俺の勤めるパン屋では朝の六時半から始業となる。
六時半には作業着に着替え終わって手を洗い、作業を開始出来る状態になくてはならない。となると六時十五分ぐらいまでには小平市にある店に着いていたい。
俺の住む立川市から小平市に一番早く行ける公共交通機関は、電車である。JR国分寺駅で中央線から西武線に乗り換える、所要時間は乗り継ぎにもよるが、約20分といったところだ。
毎朝、だいたい五時頃に起き、五時半前後に家を出る。
立川市錦町にある自宅からJR立川駅には自転車で通っている。今朝はくもりで、昨日雨だったせいもあり自転車だと少し肌寒かった。
自宅から、立川駅までは自転車で10分もかからない程度の距離だ。途中、登り坂があるので体調の良くない時や二日酔いの時などは少しきつい。
立川駅前の駐輪場に着くのは早い時で五時四十分ぐらい、ギリギリで五時五十分ぐらいであろうか。しかし、だいたい駐輪場に着くのは、毎朝五時四十五分頃である。
俺が乗りたいのは、五時五十二分に立川を出発する中央線。その電車まで時間がある時は、缶コーヒーを買って駅前の植え込みに腰を下ろし、カラスや通勤の人達の様子を眺めながら一服する。
小平市の店に遅刻せず行く為には、国分寺駅で六時五分発の西武線に乗らねばならない。その電車に間にあう為には、立川駅で五時五十二分発の中央線に乗らなければならない。
通勤をはじめた最初の頃は、その一本前の五時四十七分発の中央線に乗って早めに国分寺駅に着いていたが、タバコの吸えない西武線のホームで電車を待つのが耐えきれず、最近では五時五十二分発の中央線で国分寺に向かっている。
ところで、俺が毎朝乗る五時五十二分発の中央線なのだが、JR五日市線の到着と、ちょうどだぶる。急げば、立川駅で五日市線から中央線に乗り換える事も可能だ。
立川近郊やあきる野市方面の人でないと「JR五日市線」なんて言ってもピンとこないだろうが、そういう路線がJRには存在しているのだ。
俺が、電車を待っている中央線のホームとは、ホームが違うので、正確な到着時間はわからないが、立川どまりの五日市線は五時五十一分ぐらいに立川駅に着く。
それの60秒後ぐらいに五時五十二分の中央線が来る。五日市線で立川に来た人達にとって、この中央線がもっとも早く東京に着ける電車なのである。通勤などで急ぐ人にとり、コレはなんとしても乗り換えたい電車だ。
東京行きの中央線のホームと、五日市線が到着するホームは違う。
毎朝、中央線のホームで電車を待っていると、五時五十一分着の五日市線がとなりのホームに到着する。
中央線と同色のオレンジ色のボディーをきしませながら五日市線は立川駅のホームに到着。ちょうど線路とホームをはさんで、電車を待つ俺の真っ正面に五日市線は停車するとドアを開け放つ。
その瞬間。
ドバッと人の群れが車内から吐き出される。
五日市方面に行きたくて電車を待っていた人達はタジタジだ。
みな先を争いドアから飛び出すと乗り換えの階段めがけて走り出す。
サラリーマンも女学生もジャージのおじさんもドアが開いたとたんに競馬ウマのようないきおいで走り出す。
速い、速い。
擬音で書くと、まさにドドドッってかんじだ。そして、ドドドッと中央線のホームにかけおりてくる。先頭の人間が中央線のホームに一着で着いた時には、まだ対面のホームの五日市線では乗客が降りきってない。のんきな客とお年寄りがよっこらしょとおりている途中だ。
しかしね。なんだ。走んなくても間に合うよ。
一着、二着が中央線のホームについた時点では、まだ肝心の中央線はオレンジの車体をゆらしながらやっと西の方から姿をあらわしはじめたところ。
実際、両手をポケットに突っ込んでチンタラ歩いてくる帽子の男は、いつも間に合っている。しかも、必ず座れてる。
この帽子の男は、毎朝同じ西武線に乗るので顔を覚えた。彼は要領が良いのだろう。観察していると、いつも乗り換えの階段に近いベストポジションで電車を下りている。
