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墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

通勤

2005-06-16 19:55:32 | まち歩き
 俺の勤めるパン屋では朝の六時半から始業となる。
 六時半には作業着に着替え終わって手を洗い、作業を開始出来る状態になくてはならない。となると六時十五分ぐらいまでには小平市にある店に着いていたい。
 俺の住む立川市から小平市に一番早く行ける公共交通機関は、電車である。JR国分寺駅で中央線から西武線に乗り換える、所要時間は乗り継ぎにもよるが、約20分といったところだ。

 毎朝、だいたい五時頃に起き、五時半前後に家を出る。
 立川市錦町にある自宅からJR立川駅には自転車で通っている。今朝はくもりで、昨日雨だったせいもあり自転車だと少し肌寒かった。
 自宅から、立川駅までは自転車で10分もかからない程度の距離だ。途中、登り坂があるので体調の良くない時や二日酔いの時などは少しきつい。

 立川駅前の駐輪場に着くのは早い時で五時四十分ぐらい、ギリギリで五時五十分ぐらいであろうか。しかし、だいたい駐輪場に着くのは、毎朝五時四十五分頃である。
 俺が乗りたいのは、五時五十二分に立川を出発する中央線。その電車まで時間がある時は、缶コーヒーを買って駅前の植え込みに腰を下ろし、カラスや通勤の人達の様子を眺めながら一服する。
 
 小平市の店に遅刻せず行く為には、国分寺駅で六時五分発の西武線に乗らねばならない。その電車に間にあう為には、立川駅で五時五十二分発の中央線に乗らなければならない。
 通勤をはじめた最初の頃は、その一本前の五時四十七分発の中央線に乗って早めに国分寺駅に着いていたが、タバコの吸えない西武線のホームで電車を待つのが耐えきれず、最近では五時五十二分発の中央線で国分寺に向かっている。

 ところで、俺が毎朝乗る五時五十二分発の中央線なのだが、JR五日市線の到着と、ちょうどだぶる。急げば、立川駅で五日市線から中央線に乗り換える事も可能だ。
 立川近郊やあきる野市方面の人でないと「JR五日市線」なんて言ってもピンとこないだろうが、そういう路線がJRには存在しているのだ。
 俺が、電車を待っている中央線のホームとは、ホームが違うので、正確な到着時間はわからないが、立川どまりの五日市線は五時五十一分ぐらいに立川駅に着く。
 それの60秒後ぐらいに五時五十二分の中央線が来る。五日市線で立川に来た人達にとって、この中央線がもっとも早く東京に着ける電車なのである。通勤などで急ぐ人にとり、コレはなんとしても乗り換えたい電車だ。

 東京行きの中央線のホームと、五日市線が到着するホームは違う。
 毎朝、中央線のホームで電車を待っていると、五時五十一分着の五日市線がとなりのホームに到着する。
 中央線と同色のオレンジ色のボディーをきしませながら五日市線は立川駅のホームに到着。ちょうど線路とホームをはさんで、電車を待つ俺の真っ正面に五日市線は停車するとドアを開け放つ。

 その瞬間。

 ドバッと人の群れが車内から吐き出される。
 五日市方面に行きたくて電車を待っていた人達はタジタジだ。
 みな先を争いドアから飛び出すと乗り換えの階段めがけて走り出す。
 サラリーマンも女学生もジャージのおじさんもドアが開いたとたんに競馬ウマのようないきおいで走り出す。
 速い、速い。
 擬音で書くと、まさにドドドッってかんじだ。そして、ドドドッと中央線のホームにかけおりてくる。先頭の人間が中央線のホームに一着で着いた時には、まだ対面のホームの五日市線では乗客が降りきってない。のんきな客とお年寄りがよっこらしょとおりている途中だ。
 
 しかしね。なんだ。走んなくても間に合うよ。
 一着、二着が中央線のホームについた時点では、まだ肝心の中央線はオレンジの車体をゆらしながらやっと西の方から姿をあらわしはじめたところ。
 実際、両手をポケットに突っ込んでチンタラ歩いてくる帽子の男は、いつも間に合っている。しかも、必ず座れてる。
 この帽子の男は、毎朝同じ西武線に乗るので顔を覚えた。彼は要領が良いのだろう。観察していると、いつも乗り換えの階段に近いベストポジションで電車を下りている。
 しかし、乗り換えが多いと通勤も必死なのかな。


きれいな横顔

2005-06-11 20:04:23 | まち歩き
 仕事がなんとなく終わった。
 後はうちに帰るだけだ。
 西武線のホームのベンチに座ってなんとなく電車を待つ。

 その俺の横に誰かが腰掛ける。
 横目でチラリと見るとえらい美形。鼻筋はこれでもかとばかりに整い、くちびるは可愛くほんのりピンク色。染めた髪をショートで整え、凛とした眼差し。
 うわっ。美人が来たよ!美人だよ!

