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徒然草 第二百三十八段<感想>

2006-03-07 21:56:12 | 徒然草

 御随身近友が自慢話を七つ書いていたので、兼好も真似して「自賛の事」を七つ書いている。
 自慢なんかすりゃ、他人から「あー、この人はこんな事を自慢にする程度の人なんだ」と、みくびられる。
 そんな事は兼好だって知っていたはずだ。
 だが、兼好はこの段では、あえて自賛をしている。しかも、その自賛のほとんどは他人から見たらどうでもいいような内容である。「だから~?」ってなもんだ。

 自賛1、
 ある男の乗馬の様子を見て、落馬を予言した。

 自賛2、
 『論語』の気になる言葉がどこに載っているのか教えた。

 自賛3、
 製造前の、釣り鐘の誤字を指摘した。結果は、納得いく訂正ではなかった。

 自賛4
 古い額の製作者をズバリ当てた。

 自賛5
 講師も忘れていたような事を覚えていた。

 自賛6
 人がいっぱいいる中から意中の人物をすぐに探し当てた。

 自賛7
 美女の誘惑に負けなかった。

 自慢話なんかすれば、人にあなどられる。
 こんな事、兼好だって知っていたはずだ。だが、どうも、兼好はあえて自慢話をしているようにも読める。「所詮、俺はこの程度の人間なのさ」と、アジに開き直っているようにも読めるのだ。

 この段の「自賛の事七つ」は唐突すぎて、兼好の意図が、まったく良く分からない。
 
 そんなところで、今夜はかんべん。
 「口語訳」と「意訳」は、また明日。
 「本文」を書き写すだけで、今夜は万国旗なのだ。あなたが信じてくれたなら空をも飛べるはずが。

 原作 兼好法師


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