絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part11

2013年05月31日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦






「夜明け前に奇襲攻撃をかけるぞ」


「輸送列車の連中は
 腰をぬかすでしょうな」






「貴様ら起きろ!
 戦闘配置につけ!」








WAAAAAAAOW!!!


  
BAKOM!

               BAKOM!
                                 BAKOM!


「アメ公め 見当違いのところを
 攻撃しているぞ」






「何だ?」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館






映画『頭上の敵機』を思わせるドイツ戦闘機との
バトルがいい。




原画では下の部分に雲が描かれて
いるが、ボックスアートではバッサリ
カットされている。






























イギリスに供与されたA-20はボストンと
呼ばれていた。
手頃な機体だったせいか、イギリスでも
多く使用されたこともあり、キットもRAF
御用達仕様となっている。

A-20の写真で、いちばん有名なものの
ひとつが、下の連続写真ではないだろうか。
日本軍の対空砲火で被弾した僚機が
海面に突入、コナゴナになるところは
なんとも凄まじい。
静止画像でありながら、異常なほどの
スピード感を感じる。
いまなら報道写真大賞に選ばれるに
ちがいない。









4枚ともWikipedia




















































オーストラリア仕様というのが珍しい。
宗主国イギリスならではのボックスアートだ。




背後から零戦の攻撃を受ける図だが、
プラモ少年の心をくすぐる緊迫感あふれた
迫力あるシーンが素晴らしい。
ところで、攻撃側の零戦は増槽をつけたままで
銃撃をしようとしているが、アメリカ機の奇襲で
落とすヒマがなかったのか、それとも攻撃に夢中となって
落とすことを忘れている新米パイロットが搭乗しているのだろうか。








MPC版では機体の国籍マークや塗装が変更されている。
エアフィックス版の原画に修正を加えたのだろうか。
また、爆弾もイエローからブラックに変えられている。


増槽をつけたまま被弾炎上する零戦。
エアフィックスのドーントレス・ボックスアートに
登場する零戦は、伝統的(?)に増槽をつけたままの
状態で描かれている。


こちらの零戦(?)は基本通り増槽をつけずに
攻撃している。






































胴体のこの見慣れぬマークは
「ロレーヌの十字架」をあしらった
自由フランス軍のもの。












































































































1/72スケールなどど表示されていると、あたかも実在するかのような
印象を受ける。


キットの組立はチョー簡単。

オマケ・国産もの




アラッ こんなものも…

オリジナル版ではディスティニー・エンゼルと
呼ばれていた。
ロシア系で、エンゼル機の編隊長。
エンゼルのおネェさまといえば「戦う美女軍団」の
さきがけ的存在で、当時メチャ新鮮だったし
白いフライトスーツもSF的。
こんな軽装では超音速飛行など出来ない…
なんてヤボなことはいわないこと!




スペクトラム最高司令官。
キャプテン・スカーレット等の
上官でもある。


キャプテン・スカーレットの相棒であり
準主役的存在。

こんなUFOプラモ(キャプテン・スカーレットとは
関係ないが)もあった。


‥ところで戦ふオナゴたちといえば‥

WW2において主要交戦国では、軍関係に女性の
大量動員を行っていた。
いうまでもなく人手不足解消を目的としたもので、
ソ連のように戦闘任務に就かせた例もあるが、
基本的には直接ドンパチやらない後方任務に服する
ものとされた。

やっぱドイツものがエエですな!




ドイツ婦人部隊の参考文献2冊。
従軍看護婦以外にもさまざまな
職種が存在した。


Wikipedia
ブラウスの着こなしがいかにも
女性らしい。


Wikipedia


Wikipedia

★戦ふオナゴたち・プラモあれこれ







国産プラモでドイツ女性補助員というのは、タミヤのものが
唯一ではないだろうか。
陸軍を始め、空軍、SSなどの女性補助員セットなんて
発売してくれないかな~、タミヤさん。

ドイツの女性補助員の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=sj78gFtmR1I

連合国側もあるぞ!









女性下着を人目につく場所で干してはならんと
説教(?)するオッサンと、なんじゃこのオヤジと
いった表情の女性兵士の対比がオモシロい。


Wikipedia


中央の女性兵士の表情が素晴らしい。
ボックスアートのインパクトが強烈すぎて、
さぞや美女のプラモが入っているのだろうと
大きな期待で見てみると、意外にショボくてガッカリ。







★日本の「戦ふオナゴたち」★★★

日本の写真雑誌『アサヒグラフ』昭和18年4月21日号に
帝国陸軍東部軍司令部の女子通信隊員の記事が
掲載されている。
陸軍は帝都防空業務に従事する女子隊員を同年3月から
募集し、訓練を経て4月にマスコミ・デビューとなった。
5月にはニュース映画にも取り上げられ、そのカッコいい
制服とともに世の注目を浴びていたらしい。

ちなみに陸軍所属とはいえ兵士ではなく軍属なので、
直接戦闘任務に就くわけではない。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
胸章を見て、一瞬ドイツ国防軍かと思ってしまう。
ドイツ軍風胸章は、荒鷲に「防」の文字をデザインしたもの。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
帝国陸軍女子通信隊員の行進風景。
ダブルの上着(ボタンの止め方がナゼか男性用)に活動しやすい
キュロットスカート、それに編上靴という当時の日本ではかなり異色のデザイン。
モンペ姿が多かったあの時代(‥といっても私は生まれていないので
知らないが)では、かなり洗練された姿であり街中でも
相当目立ったことだろう。

私の勝手な想像だが、胸章や制服のデザインはどう見ても
ドイツの女性補助員のものに強く影響を受けている‥というか
完全なパクリだという感じがする。
なお、ここでは着用されていないがドイツ軍風の略帽もあり、
制服のダサさでは定評のある帝国陸軍にしては、よくやったと
評価したい。


Wikipedia
パリ市内を行進するドイツの女性補助員。
着こなしは本家の方が上。

大日本帝国陸軍女子通信隊のニュース映画を、ついに発見!
画面下のチャプター〔4〕「活躍する女子通信隊員」に
その映像がある。
しっかり見るように!
昭和18年5月18日公開・日本ニュース第154号
http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001300539_00000&seg_number=005

 なお、女子通信隊員がデビューした前後の
出来事をみてみると‥‥

昭和18年1月、ニューギニアのブナ地区を守備する
日本軍が連合軍と交戦し全滅。

Artist: Geoffrey Mainwaring

2月、ガダルカナル島撤退、
スターリングラードのドイツ軍降伏と
枢軸国側の敗退が続く。

3月、日本初の国産長編アニメ映画「桃太郎の海鷲」が公開。

4月、山本五十六連合艦隊司令長官が
戦死、ヨーロッパではワルシャワ・ゲットーの
ユダヤ人レジスタンスが武装蜂起。

5月、アリューシャン列島のアッツ島にアメリカ軍が
上陸、日本軍がこれと交戦し全滅。
山本五十六連合艦隊司令長官の国葬。

6月、戦艦陸奥が広島湾沖柱島で爆沈。

7月、独ソ両軍がクルスクで激突。


アサヒグラフ」昭和18年4月21日号
防空司令部における勤務風景。
通信員は各々担当する地区が割り振られている。
該当する地区の複数監視所から出された報告を
まとめる部署があり、そこから通信員に直接連絡が
入る。敵機の数、高度、速力、進行方向、地区の
被害状況などを通信員は復唱しながらキーを使って
入力していくと、作戦室にある大型表示板に
情報が表示され、リアルタイムで空襲の状況が
把握できるという仕組みとなっている。
ただ、その表示板がどのようなものかは手元に
詳しい資料がなく不明なのが残念。


Wikipedia
こちらはドイツのもの。


Wikipedia
作戦室表示板裏側の様子。
写真ではわかりにくいが表示板裏側は
升目で細分化されており、ブロックごとに
アルファベットや数字が細かく表示されている。
女性補助員はイヤホンを通じてどこそこのブロックを
照らせと指示されるので、手元のライトをそこへ
投射すると表示板反対側(要は隣の部屋)にいる
作戦将校の目には敵味方の航空部隊の動きを示す
スポットライトが表示板に投影され、空襲の全体像が
わかる仕組みとなっていた。

これはいかにもドイツ的で手の込んだ方法だが、
防空指揮を行う将校からすれば、状況の
把握には視覚的にも非常に効果的であったと思われる。


Wikipedia
当時としては最新技術を投入したリアルタイム
表示板とはいえ、舞台裏はこのように人海戦術で
動かしていた。
各方面から敵機が侵入し、各基地から
迎撃戦闘機が飛び立ち、あちこちで
激しい空中戦が展開されると、ここの
舞台裏も喧騒の嵐となったのでは
ないだろうか。

次回の更新は7月31日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part10

2013年04月01日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

兵は戦意を喪失している
今回も作戦中止じゃ!

今回もお休みです


不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館
お詫び
今回、インフルエンザと花粉症のダブルパンチで
ダウンしてしまい、更新が大幅に遅れるという失態を
おかしてしまいました。
誠に申し訳ありませんでした。




こちらはライバルであるレベルのキット。
雨に濡れた滑走路の路面の表現が秀逸。
全体的に暗く描かれたボックスアートは、
いかにも敗戦直前のドイツをイメージしていて
よかった。







単フロートタイプの原型機着水映像。
高波の影響で機首エンジン部分が脱落し、炎上。
あわてたパイロットが必死で逃げ回るところが
おもしろい。
http://www.youtube.com/watch?v=Vnhze7UiGbU



『ドイツ週間ニュース』より、地上への実機の
機銃掃射映像。
http://www.youtube.com/watch?v=kqTleVTB-_g

実機の出撃映像(音声なし)。操縦席周辺のゴツい作りに
驚かされる。ラストに敵戦車への攻撃映像あり!
http://www.youtube.com/watch?v=FaBh-whYStI


北アフリカ戦線をイメージした絵がいい。
後方の黒煙や点在するドイツ軍車両の配置により、
広大で奥行きのある絵に仕上がっている。
ところで、左下の部分にパンター戦車が描かれているが、
この戦車って北アフリカの戦いに投入されていたのか?


MPCバージョン。


エアフィックスのボックスアートをよく見ると
例のパンター以外にエレファントも描かれている。
ロゴによって隠されていた部分に、一体何が描かれて
いるのかと長年気にしていたが、ようやくナゾが解けて
ゆっくり寝られるようになった。

一見地味な機体のように思えるが、意外に人気があって
プラモ各社から発売されていた。






本家ドイツ製プラモだが、ボックスアートは
けっこうゴツい雰囲気に描かれている。


おフランス製だが、垂直尾翼のカギ十字がシッカリ
描かれているのはご立派。
反ナチ団体や左翼などから、Hellerの工場や店舗に対する
焼き討ちなどなかったのだろうか。


オーロラ・バージョンでも、カギ十字の修正なしで
発売されていた。


反ナチ感情に配慮したもの。

国産プラモもありましたな~



フランスのモラーヌ・ソルニエ社で生産された
バージョンのモデル化。
ドイツ機でありながら、国籍マークが異なると
こんなに印象が違うものなのか。


タミヤのキットは、決定版と呼べる内容だ。
よくぞやってくれました。
風防側面の透明パーツと胴体が一体となった
構成にはビックリしたぞ。

実機離着陸映像。そのSTOL性能は驚くばかりだ。
http://www.youtube.com/watch?v=VDcB0pSUYOI







映画『史上最大の作戦』より、ハインツ・ラインケ演じる
ヨーゼフ・プリラーの連合軍橋頭堡機銃掃射シーン。
実際の攻撃はFW190Aが使われたのだが、映画では適当な
機体がなかったのか、それともドイツ戦闘機=メッサーシュミットという
イメージがあってその雰囲気を大切にしたのかは知らないが、
Bf108が登場している。
http://www.youtube.com/watch?v=cbxbEv2xMnU












上ふたつのボックスアートは、ともに
僚幾が被弾炎上するところが描かれているが、
下記写真の影響が強いと思われる。


Wikipedia
クレタ島攻略戦の資料画像。



『ドイツ週間ニュース』より、輸送任務に
活躍するJu52映像。
http://www.youtube.com/watch?v=GtwOB0DyAWs


このアングルだと特徴的な逆ガル翼は
よくわかるのだが、機体全体のイメージは
つかみにくいような気が‥


こちらの方が、機体全体のイメージが
つかめていいと思う。


エアフィックス版憎しみボックスアート。
主役がボコボコにされている典型的なものだが、
紳士の国イギリスを代表するメーカーのもとしては、
大変珍しい。












敵地上部隊を襲撃するシーンにシビレた。
本機の爆弾搭載能力からすれば、敵には
いやがらせ程度の効果しかないだろうが、
ボックスアートに描かれた地上の煙から
判断すると、相当な戦果が期待できそうである。

『ドイツ週間ニュース』より、Fw189の活躍シーン。
http://www.youtube.com/watch?v=zzJLrjo6PFs

これは貴重。
ソ連軍に捕獲された機体のテスト飛行映像。
Fw189の武装やメカが撮影されており、見ていて楽しい。
http://www.youtube.com/watch?v=nH_o-b5Qi8Q&feature=endscreen






発売当時、こんなヘンテコなヤツを
モデル化するエアフィックスに感動した。
従来この手のアイテムは、オーロラの独壇場(?)だった。
モデル化の対象となるドイツ機が、底をついたということか。


















ウソのようなホントの話

第二次世界大戦における捕虜の脱走というと、
あたかも映画『大脱走』に見るような用意周到な
連合国軍捕虜(主体は米英の兵士ら)と、彼らに
見事に出し抜かれる間抜けなドイツ軍という
固定的なイメージがある。
しかし、脱走は何も連合国の専売特許ではなかった。


Wikipedia

ハインツ・フォン・ヴェラ。
ドイツの若き戦闘機パイロット。
「バトル・オブ・ブリテン」たけなわの
1940年9月5日にイギリス本土で
撃墜され捕虜となるが、収容先の
カナダの捕虜収容所から脱走し、
祖国ドイツへ帰還した。

ドイツ兵の脱走事件で、これほど
冒険小説的なものはないだろう。
事件の特異性と面白さから
映画化されている。

それは…

若き日のハーディ・クリューガーが主演の
1964年公開の映画『脱走四万キロ』が
それだ。
日本のテレビでも過去に何回か放送
されたので(‥といっても、相当昔)
ご存知の方もいるだろう。


映画『脱走四万キロ』の原作は、
1956年に発表された。
上は、最初に出版されたときの表紙。
ドイツ空軍のフライトスーツ姿で、敵の
戦闘機に忍び寄って、これを奪うイメージで
描かれている。しかし実際はオランダ軍パイロットに
変装して、テスト飛行の許可をもらっているので
飛行させてほしいと、白昼堂々戦闘機に乗り込もう
として逮捕された。


映画とタイアップしたときの表紙。
左は本人、右は映画の一場面。


Wikipedia
ヴェラの乗機。エンジン部分のカバーが外されているが、
機体そのものには不時着のダメージは、あまりないようだ。
ヴェラの波乱に満ちた冒険の始まりだ。

映画『脱走四万キロ』全編を見たい人は、こちら。
http://www.youtube.com/watch?v=7-jDlMNpSEs

映画にもあるように、ヴェラはイギリス本土の捕虜収容所で脱走事件を
繰り返えした。
その後カナダへ送られ、捕虜輸送中の列車の窓から飛び降り逃走、
凍結したセントローレンス川(ここがカナダ・アメリカ国境でもある訳だが)を
渡り、アメリカ国内へ。
彼は地元の警察に自分はドイツ兵捕虜だと申し立て、在米ドイツ領事館へ
連絡をとることに成功した。

アメリカ当局がカナダへの身柄引き渡し交渉を行っている間に、ドイツ副領事は
ヴェラをメキシコへ送り込んだ。そこからペルー、ボリビア、ブラジルと
南米諸国を回り、スペイン、イタリア、そして1941年4月18日に
祖国ドイツへ帰還した。
ヒトラー総統は彼の英雄的行動を賞賛し、騎士鉄十字章を授与した。

しかし、彼の幸運はそれほど長くは続かなかった。
1941年10月25日、北海上空を哨戒飛行中に行方不明となってしまい、
死亡と認定されたのだった。

エアフィックスでは、この歴史的な機体のプラモを
しっかりリリース。
被弾したメッサーが敵戦闘機に追い詰められ、
胴体着陸を行う寸前の緊迫した状況(‥だと思うが)を
ボックスアート化している。





レベルでもヴェラの乗幾を1974年に発売していた。
キット自体は1/72ファイターシリーズのもので、
同シリーズ時代の丸っこいE-3タイプの風防以外に
角ばったE-4タイプの風防や増槽、爆弾が付属しており
3種類のバージョンから選べるようになっていた。

その他、ドイツ兵の脱走関連映画

●マッケンジー脱出作戦 (1970年) - イギリスの捕虜収容所からの脱走もの。
 予告編は、こちらhttp://www.youtube.com/watch?v=e9uy9SQ-WsQ 


Wikipedia
『マッケンジー脱出作戦』の映画用ポスターだが、
一瞬アレッ?と思ってしまう。
それは、中央のドイツ海軍士官の軍服がそうだ。
鷲の胸章が右についている。
おそらくポスターの制作時にネガの裏表を
間違えたのだろうと思ったが、主役級人物の
こんな重要な部分をスタッフの誰も気がつかない
というのもヘンな話なので、推測ではあるが右側に手を
のばす写真がなかったため、おかしいのを承知で
ネガを裏返しにして無理やり使用した計画的犯行(?)の
疑いが強いと思うが、どうだろうか。

この映画がイギリス映画ではなく、ドイツ映画であれば
こんな失態は絶対にないだろう。






背景が消されたボックスアート。
どうも物足りなさが漂う。
後方に描かれた同型機2機を消すことによって、
「3機分のプラモが入っていないゾ」というクレームを
防ごうとしたのだろうか。


イギリス戦闘機とドルニエ機との機関銃の
応酬がオモシロい。
よく見ると、ドルニエ機ばかりでなくイギリス機の
主翼にも被弾しているのがわかる。
旋回機銃1挺で襲いかかる敵戦闘機に命中弾を
与えるとは、ドイツの射手もなかなか腕がいい。

★エーダイ・バージョン

エアフィックスと日本企業との関係は…というと、
過去に数社と提携関係を結んでいる。
エーダイ、トミー、ツクダホビー、GSIクレオス(旧グンゼ)と
いったところだが、とくに最初の提携企業であるエーダイは
He177やDo217のように日本のメーカーが手を出さない
ようなアイテムを1969年に発売し、衝撃的デビューを飾った。
しかも、高荷先生の迫力あるボックスアートだったので、
ドイツ機ファンには涙モノだった。

