7時限目:テーマ「パーツを楽しむ:個性ある人形たち」
このキットには、人形(今は、フィギュアといわないと笑われる?)が3体付属しています。スケールが1/110なので、かなり小さいものになりますが、よく見るとけっこうリアルにできています。
動きが自然で、大変生き生きとしています。これは、原型師の腕が相当よかったことと、原型を忠実に再現する高度な技術があったからなのでしょう。
さらには、レベルのスタッフたちは、プラモ開発そのものをとても楽しんでいるようにも見えます。その表れが、「個性ある人形たち」なのです。
3体を拡大してみましょう(ピンボケ写真でゴメンナサイ)。
中央の人形は、チョッと太めだと思いませんか。
これは金型の製作ミスではありません。わざと肥満体に作ってあるのです。
それも、下腹が出た中年太りのオジサン(古参の軍曹ドノか?)を忠実に再現してあるのです。
私は笑ってしまいました。いかにも、アメリカ的。ユーモアのセンスというのでしょうか。
太めのオジサンは、レッドストーンの人形ばかりではありません。
たとえば、同社タロスのキットに付属している人形もそうです。
これも3体のうち、1体は胴体が太めになっており、若い頃は足も長くてスマートだったのに、中年になったら胴体にぜい肉がついてしまった、かわいそうな海軍士官のオジサンを見事にモデル化しています。
中年太りのオジサンは、スナップのキットにも登場します。
ちなみに、スナップとは当時のレベルの開発スタッフが、後年独立して立ち上げたプラモデルメーカーのことで、1/40スケールの米軍ミリタリーキットをシリーズで発売していました。
ジープ、アトミックキャノン(原子砲)withトランスポーター、M40、155ミリカノン砲(ロングトム)&M4トラクター、M20、105ミリ榴弾砲、120ミリ高射砲、GIソルジャー、LVT、YH41(ヘリコプター)、オネストジョン、ホークミサイルバッテリー、ホークミサイルキャリアで、出来はレベル時代よりさらに磨きがかかり、ミリタリーキットの最高峰に君臨していました。
しかし、新興企業であったためか、惜しくも倒産してしまいました。金型は、アダムス、ライフライクへと移り、これらのブランド名で、一時期日本にもキットが入荷したこともありましたが、その後これらのメーカーも倒産したらしく、噂を聞きません。金型も、どうなってしまったのでしょうか。
話が脱線してしまいましたが、例のオジサンはM40に付属しています。
人形は、全部で4体。砲員の装填作業を、そのままモデル化しています。
4人の中で、イチバン怖そうなオジサンは、ガ二股で下腹が出た、典型的な古参軍曹イメージで、なにやらガミガミ怒鳴っている様子です。部下がモタモタ作業をしているのを、怒っているのでしょうか。一方で、重い薬嚢をかかえて歩く下っ端の兵隊の編上靴を見ると、ヒモがはずされて、いかにもだらしない格好です。おそらく、この「たるんだ」状態が、オジサンの逆鱗に触れたのかもしれません‥‥などと、ストーリーを想像することができますし、いろいろな会話も聞こえてきそうです。
レベルにしろ、スナップにしろ、それぞれの人形には個性がありユーモアがあり、そこには人形同士の会話があります。しかも、その場の雰囲気はとても自然であり、人形を見ているだけで楽しくなります。やはり、これはアメリカ人のセンスというか、感覚なのでしょうね。
日本人感覚だと、兵隊の人形というのは、生真面目でキチンとしたものというイメージですよネ。
そういえば、タミヤの新作シュビムワーゲンのドイツ兵は、かなりラフな格好でビックリしましたが、レベル等の人形と比較すると、チョッとぎこちないラフさだな、って感じです。
旧開発スタッフのスナップ立ち上げを境に、レベルのプラモの作風が劇的に変化します。これは、ある意味で1950年代後半から続いてきた「古き良き時代のアメリカ的要素を持ち続けたレベル」からの決別であったのかもしれません。
次回のテーマは、自由研究脱線編としてリンカーン・フューチュラを取り上げます。
エッ! クルマなの?と思われるかもしれませんが、翼を取り付けたら、そのままジェット機になるようなスタイルはとても気に入っており、やってみたいと思います(時々、脱線しますので、どうかお許しください)。
‥‥あのー‥‥ス、スイマセン、忘れていました。ダーリンとハニーが皆さんに、ご挨拶をしたいそうです。
それでは、あらためて紹介いたします。
リンカーン・フューチュラのオーナー、ダーリン&ハニー夫妻です。ヨロシク!
「ハ~イ、ハニーよ。
チョッと、聞いて。私たちのクルマが、ブログに載るんですって。
スゴイじゃないの。
なんでも、プリンツ・オイゲン2世という方が、取材に来てくださるんだけど、
ドイツ陸軍の情報将校さんですってよ。
カッコいいわね。
私も、ウンとオメカシしなくちゃ。
ねェ、ダーリン。聞いてるの。
きのう、ニューヨークで買ったこのお洋服なんだけど、すごく気に入っているの。
わざわざドイツから、お客様がいらっしゃるのよ。
このお洋服で、おもてなしして、いいかしら?」
「‥‥ハ、ハニー。
キミは、とってもステキだよ。
‥‥でも、そのスタイルは‥‥チョッと‥‥
‥‥なんというか‥‥
お客様に失礼があってはいけないから‥‥」
ダーリンの当惑の原因は?
次回、判明します。お楽しみに
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