「生きているという事は何か?
その定義は循環にある。
有機物が循環するシステムを我々は生命と呼ぶ。
その定義にのっとるなら生命の最小単位は細胞だと考えられる。
細胞こそが最小単位の生命である。
なら、人間は多くの細胞が寄り集まって1つにまとまって生きている細胞の共同体だと言えはしないだろうか?
ハチやアリなどの昆虫を『社会性昆虫』と呼ぶ。
女王を中心としたコロニーは1つの巣としてとらえらえるが、その巣を支えているの多くの生命だ。
人間は1人と数えられるが、その1人の人間は何兆個もの生きている細胞が集まった生きた細胞の固まりである。
その多くの細胞を制御してコントロールするのが脳だ。
その脳に自我が宿っている。
脳はコントロール器官にすぎない。
国家で言うなら脳は政府だ。
過去の我等の政府は、政府の都合で多くの国民の生命を犠牲にしたが、それで良かったのだろうか?
自我は脳の働きにすぎない。
その自我の勝手で、何兆個もの細胞の生命を道連れにして自殺なんかして良いものだろうか?
個々の人間に宿る「自我」は単なる肉体の管理者であるとも言える。
本来なら管理者の義務はその管理する己が肉体の存続にあるはずだ。
魂があると仮定しても良いだろう。
死んでも魂が残ると考えるなら人間の身体は仮の物にすぎないだろう。
そうであるなら、さらに、借り物である自分の身体を勝手に処分して良いのか?」
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