当時、グンゼ・レベルのように国内生産したものかと
思っていたが、実際はパーツを輸入し日本版パッケージと
日本語インストで発売したものらしい。


キットにはドイツのハイテク兵器・ヘンシェルHs293が付属しており、
メチャしびれた。空対地・空対艦ミサイルの元祖という事実も、この
プラモで初めて知った。当時(いまでもそうかもしれないが…)の
国産プラモで、このように気の利いたアイテムをオマケとして
付けてくれるものは、皆無に近かった。


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ヘンシェルHs293映像

以前ご紹介したテスト映像(音声なし)。
母機から発射されたミサイルは、地上に設置された
標的に見事命中!
オペレーターの職人技が光る。
http://www.youtube.com/watch?v=oRkUIXvxux0


参考:アメリカのライバル映像

WWⅡ末期、アメリカはASM-N-2バットと呼ばれる
誘導ミサイルを開発した。
Hs293が目視による手動式無線誘導(操縦桿によるラジコン
方式)であったのに対し、バットは自動追尾システムを装備しており、
オペレーターの職人技が不要という優れものであった。
ただし、敵の電波妨害や建物や地形による電波障害があると
目標に命中しないなどの問題があり、あまりパッとしないまま
1950年代半ばには姿を消してしまった。

バット本物テスト映像2点。
http://www.youtube.com/watch?v=f3-7S5jSDls

http://www.youtube.com/watch?v=eCOHe29cdmk


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高荷先生の筆が冴える逸品。
迫力ある絵を見て、思わず買った人もいるのではないだろうか。






当時の価格で、ハインケルが700円、ドルニエが400円とある。
B29はさすがに700円というわけにはいかず、1200円と高額設定だ。

He177やB17、B29などの大型機の発売で強気になったのか、
近日発売としてジャンボ・ジェットやC130の文字が見える。
はたして、発売されたのだろうか。

その他 枢軸国もの






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古色蒼然としたスタイルからは想像しにくいが、
登場した1930年代後半において高速爆撃機としての
評価が高かった。
1937年のスペイン内乱ではその高性能をフルに
発揮して、爆撃任務に従事。
WWⅡでは、その運動性能を買われて地中海方面で
連合国輸送船に対する雷撃任務を行った。

SM.79爆撃映像
http://www.youtube.com/watch?v=KFLxo7shIyg

敵輸送船団に対する魚雷攻撃映像
http://www.youtube.com/watch?v=4cl69qp5O78






G50生産風景。
エンジンや機体の生産工程がわかる
貴重な映像。職人による手作り感がいい。
http://www.youtube.com/watch?v=3qQkEVyQ8oE






垂直尾翼に描かれた「天翔ける虎」で有名な独立飛行第18中隊所属機だが、
「ドクリツ」ならぬ「ドコリツ」という表記がご愛敬。
おそらくイギリス人には「独立」という発音は、「ドコリツ」と聞こえたのかもしれない。




1/72スケールながら、独立飛行第18中隊所属機の
「天翔ける虎」がシッカリ再現されているのがうれしい。
実機の虎は東洋画で描かれているが、デカールも
それらしい雰囲気で作られているのがイイ。


胴体着陸で変形したかのようなプロペラの状態が
残念。これも、中身を見ることができない外国プラモの
宿命か。

太平洋戦争当時のニュース映画より、女子挺身隊の活躍を
伝える映像。
前半は100式司令部偵察機の整備風景。
人海戦術で機体の移動を行うのは、いかにも
日本的。
後半は木製増糟の生産現場を撮影したもの。
増糟の構造がわかって、メチャ貴重。
http://www.youtube.com/watch?v=PY6T0nZ4q1c&feature=player_detailpage


Wikipedia

唐突ですが…
100式司偵といえば、ヤッパこれ!
マルサンがなつかしい。

なつかしいボックスアートだ。
橋本喜久男氏の手になるもので、
模型店や駄菓子屋の店頭で
ワクワクドキドキしながら見たものだ。
もう、あれから50年近く経過しているのだから
時の流れは速い。

UPCブランド・バージョン

橋本喜久男氏の作品を使用したもの。

下は、レベルのボックスアートを手がけていた
Scott Eidson氏による作品。


その他マルサンもの


欧米人には奇奇怪怪の漢字、すなわち「神風」なる文字も
チャンと再現されているところは、巨匠の技ゆえか。


マルサンのF104はリンドバーグのキットをコピーしたものだが、
エンジンが内蔵されていて、わりとお買い得感があった。
ただし海賊版であることには違いないので、発売元のUPCに対して
リンドバーグから抗議を受けたりしなかったのだろうか。


1/100スケール これは橋本喜久男氏のボックスアートだ。




















チョッと違和感のある零戦だ。
エンジンカウリング後方にルーバー状の
ものが描かれている。
もちろん、オリジナルにはないのだが
100%デッチ上げというわけではない。

じつは実在したルーバー付零戦。
USAF
おそらく上のボックスアートを描くときに
参考にした写真。

太平洋戦争開戦直前の昭和16年11月に、当時日本の支配下にあった
フランス領インドシナ(現在のベトナム・ラオス・カンボジア)に向けて
飛行した台南航空隊の零戦が、南シナ海北部の海南島付近で行方不明となった。
この機体は中国本土沿岸部に不時着していたが、日中戦争のときに国民党政府軍を
援助していたアメリカ義勇軍「フライング・タイガース」はこの事実を知り、本機を回収し
飛行可能状態に整備したのが上の写真だ。

さて、この特徴的なルーバー状パネルはどうして取り付けられたのかと
いうと、この零戦を捕獲した際にオリジナルのパネルを紛失してしまったのが
原因らしい。
私の勝手な想像だが、手作りナベの材料に使うため誰かが盗んだのかも
しれない。
やむを得ず、あり合わせのバーツを加工してなんとか取り付けたのが
ルーバー付零戦ということらしい。

ところで、日米開戦直前という緊迫したこの時期、最新鋭戦闘機が行方不明という
大事件に、日本側はどう対応したのだろう。
機体を発見できないので、多分海上に不時着水しその後海没したのだろう‥という
日本独特の楽観的観測で処理してしまったのではないだろうか。

このルーバー付零戦の写真が複数アップロードされた
HPを発見した。興味のある方は、こちらへ!
Additional Photos for Zero War Prize
http://www.j-aircraft.com/research/additional_photos_for_zero_war_p.htm

アメリカ軍によって捕獲された零戦は、アリューシャン列島のアクタン島に
不時着していた機体が有名で、これを修理・整備しテスト飛行を行うことで
零戦の弱点が暴露されてしまったとされている。
このアクタン島での発見が昭和17年7月の話なので、「フライング・タイガース」の
捕獲零戦がいかに早い時期のものかがわかる。
もっとも中国本土からアメリカへ運搬するのに時間を要し、アクタン島の零戦が
アメリカへ運ばれたのが昭和17年8月、一方の中国の零戦は昭和18年9月と
なっている。


著名なエース・坂井三郎の乗機が楽しめる。


Wikipedia
軽快な爆音が聞こえてきそうだ。
数ある零戦の写真のなかで、最高傑作の
ひとつだと思う。


上記写真の零戦がそのままボックスアートに変身。
応急迷彩塗装がうまく再現されている。

★オマケ 怪しげな零戦ボックスアート

 
零戦の特徴をとらえてはいるが、何だか
全体的にズングリした感じで、セバスキー系の
戦闘機みたいだ。
垂直尾翼に描かれた軍艦旗は、当然のことながら
架空のものだが、地味な塗装が多い日本海軍機には
こんなものがあってもいいのでは…と思ってしまう。


上の軍艦旗が描かれた零戦に比べれば、
かなり改善されている。
しかし、それでも違和感はつきまとう。
機首を黄色にした「イエローノーズ」は、
ドイツ機の塗装にヒントを得たのだろうか。
実在したら楽しい。


名門レベルにも奇妙なボックスアートが存在した。
エンジンカウリング部分までオリーブドラブ風に
塗装した機体で、大戦当時のアメリカ陸軍航空隊の
標準塗装みたいな雰囲気だ。
グンゼ・レベル版でも、このボックスアートが使われて
いたが、妙な違和感をもった人も多かったのではないだろうか。

★★★★★表彰状もの!

外国人が描いた零戦のボックスアートのなかでは、
これが最高傑作だろう。
巨匠レーンウッドの筆が冴えるわたる。
日本のモデラーにも納得できる作品だ。


カウリングが黒塗装されていない点や垂直尾翼のマーキングから
判断すると、このボックスアートは日本陸軍の戦闘機資料を使って
描かれたものだろう。四式戦「疾風」風零戦といった感じだ。


上と同じ構図で描かれているが、こちらは
零戦に関する資料をかなり調べたようで、
合格点のボックスアート。




機体全面がイエローというのも凄まじいが、
「JAP」の文字を見ればその理由が何となく
わかろうというもの。


相変わらず黄色の機体だが、カウリングを赤くするなど
もともとド派手な塗装を、さらにエスカレートさせているのがオモシロい。
表示も「JAP」から「JAPANESE」になり、多少はオーロラの気持ちにも
落ち着きが見られるようになった。

★おまけ オーロラ独自の解釈によるボックスアート

メッサーの全面レッド塗装は、ある意味オモシロい。
「レッド・バロン」の国ドイツのヒコーキだから、
こんなものがあってもいいじゃないか…そんな軽いノリで
やってしまうのがオーロラのいいところ。





ところで

オーロラの誕生から消滅までを
記述したもので、きわめて貴重。
ドラキュラやフランケンなど、日本でも
知られたものからまったく未知の
キットまで完全網羅。
ボックスアートも多数掲載され、
見ていてメチャ楽しい。
ナゾ多きオーロラの過去が
いま明かされる。

おっとっと…脱線だ。

次回の更新は、5月31日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part9

2013年01月20日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦


「長官!
 兵士には休息が必要だ



「私にも必要だ」

今回はお休みです



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館

大きいことは
イイことだ!

1:24シリーズ




MPCバージョン












映画『空軍大戦略』をイメージさせるボックスアートだ。

『航空ファン』誌に見る1/24スピット広告


「史上最大」の文字が誇らしげに掲げられた
当時の広告。確かにデカかった。


一方のライバル、グンゼ・レベルの広告。
グンゼで商品開発した雷電が、当時のプラモ雑誌の話題をさらった。
店頭価格で700円というのは、大型モデルであるにもかかわらず
けっこうお買い得感がありインパクトがあった。




エアフィックス1/24スピットの広告。
下の方に2,900円という売価表示が見える。
現在の感覚でいえばかなり安い印象だが、
当時としては高額商品だった。
いまこのプラモを購入しようとすれば、ネット
販売で5千~6千円前後で入手できるが、これも
円高の恩恵だろう。

レベルの1/32もデカいと思ったが、それより
デカいプラモの登場でプラモ雑誌での話題を
さらった。

なお、このプラモの輸入元は大洋交易となっている。
この時期、ポストホビーの日本国内代理店契約は
すでに失効していたのだろうか。
そういえば、上記航空ファン誌71年4月号のポストホビーの
広告には、エアフィックス日本国内代理店の文字はない。


エアフィックス新製品紹介の記事。








プラモデル教室記事。
航空評論家の秋本実氏を講師に招いて
開催したときのもの。

これは参加者が自分の作品を持参し、講師がこれらを
講評し最優秀作品を選ぶという内容で、当初はさまざまな
航空機プラモの出品だったが、途中からテーマとなるプラモを
毎回決めて行うようになった。
講師は、秋本実氏や小鷹和美氏といった当時プラモデル雑誌で
製作記事や機体の塗装・マーキング類の考証記事を執筆していた
方々で、毎回入れ替わりで登場していた。

このときは、話題のエアフィックス1/24スピットファイアを取り上げた。
本格的1/24プラモということもあって、参加希望者が殺到したため
抽選で7名を決めプラモデル教室を開催したのだが、モノが大きすぎて
製作に手こずったのか、出席者わずか2名となってしまった。
5名がドタキャンという異常事態に、「参加を希望した以上は、責任を
果たすように」という編集部の苦言がしっかり掲載されているのが印象的だった。


当時の航空ファン誌には、橋本喜久男氏によるワイドカラー側面図が付属していた。
定価が350円の時代で、この側面図付というのはお買い得感があった。

グンゼレベルの1/32ヒコーキプラモにも、このような橋本氏の着陸姿勢カラー
側面図が付属していた。


参考資料

スピットのボックスアートで最高傑作といえば、やはりこれだろう。
現在でもこれを凌駕する作品は、出ていないと思う。

映画『空軍大戦略』より、イギリス空軍に
ボコボコにされるHe111映像集。
http://www.youtube.com/watch?v=uyWWOZxqlSU&feature=endscreen&NR=1


世の中には
もっとデカいプラモがあった!

オモチャおやじ
ハチャメチャ企画

実物大プラモ作ろう!
1/48スケールのスピットプラモをベースに、
これを48倍して実物大プラモを製作
するという前代未聞の企画をブチ上げた
チョー過激オタク・おやじの顛末記。


Wikipedia
イギリスの「オモチャおやじ」こと、
ジェームズ・メイ


Wikipedia




Wikipedia
これが実物大プラモ。


Wikipedia
実物大フィギュア。
顔の部分は、ジェームズ・メイ本人から
直接型取り(!)している。

James May's Toy Stories
エアフィックス1/48スピットファイアをベースに、
1/1プラモを作り上げるという前代未聞の企画を
実現させたイギリスBBCの番組がコレ。
冒頭にエアフィックス製品の紹介やプラモ生産現場の
映像があって、なかなか興味深い。
http://www.youtube.com/watch?v=zID8rnZcshs

ライバル機も出た!








過去には省略されていた垂直尾翼のカギ十字が
ちゃんと描かれている。
憎悪の対象であったカギ十字も、歴史的事実として
受け止めようという意識の変化があったのだろうか。






MPCバージョン






エンジン内部に小型モーターを
仕込んで、プロペラを回転させたい
お客さん向けのもの。







超デカモデル!

レベルが1/32スケールでモスキートを発売したときは、
かなりデカいプラモだと思ったが、それをさらに上回る
モデルがこれだ。
WW2のイギリス空軍を代表するスーパースターなので、
エアフィックスとしては何とかモデル化したいアイテムだった
のだろう。歴史をプラモとして残す…そんな執念みたいな
ものが感じられる。

このボックスアートは、歴史的事実を描いている。
爆撃を受けた建物はフランスのアミアン刑務所(のちに
立て替えられて、現在も刑務所として使われている)で、
大戦中はゲシュタポによって捕らえられたフランス・レジスタンス
関係者が収容されていた。
ゲシュタポは、これら関係者を1944年2月19日に処刑する
ことを決定した。
この事実を知ったレジスタンスは、イギリス政府に刑務所を
爆撃し収容者を脱獄させるよう要請をした。

イギリス政府は困惑した。
いくら腕のよいパイロットでも、収容者に犠牲者を出さずに
爆撃するなど不可能だからだ。
しかし、レジスタンス側はあきらめなかった。
このままでは全員処刑される。
少しでも助かる可能性があるのなら、爆撃すべきではないのか。

作戦は処刑が実施される前日、すなわち2月18日に決行された。
爆装したモスキート11機は、刑務所の看守たちが昼食のため
食堂に集まる12時に攻撃を開始した。
正確なピンポイント爆撃で、食堂は破壊され塀には大穴が開いた。
この混乱に乗じて収容者約700名のうち約250名が
脱獄に成功したのだった。
しかし、その後のゲシュタポの執拗な捜索により大半の者は
再び捕らわれてしまった。




Wikipedia
スピード感のある写真だ。
刑務所の建物には着弾による
煙が確認できる。
ドイツ側は、まさか爆撃されるとは
思ってもいなかったようで、刑務所周辺を
見ても対空砲などが配置されている様子は
ない。完全な奇襲であった。
突然の爆撃と逃げ出したレジスタンスとで
現場は大混乱のはずで、警備用の機関銃で
対空戦闘を行っている余裕はなかっただろう。

なお余談だが、上のボックスアートはこの写真を
参考にして描かれているような気がする。


GoogleEarth
現在の状況を同じアングルで見てみた。
建物が平面的になっているので変な感じだが、
再建された刑務所の様子がよくわかる。


Wikipedia
爆撃直後のアミアン刑務所。
不鮮明な写真なので、建物の被害状況が
イマイチわかりにくいが、雪原に散らばった
破片がある部分とその右側の塀は、命中した爆弾で
崩壊しているように見える。
作戦時、あたりは一面積雪状態だった。
塀の外側から爆弾を命中させたものだが、このような
ピンポイント攻撃の正確さには恐れ入る。


GoogleEarth
現在のアミアン刑務所。
赤丸部分が爆撃で塀に穴が開いたところと
推定する。


GoogleEarth
塀の外側は住宅地になっているが、当時
刑務所正面(画像では下側)に面した大通り周辺以外、
人家はほとんどなかった。


Wikipedia
塀に大穴が開いている。
レジスタンスの面々は、ここから脱出した。
爆撃によって建物もボロボロ状態で、
ドイツ側・レジスタンス側双方に多くの犠牲者がでた。


GoogleEarth
刑務所裏手の様子をストリートビューで見る。
赤丸部分は塀の崩壊推定部分。
ただし、左の赤丸部分の塀は民家に隠れているので
この画像からは見ることはできない。


爆撃直後の刑務所の様子がわかる貴重な映像。
戦果確認のため、モスキートに搭載されたカメラで
撮影されたもの。
http://www.youtube.com/watch?v=VOAPx_VPi-A



Wikipedia

1969年公開の映画『モスキート爆撃隊』予告編。
テレビドラマ『ナポレオン・ソロ』のイリア・クリアキン役で
おなじみのデイヴィッド・マッカラムが主演。
連合軍捕虜が収容されている城の壁を、モスキートから
投下された特殊爆弾で破壊して、捕虜を逃亡させるという
話は上記の史実を下敷きにしたものだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=16UpDYqUzoA








イギリス人にはツラいボックスアートだが、必死に逃げ回る
悲壮感みたいなものが感じられて、絵としては素晴らしい。


Wikipedia
チョー地味ながら、WWⅡにおいて偵察・救難・対潜哨戒に活躍した。
とくに通算1万人以上のパイロットを救助したことは、特筆に値する。
本機の活躍が見られる映像は、コレ!
http://www.youtube.com/watch?v=4-2UAXblTUE






















「バトル・オブ・ブリテン」勝利70周年記念ボックスアート。






日本では、製造元のアメリカ機というよりは
零戦や隼にボコボコにされたイギリス機という
イメージが強い。

































































伝説の作戦が、いまよみがえる!