しかし、乗り換えが多いと通勤も必死なのかな。
六時半には作業着に着替え終わって手を洗い、作業を開始出来る状態になくてはならない。となると六時十五分ぐらいまでには小平市にある店に着いていたい。
俺の住む立川市から小平市に一番早く行ける公共交通機関は、電車である。JR国分寺駅で中央線から西武線に乗り換える、所要時間は乗り継ぎにもよるが、約20分といったところだ。
毎朝、だいたい五時頃に起き、五時半前後に家を出る。
立川市錦町にある自宅からJR立川駅には自転車で通っている。今朝はくもりで、昨日雨だったせいもあり自転車だと少し肌寒かった。
自宅から、立川駅までは自転車で10分もかからない程度の距離だ。途中、登り坂があるので体調の良くない時や二日酔いの時などは少しきつい。
立川駅前の駐輪場に着くのは早い時で五時四十分ぐらい、ギリギリで五時五十分ぐらいであろうか。しかし、だいたい駐輪場に着くのは、毎朝五時四十五分頃である。
俺が乗りたいのは、五時五十二分に立川を出発する中央線。その電車まで時間がある時は、缶コーヒーを買って駅前の植え込みに腰を下ろし、カラスや通勤の人達の様子を眺めながら一服する。
小平市の店に遅刻せず行く為には、国分寺駅で六時五分発の西武線に乗らねばならない。その電車に間にあう為には、立川駅で五時五十二分発の中央線に乗らなければならない。
通勤をはじめた最初の頃は、その一本前の五時四十七分発の中央線に乗って早めに国分寺駅に着いていたが、タバコの吸えない西武線のホームで電車を待つのが耐えきれず、最近では五時五十二分発の中央線で国分寺に向かっている。
ところで、俺が毎朝乗る五時五十二分発の中央線なのだが、JR五日市線の到着と、ちょうどだぶる。急げば、立川駅で五日市線から中央線に乗り換える事も可能だ。
立川近郊やあきる野市方面の人でないと「JR五日市線」なんて言ってもピンとこないだろうが、そういう路線がJRには存在しているのだ。
俺が、電車を待っている中央線のホームとは、ホームが違うので、正確な到着時間はわからないが、立川どまりの五日市線は五時五十一分ぐらいに立川駅に着く。
それの60秒後ぐらいに五時五十二分の中央線が来る。五日市線で立川に来た人達にとって、この中央線がもっとも早く東京に着ける電車なのである。通勤などで急ぐ人にとり、コレはなんとしても乗り換えたい電車だ。
東京行きの中央線のホームと、五日市線が到着するホームは違う。
毎朝、中央線のホームで電車を待っていると、五時五十一分着の五日市線がとなりのホームに到着する。
中央線と同色のオレンジ色のボディーをきしませながら五日市線は立川駅のホームに到着。ちょうど線路とホームをはさんで、電車を待つ俺の真っ正面に五日市線は停車するとドアを開け放つ。
その瞬間。
ドバッと人の群れが車内から吐き出される。
五日市方面に行きたくて電車を待っていた人達はタジタジだ。
みな先を争いドアから飛び出すと乗り換えの階段めがけて走り出す。
サラリーマンも女学生もジャージのおじさんもドアが開いたとたんに競馬ウマのようないきおいで走り出す。
速い、速い。
擬音で書くと、まさにドドドッってかんじだ。そして、ドドドッと中央線のホームにかけおりてくる。先頭の人間が中央線のホームに一着で着いた時には、まだ対面のホームの五日市線では乗客が降りきってない。のんきな客とお年寄りがよっこらしょとおりている途中だ。
しかしね。なんだ。走んなくても間に合うよ。
一着、二着が中央線のホームについた時点では、まだ肝心の中央線はオレンジの車体をゆらしながらやっと西の方から姿をあらわしはじめたところ。
実際、両手をポケットに突っ込んでチンタラ歩いてくる帽子の男は、いつも間に合っている。しかも、必ず座れてる。
この帽子の男は、毎朝同じ西武線に乗るので顔を覚えた。彼は要領が良いのだろう。観察していると、いつも乗り換えの階段に近いベストポジションで電車を下りている。
しかし、乗り換えが多いと通勤も必死なのかな。