です。
前回に続いて「判読できない印鑑の文字」について書いてみます。

今回は「心」と「也」の字です。篆書(てんしょ)だとまるで変わってしまいますね。「也」の方はまだ楷書に近い部分もありますが、「心」は楷書からは推量できない篆書になってしまいます。ここで「心」と「也」を一緒に取り上げたのは、篆書にすると同じような文字になるからです。楷書では明らかに違いがわかります。見習い修行時代は、この2文字の篆書の区別がすぐに付けられなかった記憶があります。

「心」の篆書は、人の心臓をデザイン化した文字にも見えますね。“篆書は楷書と象形文字の間に位置する書体” 私としては、こんな捉え方をしております。


▲「心」の篆書。右列の最上段の字と、下にある「也」の上段の字はよく似ている。
左列の上、2字は心臓の絵のようでもある。


▲「也」の篆書。「篆刻字林」には珍しく2文字だけの掲載だった。


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父の日のお礼

2009年06月27日 | 徒然(つれづれ)なるままに・・・
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

お早うございます。。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。サマータイムのように今朝は5時に目が覚めました。4:00代でもう明るくなってきています。

先週の日曜日、「父の日」に家族からプレゼントをもらったので、明日の日曜日の夕飯にお礼でお鮨を食べてもらうことにしました。と言っても高級なお店に連れて行くのも無理そうなので、宅配にしました。たまたま20%の割引のチラシが宅配されていました。前日までの申し込みなら更に5%値引きと書いてあったので、昨日、早々と電話をしました。

日常の食事、家族全員が顔を揃えてご飯を食べる、ということがあまりありません。無理に誰かを待つよりもマイペースを優先させてもいいと思います。特に朝は、電車の時間もあってバラバラの時間が多いものです。
しかし、週に1度ペースくらいで同じ時間に同じものを食べながら、会話をする。こんなことが大切かな、と思います。理由はなんでもいいでしょう。今回は“Re 父の日”父の日のお礼、ということにさせてもらいました。



▲ポスティングされていたチラシ広告


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判読できない印鑑の文字 「壽」ことぶき

2009年06月25日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

前回に続いて「判読できない印鑑の文字」について書いてみます。

今回は「壽」(ことぶき、今は「寿」を使う)の字です。篆書だとまるで変わってしまいますね。以前にもご紹介しましたが篆書は同じ文字でも数種あります。今回の「壽」の字も「篆刻字林」には多くの文字が出てきます。

実はこの「壽」の文字、私が初めて彫った印鑑の文字です。25年以上も前に大学卒業後、見習い修行に行って、初めて彫った文字でした。稽古彫りと言って、柘植(つげ)の木の原木に師匠が字を入れてくれて、慣れない刃物を持って3日くらい掛けて彫りました。直径で3センチ以上あった大きな丸型印です。文字は下の「篆刻字林」の下段右から2列目、上から3つ目の画数の少ない字が書いてありました。
この時に初めてみた「壽」の篆書。判読できませんでした。勝手な推測で「馬」と兄弟子に言ったら、思いっきり笑われたのをまだ覚えています。この字は、曲線がなく、直線ばかりで角をしっかり彫ったり、四角の穴の中を彫ったりの稽古によいので、初めての稽古彫りに師匠が選んだ字だと思われます。

個人のお名前に使うと「ひさ」とか「とし」といった読み方をすることが多いです。
楷書だと画数が多く難しい文字も、今回のように篆書にすると簡単な字になることもあります。憂鬱(ゆううつ)の「鬱」も同じことが言えます。


▲「篆刻字林」にある「壽」の文字。下段、右から2列目、上から3つ目の字は簡単な字です。

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「父の日」に思う

2009年06月23日 | 徒然(つれづれ)なるままに・・・
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

一昨日は父の日でした。3人の子どもたち(大学一年の娘、高三の娘、中二の息子)からお洒落なストライプスラックスと半そでの白いボタンダウンシャツをプレゼントされました。毎年、アパレル関連のプレゼントをもらっています。買い物のアドバイスはカミサンがしているようです。たいしたことをしてあげられないのに、ありがたいことです。