攻撃を受けたダムの一部分が、スタンドベースとなっているのが
オモシロい。
これだと1/72スケールとはいえ、ダムがけっこうデカいことがわかる。



1943年5月17日、イギリス空軍はドイツの軍需生産拠点である
ルール工業地帯に電力を供給していた水力発電ダムへの攻撃を実施
した。目標はメーネ、エーデル、エンペネ、ゾルぺ、リスターの五つのダムで、
19機のランカスター爆撃機が出撃した。

ドイツ側はこれら重要施設であるダムの攻撃を予想して、対空砲を配置し
貯水池には防潜網を設置し魚雷攻撃に備えていた。
イギリス空軍はこれに対し、ドラム缶型の反跳爆弾を開発した。
ランカスター機体内部に特設されたモーターにより回転された爆弾は、
機体から投下され着水すると水面を飛び跳ね、ダムに命中すると
そのまま沈み水中で爆発するようになっていた。

戦果は五つのダムのうち、メーネ・エーデル両ダムは決壊し、下流地域に
大水害を発生させた。
死者1249名、稼動停止した軍需工場125箇所、流失橋梁25箇所と
なんとも凄まじい数字が残された。
エンペネ、ゾルぺの両ダムは、攻撃を受けたものの被害なし。
リスター・ダムは、濃霧のためイギリス機に発見されず攻撃を受けなかった。

一方の攻撃部隊もけっして無傷ではなく、出撃した19機のうち8機が
未帰還となった。

その後、ドイツ側はダム周辺の防備を強化したのは当然のことだが、
イギリス側も損害の多さから、ダム攻撃は実施しなかった。

ダムの被害状況

Wikipedia
メーネダム


Wikipedia
エーデルダム

ダムの決壊状況がよくわかる。

現在の状況

GoogleEarth
赤丸部分がメーネダム。


GoogleEarth
赤丸部分がエーデルダム。
メーネダムも同様だが、ダム下流地域には
畑が多く、集落があちこちに存在する。
大戦中の状況も似たようなものだったと思われる。
ダムが決壊すれば、貯水池の水が流れ出し
大量の犠牲者が出ることは、容易に想像ができよう。

1955年公開の映画『暁の出撃』より
ダム攻撃のシーン。
http://www.youtube.com/watch?v=lCRIsjJFRNo




ダムバスター・オマケ

アブロ・ランカスターをモデル化したメーカーでは、
小改修でOKのダムバスター・バージョンも
忘れずに発売しているのは、洋の東西を問わずだ。


タミヤ

ノーマル・タイプ


ダムの形状からメーネ・ダムを描いているようだ。


「塗装済み風防付き」スペシャル・バージョン

レベル

ノーマル・タイプ


イギリス空軍によるダム攻撃の事実は、グンゼ・レベルのプラモで
初めて知った。
ところでボックスアートに描かれたダムは、何となく現代風。
これが描かれた当時は、メーネ・ダム等に関する資料があまり
無かったのかもしれない。





「ダンピールの悲劇」映像
1943年3月、パプアニューギニア近隣のビスマルク海に
おいて、日本軍輸送船団がボーファイターを含む連合軍航空部隊の
攻撃で全滅した。このときの映像がコレ。
海上の救命ボートや漂流者に対して、情け容赦なく銃撃を加える
映像は心が痛む。

輸送船8隻は、護衛の駆逐艦8隻とともにラエに向けて
ラバウルを出航したが、途中連合軍航空部隊の攻撃で輸送船全部と
駆逐艦4隻が沈没し、約3000名が死亡した。

輸送船団上空には零戦の護衛もあったが、超低空で侵入する
敵機を阻止できなかった。
また日本の輸送船は、高射砲や機関銃で武装されていたが、
機銃掃射をしながら襲いかかる敵機には、とても対抗できなかっただろう。
http://www.youtube.com/watch?v=YVLV67xILI4


Wikipedia
襲撃される日本の輸送船。
船首下部を白く塗装しているが、
これはいかにも高速で航行しているかのように
見せるための欺瞞工作。
写真ではわかりにくいが、船体中央部下部に白い波頭、
船尾下部も白く塗装されており、通常の速力以上に
速度を出しているように見せている。

たとえば、敵潜水艦が魚雷攻撃を仕掛ける際、
目標の速度を誤って測定すれば、たとえ
魚雷を発射したとしても、命中はしないことになる。
しかし、実際にどの程度効果があったのだろうか。




旧式なスタイルながらドイツ戦艦ビスマルク撃沈に寄与した
多大なる功労者。
こんな機体が活躍できたのも、ドイツの海上航空兵力が貧弱だったから?

















戦勝国ならではの企画モノ。
『第二次世界大戦戦勝60周年記念』プラモセット。
何だかこのセットのために特別に開発されたプラモが
パッケージされたイメージがあるが、中身は過去に
リリースしていた製品のうち、大英帝国の勝利に貢献した
兵器のプラモをピックアップしたもの。
スピットファイアやハリケーン、ランカスターなどは選ばれて当然だろうが、
救急車や消防車もセットされているのが、意外性があってオモシロい。
日本では考えられない組み合わせだが、これも「人命第一」をモットーとする
欧米流思想の反映か。

また、コマンド部隊というのもいかにも象徴的だ。
少人数で敵中深く潜入し、ドイツ兵をキリキリ舞いさせる大胆不敵な作戦と
英雄的な戦闘は、冒険小説好きのイギリス人が喜びそうなアイテムだ。
これを見ると、イギリスの人気商品がどのようなものかわかり興味深い。

ところで、敗戦国の日本では『終戦記念○○周年記念』的プラモセットというのは
聞いたことがない。企画モノとして、零戦や戦艦大和のセットというのもアリだと
思うが、どうも重苦しい気分で買いにくいという雰囲気がある。
また、プラモの販売に『終戦』という言葉を軽々しく使ってよいのか…という
判断もあるのかもしれない。


墜落する機体から脱出するパイロットを描いたボックスアート。
緊迫感があって、こうした絵は好きだ。
でも、イギリスのメーカーが自国の機体をこうした形で描くのは
珍しい。なぜなら主役が墜落する絵というのは、敵国または対立する国を
対象とするのが一般的だからだ。


Wikipedia

参考資料・パイロット脱出ボックスアート

旧敵国ドイツの戦闘機メッサーの絵。
スピード感と緊迫感がうまく描かれている脱出アートの決定版。


これは、パイロットを射出できますよ…という
ギミックを説明したボックスアート。


仮想敵国ソ連もの。
チョッとラフな描き方が新鮮だった。

アメリカ空軍が制作したジェット戦闘機からの脱出に関する
教育映画から。
http://www.youtube.com/watch?v=xvBxQC-Olyg


IMC倒産後、金型はリンドバーグに移った。
アメリカのイラク侵攻作戦に便乗して、イラク空軍機仕様の
ものを発売していたのが思い出される。
なお、キットでは(IMC時代も同様だが)2機分入っているのではなく
被弾状態のパーツがオプションとして付属しており、ノーマルタイプまたは
被弾状態のどちらかを選択して作ることになる。



次回の更新は、3月15日夜の予定。

お詫び
体調不良により、ダウンしてしまいました。
更新は3月31日夜に変更します。
誠に申し訳ありません。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part8

2012年12月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦






「生き残りを集めて反撃しろ」

























「クソッたれめ
 敵の増援部隊が来やがったぞ」


「おお 神よ!」



つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館


私がエアフィックス製品を集め出したのは
中学生のときで、1970年代前半の頃だ。
当時はビニール袋入り1/72ヒコーキシリーズを
買っていた。

理由は、輸入プラモのなかでは価格が安い(当時200円だった)という
のもあったが、中身が見られるというのも魅力の
ひとつだった。輸入箱ものプラモは中身が確認できないので、
ある意味賭みたいなところがあり、値段の割にデキが残念な
ものだとショックから立ち直るのにかなりの時間を要した。
その点、エアフィックスの200円ヒコーキシリーズは、当時
パッケージ自体がビニール袋となっており、パーツを見る
ことができた。

それとは別にエアフィックス製品は、モノグラムやレベルといった
アメリカ製ヒコーキプラモとは異なる作風が、なんとなくイギリスを
感じさせており、それはそれで気に入っていた。
アメリカのメーカーの場合、リアリズムに徹底しており
機体のリベットまで再現していたものが多かったが、
エアフィックスはスジボリだけという、実にアッサリした表現が
多く、これは同じイギリスのメーカー、フロッグにも共通していた。

これは好みの問題にもなるのだが、当初アメリカプラモを見慣れて
いた私にはかなりの違和感をもったが、考えてみれば1/72や1/48
スケールでのリベットは、実機では相当大きなものとなり、
逆にリアリズムに徹するのであれば、スジボリだけの方が
スッキリするのではないか…という気になっていた。






フォッカーDr-1といえば、リヒトフォーヘンの
真紅の機体が有名だが、カウリングにヒゲオジサンの
顔を描いたヴェルナー・フォスの乗機も、けっこう印象的だ。
エアフィックスも当初は真紅の機体バージョンで発売していたが、
その後はフォスの機体バージョンに切り替えている。
全面真紅だと、オモチャっぽく見えてしまうからだろうか。
そういえば、レベル1/72もフォスの機体だった。


2006年公開の映画『フライボーイズ』から、
ニューポール17とフォッカーDr.1との空戦シーン。
WWⅠにおいてアメリカが参戦する以前、フランスの
航空隊に志願したアメリカ人たちの活躍を描いている。
http://www.youtube.com/watch?v=5ZnZf4Ayb3M&feature=related


水平尾翼も複葉というのがユニーク。


MPC版のボックスアート。








Wikipedia
立木(杭?)に衝突して、つんのめった機体。
周囲の状況から判断して、飛行場では
なさそうなので、被弾または故障で不時着したとき
たまたま立っていた木に突っ込んだみたいだ。
こんな広々とした場所で、どうして衝突するのか
理解に苦しむ画像ではある。
もしかしたら、機体を止めるために故意に
衝突させた可能性もなくはないが‥


胴体が合板によるモノコック構造であるため、
当時としては珍しく流線型のスマートな機体になっている。
こうしたユニークな機体は、プラモ向きでオモシロそうだ。






MPC版ボックスアート。


Wikipedia
パイロット頭上の視界は、文句なしによいことが
わかる。ただ、主翼が下方をさえぎり死角が多いような
気がする。このテの主翼の配置が一般化しなかったのは、
下方視界に難点があったからではないだろうか。


なんだかオーロラのボックスアート的雰囲気の
絵だ。





































オマケ レベルのWWⅠヒコーキ

 
レベルでも、
1/72スケールでレトロな戦闘機プラモを
 発売していた。
 グンゼ・レベル時代は、模型店以外でも文具店や駄菓子屋等で
 売られており、プラモの普及に貢献していた。
 作った人も多いのではないだろうか。


フォッカーDr-1以外に、三葉機の戦闘機が存在することを
このプラモで初めて知った。
実際、この機体はフォッカーに強い影響を与え、Dr-1が開発される
切っ掛けとなった。


プロペラと機関銃の同調装置が開発される以前は、
この機体のような荒ワザが必要だった。

弾丸がプロペラを撃ち抜かないように、プロペラの
裏側にくさび形の鋼板が取り付けられていて、プロペラに
命中した弾丸ははじき飛ばされるようになっていた。
これで、プロペラを通して射撃ができるようになった。
確かに画期的な方法であったが、きわめて危険で
鋼板がはじき飛ばした弾丸が、どこに飛んでいくかは
神のみぞ知る‥であった。

実際、これが原因で被弾損傷した機体が不時着し、
ドイツ側の手に落ちた。
この仕組みを見たアントニー・フォッカーは、同調装置の
メカを思いつくヒントになったという。














この白い機体がナチスの大物、ヘルマン・ゲーリングの愛機だった
というのは、このプラモで初めて知った。
全面白というのは、当時としてはきわめて(今でもそうか)異色だ。
リヒトフォーヘンの真紅の機体を意識していたのかもしれない。




タカラ・バージョン




アメリカ版・グンゼ版ではリヒトフォーヘンのデカールだけ
だったが、タカラ版ではフォス、ゲーリングの乗機も選べる
ようになっていたのがウレシい。
また、改造例も紹介されていてワクワクしたが、
この資料だけで製作するのはチョッときびしい(主翼の
塗装など)ので、あくまで改造のための動機づけということ
なのだろう。


このアルバトロスは、レベル1/72ファイターシリーズの
なかでは初期のものに属している。
パイロットも胴体内側のピンに差し込んで固定する形式の
もので、FW190や零戦なども同様だった。


グンゼ版では見られなかった工作グッズが
付属していた。
ピンセット・パテ用へら・クリップなど。


いまでは差別表現として使用できなくなった
黒人のマスコットマークがなつかしい。


タカラ時代のレベルカラー色見本。




レベルもヒゲオジサン・バージョンで発売していた。
やはり、こちらの方がインパクトが強いということか。















イギリスの新旧戦闘機の詰め合わせセット。









対決!
ドッグファイト・ダブルス・シリーズ

敵味方双方のヒコーキ2種をパッケージした
プラモは、古今東西存在した。
しかし、エアフィックスほど多くの種類を出して
いたメーカーも珍しい。







オヤッ!?

エアフィックスとレベルのキャメルって、
主役の構図が同じように描かれている。
これって単なる偶然の一致なのか。


スピード感のある素晴らしいボックスアートだ。
思わず買ってしまいたくなる。


























映画『トラ・トラ・トラ!』では、迎撃に飛び立ったP-40戦闘機2機が
日本機の編隊に殴り込みをかけるシーンがあるが、まさにそのときの
イメージだ。迎え撃つ零戦も、ナゼか増槽をつけたまま空戦をし
何機か撃墜されてしまう。なんともトホホな話ではある。


これは敵味方ではないが、どんな基準で
選んだのかよくわからない。
両機とも朝鮮戦争では、地上攻撃に活躍したから…
ということなのか。





V-1の発射シーンと迎撃するイギリス軍の戦闘映像。
http://www.youtube.com/watch?v=QY308O42Ur4

グロスター・ミーティアの離陸・飛行映像。
http://www.youtube.com/watch?v=q60bhhM3aWk


V-1との組み合わせは、フロッグにもあった。
エアフィックスの場合もそうだが、V-1だと
2機セットというよりはイギリス機のオマケと
いった印象が強い。


Migが完全に斬られ役になっている。
地上で撃破されるMigと逃げまどう地上クルーが
描かれ、まさに「ワレ、奇襲二成功セリ」の世界になっている。




一瞬2機ペアになっているのかと思ったら、ハリアー単品だった。

参考資料

日本版「ドッグファイト・ダブルス」では、タミヤのF-86と
Mig15のセットがなつかしい。
これは、エアフィックスのように既存の製品をペアにしたものではなく、
新規で開発されたところが泣ける。
Migのマーキングも、北朝鮮や中華人民共和国というのも変わっていて
よかった。


1/100スケールながら、よくできたパイロットが付属していた。
ただ、F-86もMigもまったく同じ形のパイロットというのは?だった。






F-86中華民国バージョンは、機首にサメの口を描くなど、
けっこう見応えのあるものになっていた。

スタンドは、ベースに開けられた複数の穴に
スタンド支柱を差し込むことで、いろいろな
コンバットシーンを楽しめるようになっていた
のはGood!
一見たいしたことがないように見えるが、
日本的配慮がなされたプラモとして、
記憶に残る。


これは、ジェット機とロケット機の詰め合わせキット。
戦後のジェット機ばかりの同シリーズのなかでは、
異色の存在だ。オマケにV-1(これも立派なジェット機だ)が
付属していたら、さらによかったのだが…

★オマケ 昭和の歴史的資料
  第一次石油ショック(昭和48年)


石油ショック。
当時を知るモデラーにとっては悪夢だった。
石油製品急騰の影響は、こんなところにも現れてしまった。
プラモ販売価格の一斉値上げだ。

メーカー側もパッケージの価格表示の変更が間に合わず、
シールを貼って急場をしのいだ。
このキットも本来は200円の表示だったが、価格変更シールに
よって250円となっている。
当時の国産プラモのパッケージには、こうした値上げシールが
ある日突然ベタベタ貼りまくられ、買い手はメチャ混乱したものだ。
消費者側は生活防衛(?)のため、店員の目をかすめて
このシールをなんとかはがそうとしたが、うまく取れなかった。
おそらく日本全国の模型店のほとんどで、こうした攻防戦が
繰り広げられたことだろう。
しかしながら、強力粘着シールを使用したメーカー側の勝利で
終わっただけであった。

こうして日本のプラモは、高価格時代に突入した。

オマケのオマケ

雑誌『航空ファン』1971年1月号



ポストホビーの広告。
エアフィックス国内代理店の文字が見える。
当時、国内で発売されていたエアフィックスの
製品がわかる貴重な資料。
1973年10月に勃発した第四次中東戦争で、
アラブ側の石油戦略発動(いわゆる石油ショック)前の
プラモ価格がわかる。
もっとも低いもので200円。国産の同等品(グンゼレベルなど)なら
100円の時代だ。ポストホビーによるエアフィックス製品安定供給の
おかげで、エ社プラモの認知度も向上したように思う。
それまでの外国プラモといえば、レベル、モノグラムに代表
されるアメリカ製品が主流だった。イギリスにもこんなイイものが
あると知らしめたポストホビー、あなたはエライ!

誌面中央右側には、新製品Bv141のボックスアートが
掲載されており、ドイツ機ファンにとっては期待の
キットだった。こんなレアな機体を発売してくれる
エアフィックスは、メチャ素晴らしい!




Wikipedia

Bv141の飛行映像。
ちゃんと飛んでいる!
http://www.youtube.com/watch?v=SV96hXwWN7c

移転して、いまはなくなってしまったポストホビーの
代々木駅前店と池袋駅パルコ5階店がなつかしい。
両店とも輸入プラモが多くあったが、なかでもエアフィックス
製品は充実していた。

私が付近の某大学受験大手予備校の生徒だった
とき(つまりは浪人生)に、授業が終われば毎日のように
入り浸っていたのが、この代々木駅前店だったし
お金に余裕があれば、池袋のパルコ5階店まで
足をのばしていた(もちろん、親はこれらの事実を知らない)。

とくに代々木駅前店では、店のオジサンと顔なじみになり
いろいろなプラモ情報を教えてもらった。
でも、金銭的に苦しい浪人生だったので、話を聞くばかりで
あまりプラモを買わなかった。ゴメンナサイ!


