印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

英語版のYouTube動画を公開しました!!

八王子 印鑑 楽善堂

創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。

1辺45ミリの角印を彫る ー 刻字でUSAを有恵須栄に漢字変換ー

2023年04月09日 | 印鑑リフォーム
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて124年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先月、1辺が45ミリある正方形の印鑑、角印の注文をいただきました。他に、1辺36ミリ、30ミリ、27ミリ、とありました。お客様は、全てアメリカからの方で3名様、空手の先生です。当店の近くに空手の道場があり、創立80周年の記念式典が八王子のホテルであり、そのために日本にお見えになりました。アメリカでは注文するお店を無いので、日本に来た機会にお見えになりました。1人のお客様は、アメリカ、ニューヨークで中国人のはんこ屋さんにお願いしたが、素材が石で重いので、「軽い木製にして下さい。」のご指定がありました。

 今まで、1辺が36ミリまでの角印は彫ったことがありましたが、45ミリは初めてでした。このお客様は、本当はもっと大きな1辺が60ミリを作りたかったようでした。在庫には1辺60ミリの角印がなく、問屋からの取り寄せだと、帰りの飛行機の日にちが間に合いませんでした。

 角印に彫る文字は、「英語表記を漢字表記に変えて彫って下さい。」でした。空手道場で師範から生徒に渡す免許状に押捺するそうです。免許状の用紙が大きいので、角印の大きさも大きいものを望まれました。刻字の文字の最後にUSA(ユーエスエイ)が入る角印があり、この漢字変換は、「有恵須栄・ゆうえすえい」にしました。縦書きにして、有の左下、須の左下に漢文のレ点を打てば、「恵有りてすべからく栄ゆべし。」と読み下せます。仕上がり時に、このお客様には意味も説明致しました。

 英文を漢字に変換する仕事を時々受注しますが、近い音の漢字を捜して次には、同じ音ならば意味の良い漢字を当てるようにしております。ちなみに、木製(本つげ材)で1辺45ミリの角印のお値段は、53,800円(6文字までの彫刻で税込)になります。



▲下段が1辺45ミリの角印の印影見本です。上段は36ミリ角印です。
 通常、会社の角印は1辺、21ミリまたは24ミリ位が一般的な寸法です。



八王子 印鑑 楽善堂のホームページ http://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ページhttp://inkan-reform.com

英語版のページ、外国人のお客様用ページ http://www.name-stamp.tokyo/

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持ち込みの象牙印材に銀丹を入れる

2022年05月14日 | 印鑑リフォーム
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて123年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 ブログの投稿、ご無沙汰をしておりました。また、よろしくお願い致します。
先日、未彫刻の象牙の印材をお持ち込みで「文字を彫って側面に前位置の印(しるし)を
入れて下さい。」というお客様が見えました。銀丹(ぎんたん)と言って、銀製の薄い板(15ミ
リ×3ミリ)を入れることをご提案しました。

 昭和の時代は、実印の場合はたいてい銀丹が入っている印材が多く出ていましたが、
時代と共に無地(前位置の印(しるし)が無い)印材が主流になってきました。理由として、印
鑑を捺す時は慎重に捺すことが必要で、そのためには一度、彫刻面を見てどこが前位置(上
位置)かを確認してから捺す、というものです。

 おそらく、このお客さんは銀丹の入っている象牙の印材を以前にご覧になった記憶があ
り、そのように作りたいを思われたことと考えられます。当店では、特にお客様からのご
指示が無ければ、無地の印材をご提案して、納品時に小さな丸い金色シールを前位置(上位
置)に貼っております。お客様が押捺に慣れてきた場合、いつでも金色シールははがすこと
ができるからです。

 実印、銀行印と違い、普段の仕事で使う場合には、銀丹入りでなく、指型付き(ゆびがた
つき)のご提案も致します。これは、長方形のへこみが前位置(上位置)にあります。指で持
てば、すぐに前位置が分かります。シャチハタのネーム9は、気が付いている方は少ない
と思いますが、前印(まえじるし)がきちんと付いていて、ライトグレーのライン(Xstamper
の文字入り)が前位置(上位置)になります。


▲象牙印材の3種類です。左から無地・銀丹入り・金丹入り です。
ちなみに、無地の印材への加工工賃は、直径15ミリ、長さ60ミリの場合で、
銀丹入り加工 ¥3300(税込) 金丹入り加工 ¥9800(税込)になります。



