絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part11

2013年05月31日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦






「夜明け前に奇襲攻撃をかけるぞ」


「輸送列車の連中は
 腰をぬかすでしょうな」






「貴様ら起きろ!
 戦闘配置につけ!」








WAAAAAAAOW!!!


  
BAKOM!

               BAKOM!
                                 BAKOM!


「アメ公め 見当違いのところを
 攻撃しているぞ」






「何だ?」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館






映画『頭上の敵機』を思わせるドイツ戦闘機との
バトルがいい。




原画では下の部分に雲が描かれて
いるが、ボックスアートではバッサリ
カットされている。






























イギリスに供与されたA-20はボストンと
呼ばれていた。
手頃な機体だったせいか、イギリスでも
多く使用されたこともあり、キットもRAF
御用達仕様となっている。

A-20の写真で、いちばん有名なものの
ひとつが、下の連続写真ではないだろうか。
日本軍の対空砲火で被弾した僚機が
海面に突入、コナゴナになるところは
なんとも凄まじい。
静止画像でありながら、異常なほどの
スピード感を感じる。
いまなら報道写真大賞に選ばれるに
ちがいない。









4枚ともWikipedia




















































オーストラリア仕様というのが珍しい。
宗主国イギリスならではのボックスアートだ。




背後から零戦の攻撃を受ける図だが、
プラモ少年の心をくすぐる緊迫感あふれた
迫力あるシーンが素晴らしい。
ところで、攻撃側の零戦は増槽をつけたままで
銃撃をしようとしているが、アメリカ機の奇襲で
落とすヒマがなかったのか、それとも攻撃に夢中となって
落とすことを忘れている新米パイロットが搭乗しているのだろうか。








MPC版では機体の国籍マークや塗装が変更されている。
エアフィックス版の原画に修正を加えたのだろうか。
また、爆弾もイエローからブラックに変えられている。


増槽をつけたまま被弾炎上する零戦。
エアフィックスのドーントレス・ボックスアートに
登場する零戦は、伝統的(?)に増槽をつけたままの
状態で描かれている。


こちらの零戦(?)は基本通り増槽をつけずに
攻撃している。






































胴体のこの見慣れぬマークは
「ロレーヌの十字架」をあしらった
自由フランス軍のもの。












































































































1/72スケールなどど表示されていると、あたかも実在するかのような
印象を受ける。


キットの組立はチョー簡単。

オマケ・国産もの




アラッ こんなものも…

オリジナル版ではディスティニー・エンゼルと
呼ばれていた。
ロシア系で、エンゼル機の編隊長。
エンゼルのおネェさまといえば「戦う美女軍団」の
さきがけ的存在で、当時メチャ新鮮だったし
白いフライトスーツもSF的。
こんな軽装では超音速飛行など出来ない…
なんてヤボなことはいわないこと!




スペクトラム最高司令官。
キャプテン・スカーレット等の
上官でもある。


キャプテン・スカーレットの相棒であり
準主役的存在。

こんなUFOプラモ(キャプテン・スカーレットとは
関係ないが)もあった。


‥ところで戦ふオナゴたちといえば‥

WW2において主要交戦国では、軍関係に女性の
大量動員を行っていた。
いうまでもなく人手不足解消を目的としたもので、
ソ連のように戦闘任務に就かせた例もあるが、
基本的には直接ドンパチやらない後方任務に服する
ものとされた。

やっぱドイツものがエエですな!




ドイツ婦人部隊の参考文献2冊。
従軍看護婦以外にもさまざまな
職種が存在した。


Wikipedia
ブラウスの着こなしがいかにも
女性らしい。


Wikipedia


Wikipedia

★戦ふオナゴたち・プラモあれこれ







国産プラモでドイツ女性補助員というのは、タミヤのものが
唯一ではないだろうか。
陸軍を始め、空軍、SSなどの女性補助員セットなんて
発売してくれないかな~、タミヤさん。

ドイツの女性補助員の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=sj78gFtmR1I

連合国側もあるぞ!