グーグルアースのストリートビューで、現在の
代々木駅前店跡を見る。
店の住所は東京都渋谷区代々木1-36
代々木駅前ビル1階で、地名・地番等はいまでも
同じで、ビルも昔のままだ(多少の改築はしている
のかな?)。

矢印先の黄色の看板のあるところが、かつての
店舗(多分そうだと思う)があったところで、この
写真の後方へ歩いて約1分のところにJR代々木駅がある。
この通りをそのまま前進すると、小田急電鉄の
大きな踏切があり、さらにその先は甲州街道と
交差している。その地点の右手には、JRや小田急の
新宿駅南口がある。


ハセガワのPS-1の発売予告。


エアフィックス新製品として、ブリストル・ブルドッグとHs123の
紹介記事が掲載されている。
「エアフィックスのWWⅡドイツ機では、垂直尾翼のハーケンクロイツが
省略されているので、ABTデカールを使用するとよい」などと書かれて
いるのを見ると、このABTデカールやストッペル、レトラセットといった
外国製デカールを思い出す。

YouTubeで見つけたイギリスのヒコーキ映画

1952年公開のイギリス映画『超音ジェット機』から、
音速突破に挑戦した実験機が操縦不能となって墜落するシーン。
1946年9月のデ・ハビランド DH.108 スワローの事故を描いている。
パイロットのジェフリー・デハビランド ・ジュニア(デ・ハビランド社
創設者の息子)は、このとき死亡した。
なお、チャック・イェーガーが搭乗する X-1が音速突破に成功したのは
1947年10月14日のことだった。
http://www.youtube.com/watch?v=in4rpJ2PLHA


デ・ハビランド DH.108 スワロー wikipedia


買えないゾ!

プラモ雑誌『モデルグラフィックス』2013年
1月号が、発売と同時に完売するという
前代未聞の事件が発生した。
原因は、今回の「ガルパン」特集がアニメファンを
動かしたから…といわれている。

今年の10月からテレビ放映されているアニメ
「ガールズ&パンツァー(略してガルパン)」に
登場する戦車の本格的特集としては、現在唯一の
存在と思われるのが、このモデルグラフィックス誌だ。
公式戦参加以前の初期塗装、たとえば八九式中戦車の
「バレー部復活!」スローガン付塗装とか、ノボリを立てた
三突が紹介されたりで、オタク度はかなり高い。
同誌では今回の品切れ状態に対処すべく、プラモ雑誌と
しては異例の増刷を決定したという。
このブログがアップロードされるころには、書店で
再び見ることができるだろう。

「ガルパン」については、学園ものと戦車を
融合した異色のアニメで、とくに戦車のリアルな
映像表現が注目されている。
私としては、『黒騎士物語』をアニメ化したような
ガチなものを期待したいところだが、いまの
ご時世では「萌え」を感じさせるものでないと、
なかなか一般ウケしないのかもしれない。

ガルパン戦車プラモ各種

あんこうチーム(2年生)…当初Aチーム



アヒルさんチーム(旧バレー部)…当初Bチーム


カバさんチーム…当初Cチーム


カメさんチーム(生徒会)…当初Eチーム




主人公の西住みほが乗る「あんこうチーム」の
Ⅳ号戦車D型のプラモといえば、コレが代表的。
12月4日の放送では、長砲身タイプのF2型に
変わっていたゾ。


「あんこうチーム」のⅣ号戦車は、そのうち武装強化型の
H型に進化するかもしれない。


ドイツ軍とは多少風味の異なる
フィンランド軍バージョンの3突。
車体上部をコンクリートで補強した
現地改造型というのがオモシロい。
丸みのある姿は、カバさん的イメージにふさわしいかも!?


小柄な女子高校生が乗るにはいいかもしれないが、
ズウ体のデカい人間にはキビしい。


Wikipedia
土浦の陸上自衛隊武器学校に現存する八九式中戦車。
レストアされて軽快に走り回るというのが、うれしい。
車体に「バレー部復活!」と大書きしてみたい(ウソ)。


Wikipedia
昭和の軍神・西住戦車長と八九式中戦車。
機銃掃射を受けたらしく、すさまじい弾痕だが
貫通はされていないようだ。

「ガルパン」の主人公・西住みほの姓は
西住戦車長にちなんで命名されている(…と思う)。

その他

ウサギさんチーム(1年生…当初Dチーム)使用車両なら…


カモさんチーム(風紀委員)使用車両なら…


アニメ『ガールズ&パンツァー』より、
大洗町内における戦車バトル。戦車のリアルな映像がスゴい!
http://www.youtube.com/watch?v=zl4AXwJYEEk

第10話。ドイツ戦車登場の戦闘シーン。
http://www.youtube.com/watch?v=61hXi-l3b1o

次回の更新は、1月15日夜の予定。

お詫び:編集作業の遅れにより、1月20日夜に
 更新する予定です。申し訳ありません。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part7

2012年11月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦


「諸君!
 2週間の特別休暇を与える」

今回はお休みでっす。


不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館

















イギリス艦英雄列伝

駆逐艦コサック…といっても、日本人には
ピンとこない。しかし、イギリス人には
捕虜救出作戦の立役者として、忘れられない
存在となっている。そして、日本もちょっぴり
関係してくる…となれば、少し脱線するのも
無駄ではないような気がしてくる(自己弁護)。

その捕虜救出作戦は、一般にはアルトマルク号事件と
呼ばれている。

1940年2月、ドイツ海軍の補給艦アルトマルクは
ドイッチュラント級装甲艦(ポケット戦艦といった方がなじみがあるが)
アドミラル・グラーフ・シュぺーが拿捕・撃沈したイギリス商船の船員
約300名を乗せ、祖国ドイツへ向かっていた。


アルトマルク

アルトマルクは第二次世界大戦が始まると、
グラーフ・シュぺーの通商破壊作戦を支援する任務に
就くこととなった。グラーフ・シュぺーは沈めた商船の
船員を救助すると、アルトマルクに移乗させ
彼らの面倒をみるようにさせていた。
しかし、肝心のグラーフ・シュぺーがイギリス艦隊の
攻撃で損害を受け、逃げ込んだ先の南米ウルグアイの
モンテビデオ港で自沈すると、アルトマルクは捕らえた
イギリス船員とともにドイツに帰還することになった。

イギリスの北から中立国ノルウェー沿岸を通り、ドイツへ戻る
ルートであったが、ノルウェーの沖合を航行中にイギリス
哨戒機に発見されてしまった。
イギリス海軍は、これまで収集した情報からアルトマルクに
多数のイギリス船員が拘束されていることを把握しており、
駆逐艦コサックにその奪還を命じたのだった。
コサックはただちに追跡を開始し、アルトマルクを捕捉した。
危険を感じたアルトマルクは、全速力でノルウェー領内の
フィヨルドに逃げ込んだのだが…


駆逐艦コサック Wikipedia

翌日(2月16日)の夜、執拗な追跡を行う駆逐艦コサックは
アルトマルクに急接近し、強行接舷を敢行する。
22時20分、イギリス水兵はアルトマルクに突入し、
白兵戦を展開、ドイツ水兵の抵抗を排除しイギリス船員の
解放に成功した。

ドイツ側の損害が戦死4・負傷5であったのに対し、イギリス側は
負傷1の完勝だった。
※死傷者数については、資料によって相違がある。

領海侵犯をされたうえ勝手にドンパチされたノルウェーは、
イギリスに抗議しただけで対抗措置はとらなかった。
いかに中立国とはいえ、老大国イギリスに手は出せなかった
のだろう。

Wikipedia
事件後、ドイツ人戦死者を埋葬するための葬列。
後方に艦名を入れたアルトマルクの姿が見える。

駆逐艦コサックの快挙に、イギリス国内は
わきたった。
ドイツの快進撃に比べて、華々しい戦果の
ないイギリスにとって、この事件は国民の士気を
鼓舞するのにはうってつけだったのだ。

一方、ヒトラーは強い危機感をもった。
イギリスは中立国ノルウェーに軍事侵攻を
するのではないか、もしそれが実施されれば
スウエーデンの鉄鉱石に依存するドイツは、
輸送ルートを完全に遮断される…と。

この事件は、ヒトラーにデンマークとノルウェーの
軍事侵攻を決意させる要因となったといわれている。

一隻の駆逐艦が歴史を動かした…壮大だ。

その後のコサックは、どうなったのだろうか。
1940年4月ドイツのノルウェー侵攻に対し、
ナルヴィク周辺海域でコサックを含むイギリス艦隊と
ドイツ駆逐艦隊とが交戦、ドイツ側は全滅した。
しかし、コサックも被弾・大破し、海岸に乗り上げて
なんとか沈没を防いだ。
ビスマルク追撃戦では、数度にわたり
魚雷攻撃を敢行している。
命中こそなかったが、ドイツ側を疲労させ
翌日のイギリス艦隊の攻撃を容易にした。

1941年10月23日、ジブラルタルからイギリス本土へ
向かう輸送船団を護衛中、Uボートの雷撃を受け損傷、
27日曳航作業中に沈没した。

一方のアルトマルクは…というと、事件後半年ほどで
ウッカーマルクと艦名を変更している。

1942年9月、日本に向けて出航し11月24日に
横浜港に到着したが、30日同港において整備
作業中に突如大爆発を起こした。
ウッカーマルクの周囲には、ドイツ海軍の仮装
巡洋艦トールやオーストラリア客船(拿捕船)、
日本海軍の徴用船が停泊していたが、すべて
破壊された。
そのうえ横浜港の港湾施設にも甚大な被害を
与え、犠牲者もドイツ人乗組員を含め102名に
なってしまった。
現在であればこのような大事件は新聞一面トップの
ニュースになるのだろうが、戦時中であったため
軍部によって極秘扱いとされ、マスコミによって
報道されることはなかった。

爆発の原因は、ウッカーマルクの油槽内にたまった
ガスが、付近で行われていた修理の際に使われた道具の
火花によって引火したとも、また作業員の喫煙によるもの
ともいわれているが、詳細は不明のままとなっている。


書籍中央に当時の惨状を記録した写真がある。
写真中央で黒煙を吹き出しているのがウッカーマルク
(アルトマルク)で、ほとんど原形をとどめていない。
奥左に(ちょっとわかりにくいが)ドイツの仮装巡洋艦トール、
傾いたマストの手前の船は、日本海軍の徴用船で
その破壊状況のすさまじさが伝わってくる。

なお、生き残ったドイツ人乗組員は箱根の旅館に宿泊し、
戦後祖国へ帰還した。


ボックスアートの右側に見えるのが
おそらくアルトマルクだろう。

ナルヴィクにおけるイギリス艦隊の戦闘映像。
http://www.youtube.com/watch?v=5d_S1IFyb9M

イギリス艦英雄列伝パート2



相当レトロなスタイルにもかかわらず、
サン・ナゼール港に対する襲撃作戦の立役者として記憶されている
駆逐艦キャンベルタウン。

もともとは、1919年に造られたアメリカの駆逐艦ブキャナンで、
第二次世界大戦が始まるとイギリスに貸与されて、
駆逐艦キャンベルタウンとなった。

参考資料

アメリカ海軍時代の駆逐艦ブキャナン。
直立した4本煙突がレトロさを感じさせる。






サン・ナゼール港での戦闘の様子が、うまく
イメージされている。
後方のクレーン、樹立する水柱、交差する
サーチライトなど、襲撃作戦の事実を知らなくても
港湾での戦闘だということが一目瞭然だ。
老兵が英雄になった瞬間をとらえた
すばらしい作品といえる。

サン・ナゼール襲撃作戦とは‥
Wikipedia
赤丸部分がサン・ナゼール

フランスの港湾都市サン・ナゼールには、
戦前に巨大な乾ドックが造られていた。
これはフランスが国威をかけて建造した
超大型の8万トン級豪華客船ノルマンディーの
ためのもので、当時西ヨーロッパ最大の
乾ドックでもあった。

Wikipedia
フランスの豪華客船ノルマンディーと
サン・ナゼール港の乾ドック。

ドイツのフランス侵攻で、フランスが
敗北するとサン・ナゼールは
ドイツ海軍の重要な基地となった。
しかもこの地の乾ドックは、ドイツ
海軍最大のビスマルク級戦艦の
収容も可能であった。
大型戦艦の母港ともなれば、
大西洋海域ににらみをきかせる
ことができるわけだ。

1942年3月、イギリス軍はサン・ナゼール襲撃作戦を
開始した。ドイツの大型戦艦ビスマルクは、すでに撃沈
されていたが、姉妹艦のテルピッツは健在であり、イギリスは
同艦の大西洋進出に神経をとがらせていた。
サン・ナゼール港の大型乾ドックを破壊すれば、テルピッツの
母港化を防ぐことができる。
このとき、閉塞船として選ばれたのが旧式駆逐艦キャンベルタウンで
あったのだ。

コマンド部隊を乗せた艦隊は、ドイツ軍艦旗を掲げ堂々と港内に侵入
したが、これを見破ったドイツの海岸砲台から激しい砲火が加えられた。


Wikipedia

キャンベルタウンは上図左側港湾から進入し、赤丸部分の乾ドック扉に
突っ込んだ。扉は損傷したものの崩壊はしなかったので、ドックの
使用は可能であった。しかし、キャンベルタウンにはとんでもない
仕掛けがしてあったのだ。

艦内に時限爆弾がセットされており、乗組員が退避し戦闘が
一段落したあと突然爆発したのだ。
これで乾ドック扉は破壊され、ドックは使用不能になってしまった。
しかも、キャンベルタウンという戦利品を調査中の多くのドイツ兵も
道連れにして…

Wikipedia
サン・ナゼール港の乾ドック扉部分に乗り上げた
キャンベルタウン。のちに艦内の時限爆弾が
爆発し、乾ドックは使用不能となった。


Wikipedia

上は、襲撃作戦の数ヶ月後に撮影された乾ドックの航空写真。
ドック左側扉部分は土砂で埋め立てられ、ドイツ側の
応急措置の様子がわかる。
ドック内中央部分には、キャンベルタウンらしき残骸が見える。
ドック扉が爆破された結果、流入した海水によって運ばれたのだろう。
この残骸をよく見ると、艦首部分がなくなっているので、
ここに爆薬をセットしていたようだ。
艦を自爆させようとは、ドイツ側もまったく予想して
いなかっただろう。

最後に、かつてこの乾ドックの主だった豪華客船ノルマンディーは
どうなったのであろうか。
第二次世界大戦の勃発で、ニューヨーク港に係留されたまま
になっていたが、アメリカの参戦により兵員輸送船に改造されることに
なった。その工事中に火災が発生し、ついに船全体を覆う大火災へと
拡大した。当然のことながら消火活動が展開されたが、放水された
水が船内に流入しバランスを崩して、とうとう転覆してしまったのだ
(8万トンの巨船が転覆するなんて、どれだけ放水したのか!)。

その後、引き揚げて空母に改造する案もあったが、その巨体ゆえコストも
バカにならず結局放置され、戦後まもなくスクラップになってしまったという。

イギリス軍のサン・ナゼール襲撃の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=bbC-OwVwCQg










キング・ジョージ5世と同型艦が
プリンス・オブ・ウェールズだ。


太平洋戦争開戦時には旧式化していたとはいえ、
日本海軍には脅威となっていたレパルス。

上記2艦といえば…マレー沖海戦が連想される。


Wikipedia
沈没直前のプリンス・オブ・ウェールズ。
現場の緊迫した状態がジカに伝わってくる。


Wikipedia
このポスターの搭乗員は、俳優の藤田進ではないかと思う(?)。
テレビの『ウルトラセブン』や『帰ってきたウルトラマン』に
長官役で時々登場していた。
脇役ながら存在感があって、軍服がよく似合う人だった。
映画『トラ・トラ・トラ!』では、闘将山口多聞司令官役がよかった。


Wikipedia

「眞珠湾撃滅!」
勇ましい言葉が躍る当時のポスター。
特殊技術・圓谷(円谷)英二の名前も…
東宝映画特撮の原点が、ここにある。

映画『ハワイ・マレー沖海戦』より
大日本帝国海軍航空隊による
戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、レパルス攻撃シーン。
ホンモノの陸攻が多数登場するところは、さすが海軍省
後援の賜物。
http://www.youtube.com/watch?v=vE6_s1Tg0Ps



当時のニュース映画より、プリンツオイゲンの勇姿(音声なし)。
http://www.youtube.com/watch?v=pPmkOtSveXY



1960年公開の映画『ビスマルク号を撃沈せよ』から、
ビスマルク、プリンツ・オイゲンvsプリンス・オブ・ウェールズ、フッドとの
砲撃戦シーン。
結果は、フッド轟沈、プリンス・オブ・ウェールズ被弾大破でドイツ側の
勝利となった。
http://www.youtube.com/watch?v=9vRRNkfj-mM





オマケ


下は、中央公論社で復刊したときのもの。

Uボート艦長の多くが戦死しているので、
艦長自らの著作というのは、きわめて
貴重な存在だ。
連合国側の対潜能力が向上すると、
Uボートの損害は急上昇する。
一度沈没すれば、乗組員の生還は
期待できない。
まさに「鉄の棺」だ。





元ドイツ海軍報道班員で
Uボート搭乗取材をしていた
人物の作品





映画『Uボート』のポスター。
荒れ狂う波に翻弄されるUボートの
雰囲気がエエなあ。

映画『Uボート』より Wikipedia

一見ゲバラ的風貌のオジサンたちは、
過酷な海中勤務(?)を黙々と遂行する
勇敢なUボート乗組員たち。

従来のハリウッド映画などで描かれていた
Uボートとはまったく別次元の作品で、
その完成度の高さが評価される。
しかもドイツ人俳優の出演で、よりいっそうの
リアルさが体感できる(ただ、ドイツ兵の会話が
英語だとシラケてしまう)。

また、映画では「音」が効果的に使われていた。
駆逐艦から発せられるソナー音、スクリューの
水切り音、爆雷が炸裂する音、水圧で艦内が
ギシギシ締め付けられる音、これら恐怖の音が
狭い艦内にあふれかえる。
乗組員はこの恐怖から逃れる術をしらない。
ひたすら耐えるだけだ。

ほんの少しの幸運に、すべてを賭けるのみ。
まさに生と死は紙一重の世界だ。
水圧の影響で艦内のボルトが
はじけ飛ぶシーンなど、この地獄から
生還した者の体験談がなければ、とても
想像がつかない。

映画『Uボート』全編を見たい人は、こちら…
http://www.youtube.com/watch?v=2iMWb8nEOG4&feature=fvwrel

ドイツ週間ニュースより、アメリカ合衆国沿岸で
活躍するUボートの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=puGBBrYzFtY&feature=related