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令和入り回転ベルト式の日付スタンプ

2019年07月13日 | 印鑑リフォーム
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて120年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

回転ベルト式の日付スタンプで、2社のメーカーの『令和』入りがそろいました。シャチハタ社とサンビー社から発売されています。お値段は5号活字のヨコ型で、2社とも2050円、別途消費税です。

タテ型は需要が少ないせいか、発売は8月になります。現状はヨコ型で大きさ、3号活字、4号活字、5号活字とあります。数字の大きい方が号数活字は小さくなります。3号は、シャチハタにあって、サンビーからは出ていません。同じ活字の号数でありながら、サンビーの方が印字の幅が長くできています。規格4号で、サンビーは52.5ミリ幅、シャチハタは42.5ミリ幅で10ミリ、シャチハタの方が短くできています。捺す場所の用途でメーカーの使い道が分かれます。

お近くのはんこ屋さん、または文具屋さんでお取り寄せが可能です。



▲左からサンビー5号活字、4号活字、シャチハタ3号活字です。サンビーはグリーン、シャチハタ製品はブルーです。






▲シャチハタのカタログより。上段はトビ日付と言って小切手、手形に捺せるように文字間が空いています。
 まだカタログは刷新されていないので、平成になっております。





▲サンビーのカタログより。シャチハタと同様、「令和」だけでなく、ベルトを回転させて入金、支払、受付
 などの文字も印字可能です。





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印鑑の外枠のみ補正

2018年02月23日 | 印鑑リフォーム
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先日、山口県のお客様から「印鑑のフチ(外枠)を細くしたいけれど」というお問い合わせをいただきました。印鑑リフォームのホームページをご覧になってご相談なさっと思います。初めに作成依頼をされたはんこ屋さんでは「太さはそのくらいのものですよ。」と言われたとのことでした。メールの添付で印影を拝見しましたが、確かに必要以上に太い外枠でした。

外枠を細く仕上げる工賃で1080円のお見積りをお出ししたら、2本の印材の外枠を細くする仕事になりました。他に、別の印材を一度平面にして新規に文字を彫る仕事、新しい印材に彫る仕事、合計4つの仕事になりました。

印鑑の外枠は、基本形は細く仕上げます。荒彫りで太く彫っておき、仕上げの作業時に細くします。印面(紙に当たる部分)は細くても下の部分は太くて丈夫な印鑑、になります。断面図だと、川の土手のように作ります。ほとんどの書体は細枠ですが、唯一、中輪(ちゅうわ)の細字篆書という作風があり、これだけは外枠は太く作ります。現在では正方形の角印にその作風を残しています。戦前から昭和の30年代くらいまでは、丸い印鑑、実印、銀行印なども中輪の細字が主流でした。

下記に細輪の中字篆書、中輪の細字篆書の作品例を出してみます。中輪の細字篆書は文字自体を小さく書くので、明るくさっぱりとした作風になります。



             

39が細輪の中字篆書、44が中輪の細字篆書です。
右から読んで、青木、島田です。


外枠の補正、文字の補正など、ご相談にのります。お見積りは1080円からで適宜ご希望により変わります。
相談だけは無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

通常の印鑑リフォーム料金表です http://inkan-reform.com/price/




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印鑑リフォーム、前と後の印材の長さ

2017年08月21日 | 印鑑リフォーム
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

先日、象牙の印材をお預かりして、リフォームさせていただきました。面訂(めんてい)といって、一度、彫刻面を平面にします。文字を彫ってある分だけが短くなるわけですが、見掛け上は、ほとんど短くなったことがわかりません。一気に短くする作業をするのでなく、少しずつ短くしていきます。1回目の面訂では、深く彫ってある箇所が少し、残ります。2回、または3回目で平面にしていきます。こうすることで、印材の長さを極力、長い状態に留めることができます。面訂は、電動式の面訂専門の機械で擦り下ろして、最後は手作業で、微妙な高低のうねり部分を修正します。

写真にあるように、ケースに収納すると、僅かな長さの違いがスペース部分を見ることでわかります。印鑑の彫刻面の彫りの深さは、大きな正方形の角印以外、通常の円形印鑑は、たいてい1ミリ以内です。


▲左は面訂のしていない新規印材、右は面訂後の印材です。



▲面訂前に印材をケースに入れました。



▲面訂後の印材をケースに入れました。僅かなスペースが
あります。




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