商店街のお祭りを見学しているうちにメインのサンバの行進が通りの向こうから笛や太鼓を鳴らしてやってきた。
時間は夕方の四時半。サンバがはじまる少し前の四時すぎになると、いつの間にか街は人でいっぱいになっていた。ほとんどが家族連れか老人や子供で、俺みたいなただの男が一人で見学というのは珍しい。中学生以上の若い人の姿もほとんどない。
若い人がわざわざ時間をつぶしてまで見学するものではないらしいな。いわゆる商店街のお祭りで、いけてないんだろう。
いよいよサンバがはじまる直前になると、警備員や実行委員会の人が道の中央を開けさせる。ただでさえ多い人々は道の両側に圧縮させられて、とうとう身動きができなくなる。
ピーッピーッと笛が鳴り響く、打楽器を打ち叩き鳴らしながらサンバのリズムとともに行進が現れた。
まずは、派手な衣装に身をつつんだ男女二人が旗を手に行進の先頭に立つ。踊りながら投げキッスを沿道で見学している人に投げつける。二人とも、踊りが上手でパフォーマンスもうまい。
その後ろを若い女の子達がビキニスタイルの半裸で続く。
恥ずかしいって言ってたものの正体はこれだな。あきらかにおどりも前の二人に比べると下手で、白い肌のみがなまめかしく目立つ。近所の大学の学生なんだろうが、やってる本人達が恥ずかしがってんじゃ見てるこっちまで恥ずかしくなる。
そして楽団の行進。
打楽器、打楽器、打楽器。打楽器の行進。
あー。生の打楽器や肉声は迫力あるな。腹に響く、便秘もなおりそうだ。
派手なロボットアニメみたいな肩飾りをつけ、シャーみたいな帽子をかぶり、それぞれが手にした楽器を打ち叩く。
ある者は恍惚としながら、ある者はぼうぜんと、ある者は必死で、ある者は観客に愛想をふりまきながら。ブラスバンドと違って向いてる方向もてんでばらばら。とにかく手にした楽器を打ち叩きながら歩いている。
ビデオを撮影する人を最後に行進は終わった。
見るもんは見た、もう十分だ。俺は人ごみをかきわけて駅に向かう。
駅に着いたとたん、街は平常のいつもどおりの時間が流れていた。
時間は夕方の四時半。サンバがはじまる少し前の四時すぎになると、いつの間にか街は人でいっぱいになっていた。ほとんどが家族連れか老人や子供で、俺みたいなただの男が一人で見学というのは珍しい。中学生以上の若い人の姿もほとんどない。
若い人がわざわざ時間をつぶしてまで見学するものではないらしいな。いわゆる商店街のお祭りで、いけてないんだろう。
いよいよサンバがはじまる直前になると、警備員や実行委員会の人が道の中央を開けさせる。ただでさえ多い人々は道の両側に圧縮させられて、とうとう身動きができなくなる。
ピーッピーッと笛が鳴り響く、打楽器を打ち叩き鳴らしながらサンバのリズムとともに行進が現れた。
まずは、派手な衣装に身をつつんだ男女二人が旗を手に行進の先頭に立つ。踊りながら投げキッスを沿道で見学している人に投げつける。二人とも、踊りが上手でパフォーマンスもうまい。
その後ろを若い女の子達がビキニスタイルの半裸で続く。
恥ずかしいって言ってたものの正体はこれだな。あきらかにおどりも前の二人に比べると下手で、白い肌のみがなまめかしく目立つ。近所の大学の学生なんだろうが、やってる本人達が恥ずかしがってんじゃ見てるこっちまで恥ずかしくなる。
そして楽団の行進。
打楽器、打楽器、打楽器。打楽器の行進。
あー。生の打楽器や肉声は迫力あるな。腹に響く、便秘もなおりそうだ。
派手なロボットアニメみたいな肩飾りをつけ、シャーみたいな帽子をかぶり、それぞれが手にした楽器を打ち叩く。
ある者は恍惚としながら、ある者はぼうぜんと、ある者は必死で、ある者は観客に愛想をふりまきながら。ブラスバンドと違って向いてる方向もてんでばらばら。とにかく手にした楽器を打ち叩きながら歩いている。
ビデオを撮影する人を最後に行進は終わった。
見るもんは見た、もう十分だ。俺は人ごみをかきわけて駅に向かう。
駅に着いたとたん、街は平常のいつもどおりの時間が流れていた。