ところで、日本製プラモでけっこう
いい感じのUボートがあった。
ニチモのこれがそうだ。
高荷先生の腕が冴えるのう。



こちらは格納式レーダーを装備しており、
ハイテク艦の風味がしたナ。

一方、日本の潜水艦ものとして…

遣独潜水艦作戦をテーマと
したもの。

第二次世界大戦中、日独間の
輸送作戦に潜水艦が使われた。

当初ドイツ側は日本占領下の
東南アジアに貨物船を送り、
生ゴム・ボーキサイトなどの
戦略物資を輸送していたが、
連合国の哨戒が厳しくなり
輸送が困難になっていた。

一方の日本もドイツのハイテク
兵器・電子機器などの情報を
手に入れたいと考えており、
潜水艦による輸送作戦を
実施することになった。
これを遣独潜水艦作戦といい、
5回実施された。
1および2回目は往復に成功したが、
それ以外はすべて撃沈されてしまった。
また、1回目の輸送作戦も日本への
帰路の途中に立ち寄ったシンガポール港で
味方の機雷に触れ沈没、積んでいた新型
レーダーの実物と図面等が使用不能状態に
なるなどの事故も発生している。

参考資料

昭和45年11月増刊号


唯一の完全成功例が、第二次遣独艦の
伊号第八潜水艦で、昭和18年8月31日
フランス・ブレスト港に入港した。

上記左側が、日本海軍将兵のパリ市内観光時の写真。
当時ドイツ占領下のパリでは、日本がヨーロッパに
増援部隊を送り込んできたというウワサが飛び交ったらしい。

遣独潜水艦作戦に関する余談だが、習慣の違いから
宿泊先のホテルでとんだ騒ぎも発生している。
それは入浴に関することで、欧米では浴槽の湯につかりながら
身体を洗う(したがって、浴室の床は水が流せるようになっていない)
のだが、そんなことを知らない将兵の多くが日本流のやり方で入浴
したため、浴室の床を水浸しにしドイツ側の世話人をあわてさせたとか。

ドイツ週間ニュースより、
日本海軍潜水艦(第四次遣独艦伊号第二九潜水艦
と思われる)のフランス・ロリアン到着および日独将兵の
交歓会の様子など、貴重な映像。
この伊二九潜水艦は、Me163・Me262に関する秘密資料を
積み込んで日本に向かったが、バシー海峡でアメリカ潜水艦の
雷撃で沈没、事前に持ち出された一部資料(バシー海峡通過前に
シンガポールに寄港しており、その際資料の一部を日本へ空輸
している)を除き、すべて失われてしまった。
http://www.youtube.com/watch?v=AB29w7swVdY

東宝の怪獣映画『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』では、
オープニングで不死身の兵士を作るため、ドイツから日本へ
潜水艦でフランケンの心臓を輸送するというシーンがある。
謎めいた部分の多い遣独潜水艦作戦なので、こんな話もアリ
なのかと思う。

映画『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』より。
この映画の前半部分は、不気味な雰囲気のシーンが多い。
いまでは別にどうってことのないものだが、公開当時小学生
だった私は、映画館の大画面によって増幅された気味の悪さが
頭にこびりつき、長期間フランケンの悪夢に苦しめられた。

本編(前)
https://vimeo.com/59320371

本編(後)
https://vimeo.com/59538523


チョッとミステリーじみた話だが…

伊号第三三潜水艦は、数字の
「3」に絡んだ事故が多く発生した。
昭和17年9月、トラック島周辺の
珊瑚礁に衝突し艦首部分を
損傷するという事故が発生した。
工作船に横付けし海上で修理を
開始したが、艦の安定を失い
艦尾ハッチより大量の海水が
流れ込み沈没した。
艦は33m下の海底に横たわり、
33名の犠牲者がでた。

その後サルベージ作業が成功し、
広島県呉の海軍工廠で修理を受けた。

昭和19年6月13日、瀬戸内海の伊予灘で
急速潜航の訓練中に機関室に浸水し、60m下の
海底に沈んでしまった。
原因は、機関室につながる給気管の弁に木片が
はさまったまま潜行したため、そこから大量の海水が
流入し沈没したと推定されている。

艦長は非常手段としてハッチを開けさせ、乗組員を
脱出させようとした。2名が生還し、艦長を含む102名が
死亡した。

昭和28年7月、サルベージ作業により潜水艦は海上に
姿を現した。作業中に同艦が不安定な動きをするため、
艦首部分に浸水していない部屋があるのではないかと
予測されていた。
遺骨の収容が期待されていたため、マスコミも注目する
なかでの引き揚げだった。

調査の結果、前部魚雷発射管室は浸水していなかった。
艦内の排水作業が終了すると、この部屋につながっている
ハッチが開けられた。
ひとりの記者が、その室内に向けてカメラのフラッシュをたいた。
「アッ!」
戦慄が走った。
そこには、ひとりの人物が立っていたのだ!

‥いや、立っていたのではなかった。
首吊り自殺をした乗組員の遺体だった。
おそらく戦友たちが次々と死んで、最後に
ひとり残された彼は、絶望のあまり自殺したのだろう。

前部魚雷発射管室には、13体の遺体が
発見された。どれもが腐敗せずに死亡した
当時の姿で残っていた。

その後、この潜水艦は造船所で解体される
のだが、その作業中に前部魚雷発射管室に
立ち入った元海軍技術士官3名が、有毒ガスの
発生で死亡するという事件があった。
偶然の一致なのだろうが、「3」にまつわる
なんとも不思議な話ではある。

遣独潜水艦作戦のところでご紹介した
文藝春秋臨時増刊号に、この潜水艦の
引き揚げ記事も掲載されていた。






前部魚雷発射管室で発見された遺体。
腐敗はしておらず、死亡したときのままの
状態で残っていたという。
潜水艦沈没時に艦内から脱出し、助かった元乗組員の
ひとりがこの場に立ち会ったのだが、この信じられない
光景に動転したらしく、「おい、総員起こしだ」と叫んでは
起きろ、起きろと戦友たちの体を叩いていたそうだ。
吉村昭氏の著作の題名も、この元乗組員の言動に由来している。







これもなつかしいニチモ・イ19のボックスアート。


アラッ!なつかしい

レベル製品のコピーながら、輝かしき国産プラモ第一号とされているのが
この潜水艦。マルサンの原潜ノーチラスだ。
昭和33年リリースというから、もう50年以上前の出来事なのだ。

…オットット…脱線してしまった…




ドイツ海軍の高速魚雷艇Sボート。
連合国側の呼称であるEボートの表示に、
イギリスの頑固さを感じる。
アングロサクソン系の国々での販売を
考えると、Sボートという表示よりもEボートの方が
メジャーでなじみがあるということか。


MPC版Sボート。

対空戦闘中のSボート。
http://www.youtube.com/watch?v=l5pekB2uQOA&feature=related

戦ふSボート(音声なし)。
http://www.youtube.com/watch?v=sJqIJMhwq3k

これは珍しいSボートカラー映像。
http://www.youtube.com/watch?v=Yosme-SzeGY&NR=1

ドイツの軍艦マーチ『艦隊行進曲』。
重厚であり、かつ洗練された曲の雰囲気がエエぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=A72mML2Ss6E&feature=related

もうひとつのドイツ海軍代表的マーチ『我らの海軍』。
http://www.youtube.com/watch?v=uwaSLYIO7f8








1940年に就航した当時、世界最大の客船として
その威容を誇った。
乗客約2200名、スタッフ約1000名という定員数を
生かして、第二次世界大戦中は兵員輸送船として
活躍した。


豪華客船クイーン・エリザベスの2代目。
旅客機にお客を奪われたため、先代より
小型化して経済性を狙った。
フォークランド紛争では、イギリスの
兵員輸送船として活躍したことが知られている。







1907年に就航したイギリスの豪華客船モーリタニア。
第一次世界大戦中は、その人員輸送力を生かして
病院船や兵員輸送船として使用された。


1961年就航のイギリス客船キャンベラ。
フォークランド紛争では、クイーン・エリザベスⅡと
同様に兵員輸送船として使用された。








フリゲート艦アマゾン…といっても日本では知られていないが、
同型艦のアーデントやアンテロープといえば、1982年の
フォークランド紛争で沈没したイギリス艦艇として知られている。

フォークランド紛争におけるアマゾン級フリゲート艦アーデントの
被害映像。アルゼンチン機の爆撃により被弾炎上、のちに沈没した。
http://www.youtube.com/watch?v=XVS1YoGO058&feature=related

アルゼンチン軍機によるイギリス艦隊への攻撃と、アンテロープの爆発映像。
同艦は被弾後、不発弾の処理作業中爆発し大破、沈没した。
http://www.youtube.com/watch?v=fd-G896UMm8&feature=related


フォークランド紛争で出撃したイギリス艦艇のプラモ。
手前からフリゲート艦のリアンダー、アマゾン、右奥は
駆逐艦デヴォンシャー。

こちらはホンモノ
Wikipedia
リアンダー級フリゲート艦アポロ

Wikipedia
アマゾン級フリゲート艦アヴェンジャー

Wikipedia
デヴォンシャーと同型艦のカウンティ級駆逐艦ノーフォーク































現在「カティサーク」といえば、スコッチウイスキーを
連想してしまうが、こちらは19世紀に建造された
紅茶輸送用の快速帆船だ。
中国から輸出されたその年の一番茶は、イギリスでは
高額で取引されたため、船舶業者は輸送期間短縮を
競い合った。ただ、いくら「快速」とはいっても、
アフリカ喜望峰コースで約4ヶ月かかったらしい。
当時、スエズ運河は完成していたが、無風状態の
多い地域であったため、自走能力のない帆船は
航行できず、やがて台頭してきた蒸気船に紅茶輸送の
座を奪われてしまう。


チョー旧式な船だが、蒸気機関で自走できるところが
画期的。風任せの帆船が衰退するのが、ヨーわかる。


次回から、ヒコーキシリーズを
やりまんねん。






映画『頭上の敵機』をイメージさせるボックスアートだ。

次回の更新は、12月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part6

2012年10月15日 | プラモデル

 ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦








「パンツァーファウストはどうした!
  機銃だけでは対抗できないぞ」




BAHYUN!


BAKOM!!




「ボクたちは ここで死ぬんだ」
「家に帰りたいよ」


「おい 貴様ら
 じいさんたちを戦わせるつもりか
 総統のために死ね!」


「なんてこった アミアンの悪夢だ」


「前大戦のとき オレの連隊は
 フランスのアミアンで
 イギリス野郎のワナにかかっちまった
 敵戦車の奇襲を受けたんだ
 小銃しか持たない戦友たちは
 撃ちまくられ追いつめられ
 蹂躙された
 まともな格好の死体なんぞ
 ひとつもなかったぜ」




「命中!」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館


1977年以降のボックスアート
    パート2














現代でいう「戦車」の元祖といえば、やはりこれだろう。
その戦車のルーツをモデル化しようという試みが、
地元のイギリス企業から起こったというのは、
きわめて当然のことと思われる。

少ないパーツながら、そのレトロなスタイルを
完璧に再現できるのが素晴らしい。

WWⅠに登場した鋼鉄の怪物・戦車の映像集。
http://www.youtube.com/watch?v=bbTvQOiGiWI&feature=related

映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』より、主人公ジョーンズ博士と
レトロ戦車との戦い映像。Mk1をベースに、車体上部に砲塔を装備した
武装強化型(もちろん架空のもの)がオモシロい。
レプリカながら、動きも軽快でかなりいい感じの戦車に仕上がっている。
ところで、馬に乗って駆け回るジョーンズ博士を倒すため、戦車はやたらと
砲撃しまくっているが、機銃掃射した方がいいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=w_pxYamGEbc&feature=related

ついでながら、ほかのアクションシーンも見てみたい。
映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』より、ジョーンズ博士父子が
乗るサイドカーと、これを追うドイツ軍オートバイとのアクションシーン。
サイドカーもオートバイもレプリカだが、けっこうイイ雰囲気に仕上がっている。
http://www.youtube.com/watch?v=3emhr_tq4lc&feature=related

ジョーンズ博士が逃走に使ったサイドカーは、ウクライナ製「ドニエプル」単車と
ロシア製「ウラル」側車をベースに改造したらしい。
これらのオートバイ自体は、WWⅡのBMWをコピーしたものなので、
スタイルはモロにドイツの軍用タイプ風。
これを戦後何十年も生産してメシを喰っている企業もすごいと思うが、
ヨーロッパなどでは軍用オートバイ・マニアに人気があり、意外と
需要があるようだ。R75やKS750のホンモノは、なかなか入手
できないとなれば、割と入手しやすいコピー商品にお客が流れるのは、
当然の成り行きだろう。


ドニエプル Wikipedia


ウラル Wikipedia


ホンモノBMW・R75 Wikipedia
この写真を見ても、ドニエプルやウラルが
いかにドイツっぽいかがわかる。
なお、側車前面のエンブレムは第24装甲師団の
もので、スターリングラード戦で壊滅している。
その後再編成され、フランス、イタリア、東部戦線で
戦った。

これは貴重!
ドイツ・オートバイ部隊の総天然色映像。
http://www.youtube.com/watch?v=DGPVO0xA2hs

軍用オートバイ・プラモあれこれ





エッシー・ドラゴン提携品。


エッシー製品のレベル・ブランド品。
ドイツ軍用オートバイの大型モデルで、
このキットを超越するものは、今後
出ないだろう。


小さなキットだったが、付属のドイツ兵4体と組み合わせると
ミニ・ジオラマが作れるようになっていた。
また、MMシリーズ初登場となるMG42も新鮮だった。


88mm砲のオマケで
登場したKS750。
R75よりレトロな
デザインがエエな。


こちらは、ソロで登場したとき
のもの。
オマケ的存在だったKS750が
主役となって登場したのは
嬉しかったゾ。

でも、こんな大型車を
ソロで使用しても、かなり
使いにくかったんじゃないかと
思う。オフロードでは、なおさらだ。


ソロで走るならDKW・NZ350の方が
扱いやすいだろう。
道を尋ねる伝令と案内係の野戦憲兵との
情景が楽しめる。
なお、余談ながら同社は第一次世界大戦後
オートバイの生産に乗り出し、1930年代には
世界最大のオートバイメーカーに急成長した。


四輪装甲車との共演で登場したこともあるNZ350。


こんな横綱級オートバイを軽快に乗り回すところは、
いかにもアメちゃんらしい。
大型風防付軍用オートバイといったら、アメリカくらいの
ものだろう。ハイウェイ・パトロール風で、いいゾ。


ドイツやアメリカと比較すると地味な
イギリスだが、名門BSAを忘れては
ならない。
トラッドな雰囲気のデザインは、
古き良き時代の英国車を思い起こさせる。


正確にいうならハーフトラックのカテゴリーに分類される
のだろうが、見た感じがキャタピラー付オートバイ風で
きわめてユニークだ。映画『プライベート・ライアン』に実車が
登場していたが、けっこう素早い走りで驚いた。


陸上自衛隊御用達オートバイの
登場に涙!
ホンモノのレプリカモデルが
発売されたらな…と思った人も
多いのではないだろうか。

陸上自衛隊オートバイ部隊の勇姿が楽しめる映像。
走行しながら発砲するシーンは、カッコいい!
http://www.youtube.com/watch?v=ONYuRWORRi0&feature=related

タミヤさん!
アイテム数は少ないながらも、軍用バイクを
コツコツと出していたんだ。

番外編

チャリとはいっても、これもレッキとした
軍用車両だ。
移動するのに貴重なガソリンを使うことも
なく、地球にもやさしい。

三角フレームのチャリといったら、いまの街中では
スポーツタイプくらいしか見かけなくなった。
ママチャリタイプ全盛とはいいながら、
基本的な構造は昔もいまも何ら変わりがない。
完成されたデザインは、時の流れに影響されない…
ということか。
1/35スケールながら、オモシロいアイテムだ。

ドイツの軍用チャリ資料画像集。
動画はないが、さまざまなバージョンが紹介されて
おり、見ていて楽しい。
http://www.youtube.com/watch?v=c0iXjN_VLTA&feature=related


Wikipedia
チャリのフレームに対戦車ライフルがくくり付けられている。


Wikipedia


Wikipedia
日本の自転車部隊といえば、太平洋戦争初期の
マレー作戦での活躍が知られており、その快速を
生かした機動力で和製電撃戦を展開した。
一方、日中戦争では5万人の自転車兵が投入された
といわれている。

…イ…イカン、脱線してしまった…






Female-Tank=雌(メス)型戦車(戦車にオス、メスがあるのか?)バージョン。
雄型というのは、車体側面の張り出しに6ポンド砲を装備した
もので、雌型とは砲の代わりに機関銃を装備したもの。
雄型を先頭にして敵の陣地を突破し、後続の雌型が敵兵を
機関銃で掃討するという構想だった。























































1/72スケールながら、手抜き感がなく好感がもてる。
自国の兵器だから…という理由もあったと思うけれど、
細かい部分も省略せずにパーツ化したのは、偉い!



























































砲塔後部の雑具箱がないと、一風違った印象を受ける。



























 







◆余談だが、タミヤもあったナ。





















ところで、戦車左側の兵士は被弾したのだろうか。
何となくそんな感じがするが…



































オマケ・旧バージョン






あのマックス模型の軍用トラックが‥!

陸モノプラモといえば、WWⅡドイツAFVが大流行していたときに、
あえてアメリカの軍用トラック類で勝負をかけたマックス模型。
感動した!
しかも、エアフィックス・ブランドで発売されていたなんて!