 国分寺に行く西武線の電車が踏切のカンカンいう音と共にホームに到着した。
 電車がホームに差し掛かると美人は立ち上がり電車に向かう。スリムのジーパンを履き、青いシャツをはおっている。身長は170センチぐらいで全体的に華奢でスラリとしており腰やウエストは折れそうに細い。それに比べ、やや肩幅があり少年の様な後ろ姿だ。しかし後ろ姿も絵になりとても美しくかっこいい。

 どういうわけか、美人は目の前の扉でなく、後ろの車両に向かう。きっと後ろが好きなんだろう。
 俺は目の前にとまった車両になんとなく乗り込み、座席に座ってぼんやりと本を読む。
 そして美人だったよなと思い出す。

 電車が国分寺に到着する。国分寺は終点なので、全ての乗客が表に出る。
 俺は帽子を目深にかぶり、改札口方面でなく反対の一両前の車両に目をやる。
 あの美人は何処に行ったんだ?

 いた!

 美人がオーラを放ちつつ、改札に向かってこっちへ歩いてくる。

 しかし、アレ?

 正面から見たら美人は胸がツルペタ。ルックスや着こなしは女性的だけどあの体のラインは明らかに男性のものだ。
 てゆーか。あの美人は男だよ!
 少年の様なでなくて、少年そのものだ!

 しかし、女と見間違えるばかりの美男子だよ。

 危うく、俺は彼に欲情を抱く寸前だった。アブナイアブナイ。彼の股間にぶらさがっているであろうチンコを想像してクールダウン。
 街は危険でいっぱいだな。

( しかし。これでもヒヨコの鑑定士並に性別を見分ける目だけはあったつもりだったのだ。正面から見れば、体のラインで一発でわかる。最初に顔を見たのがまちがいのもとだったな。)


若草色

2005-06-06 20:17:44 | まち歩き
 仕事が終わった。
 小平から西武線で国分寺。国分寺から中央線で立川。いつもの帰宅のコースだ。

 立川駅で電車をおりてホームから階段で駅の構内へと移動する。
 階段では、人波にもまれて目と鼻の先に女の子のケツと上半身。
 ジーパンの生地越しにうごめく豊かなケツ。顔も見えない彼女の豊満なケツの肉に感謝する。そこにケツがあるだけで俺は幸せだ。ケツよ今宵もありがとう。
 ところで彼女は黄緑のカーデガンに。
 黄緑?
 きみどりか?
 若草色かな。言葉にすると。
 彼女は若草色のカーデガンにジーンズに手提げ袋。髪は染めが入ったショートカット。まっとうな女子の春の装いみたいなかんじだ。
 ところが、前方のエスカレータにも春の装いの女子が一名いた。
 彼女も若草色のカーデガンにジーンズに手提げ袋。髪は染めが入ったショートカット。やはり、まっとうな女子の春の装いみたいなかんじだ。
 真似っこじゃん。どっちがどっちを真似たんだが俺は知らないけど、こうやって後ろ姿だけを見比べたらクリソツの栗田貫一。

 立体差のある階段から駅の構内の平面に出て気がついた。
 体格はぜんぜん違うんだね。
 一人はガリガリのっぽさん。もう一人は日本的体格なおチビさん。
 良く見りゃ、ジーンズの造りも、カーデガンの造りも、手に持った手提げ袋の造りも全く違う。ただ、色合いとシルエットのみは後ろから見てる分にゃクリソツのクリントン。
 二人は駅の構内で合流。
 自動改札への似た者同士のデットヒート!
 最後は歩幅の差でのっぽが圧勝。
 同じ自動改札を似た者同士が一着、二着でくぐり抜ける。その様は、もはや融合。
 そして二人は改札を出て、北へ南へと別れて行く。
 
 あっ。若草色が分裂したと思った。 


立川は、大丈夫。

2005-06-05 23:18:27 | まち歩き
 昨日は帰宅途中にすごい雨が降った。
 自転車に乗って帰るとずぶ濡れになりそうだ。毎朝、自転車で立川駅まで行き中央線で職場まで通勤しているのだが、昨日は乗ってきた自転車を立川の駐輪場に置きっぱなしにして南武線で西国立駅まで行き、歩いて帰宅した。