父の日の意義。私にとっては「父親の自覚をする」ことです。日々、仕事に向き合っていると、子どもたちとどのように関わってあげられるか、ほとんど頭の中にありません。さらに今年の父の日に猛反省なのは、この日に宴会がありビールを飲み過ぎて泥酔状況で帰宅したことです。翌日カミサンに聞けば「みんな、顔を見合わせて無言だったよ。」とのこと。「家族から見られている父親の自覚」。こんなことを考えた父の日でありました。


▲店の近くのお宅で見つけた紫陽花の花


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判読できない印鑑の文字 「印」

2009年06月20日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

前回に続いて「判読できない印鑑の文字」について書いてみます。

接客をしていて、「この字はなんて書いてあるの?」とお客様から聞かれることがあります。その中で頻度の高い文字をシリーズでご紹介したいと思います。篆書(てんしょ)で、楷書からかけ離れていると、判読できない、または判読しにくい字。ということになります。

今回は「印」の字です。篆書だとまるで変わってしまいますね。以前にもご紹介しましたが篆書は同じ文字でも数種あります。今回の「印」の字も「篆刻字林」には多くの文字が出てきます。前回の「之」と同様に会社の角印によく使用されます。
下段に3列ある中で真ん中の行の一番上の「印」と一番下の「印」は、偏(へん)と旁(つくり)で左右に分かれているので、判読し易い字になっています。
ところが、右列の一番上の「印」だと左右に分かれていた部首が、上下の配置になったので「印」とは読めなくなりました。漢字は組み合わせの部首が同じなら、配置位置が変わっても同字という場合がままあります。嶋・嶌・島などです。会社の角印の左下にある文字が読めない場合、たいていは「印」の字です。


▲「篆刻字林」より抜粋

「印」字、会社の角印でなく個人の実印で場合によって使うことがあり、苗字が2文字以上でしかも画数が多い、しかし下の名前は1文字で画数が少ない、こんな場合です。例えば「齋藤 正」さん、「加賀美 一(はじめ)」さん、といった場合です。苗字と名前で右行、左行に分けるので、左行が明らかに過疎状態になります。そのため「印」の字を入れてバランスを取ります。役所に確認したら、印鑑登録の際、姓名以外に入れてもよい文字に「印」「章(印と同じ意味)」があります。

印鑑の文字は「バランス」です。日々、お客様からいただいた仕事の中で、どうすれば格好のよいバランスの良い印になるかをまず考えております。



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判読できない印鑑の文字 「之」

2009年06月16日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日は天気が不安定なせいでしょうか、ご来店のお客様は疎らでした。一方で電話のお問い合わせや、FAXでのご注文が目立ちました。私どもの仕事、商売はメールよりもFAXのほうが、ご注文を受けやすいです。と言うのは、FAXにゴム印なり印鑑の押し型見本があると、サイズや、書体、などサンプルが原寸で提示されているからです。

接客をしていて、「この字はなんて書いてあるの?」とお客様から聞かれることがあります。その中で頻度の高い文字をシリーズでご紹介したいと思います。篆書(てんしょ)で、楷書からかけ離れていると、判読できない、または判読しにくい字。ということになります。

今回は「之」の字です。篆書だとまるで変わってしまいますね。個人の印鑑にはお名前で「雅之」さん「貞之」さんと使った場合には出てきますが、多くは角印の文末に「之印」と使うことがほとんどです。以前にもご紹介しましたが篆書は同じ文字でも数種あります。今回の「之」の字も「篆刻字林」には多くの文字が出てきます。どの字を選ぶかは、印を作る職人の好みと、他の文字とのバランスです。会社名の画数が少ない(カタカナ社名とか)なら、「之」も画数の少ない文字を選ぶし、社名の画数が多ければ、バランスで「之」の字も画数を多くします。次の理論として、1行に多くの文字を入れなければならないという場合、「之」の字の画数を少なくすれば、他の文字の領域を広く取ることができます。

見習い修行時代、彫る前に師匠に文字入れした印を見せながら、上記のことを学んできました。選字や布字(文字を配置すること)の学習も奥が深い、と感じています。


▲この角印は右上から「幸輝商会之印」と彫ってあります。左上の字が「之」字です。


▼「篆刻字林」の「之」の字のページです。かなり多くの字が出てきます。



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漆印鑑

2009年06月13日 | 印鑑の素材
印鑑 八王子 楽善堂
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日は蒸し暑い日になりました。梅雨時の晴れ間だからでしょうか、私が居る店の湿度計で70%を超えています。体感で快適と思える湿度は、50%~60%くらいのようです。

