印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

印鑑を彫る刃物を研ぐ

2009年03月28日 | 店舗経営 接客

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

昨日は印刀(いんとう)と仕上げ刀の刃物研ぎをしました。
印刀は印鑑を彫るための刀(刃物)です。荒彫りといって文字以外の部分を彫って削り取ってしまう作業に使います。仕上げ刀は荒彫りの後に、少しギザギザした線質を修正したり起筆表現、終筆表現など細かな部分の線質を作っていきます。

写真の左側は砥石(といし)で、人工砥石です。上に黒い水が出ています。これは印刀を研いで印刀の金属が融けて出てきたものです。研いでいる途中に写真に収めるのを思い出して携帯電話で撮りました。雑巾を下に敷いて砥石が動かないようにします。
上に見えるのは竹の棒で研ぐ時に左手で印刀を抑えます。

右側の砥石は仕上げ砥石です。人工砥石で研いだ後に仕上げで刃を付けます。

印刀が切れていると仕事も気持ちがいいものです。彫っていてシャリシャリする感覚です。
反対に刃物が切れないとボソボソとした感じです。

私の師匠は「印刀を見るとその職人の腕前が判るんだぞ」と言っていました。


▲刃物を研ぐ砥石。「刃物が作れなきゃ職人じゃない」とは師匠の言葉。
中央4本の刃物のうち、一番右が仕上げ刀、左3本は荒彫り用の印刀
荒彫りの印刀はあと、5本持っています。


楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com

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