 その自転車を取りに立川まで出かける。
 途中で、俺のお気に入りの矢川緑地に寄り湿地の水たまりのたまり具合を確認。最近雨が多いが、まだまだのたまり具合だ。
 ザリガニのはさみやからが矢川緑地の水たまりのちかくに散乱している。雨がふったんで土ん中に隠れていたザリガニがノコノコおもてにはい出してきて鳥に見つかり食い散らかされてしまったんだろう。
 
 立川駅まで歩いて行こうと思ってたがかったるくなり、西国立の駅から南武線に乗り、立川駅へ行く。通勤用の定期があるから運賃は無料だ。無料なものは活用しないと持ち腐れる。

 実は今までかくしていたが、立川の中央図書館で借りていた本がとっくに返却期限切れなのだ。今日はその本を持参して参上つかまつっている。ので、ついでに図書館へ行く。
 中央図書館は駅の北口。薔薇のマークの高島屋をさらに北上したところにある。毎日立川駅に通っているが北口は久しぶりだ。

 北口に出たついでにビックカメラで酒を買う。ここはビールも安いのだ。しかも3%だがポイントもつく。
 ところで、図書館からビックカメラに向かう途中で変な看板を見つけた。

 物件はフロム中武。

 「立川は、大丈夫。」

 堂々とどでかく気高く美しく。もともとフロム中武の看板は変でおかしいのが多いが、このコピーは歴代一位の変さだ。
 ナニがどう大丈夫だと言いたいのか?しかも、しっかり「。」が打たれて言い切ってやがる。ある意味いさぎよいけど意味不明なんだよ!

 とでもとりあえず突っ込んどこう。


スズメ

2005-05-29 11:04:36 | まち歩き
 今朝は六時に目をさまし、八時過ぎに矢川緑地に散歩に出かける。

 このところ雨量が少ないので、湿地であるはずの矢川緑地は草が生い茂るただの緑地になってしまっている。
 去年の今頃はあちこちに水たまりがあって水棲動物たちの楽園だったんだが、今年の矢川緑地は植物と昆虫の楽園だ。今年は水生動物には厄年であるようだなと思いながら散策を続ける。
 矢川緑地の中心を流れる小川(矢川)も、あきらかに水量が減っている。去年は普通に見られたカモが今年は一羽も見当たらない。

 なんか、梅雨前にしちゃ例年より街も緑も乾いているように思う。長年、多摩に住んでいるがこんな五月ははじめてだ。どうしたわけなんだろう?
 毎日さわやかですごしやすいが、なんとなく変な感じがする。

 帰り道で、スズメが青虫を捕まえるのを目撃する。
 自分の家に近づいたところにある住宅の立ち木の下を通りかかると、一羽のスズメが目の前に飛び出して来た。スズメは俺の足元の2、3メートルほど前におりたつ。口には3センチほどのアオムシをくわえている。
 アオムシはつや消しのきみどり色。なんの幼虫かは知らないが大きさといい色といい実にアオムシらしいアオムシ。スズメの奴。ずいぶんうまそうな朝飯を見つけたもんだと俺は思う。

 俺は俺んちへの進行方向なので、ぐんぐんスズメにせまる。
 スズメはうざい人間が来たなと、アオムシをくわえたまま左側の駐車場のフェンスに飛び移る。しかし、そこでは口にくわえたアオムシをうまく飲み込めないのか、足場の良い地上へ、駐車場のアスファルトの上にスズメは移動し直した。
 俺は極度にヒマジンだから、足を止めスズメの動きを観察する。

 スズメは、口にくわえたアオムシをたてに二三回アスファルトに叩き付けた後、アオムシを飲み込んだ。

 俺はこの間も、他のスズメが似た様な行動をとっていたよなと思い出す。
 あのスズメはもっとでかいイモムシが獲物で、もっとしつこく左右に何回も獲物を叩き付けていたけど、このスズメはこいつは、ずいぶんとあっさりとアオムシを飲み込みやがった。
 しかし、どうやら獲物を地面に叩き付ける行為はスズメがアオムシなど長モノの獲物を捕らえたときの本能的な習性らしい。いわゆるひとつのスズメという種の伝統的お家芸だ。誰に習うでもなく、アオムシを捕らえたら食べる前に叩き付ける。これがスズメのお約束なのだ。
 木の上で捕らえたアオムシやイモムシは、足場の良い地上で必ず地面に叩き付けてから食うべし。個体により短気な奴やしつこい奴がいて叩き付け方に差が出るが、食事の際の本能的テーブルマナーはみんな守ってる。

 叩き付ける行為は本能だったのか。本能って不思議だよな。

 本能が麻痺しているヒトの俺はそう思う。