女性下着を人目につく場所で干してはならんと
説教(?)するオッサンと、なんじゃこのオヤジと
いった表情の女性兵士の対比がオモシロい。


Wikipedia


中央の女性兵士の表情が素晴らしい。
ボックスアートのインパクトが強烈すぎて、
さぞや美女のプラモが入っているのだろうと
大きな期待で見てみると、意外にショボくてガッカリ。







★日本の「戦ふオナゴたち」★★★

日本の写真雑誌『アサヒグラフ』昭和18年4月21日号に
帝国陸軍東部軍司令部の女子通信隊員の記事が
掲載されている。
陸軍は帝都防空業務に従事する女子隊員を同年3月から
募集し、訓練を経て4月にマスコミ・デビューとなった。
5月にはニュース映画にも取り上げられ、そのカッコいい
制服とともに世の注目を浴びていたらしい。

ちなみに陸軍所属とはいえ兵士ではなく軍属なので、
直接戦闘任務に就くわけではない。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
胸章を見て、一瞬ドイツ国防軍かと思ってしまう。
ドイツ軍風胸章は、荒鷲に「防」の文字をデザインしたもの。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
帝国陸軍女子通信隊員の行進風景。
ダブルの上着(ボタンの止め方がナゼか男性用)に活動しやすい
キュロットスカート、それに編上靴という当時の日本ではかなり異色のデザイン。
モンペ姿が多かったあの時代(‥といっても私は生まれていないので
知らないが)では、かなり洗練された姿であり街中でも
相当目立ったことだろう。

私の勝手な想像だが、胸章や制服のデザインはどう見ても
ドイツの女性補助員のものに強く影響を受けている‥というか
完全なパクリだという感じがする。
なお、ここでは着用されていないがドイツ軍風の略帽もあり、
制服のダサさでは定評のある帝国陸軍にしては、よくやったと
評価したい。


Wikipedia
パリ市内を行進するドイツの女性補助員。
着こなしは本家の方が上。

大日本帝国陸軍女子通信隊のニュース映画を、ついに発見!
画面下のチャプター〔4〕「活躍する女子通信隊員」に
その映像がある。
しっかり見るように!
昭和18年5月18日公開・日本ニュース第154号
http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001300539_00000&seg_number=005

 なお、女子通信隊員がデビューした前後の
出来事をみてみると‥‥

昭和18年1月、ニューギニアのブナ地区を守備する
日本軍が連合軍と交戦し全滅。

Artist: Geoffrey Mainwaring

2月、ガダルカナル島撤退、
スターリングラードのドイツ軍降伏と
枢軸国側の敗退が続く。

3月、日本初の国産長編アニメ映画「桃太郎の海鷲」が公開。

4月、山本五十六連合艦隊司令長官が
戦死、ヨーロッパではワルシャワ・ゲットーの
ユダヤ人レジスタンスが武装蜂起。

5月、アリューシャン列島のアッツ島にアメリカ軍が
上陸、日本軍がこれと交戦し全滅。
山本五十六連合艦隊司令長官の国葬。

6月、戦艦陸奥が広島湾沖柱島で爆沈。

7月、独ソ両軍がクルスクで激突。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
防空司令部における勤務風景。
通信員は各々担当する地区が割り振られている。
該当する地区の複数監視所から出された報告を
まとめる部署があり、そこから通信員に直接連絡が
入る。敵機の数、高度、速力、進行方向、地区の
被害状況などを通信員は復唱しながらキーを使って
入力していくと、作戦室にある大型表示板に
情報が表示され、リアルタイムで空襲の状況が
把握できるという仕組みとなっている。
ただ、その表示板がどのようなものかは手元に
詳しい資料がなく不明なのが残念。


Wikipedia
こちらはドイツのもの。


Wikipedia
作戦室表示板裏側の様子。
写真ではわかりにくいが表示板裏側は
升目で細分化されており、ブロックごとに
アルファベットや数字が細かく表示されている。
女性補助員はイヤホンを通じてどこそこのブロックを
照らせと指示されるので、手元のライトをそこへ
投射すると表示板反対側(要は隣の部屋)にいる
作戦将校の目には敵味方の航空部隊の動きを示す
スポットライトが表示板に投影され、空襲の全体像が
わかる仕組みとなっていた。

これはいかにもドイツ的で手の込んだ方法だが、
防空指揮を行う将校からすれば、状況の
把握には視覚的にも非常に効果的であったと思われる。


Wikipedia
当時としては最新技術を投入したリアルタイム
表示板とはいえ、舞台裏はこのように人海戦術で
動かしていた。
各方面から敵機が侵入し、各基地から
迎撃戦闘機が飛び立ち、あちこちで
激しい空中戦が展開されると、ここの
舞台裏も喧騒の嵐となったのでは
ないだろうか。

次回の更新は7月31日夜の予定。



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