本当を言うと、死神の言う事はよく解らない。
なんとなく解るような気もするし、共感をおぼえる部分もあるけど、死神はなにか大事な事を隠している。
それは、死神が私に『子供達の復讐』とやらをさせたい理由。
その理由が解らないかぎり、死神の真意は理解できない。
しかし、死神に復讐をさせたい動機を聞いても、お得意のへ理屈をぶちかまして逃げるだけだろう。
電車に揺られながら考える。
考えなきゃならない。時間はないけど良く考えなきゃ。死神にながされちゃ駄目だ。
死神は私の考えを知らずに話し続ける。
「現代の子供達は無意識に復讐を望んでいる。
矛盾した大人達。そういう矛盾した大人にさせられる悲しみ。
世の中から、とてつもない強制を受けている息苦しさ。
大人になる意味も、勉強する意味も、大人は誰も教えてくれない。ただなんとなく、社会的敗者にならない為には大人の言うように学校に行って勉強しなきゃならないんだろうなぁと思えるだけ。
ニートやフリーターなんて負け組になってはいけないのだ。どの大人も負けても良いよなんて甘い事は言ってくれない。負ける事は恥で、敗者になるな、逃げてはいけない。前向きに生きろと、ただそれだけを言う。
せいぜい、自分のできる範囲の限界までは頑張って、そこそこの大人にだけはなるのだと励ます。
大人達に強制され、みんなと同じ方向に向かって走らされる。
競争。かけっこ。レース。
ビリにだけはなれない。走りきらなきゃならない。
でもゴールはどこなんだ?
なんで走らなきゃいけないの?
子供達はゴールもないレースを死ぬまで続けさせられる。理由も解らないし、むしろ理由なんてないらしい。
なんで、こんな世の中に生まれてきたのだろう?
疑問はいらだちを生み、子供達に復讐の心を抱かせる」
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