今日は漆印鑑のご紹介です。黒水牛の印材に漆を塗り薄い白蝶貝で模様を付けました。
店頭に並べておくと女性のお客様の目に留まり、ご注文をいただくこともあります。“印鑑”は、用途だけからすれば正しい文字が紙に押せればいいわけですから、印材の装飾はなくてもよいわけです。ところが、“印鑑”は靴や洋服以上に長く使います。そのため“心の豊かさ”のようなものがあってもいい、というのが私の考えです。

印鑑を押す時に、心楽しい気分になれる印鑑材料ならば、持っている方にとっては“心の財産”になるかと思います。


▲漆の色は赤、濃い緑、藤色など。薄い白蝶貝を蝶々や花柄の模様にしてうめこんであります。
お値段はケース付き、彫刻料込みで、22000円(税込み)です。


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印鑑の悪徳商法

2009年06月11日 | 店舗経営 接客
印鑑 八王子 楽善堂
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今朝、NHKテレビのニュース番組を見ていたら、印鑑の悪徳商法が報じられていました。渋谷の駅近辺で20代から60代くらいまでの女性をねらって、近くのオフィスに連れて行き「疫病神が取り付いている、印鑑を買えば救われる」といったようなことを言って、10万円ほどの印鑑を買わせていたという内容でした。

はっきりお伝えしたいです。印鑑そのものが、人の運命や人生を悪くしたり、よくしたりすることはありません。今回のケースのように印鑑がないから不吉なことが起こることもありません。大切なのは、心も持ち方です。「この薬は必ず頭痛に効く」と思って飲めば効果が現れた、という例があります。「この印鑑が私のこれからの人生を更によくしてくれる」と思うことがポイントで、高価な印鑑を机の中にしまっていることが、人の人生を変えることはありません。

渋谷で印鑑販売をしていた人、同じ職業人として、恥ずかしい思いです。
私は印を売るだけでなく職人でもあるので、彫る時は、今後末永くお客様にこの印を使っていただいて、印がお客様の人生の節目節目で役立って欲しい、そんな思いで作っています。

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あじさいまつり(白山神社)

2009年06月09日 | 店長のプライベート
印鑑 八王子 楽善堂
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

一昨日の日曜日は爽やかな夏日でした。
新聞の夕刊の記事で見つけて一人ぶらりと文京区、白山神社に紫陽花(あじさい)を見に行きました。境内に色取り取りの紫陽花が咲き乱れていました。紫の色が多いですが、白や薄色、濃色ピンクの紫陽花もあります。同じ紫陽花でも咲き始めの時と盛りの時では色は変わっていきます。別名を七変化というのもうなずけます。

神社の近くの氏子町内会や商店会の皆さんが、お手伝いで袢纏(はんてん)を着て動いていました。大きな提灯の飾り付けや模擬店の開催など、行なっていました。「紫陽花コンサート」と銘打って、6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)の日に6つのコンサート(和太鼓や吹奏楽、ジャズ演奏など)も開催しています。「文京あじさいまつり」、行政と地域が一体となって、このような企画、イベントが盛大に行なわれているんだなあ、と感じました。


▲神社の幟旗も立てられて、賑わい感が演出されている。


▲“紫陽花富士”と名付けられていた。富士山の山のような形に紫陽花が咲いていた。


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印鑑(花押印 4)

2009年06月06日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
昨日も今日も八王子は小雨交じりの天気です。もう梅雨に入ってしまったのでしょうか。

花押の作風の中に「明朝体」というものがあります。中国の明代(1368~1644)の洪武帝の頃に始まったので、この名前があります。日本では室町時代の末期から使用され始めました。花押の上と下に水平な線があり、下の線をかなり長く引くのが特徴です。

活字にも明朝体があり、こちらの方が皆さんには馴染みがあると思います。学校で習う書体は、楷書体です。楷書体は横線が右肩上がりですが、明朝体の横線は水平です。活字も花押も横線が水平と言う点では、共通部分があります。

徳川家康が使った花押が下記のもので、以後一世を風靡するようになりました。別名、徳川判とも呼ばれています。明朝体花押は、花押の形式として最も完成された書体です。  (花押印のブログは今回で終了です。)


▲この花押は徳川家康のもの。明朝体の作風特徴がよく出ている。


花押印のページhttp://rakuzendo.com/shohin/shohin012.html

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