テレビドラマの『コンバット!』では
ドイツ軍将校が乗るクルマとして
よく登場していた。
ドア部分を切り欠いたワイルドな
スタイルが印象的だった。






ホビー・ジャパン誌1974年11月号に掲載された
マックス模型の広告。

ダッジの軍用トラックシリーズに続く第4弾として
ホワイトのスカウトカーが登場している。
次期発売予定として、37ミリ対戦車砲を装備した
ガントラックやCMPの姿が見える。

当時、陸モノの世界では戦車から装甲車・軍用トラック
などの装輪車、いわゆるソフトスキンへアイテムが
シフトしていった時期で、タミヤを始めとした国産
メーカーもソフトスキンを手がけるようになってきた。

ただ、日本におけるドイツブームはとどまることを
知らず、発売されるアイテムもドイツ車両が多かった。
まあ、メーカーも企業である以上利潤を追求しなければ
いけないので、確実に売れるものに集中してしまうのは
やむを得ないのだが、そんな状況のなかで異色のメーカーが
日本に誕生したのだった。
その名は、マックス模型。

当時、1/35スケールの国産プラモで米英の軍用トラック類は
ジープ関係を除けばほとんどなく(今もそれほど変わらない…)、
これらマックスのキットはきわめて貴重だった。

ただ、日本ではかつての同盟国であったドイツものの人気が圧倒的で、
ただでさえ地味な軍用トラックで、しかも米英のものとなると
一部のマニア向けという印象が強かった。
むしろエアフィックス・ブランドで発売されたこれらの
キットの方が、よく売れたのではないだろうか。
マックスは、日本国内よりも海外での販売を重視して
いたという話を過去に聞いたことがある。
プラモの輸出や外国メーカーへの金型のレンタルという
ことなのだろうが、自軍の装備としてホンモノを使用した
国であれば、ある程度の売上は期待できたのだろう。


アメリカ軍の輸送コンボイ「火の玉特急」の映像。
膨大な量の補給品に驚く。豊かな国・アメリカの凄さがわかる。
http://www.youtube.com/watch?v=KjAjBJ51dCY&feature=related

上の映像のラストで、トラックの整備風景が撮影されている。
これを見たら、タミヤのプラモを思い出した。
町工場みたいな小道具類が、雰囲気を盛り上げる。




ボックスアートを見ると、ジャッキの
形状など現代のクルマに装備されて
いるのとまったく同じだ。
基本的な工具というのは、時代が
変わろうとも、形状に変化がないことに
興味を覚える。

その他、オマケ












































たまたまYouTubeで見つけた映像

オネストジョン発射訓練用教育映画。
ランチャー以外に、レッカークレーンなどの
チョー地味な車両が登場する。
http://www.youtube.com/watch?v=rUYSVkfrUVU

イタリア・ベルサリエリ部隊の駆け足行進。
吹奏楽器奏者は走りながらの演奏なので、けっこう
大変。他人ごとながら、息切れしないのか
心配になってしまう(ウソ)。
http://www.youtube.com/watch?v=tNHOLMRoMK4&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=c0kBETseDmQ&feature=related

このベルサリエリ部隊伝統の駆け足行進は、
映画『ローマの休日』の冒頭にも登場してくる。

次回の更新は、11月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part5

2012年09月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦






「突っ込め!」


「来るぞ! 迫撃砲用意!」




TUNG!!




「あわてるな 訓練とまったく同じだ」


PAPAPAPAPAPAPAPA
  PAPAPAPAPAPAPAPAM!!






「この調子だ
 アメ公を撃退できるぞ」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館

1977年以降のボックスアート


















こんなペイントセットが付属していると、うれしい。
使うか使わないかは別として‥


















チャーチルおよびマチルダ戦車の
バリケード突破映像(音声なし)。
http://www.youtube.com/watch?v=AxkA-mLY27Q


























チョー地味な車両ではあるけれど、架橋戦車の
メカを知るには手ごろなキットだ。

◆架橋戦車映像集

M48架橋戦車
http://www.youtube.com/watch?v=jspg9NidnNQ

1/16スケールM48(M60?)架橋戦車、実物通り橋を展開するゾ!
http://www.youtube.com/watch?v=p6JbrXqBYEE&feature=related

架橋部分を回収する91式戦車橋
http://www.youtube.com/watch?v=vmukZ-dE2hI

81式自走架柱橋回収作業映像
http://www.youtube.com/watch?v=0PO9SsPa3yk&feature=related










































映画『633爆撃隊』から、モスキート飛行映像。
出撃から爆撃、対空砲火、不時着などの各シーンが
テンコ盛りで楽しめる。
http://www.youtube.com/watch?v=2A04o_kVonQ&feature=fvwrel




































































◆脱線‥シャーマンといえば、タミヤのものがなつかしい。




朝鮮戦争のとき、アメリカ軍戦車に
流行った塗装がオモシロい。
トラの顔をイメージしたものらしいが、
いかにもアメリカっぽくて、メチャ
気に入っている。
でも、このキットにはトラ顔デカールが
付属していないので、チョッとガッカリ。

Wikipedia
ドヒャーッ







































エアフィックスの軍用車両プラモは、自国のものを中心に
コツコツと展開してきた。
このスキャメルのタンクトランスポーターも、WWⅡ当時アメリカの
ドラゴンワゴンと比較して、数的には少なかったにもかかわらず
しっかりとモデル化しているのが、メチャうれしい。
驚くほど保守的なスタイルが、いかにもイギリスらしくていいゾ。
































いかに自国ものオンリーでプラモの開発をしている愛国的な
企業でも、利潤を追求しなければ倒産してしまう。
おりからのドイツものブームでは、エアフィックスでもかつての
敵国のアイテムをリリースするようになった。
ナショナリズムだけでは、とても生き残れないということか。






























◆あんまり関係ないけど、この躍動感にシビレたゾ!













◆これも本題とは関係ないけど、戦車とは異なる
  装甲車の魅力が楽しめたゾ。


















ドイツ週間ニュースから、イタリア・シチリア島攻防戦。
連合軍機による空襲と、これを迎え撃つ「88」の勇姿。
http://www.youtube.com/watch?v=7JcA2QVkakw







お偉いサンの専用車両プラモ

エアフィックスでは、有名な将軍とスタッフカーの
プラモを1/32スケールで発売していた。
第1弾は、自国でスーパースター的存在のモントゴメリー
将軍であり、これはきわめて当然の選択だろう。
一方のクルマ自体はおそろしく地味で、日本では
ほとんど知られていない。
しかしながら、当時のイギリスではメジャーな
存在で、幹部将校用に使用されていた。
後部座席にも風防を設けるなど、VIPに対する
配慮がうかがえて、見ていて楽しい。

Wikipedia






当時のニュース映画より、
工場労働者に対するモントゴメリー将軍の演説。
http://www.youtube.com/watch?v=4p6J-bsm_18&feature=related
Wikipedia


この車両はスタッフカーというよりも、移動式
コマンドポストという性格のものだが、いかにも
神出鬼没の『砂漠のキツネ』にふさわしい。

ロンメル将軍とアフリカ軍団のカラー映像。
グライフの姿も見られるゾ!
なお後半の方で、灼熱の太陽に照らされた戦車の
車体をフライパン代わりにして、目玉焼きを作る
シーンがあるが、もちろんヤラセ。
過酷な環境で戦うアフリカ軍団兵士を、ドイツ国民に
アピールするためのロンメルの秘策で、実際はバーナーで
焼いた鉄板を戦車に置いて料理をしたらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=nXsg_5RxdeQ

◆タミヤの傑作「グライフ」は往く!

小さい車体に、将軍やらスタッフやらを無理やり
詰め込んだプラモは、にぎやかで楽しかった。

◆スタッフカーといえば、こんなモノも…

タミヤ製品では珍しい女性補助員のフィギュアが付属している。
将軍の愛人という設定もオモシロい。

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?
このシリーズの第3弾として
パットン将軍とホワイト・スカウトカーが
予告されていたのだが、はたして
リリースされたのだろうか。

映画『パットン大戦車軍団』予告編より。
http://www.youtube.com/watch?v=g-0dTpzNzwo

◆将軍といえば‥
  こんなアイテムもあった。

こうやって見てみると、個性的な将軍は
枢軸国より連合国側に多いということか。

◆その他、気になるアイテムとして‥

ロシアのお偉いサンと分捕られた
キューベルワーゲンという組み合わせが
目新しい。今後のアイテムとして、捕獲車両を
テーマにしたものもいいかも。

オマケのオマケ
※前々回掲載していたものだが、突如原因不明のエラーが
  発生し、掲載不能になってしまったので、今回こちらへ引越した。

日本のプラモメーカー・永大のミリタリーシリーズのボックスアート。
これらのキットは、エアフィックスのプラモではないが比較資料と
して掲載してみた。
なお、永大では1969年にエアフィックスのヒコーキプラモを輸入して
同社提携品として発売していた。B-17を始め、カタリナ、B-29、Do217、He177、
Ju52、フォッカー・フレンドシップがあった。
当時の永大の広告を見ると、発売予定としてジャンボジェットやC-130の
名前があるが、はたしてリリースされたのか不明だ。




























永大のミリタリーキットの中では、このV2が極めつけだろう。
レーダーや牽引車、指揮車などミサイル以外のアイテムも
充実しており、よかった!


次回の更新は、10月15日夜の予定。


真夏の特番!もうひとつの『ザ・ライトスタッフ』

2012年08月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

今回は、お休み!

真夏の特番!
もうひとつの『ザ・ライトスタッフ』

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※上は原書の表紙。

個人的な話だが、先日涼を求めて飛び込んだ
中古本販売店ブックオフで、トム・ウルフの
『ザ・ライト・スタッフ 七人の宇宙飛行士』
中公文庫が105円で売っているのを発見し、
即購入してしまった。
本自体は過去に買っていたのだが、実家の
元自室兼物置の中で、買いまくった書籍・資料の
山に埋もれて、捜索が困難な状態になって
いたので、ここでもう一度買ったわけだった。

この文庫本は、昭和58年の発行だったので
もうすでに約30年近く経過していたことになる。

当時、トム・ウルフの原作が映画化され、話題になっていた。
X-1による人類史上初の音速突破やマーキュリー計画など、
アメリカがもっとも輝いていた時代を描いていたからだが、
当時のプラモ雑誌も映画の話題性に敏感に反応して、
特集記事を組んだりしていた。
しかし、映画に登場したX-1やマーキュリーカプセル、
アトラスやレッドストーンといったロケットなどのプラモは、
すでに絶版になっていたものばかりで、とてもこれらプラモの
製作記事などはできようもなく、映画に関連した記事で
終わってしまったような気がする。

映画の内容については、いまさら説明の必要はないだろうが、
レッドストーンやアトラスのホンモノが登場(実際はNASAの
記録映画を借用したものだが)したりで、1950~60年代の
ミサイルファンからすれば、涙モノだ。

そんな訳で、今回はチョッと道草をしてエアフィックスものは
お休みにして、『ザ・ライトスタッフ』の世界に突入してみたい。

★X-1

チャック・イェーガーの写真とサイン付パッケージ。




胴体の片側に透明パーツが付けられるようになっており、
機体の内部構造が楽しめるようになっていた。
実験機のプラモをタミヤが出すなんて、メチャ珍しい。
なお、キット自体はホビースポットU製。

★マーキュリー・レッドストーン





こちらは軍用タイプ





マーキュリータイプと軍用タイプとでは、基本的に
レッドストーンミサイルの先端部とデカールが異なるだけで
それ以外はまったく同じだ。



ジュピターCのロケット本体は、レッドストーンであり
整備塔も基本的にはマーキュリー・レッドストーン
打ち上げ時と同じだ(実物は、カプセル周辺の作業フロア
に覆いがしてある)。このキットにマーキュリー
カプセルを付属させれば、そのままマーキュリー
計画記念商品として発売できたのだろうが、
ナゼかそうされてない。

マーキュリー・レッドストーンによる弾道飛行のあとは
アトラスによる打ち上げと地球周回飛行を行うことが
わかっていたので、レベルとしては主力商品はアトラス
プラモ優先として、レッドストーン関連商品を犠牲にしてでも、
早い時期からアトラスの大増産体制をとっていたのかもしれない。

















 
















★リトルジョー・ロケット

マーキュリーカプセルの弾道飛行
リハーサル用ロケット。
カプセルに取り付けられた緊急
脱出ロケットのテストにも使用された。







★マーキュリー・アトラス












ジョン・グレンのネーム入りエンブレム























































★マーキュリーカプセルその他














ジョン・グレンのキット





その他、『ザ・ライトスタッフ』関連

★X-15
驚異的な性能で、世界をアッといわせた高々度極超音速
実験機だが、マーキュリー計画と同じ時期に飛行テストが
行われていたため、影が薄くなってしまったのは惜しまれる。
アメリカのマスコミは、X-15の飛行について報道はしていた
のだが、やはり一般の関心はなんといってもマーキュリー計画の
方だった。
トム・ウルフの原作にも、このX-15の記述があるのだが
映画ではカットされている。宇宙飛行士が搭乗した自動操縦の
宇宙船と、パイロット自らが操縦する航空機でそれぞれが宇宙を
目ざすという話でオモシロいと思うのだが、肝心のチャック・イェーガーが
X-15計画に参加していなかったので、ストーリーの展開上割愛したの
かもしれない。




















1/72スケールでも、B-52はかなりデカい。
間違っても1/32や1/24スケールで
モデル化しないでほしい。
置くところがないゾ!

★ホセ・ヒメネス

「私の名前は、ホセ・ヒメネス」で始まる片言の英語を話す
おバカなメキシコ人という設定のテレビ人気キャラクターで、
当時のアメリカの喜劇俳優ビル・ドナが演じていた。
マーキュリー計画の発表で宇宙に関心が向けられていた
時代を反映して、宇宙飛行士に扮したホセが一番人気だった。
ただし、その内容としてはヘンな英語を話す隣国人を
からかったものなので、いまなら差別表現として放送禁止に
なっていたかもしれない。
なお、ビル・ドナ自身はハンガリー系アメリカ人で、
メキシコ系ではない。

映画『ザ・ライトスタッフ』では、スコット・グレン演じる
アラン・シェパードがこのホセ・ヒメネスを相当気に入って
おり、物まねを連発していた。

Wikipedia

アメリカの喜劇俳優ビル・ドナのホセ・ヒメネス
http://www.youtube.com/watch?v=x1MOLzFpqrU

★エドワーズ空軍基地

Wikipedia
画像左下の滑走路がある地区が、航空ファンには伝説の地
エドワーズ空軍基地で、その右側の白い部分がX-15や
スペースシャトルの着陸用に使われた乾湖。
その広大さには驚くばかりだ。
よく見ると、滑走路のようなものがあるので、いかに
広いとはいえ、着陸できる場所は限定されているようだ。

画像で見る限り、周辺は不毛の砂漠地帯で、おそろしく
ヘンピな場所だ。
基地の人間としては、近くの酒場で飲んで騒ぐくらいしか
楽しみがなかったのかもしれない。

Wikipedia
乾湖のこの広さといったら、一体何だ!
日本国内では絶対に体感できない広大さだ。
また、自然の滑走路とはいえ、この平坦さは
一体何だ!まるで、巨大ロードローラーが
走り回ったかのようだ。

エドワーズ空軍基地ホームページ
http://www.edwards.af.mil/index.asp

★パンチョ・バーンズ

映画では酒場「パンチョの店」の女主人として
登場するが、、ただのオバハンではなかった。

本名はフローレンス・ローといい1901年の生まれ。
のちに結婚してバーンズ姓になったが、1928年から
当時としては珍しい(いまでもそうか?)女性パイロットの道を
歩むようになった。

1930年、アメリカの女性パイロットであるアメリア・イアハートが
もつ速度記録を破った。
その後、自ら曲乗り飛行サーカス団を設立して全米を回り、
ハリウッド映画の空中スタントパイロットとしても活躍した。
また、民間パイロットを養成するフライング・スクールを設立する
など、アメリカ航空界への貢献もしている。

なお、女性でありながら男性名の「パンチョ」という名前で
呼ばれるのは理由があった。
当時、隣国のメキシコでは現政権に対する革命戦争が行われて
いたが、彼女は革命軍へ武器弾薬の供給をしていたパナマの
武器商人に協力し、仲間内から「パンチョ」と呼ばれるようになった。
パンチョ・バーンズの誕生だった。

アメリカを襲った大恐慌は、彼女の人生を変えた。
彼女はハリウッドのアパートを売却し、その資金でカルフォルニアの
ミューロック(かつてはマロックともいっていたが)陸軍基地
(のちのエドワーズ空軍基地)近くの広大な土地を購入し、
観光牧場、飛行場、レストラン・バー、プール、ゲストハウス等の
施設「Happy Bottom Riding Club」をつくり、営業を始めた。
1935年のことだった。

この施設内にあったバー「パンチョズ・フライイン」には、基地の
パイロットたちが集まっては酒を飲むようになったが、
彼らは彼女の波乱に富んだ人生に一目をおいていた。
しかも彼女は気に入った客でも、そうでない客でも「あん畜生」、
「あの野郎」と呼んでは、若いパイロットのド肝を抜いていた。

この「パンチョの店」とその女主人の話は、トム・ウルフの
『ザ・ライト・スタッフ 七人の宇宙飛行士』に取り上げられ、
一般に広く知られるようになった。
しかし、そのときにはすでに「パンチョの店」は消滅していた。

1952年、エドワーズ基地では滑走路の拡張計画が持ち上がり、
彼女の所有する店舗・土地が接収されることとなった。
彼女は基地側が提示した補償金額に不満をもち、裁判所に提訴する
ことになるのだが、裁判が行われている最中の1953年に、
原因不明の火災で酒場を含む施設が焼失してしまう事件が
発生した。

最終的に彼女は裁判に勝ち、それ相応の補償金を受け取り、
土地は基地のものとなった。しかし、幸運なことに滑走路の拡張は
結局のところは実施されず、廃墟となった「Happy Bottom
Riding Club」はそのまま残されることとなった。

なお、彼女は乳ガンのため1975年に他界している。


皮ジャンに白いセーター・乗馬ズボンが、パイロット時代の
彼女のトレードマークだった。

パンチョ・バーンズが使用したミステリー・シップというヒコーキは、
過去にホーク、その後テスターから発売されていた。
キットのマーキング類は、彼女の機体のものではないが
黒と赤をベースとした類似の機体塗装となっている。




パンチョ・バーンズのドキュメンタリー映像予告編から
あのチャック・イェーガーも登場するゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=pRTaa7sTOzI

★パンチョの店は今も現存していた!
 ‥‥ただし、廃墟だが‥‥

「グーグルアース」で、この歴史的遺産(?)を見つけるには、
検索欄に「Edwards AFB」と入力する。するとエドワーズ空軍基地
周辺の画像が示されるので、上記赤丸地点の写真アイコンにカーソルを持って
いって「Happy Bottom Riding Club」という文字が浮き出てきたら
大当たり!
その地点をどんどん拡大していくと‥‥


何やら砂漠のなかに建物らしきものが‥‥


軍事施設か!?


