喝!!
居眠りは許るさん!
プラモデル野次馬考古学
「ボックスアートを楽しむ2:広がるレベルの世界」
側面のボックスアートを見ていきます。
左から、KC-135、ルーン(アメリカ製V1)装備原子力潜水艦ノーチラス、155ミリカノン砲、有人月ロケットXSL-01、それにレベルの塗料、接着剤の広告が続きます。
KC-135のボックスアートは、B52に空中給油を行うシーンを描いていますが、この時代は空中給油がまだ珍しかったこともあり、この絵は購入者にかなり強いインパクトを与えたのではないかと思います(もしかしたら、ついでにB52も買ってくれるかもしれないしね)。それに、ボーイング707と同じじゃないかとお客さんにいわせないためにも、空中給油の絵が必要だったのでしょう(商売がうまいなア)。
ノーチラスのキットはルーンを装備していますが、最初はルーン未装備で発売されていました。これも、見た目の問題でやはりルーンがあった方が、お客さんは喜んだでしょう。いくら「原子力」という看板をつけてはいても、潜水艦のイメージはなんとなく地味ですから、飛び道具をもたせることによって地味さを払拭しようとしたのでしょうね。
ところで、ジュピターCが発売された1958年は、ノーチラスにとって記念すべき年でした。同年8月3日、北極海を潜行したまま北極点を無事通過したのです。そのまま、進めば先はソ連。沿岸近くまで、アメリカの原子力潜水艦がやってくるということを知って、ソ連は大いにあわてたことでしょう。
155ミリカノン砲は、その大重量をカバーするため、ムカデ(チョッとオーバーか)のような足回りが特徴で、それを高速トラクターで強引に引っ張る豪快さがたまらないのですが、この絵には高速トラクターが描かれていなくて、残念(遠くに、申し訳程度に描かれています)。主役は大砲だから、やむを得ないのでしょう。でも、米陸軍の優秀な大砲は、雪の上でもスイスイ走行できるんだ、ということがしっかり描かれているのは、Good。
有人月ロケットは、アポロが実際に月に到達する10年以上も前に考えられていたもので、当時の技術ではこうなります、といういい見本です。
月着陸船などを内蔵したカプセルは、かなりの大重量物だったはずで、当時これを宇宙空間に打ち上げるための強力パワーのロケットがアメリカにはなく、やむなく三つのロケットを束ねるソ連流の作りにしています。ボストークのアメリカ版といったところでしょうか。このキットは、科学的リサーチに基づいて作られており、けっして模型会社のでっち上げではないところがいいですね。
10年後に人類が月に到達したことを考えると、科学の進歩は早かった、ということなのでしょう。
左からS-55、ポンティアック・クラブ・デ・メール、P2V、外輪船ロバート・E・リー。
S-55は、グンゼ/レベル時代に陸上自衛隊仕様でリリースされていたので、私のようなオジサンには、なつかしいキットです。その他、グンゼ/レベルでフロート装備の救難ヘリ(米空軍仕様)もありましたっけ。
ホイストに遭難者の人形がぶら下がるようになっていて、面白かったですね。
ポンティアック・クラブ・デ・メールは、リンカーン・フューチュラを取り上げた際、ご紹介しましたが、テレビアニメ「スーパージェッター」の流星号みたいなノリで、いいですね。
P2Vのボックスアートを見てください。
背景が日の出(あるいは日没か)のイメージで描かれていますが、これはRichard Kishady氏(文献紹介の際、ご紹介しましたウォルト・ディズニー風のオジさまです)の絵の特徴で、こうした日の出・日没の背景が個人的に好きだったみたいで、彼の作品を見ると、共通する背景がけっこう多いです。
外輪船ロバート・E・リーは、19世紀中ごろの有名なショーボートで、南北戦争当時の南軍司令官にちなんで命名されました(この司令官の名は、M3中戦車でもお馴染みです)。ミシシッピー河流域の都市ニューオーリンズとセントルイス間を運行しており、その豪華な設備は、浮かぶホテルとして話題の的だったそうです。
ライバル船会社の船とのスピードレース(ニューオーリンズ・セントルイス間)で優勝したことにより、その名を全米にとどろかせたことでも知られています。
ところで、このキットは当初モーターライズで発売されていました。おそらく、外輪を回転させることで、水上走行ができるようになっていたのでしょう。
のちに、ディスプレイモデルとして再リリースされました。
下は、クーポン券の台紙とクーポン券、それにデカールです。
ドイツレベル創業50周年記念キットに入っているクーポン券を集めると、帽子やTシャツがもらえるそうです。
でも、かなり買い集めないと、なかなかもらえそうにありません。
ジュピターCには、クーポン券が2枚入っていました。
‥‥ということは、いくつ買わなくてはいけないのでしょうか。
オマケ
下はグレンコ社のジュピターC(1/48)です。
元々は、ホーク社が発売していたもので、ここの金型を引き継いだもの。
ボックスアートは、Jack Lyeenwood氏の作。
レベルのボックスアートとは、また一味ちがった迫力ある絵で、Good!
中身は、人工衛星、ロケット本体、発射台で、レベルのようにガントリータワーは付属していません。
1/48スケールなので、完成するとけっこう大きいです。
発射台の構造をみると、基本的にはドイツのⅤ2のものと同じで、Ⅴ2の影響がいかに大きかったかがモロにわかります。
大きなパーツが多いので、一見大味な雰囲気ですが、実物が円柱に羽根をつけたような単純な形なので、手抜きをしたわけではないのです(メーカーに対する弁護?)。
続く
チクショーッ!
みんな逃げやがった。
大隊長は、司令部から呼び出しがあったといって姿を消した。
中隊長は、大隊に報告するといって姿を消した。
小隊長は、中隊に応援を要請するといって姿を消した。
分隊長は、偵察に行くといって姿を消した。
伍長は、弾を運んでくるといって姿を消した。
上等兵は、衛生兵を呼んでくるといって姿を消した。
一等兵は、母親が危篤だといって姿を消した。
そして‥‥オレは、ブログの取材があるといって姿を消した‥‥。
次回は、ジュピターCの組立図をやりまっせ!ヨロシク!
次回のチラリズム
ドヒャー、すごい迫力。プラモデルを作る醍醐味、満載!
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