墨汁日記

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徒然草 第百三十一段

2005-11-17 20:29:59 | 徒然草
 貧しき者は、財をもて礼とし、老いたる者は、力をもて礼とす。己が分を知りて、及ばざる時は速かに止むを、智といふべし、許さざらんは、人の誤りなり、分を知らずして強いて励むは、己れが誤りなり。
 貧しくして分を知らざれば盗み、力衰へて分を知らざれば病を受く。

<口語訳>
 貧しい者は、財をもって礼とし、老いた者は、力をもって礼とする。己が分を知って、及ばない時は速やかに止めるを、智というべき。許さなきは、人の誤りだ。分を知らなくして強いて励むは、己れが誤りだ。
 貧しくて分を知らねば盗み、力衰えて分を知らねば病いを受ける。

<意訳>
 金がない奴こそ、金で買えるものが最上の物だと勘違いする。
 老いて力がない奴こそ、体力や若さを示したがる。
 自分の能力の及ばない事は速やかにあきらめる事が知恵ってものだろう。それを許してくれないのなら、相手が間違っている。自分をわきまえずに猪突猛進するなら、自分が悪い。
 足りない物を、足りない物でおぎなおうとする奴は知恵が足りない。金がないのに、分をわきまえないなら盗み。老いて、力が衰えてるのに、分をわきまえないなら体を壊す。

<感想>
 無い金を手にすることは、借金も盗みも同じ事だと最近になってやっと気がついた。手軽にキャッシングするもんじゃない。返済は「罪滅ぼし」だ。借金があるかぎり拘束されている罪人とさほど変わらない。

原作 兼行法師


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