これがパンチョの店の跡。
中央の白い円形のものはプールで、その右側の
四角い囲いのようなものは、ロデオ場または馬を入れておく囲い。
人類史上初のX-1音速突破飛行の直前に、妻と乗馬を楽しんでいた
チャック・イェーガーが落馬して肋骨を折ったのは、
この囲いの入口付近(具体的な場所は特定できなかった)と思われる。
夜間だったため、入口の扉が閉まっていたのに気がつかず、
馬もろとも扉に突っ込んだのが原因らしい。

プールの下側はダンスホール。同プール斜め左下側はレストラン兼
バーで、これが「パンチョの店」と呼ばれる酒場だった。
また、左上に見えるUの字の部分は、宿泊用ゲストハウスとなっていた。

この酒場は、トム・ウルフの著作でその伝説は不動のものとなったが、所在地が
空軍基地の敷地内であったことが幸いし、観光客に荒されることもなく
そのまま残っている。ただし、建物自体はほとんどなく、その土台部分が
かろうじて当時の痕跡を残すのみだ。
また、廃墟になって長い年月が経過しているにもかかわらず、
プールなどが砂に埋もれずに残っているのは、定期的に
誰かが手入れをしているからだろう。
基地の兵隊さんか、ボランティアグループがやっているのだろうか。

当時の写真やグーグルアースの現在の画像などを見ると、
この店が存在していた当時から、周りの景色はほとんど変化していない
ようだ。あたかも時間が停止しているかのような錯覚を受けてしまう。


映画『ザ・ライトスタッフ』より
感動のシーン

X-1音速突破
http://www.youtube.com/watch?v=hOhhADQeHCM&feature=related

Wikipedia

チャック・イェーガーのNF-104
http://www.youtube.com/watch?v=1Cq7hf4ylvY&feature=related

ロケット打ち上げ失敗シーン
http://www.youtube.com/watch?v=6rwi_0DEd_0

ジョン・グレンの打ち上げシーン
http://www.youtube.com/watch?v=vA_SAUYV4so

『ザ・ライトスタッフ』全編を見たい人は、こちら!
http://www.youtube.com/watch?v=MsvouGfVTzM&feature=fvwrel

こちらはホンモノの『ザ・ライトスタッフ』

X-1音速突破、実際の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=HoMijlGRb04&feature=related

マーキュリー・レッドストーン打ち上げの記録。
宇宙船先端の脱出ロケットが作動して、パラシュートが
ポンと飛び出すところは、映画『ザ・ライトスタッフ』にも
収録されている。
http://www.youtube.com/watch?v=h34nk9W-rM0&feature=related

チンパンジーのテスト飛行とアラン・シェパードの本番打ち上げ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=JCPxA8fCypg&feature=related

ジョン・グレンが搭乗するフレンドシップ7の
打ち上げを記録したNASAの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=zJBJ-_KN470

ライフ誌表紙で見るアメリカ

アメリカの写真雑誌『ライフ』は、そのときの
世界各国の表情を撮影してきた。
それを端的に表現しているのは、なんといっても
その表紙だ。
『ザ・ライトスタッフ』の時代、およびその後のライフ誌表紙を集めてみた。
宇宙開発


1957年11月18日号
衝撃のスプートニク1号打ち上げ成功の
ニュースから、約1ヶ月後の表紙。
アメリカは、フォン・ブラウンにすべてを賭けた。


1959年9月14日号
『ザ・ライトスタッフ』ホンモノの7人。


1959年9月21日号
『ザ・ライトスタッフ』ホンモノの7人を支える献身的な妻たち。
1950年代後半のアメリカンホームドラマに登場する
善良で良識ある良妻賢母的ママの雰囲気がいい。


1961年2月10日号
マーキュリーカプセルの有人宇宙飛行に先駆けて
チンパンジーを打ち上げ、無事回収することに成功した。
当時のエドワーズ空軍基地のテストパイロットたちは、
宇宙飛行士など自動操縦カプセルに乗り込んだお客さんに
すぎないと見ていた。
「最初に宇宙を飛ぶのは、エテ公なんだってナ」と宇宙飛行士を
揶揄していたらしい。


1961年3月3日号
マーキュリーカプセル打ち上げ第一陣のメンバーに選ばれた3人。
左から、グレン、グリソム、シェパード。
当時NASAの発表では、最初の宇宙飛行士はこの3人の中から
選ばれるとコメントしていたが、実際はすでにシェパードに決定
しており、グレン、グリソムも承知していた。


1961年4月21日号
人類初の有人宇宙飛行を成功させた
ソ連のガガーリン(左)とフルシチョフ首相。


1961年5月12日号
海上へ着水したマーキュリーカプセルから
ヘリコプターに釣り上げられるアラン・シェパード。


1962年2月2日号
宇宙飛行士ジョン・グレン特集。


1962年3月2日号
宇宙飛行から戻ったジョン・グレン。


1962年3月9日号
マーキュリーカプセルによる地球周回に成功した
ジョン・グレンのパレード。ソ連の後塵を拝していた
アメリカがようやく追いついたことで、このパレードは
リンドバーグの大西洋横断以上の騒ぎとなった。


1962年4月27日号


1962年8月3日号
もうひとりの宇宙飛行士ロバート・ホワイト。
マーキュリー計画と同時期に実施されていた
X-15飛行計画だが、マーキュリーカプセル
打ち上げ成功の影に隠れて、大々的に
報道されることはなかった。
1962年7月17日、ホワイトはX-15の飛行で
宇宙の縁に到達し、名実ともに宇宙飛行士となった。

当時のニュース映画でホワイトの飛行を見ることができる。
その他、バルーン衛星エコーの打ち上げ、ケネディー大統領等
アメリカの国内ニュースなど。
http://www.youtube.com/watch?v=V6QAG896rwo


1962年8月24日号
米ソ月面一番乗り特集。


1963年5月24日号


1965年6月18日号


1966年8月5日号


1968年10月25日号


1969年7月25日号


1969年8月11日号
日本


1961年2月17日号
1961年の日本のイメージといえば、まだまだ「ゲイシャガール」だ。
当時、アメリカの関心はソ連でありヨーロッパだった。
一般のアメリカ人にとって、極東のさいはての地である日本など、
この程度の認識しかなかったのだろう。


1964年9月11日号
またしても「ゲイシャガール」かと思いきや、
高度経済成長の道を歩みだした日本の特集記事。
東京オリンピック直前の日本の姿を、皇室、歴史、太平洋戦争、
風俗、習慣、庶民の暮らし、スポーツなどの分野別に紹介している。
アメリカとは異質な国の急成長を、驚きの目で見ているが、
当時のアメリカ人がイメージする日本、すなわち興味本位の
『フジヤマ・ゲイシャ』で終わらなかったことに、ホッとする。。
なお、企業の広告もかなり掲載されているのだが、ホンダ、日立など
日本を代表する企業のものも見られ、高度経済成長を裏付けている
のが興味深い。
日米自動車戦争といった日米間の貿易問題は、まだまだ先の
話だった。

話は脱線するが…
1964年の日本といえば、やはり東京オリンピックだろう。
1965年公開の映画『東京オリンピック』オープニング、
アテネから日本へ聖火がやってくる。それをひと目見ようとする
人、ひと、ヒト…
当時の街並みや昭和ファッションが、メチャなつかしい。
そして、感動の開会式入場行進のシーン。
いまと違って、整然とした行進はすばらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=I7sK2szyQno

超人アベベが出場したマラソン競技映像。
https://www.youtube.com/watch?v=BAOGnxzCqUo

これは便利!
全ライフ誌の中身が閲覧できる
LIFE-Googleブックスのサイトは、こちら!
http://books.google.co.jp/books?id=hkgEAAAAMBAJ&hl=ja&source=gbs_all_issues_r&cad=1&atm_aiy=1960#all_issues_anchor

★ケープ・カナベラル空軍基地

Wikipedia
ロケット発射台がズラリと並んだケープ・カナベラル発射場。
この施設の広大さが、よくわかる画像だ。

もともとは、長距離ミサイルの発射実験場として造られたが、その後
宇宙ロケットの発射場として使われるようになった。
マーキュリー・ジェミニカプセルの打ち上げも、ここで行われた。
なお、アポロロケットやスペースシャトルの打ち上げは、
隣接されたケネディ宇宙センターで行われた。

ケープ・カナベラル空中散歩映像
http://www.youtube.com/watch?v=ahzCikwSNSI

★カプセル回収艦船


カプセル回収には、エセックス級空母が大活躍した。

宇宙船名         宇宙飛行士     回収艦船
フリーダム7       シェパード      レイク・シャンプレイン(エセックス級航空母艦)   
リバティ・ベル7     グリソム       ランドルフ(エセックス級航空母艦)
フレンドシップ7     グレン         ノア(ギアリング級駆逐艦) 
オーロラ7         カーペンター     イントレピッド(エセックス級航空母艦)
シグマ7          シラー         キアサージ(エセックス級航空母艦) 
フェイス7         クーパー       キアサージ(エセックス級航空母艦)

オマケ・マーキュリーカプセル
 メンテナンス・マニュアル




このマーキュリーカプセルは、市販こそされなかったが立派な
工業製品であり、クルマやバイクと同様に整備士向けの
マニュアルが存在した。
これを見ることによって、プラモや写真だけでは判明しなかった
カプセルの内部構造がわかり、貴重な資料ともなっている。








カプセル先端に取り付けられた脱出用ロケットの内部構造を
示したもの。内部の個体燃料の様子がわかるのが貴重。












カプセル内の配線図
















私の世代(昭和30年代前半生まれ)では、単にマクドネル社というよりは
ダグラス社と合併してマクドネル・ダグラス(当時はマクダネル・ダグラスと
いっていたが…)と称していたときの方が馴染みがある。
もちろん、マーキュリーカプセルの開発を受注したときは、合併前なので
マニュアルに記載されている社名は、ただのマクドネル社だ。
その後、ボーイング社に吸収されてしまい、おなじみのの社名は消えて
しまった。これなど、アメリカにおける企業買収のすさまじさが伝わってくる。

次回の更新は、9月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part4

2012年07月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦


「ローエングリン突撃団の
 出動を要請しろ」


「全員下車!配置につけ!」






「機銃掃射を喰らわせてやる」


PAPAPAPAAAAAM!!


ドデッ!


「お客さんだ!」



総統大本営


「総統 ローエングリン突撃団の
 出動要請がきております」


「スコルツェニーの出番だ
 
彼がボックスアートを救う
 彼がドイツの国家財産を救うのだ!」


「わが総統のご意志は
 天まで 届きましょう
 ジーク・ハイル!」

つづく


不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館
これは驚き!
1948年発売のトラクターキット。
このキットの発売を皮切りに、エアフィックスの栄光の歴史が
スタートした。
もともとは、トラクター会社の依頼で作った販売促進グッズだったが、
これが好評だったので、自社ブランドで販売することになった。
エアフィックスが、プラモメーカーとしての第一歩を印した記念
すべきアイテムが、コレだ!




お人形さんシリーズ















ワーテルローの戦いに参加した
プロイセン軍兵士。
軍装は、のちのWWⅡドイツ軍的雰囲気を
すでにかもし出しているのが興味深い。




















戦死者を描いた珍しいボックスアート。
見ていて、チョッと気になったところがあった。
じつは中央やや左側のイギリス軍兵士(小銃を
構え、右側に顔を向けている)と
降伏したドイツ戦車兵、それに撃破
された戦車上の死体は、確か何かの
写真で見たような気がしたのだ。
さっそく調べてみると、やはり似たような
写真が存在した。
それが下の写真だ。

写真①

写真②

戦時中のイギリス国民が喜びそうな写真だが、上のボックス
アートの参考資料になっているような気がする。
ところで、これら2枚の写真は撮影時間がほんの
数秒の差という印象を受けるが、よく見るとⅢ号戦車のキューポラの
ハッチが写真①では開き、写真②では閉じている。
これは一体何を意味しているのだろうか。
写真①のイギリス兵の背嚢は、やたらと角張っており
写真②中央の兵士と同一人物と思われる。
ちなみに、左の兵士の背嚢は上面が丸くカーブしており、
別人のようだ。
つまりは、写真①の兵士が戦車に駆け寄るまでの
ほんの何秒かの間に左右のハッチは閉じられたということだ。
そんなことが可能なのだろうか。
ハッチは左右に分割されており、瞬時に両方を閉じることは
チョッと時間的にきびしいのでは…という気がする。

おそらくは、実際の戦闘の模様を撮影したものではなく、
放棄されたドイツ戦車を使って、いろいろなシーンの
プロパガンダ写真を撮影したのだろう。
だから写真①と②の連続性はないのかもしれない。

写真③

撃破されたⅢ号戦車の脇をイギリス兵が進撃するシーンだが、
チョッとわかりにくいが砲塔の側面ハッチから戦車兵が身を
乗り出すようにして倒れている。
おそらくこれも上記ボックスアートの参考写真になっているのだろう。
ところで、このⅢ号戦車は写真①②と同一の車両なのだろうか。
そんな疑問が湧いたので、いろいろと調べてみたが、そのなかで
面白いものを発見した。
じつは、これと同じシーンが記録映画にあったのだ。

エル・アラメインの戦いを記録した映像に
2~3秒のものだが、上記写真のシーンが存在するのを発見した
(下YouTube参照)。
映像開始4分50秒で登場する。
これを見ると、映像のⅢ号戦車の車体後部には写真①②の車両に
あるようなラック(多分ジェリ缶等を搭載するため、現地部隊が即席で
取り付けたもの)が見当たらないので、別車両だということが判明した。
http://www.youtube.com/watch?v=s-0A4qW9XQI






ロンドン市民とお巡りさん




歴史の授業で習ったイギリスの
清教徒革命の主要人物。
議会派の軍人で、国王派の
軍隊を撃破するなど活躍した。
エアフィックスでは、自国の
偉人や国王を、いろいろモデル化している。
オーロラも、かつてケネディ大統領の
プラモを発売していたが、欧米では
人物のプラモというのも、ある程度
需要があるのだろう。


イングランド国王として最初に十字軍に参加した人物が、
こちらのリチャード1世。
イギリスでは英雄視されていることから、モデル化された
のだろう。




アメリカ合衆国建国の父
ジョージ・ワシントンの
プラモ。


ヒトラーユーゲントでは
ありません。
ボーイスカウトのプラモ。





1963年から1973年にかけてAFVボックスアート

















DUKW実車映像
http://www.youtube.com/watch?v=rt5ik7gUKYw








一見して非常に地味な車両だが、
飛行場には欠かせないアイテムだ。
ヒコーキプラモのアクセサリーとして
ほしいところだ。


いくら高性能のヒコーキでも、
燃料を給油してもらわなければ
無用の長物と化してしまう。
これらの車両も地味ながら、
アクセサリーとして置いて
おきたいところだ。











1963年から1973年にかけてAFVボックスアート(アメリカ向けバージョン)


パンター戦車の攻撃シーンだが、よく見ると戦車の前方に
横転した救急車と横たわる戦死者(?)が描かれている。
負傷兵の救護をしている車両に対しても、情け容赦なく発砲する
残虐なドイツ軍というメッセージが込められているようだ。
戦争終結後20年近く経過しているのに、旧敵国ドイツへの
憎悪はいまだ消え去っていないように見える。


これも、ドイツに対する憎悪が見え隠れしている。
本来主役であるべきトラ戦車が、不運にも行動不能になり
これを包囲したアメリカ兵に乗員が降伏している姿は、
現代のボックアートの感覚からすれば、かなり奇異だ。
しかし、当時のアメリカにまだドイツ憎しの感情が残って
いたとすれば、このような絵でなければ売れなかったのかも
しれない。

現存するトラ戦車の自走映像。
戦車内部で撮影した操縦の模様は貴重。
丸いハンドルであの巨体を操る様子は、
自動車と同じようで興味深い。
http://www.youtube.com/watch?v=wY_5c0mBXok&feature=results_video&playnext=1&list=PL4D78CDE35E089AAA





ドイツ機の機銃掃射を受け、運転席から兵士が
転がり落ちるところは、あたかも戦争映画のワンシーンの
ようだ。日本人的ボックスアート感覚からすれば、連合国側の
主役がボコボコにされること自体まさに驚きだが、このような
絵もアリとする風土は、ある意味アングロサクソン系ボックアートの
奥行きが、きわめて深いためだろう。




手前に戦死者らしき人物が描かれているが、
プラモのボックスアートでは、きわめて珍しいといえる。
どんな大激戦を描こうが、死者は描かないのが普通で
せいぜい負傷兵が登場するくらいだ。
まるで戦争絵画のような生々しさだ。

参考資料

以前ご紹介した戦死者が描かれたボックスアート。
破壊された戦車のハッチから、戦車兵の上半身が見える。
「くたばれ、ジャップ!」という声が聞こえてきそうだ。


高荷先生の傑作のひとつがコレ。
トラ戦車とドイツ兵の絶妙なコラボが素晴らしい。
しかも、武装SSと国防軍双方の兵士が描かれ、苦闘するドイツ軍と
いうイメージがかもし出され、メチャよかった。
なお絵の左下に、身体に包帯をグルグル巻きした
負傷兵が描かれており、絵に臨場感を与えている。


押し寄せる敵上陸用舟艇の大群に、
立ち向かうⅢ突の英雄的戦いが描かれている。






ブリスターパックのボックスアート
























































97式中戦車資料映像(音声なし)。
http://www.youtube.com/watch?v=-GN64Qlq27o&feature=related

後半で軍需工場での戦車生産の模様が見られるゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=kPrj1r_nW_s&feature=results_video&playnext=1&list=PL9658EF8A687AFAF4



1973年から1977年にかけてのボックスアート












レトロなデザインの牽引トラックが印象的。
ベトナム戦争、中東戦争、イラン・イラク戦争などに
大量投入されたソ連を代表する地対空ミサイルSA-2ガイドライン
をモデル化。発売当時、小スケールながらも唯一のプラモで
ミサイル・マニアには貴重な存在だった。
その後、トランペッターが1/35スケール、グランというメーカーが
1/72で発売していた。











Wikipedia
牽引トラックはエアフィックスのものと
異なるが、いかにもロシア的な骨太で
ゴツいデザインだ。

アルバニアの軍事パレードに登場したSA-2。
全体に丸っこいデザインの牽引トラックは、
エアフィックスのものと同じだ。
http://www.youtube.com/watch?v=OsdOCVOoBXg

SA-2発射映像。
目標を追跡し、大空をアッチコッチ動き回る
ところは、まるで生き物みたいだ。
http://www.youtube.com/watch?v=KHfOF8hF8mA




M551実車映像。
空中投下も見られるゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=T-FPS47Yn9I

オマケ

軍用車両の空中投下失敗映像(画質悪し)。
パラシュートの不開傘、車両の横転などなど。
傑作は、車両が地上を暴走しまくるシーン。
http://www.youtube.com/watch?v=1izGSMKqskY&feature=related

軍用車両の空中投下失敗映像パ-ト2。
地上スレスレの低空飛行で車両を投下したのはいいけれど、
勢い余って地上に激突した不運な輸送機の一部始終。
これは私の推測だが、地上の観客たちにカッコいいところを
見せようとしたパイロットの操縦ミスのような気がする。
http://www.youtube.com/watch?v=b4L50eMI8gY&feature=related

こちらは、輸送機内部から見た空中投下映像。
一応成功の模様。
http://www.youtube.com/watch?v=eQwJnVad5L4

































超レトロ兵員輸送車


Wikipedia
実車は、板張りの粗末なクルマという
印象だが、トラックと比較して輸送人員が
多く、現場ではけっこう重宝したようだ。
オフロードでの走行性能は期待できないが、
万一エンコしても、これだけの兵隊がいれば
なんとか脱出できただろう、

ところで、この「OLD BILL」とは何だろうと
思い、調べてみた。
意外なことに、1914~15年頃の
イギリスの漫画キャラだった。

パイプをくわえ、セイウチひげを生やした
老人「ビルじいさん」は、当時のイギリス人を
イメージするキャラとして、そして第一次
世界大戦に出征したイギリス兵の象徴的
存在だったらしい。
今風にいえば、イメージキャラクターという
ことだろう。


The Royal Marines

…ということで、「OLD BILL BUS」というのは、
「第一次世界大戦に出征したイギリス兵の乗り合い自動車」と
いう意味になる。

チョー珍しい実車走行映像(音声なし)は、コレ!
http://www.youtube.com/watch?v=AwBnK1KVV24


参考資料

ゲルマン系プラモ・メーカー



かつてオーストリアのザルツブルクにあった模型メーカー・ロコの
ミリタリーモデルの資料をご紹介したい。
HOスケールとミニサイズながら、豊富なアイテム数でひとつの
世界を形成していた。
その後、鉄道模型の分野に進出しヨーロッパ有数の鉄道模型
メーカーに成長した。一度倒産を経験したが、見事に復活し
メルクリン、ホーンビィに次ぐ第3位に位置している。




M48架橋戦車もシッカリモデル化しているのが、メチャうれしい。
レベルのプラモを参考にしているような気がするが、はたしてどうなのだろう。


オーストリアは、かつてドイツ第三帝国の一部だったということもあって、
WWⅡドイツものも多い。意外に地元意識が強いのかもしれない(?)。
けっこうマイナーなアイテムもあって、見ていて楽しい。


ロコのプラモは、ご覧のように完成品として
売られていたが、塗装はされていなかった。
日本では知られていないようなヨーロッパの地味な
車両も多い。上のアイテムは、ドイツのトラックメーカー
マギラスの野戦タンクローリーだが、このような
超マイナーなものも多く発売されていた。








アメリカ兵のセットは、そのポーズから見てレベル
もしくはアダムスのものを、そのままスケールダウンしたようだ。




もうひとつのゲルマン系メーカーは
ドイツのファーラー。
第二次世界大戦の敗戦間もない
1946年にファーラー兄弟によって
設立された玩具メーカーで、プラモや
スロットカー、鉄道模型関連商品を
発売して成長した。







次回の更新は、8月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part3

2012年06月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦




「ナチ野郎だ

「ヤーボだぞ










「線路をやられた 止めろ 
 脱線するゾ」


「あれを見ろ



つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館

歴史的戦闘をジオラマで楽しむシリーズ

歴史上有名な戦いを、それぞれ枢軸国側と連合国側にわけて
関係プラモが発売されていた。





ソ連の凄腕狙撃兵ザイツェフを描いた2001年公開の映画『スターリングラード』から
ボルガ河を渡河し、スターリングラード市内に突入するソ連兵のシーン。
後退した味方の兵を情け容赦なく射殺する督戦隊がメチャ恐い!
http://www.youtube.com/watch?v=1AidvXzNKC4

もうひとつの『スターリングラード』は1993年のドイツ映画。
押し寄せるソ連戦車と戦うドイツ兵たち。雪原のバトル。
http://www.youtube.com/watch?v=7kb44SUcSd0&feature=related

PPSH-41フルオート映像。
http://www.youtube.com/watch?v=Lq63GlFiCKE&feature=fvwrel






イタリア空挺部隊の活躍を描いた1969年公開の
伊・仏合作映画『砂漠の戦場エル・アラメン』
イタリア兵にも勇敢な連中がいたんだ‥と再認識させられた。
http://www.youtube.com/watch?v=eyUOQQivzIc&feature=related



日本海軍の撃墜王・坂井三郎氏の愛機が描かれているのが
素晴らしい。怪しげな塗装の日本機が多かった外国産ボックスアートだが
これは正しく描かれている。
まあ1974年リリースのものなので、さすがにこの頃になると
日本機に関する資料も整い、ヘンテコ塗装のものは姿を消している。

なお余談だが、坂井氏はガダルカナル上空の空戦で、宿敵グラマンF4Fを
撃墜しているが、その後の戦闘で頭部を負傷し、長く苦しい単独飛行ののち、
なんとかラバウルの基地に生還した。
詳細は著書「大空のサムライ」を…



怪しげな機体塗装・参考資料

以前ご紹介した黄色の零戦。
おそらく練習機の塗装を勘違いしたものと
思われるが、赤のカウリングといい
このハデハデさに感動する。
ただ、零戦自体の描き方にあまり
怪しげなところがないため、ある
程度正確な資料を使ったのだろう。

1995年、日本の空を飛んだホンモノ零戦フライト映像。
地上を滑走してから、フワリと離陸するところは
軽い機体のなせるワザ。
http://www.youtube.com/watch?v=qmp3GDgNYdI


ハデハデ・メッサー。
全面赤というレッド・バロン風塗装がいい。
ボックスアートは下あごが張った初期型を参考にして描かれたようだが、
翼下に爆弾を搭載するなど、オーロラ独自の
武装強化策が施されていて、見ていて楽しい。



アメリカのテレビドラマ『ザ・パシフィック』より
ガダルカナル攻防戦。
日本軍の夜襲・銃剣突撃シーンだが、アメリカ軍の
機銃掃射でバタバタ倒されてしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=4SQqVEu135E

九九式軽機関銃、実銃による射撃映像。
日本の小火器類は、あまりパッとしない
印象があるが、意外なほど軽快な動きには驚いてしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=92L4G6n1LXA

日本海軍の一式旋回機銃、実銃射撃映像。
MG15の国産化版だが、発射速度の速いこと!
サドル型ドラムマガジンの装弾数はたった75発なので、
アッという間に撃ち尽くしてしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=VewqEy9zI04&feature=related

MG15のサドル型ドラムマガジンに銃弾を装填する映像。
一発一発を手で押し込んでいく作業は、単調でありながらも
けっこう大変。
http://www.youtube.com/watch?v=8DO41NFiMfI


Wikipedia・MG15







映画『史上最大の作戦』より。
ハンス・クリスチャン・ブレヒ演じるプルスカット少佐が
トーチカから海上を見ると、朝もやのなかから大輸送船団が
突如として姿を現すシーンが印象的。
http://www.youtube.com/watch?v=OFzdleJarI0

こちらは映画『プライベート・ライアン』
有名なオマハビーチのシーン。
http://www.youtube.com/watch?v=0OmkmeOMC6Q&feature=related

MP40実銃射撃映像。
水を入れたドラム缶が、一瞬にしてハチの巣!
近接戦での威力がわかる。
http://www.youtube.com/watch?v=O38a_Bx18RU

MG42実銃射撃映像。
「ヒトラーの電気ノコギリ」とはよく言ったものだ。
凄まじい!
http://www.youtube.com/watch?v=mw1VGZoYQts&feature=related

MP40、P38、kar98k実銃撃ちまくり映像。
http://www.youtube.com/watch?v=-RSecNQWFm0&feature=related

G43実銃射撃映像。
http://www.youtube.com/watch?v=jRGN6ecJvRA

FG42実銃射撃映像。
http://www.youtube.com/watch?v=ioa8HjFFYAQ

MP44実銃射撃映像。
http://www.youtube.com/watch?v=jZxdcOCNm3s

アメリカ陸軍制作の教育映画。
アメリカ・ドイツ両国の小火器性能比較映像。
http://www.youtube.com/watch?v=Oyj-ZHXFKQI&feature=related

アメリカ陸軍制作の教育映画から、捕獲したドイツ軍の
小火器取り扱い要領映像集。Kar98k、MP40、MG34・42の
分解シーンは貴重。また、MG34の銃身交換方法も見られるのが
うれしい。
http://www.youtube.com/watch?v=hlSp1rvlwII&feature=related

オマケ

オーロラが発売していたアンツィオ上陸作戦のプラモ。
迫力ある絵はいいのだが、中央の戦車はどう見ても
M48‥‥そうか、これは映画撮影時の様子を
ボックスアート化したものなのだ(ウソ)。

イタリア・アンツィオに上陸した連合軍を迎撃するドイツ軍。
後半に列車砲の砲撃映像。薬莢のデカいこと!
http://www.youtube.com/watch?v=iOediCqrukw

ロバート・ミッチャムやピーター・フォークが出演していた
映画『アンツイオ大作戦』の予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=pOcMOmEW6-s

MPCジオラマもの、及び『ヒストラマ』シリーズ

1981年に倒産したエアフィックスは、その後MPCの親会社ゼネラルミルズに買収
されたが、その際MPCブランドでエアフィックスの陸モノがリリースされている。
軍用車両と兵士がセットされており、手軽にジオラマが楽しめるようになっていた。
WWⅡの歴史的な戦闘、たとえばノルマンディー上陸作戦や
硫黄島の戦いなどのジオラマを『ヒストラマ』と命名してシリーズ化した。














































ヒコーキものもあったゾ!







伝説のレッドバロンの乗機と、これを撃墜したロイ・ブラウンの
ソッピース・キャメルのセット。なお、リヒトホーフェンの死は
オーストラリア軍の地上砲火によるものという話もある。
そのため、ちゃんと陸軍兵士の人形も入れられている‥?






拠点シリーズ










1/32拠点シリーズ



一見ただの小屋や廃墟も、商品名のつけ方によっては
立派なミリタリーシリーズになる。



























初期のボックスアートにはなかった赤十字の旗が
しっかり描かれている。



戦場における家屋シリーズ
























ポンツーンセット



いわゆる舟橋のセット。

YouTubeで見つけたチェコ陸軍によるポンツーン架設作業映像。
http://www.youtube.com/watch?v=x4GKaUg1ung&feature=related


初期・袋入りAFVボックスアート



















映画『遠すぎた橋』 イギリス砲兵部隊の砲撃シーン
空薬莢が排出されて転がるときのガチャン…カランカランカランという音に
妙な臨場感を覚えたものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=yCBHtf4hYWQ&feature=related


有名な車両をモデル化したこのシリーズのなかで、スキャメルのタンク・トランスポーターは
異色の存在。
ただ日本人にはチョー地味に感じるけれど、イギリス人ならそれほどではないのかもしれない。
逆に安易にアメリカのドラゴンワゴンを選ばなかったところに、イギリス人のプライドみたいのが
感じられる。



こんなものもあったとさ‥‥



トーチカ風のランチャーから円盤を撃ち出して、
相手の兵隊を倒すゲーム感覚のセット。
自国の顧客を対象としたためか
ドイツ兵が斬られ役になっている。

こ、これは‥伝説の





日本を舞台にした1967年公開の
映画『007は二度死ぬ』では
ボンドカーに扮したトヨタ2000GTが登場。
なつかしい昭和の町並を疾走する。
なお、ボンドカーを追跡する車(クラウン)はボックスアートに
あるように、ヘリからつり下げられた強力電磁石に
ペタッとくっついてそのまま空中へ。
その後海まで運ばれて、ポイッと捨てられてしまうのが笑える。

なお、このボンドカー仕様の2000GTは、この映画のために
製作された特注品。もともとこのクルマは車高が低く
室内も広くないため、長身のショーン・コネリーでは天井に
頭がつかえて、まともに撮影できる状態ではなかったため
急遽オープンカータイプを製作したらしい。

面白いのは、このクルマは日本の諜報機関の所有という設定
だったので、ボンドは助手席に乗るだけで、一度も運転することなく
終わるという不思議なボンドカーとなってしまったことだ。
http://www.youtube.com/watch?v=W8eJ8bj2sh0



映画『ゴールド・フィンガー』より
巨大金庫内でのオッド・ジョブとの格闘シーン。
ところで、ご両人の服の色が映画とボックスアートで異なるのは
どうしたことか?
http://www.youtube.com/watch?v=JDDjxa7RsKg&feature=related



ボンド御用達のオートジャイロと敵ヘリコプターとの
空中戦。映画に登場する攻撃ヘリは、ただ機関銃を
装備しただけのおとなしいものだが、いまなら
AH-56アパッチみたいなゴツいヤツが出て
くるんだろうナ~。
http://www.youtube.com/watch?v=KmzkjQArqfg&feature=related


いろいろなカラクリ装備で、メチャ楽しいボンド御用達の
アストンマーチン。やはり、きわめつけはビョコンと飛び出す
座席だろう。

1964年公開の映画『007ゴールドフィンガー』より、アストンマーチン登場シーン。
後半で車の秘密装備の説明をしているシーンが見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=9b2o0elrQJc&feature=fvwrel

アストンマーチン・アクションシーン。
助手席の敵を車外に放り出すシーンも楽しめる。
http://www.youtube.com/watch?v=aPfAUnDP9GE




これは、ジョン・サーティースが乗る
ホンダRA273ではないか!
F1の世界に殴りこみをかけた
ホンダの意地が光る。

ホンダRA273実車映像。
レストアされたマシンでの走行だが、ホンダサウンドは不滅だ。
上のイラストと同じカラーリングが、メチャいいゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=kqQfiNOeQoA

参考資料

なつかしいタミヤのホンダF1(RA273)。
90度V型12気筒3リッターエンジンの
ド迫力がタップリ味わえる。

Wikipedia
ホンモノRA273


60年代に活躍したホンダF1の
メカがタップリ楽しめる。
パーツごとにバラしたエンジンの
写真など興味深いものが多数
掲載されており、メチャ泣かせる。
技術的分野を扱った書籍の
なかでは最高!
これ以上のものは、今後
出版されないだろう。
現在、絶版なので中古本でしか
入手できないのが残念。




































日本では知られていないエアフィックスの
スロットカーを発見!
















イギリスの「オモチャおやじ」ジェームズ・メイの番組から。
ギネスに挑戦スロットカー世界最長記録映像。
http://www.youtube.com/watch?v=UYezyMHfhcQ

バイク

ホンダCB450
何かに追突しようものなら、
男性機能にダメージを与える
独特のタマ打ちタンクが特徴。



汽車ポッポ関連

乗客や駅員、荷物を運ぶポーターなどのプラモ。
HOスケールなので、鉄道模型のアクセサリーに
使える。


世界最初の蒸気機関車のプラモ。
イギリスの機械技術者リチャード・トレビシックが
開発して、1804年に軌道上を走行させることに
成功した。機関車に運転席はなく、ボックスアートに
あるように運転手(?)が付き添って動かした。
時速は毎時8㎞くらいだったらしい。
ただ、実用上問題が多く、本格的蒸気機関車は
1825年同国のジョージ・スチーブンソンが開発した
「ロコモーション号」まで待たねばならなかった。












イギリスの踏み切りをモデル化したもの。
日本とは仕組みが違うことに興味を覚える。




チョーマイナーなアイテムも
シッカリモデル化しているのが
うれしい。










歴史は繰り返す。第2の「バトル・オブ・ブリテン」勃発!
英独が激突する世界最大の鉄道模型レース。
栄光への道のりは遠かった
エアフィックスのオーナー、ホーンビィの鉄道模型を使った
バトルを、あの「オモチャおやじ」が報告する。
http://www.youtube.com/watch?v=mWsObgpwJOs

全編を見たい人は、こちら
http://www.youtube.com/watch?v=Zh5d8nx738E&feature=related


次回の更新は、7月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part2

2012年05月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦




「急げ、ヤーボが来る前に出発だ」






「火の玉特急だぜ」






「ワシントンの政治家どもは
 一体何を考えているのだ
 プラモデルとかいうオモチャの箱絵を
 奪取するのに、わが精鋭部隊を投入
 するわけにはいかぬ
 ドイツの崩壊は時間の問題だ
 つまらん作戦で無駄な犠牲を出したくない
 この作戦は戦略的に何ら寄与しないゾ」


「閣下、これは大統領命令です
 ご決断を…」


「ナチ野郎の列車を探せ
 最初に見つけた者は
 二週間の特別休暇だ
 パリ娘のキュートな尻が
 拝めるゾ」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館陸モノ編

エアフィックスはイギリスを代表する
プラモのトップブランドだ。
過去に倒産劇はあったものの、
ブランド名が存続できたことは
プラモ愛好家のはしくれとして
メチャうれしい。

エアフィックスの創業は1939年というから
プラモメーカーとしては老舗中の老舗だ。
当初は玩具の製造を行っていたが
第二次世界大戦後すぐにプラスチック製の
櫛を手がけ、1949年に販売促進用の
組み立て玩具を製造する。
これは、イギリスの農機具メーカーの依頼で
開発したトラクターのプラモで、販促グッズで
あったが、のちに金型製作コスト回収にため、
市販されるようになった。

1954年には帆船のプラモ「ゴールデン・ハインド」を発売するが、
生産コスト削減のため、あるアイデアが採用された。
それは、ビニール袋にパーツ類を入れ、紙のタグでとめるという
超簡易包装で、年配の人にはなつかしいあの袋入りプラモの登場であった。
このキットは、アメリカでボトルシップ用素材として好評を博し
売上も増大した。

1955年、オーロラ1/48スピットファイアを参考に
1/72スケールの同機を開発し、ヒコーキプラモの
分野にも進出した。
その後のエアフィックスの大躍進は、皆さんもご存じの
ことと思う。ヒコーキはもちろんのこと、AFV、艦船など
スケールモデルの世界で確固たる地位を築いた。
一方、1970年半ば頃から玩具メーカーの買収を積極的に行い、
プラモメーカーからイギリス最大の総合玩具メーカーへと成長していった。

また、見落とせない点としてプラモ雑誌「エアフィックスマガジン」の
創刊がある。当時、オモチャ的扱いで低い評価しか与えられていなかった
プラモを、じっくりと時間をかけて楽しむ趣味のひとつとして
世間に認知させていった功績は偉大だ。





エアフィックスのプラモを使った広告映像。
F1プラモの製作風景だが、ドライバーを
組み立てていくと、いつの間にか生身の
人間に変化していくシーンがオモシロイ。
http://www.youtube.com/watch?v=Xsx7af35TdM

エアフィックス広告映像。
プラモのスピットとメッサーが
『バトル・オブ・ブリテン』よろしくドッグファイトを繰り広げる。
http://www.youtube.com/watch?v=KtbVilcwu4M

旧エアフィックス本社跡

Haldane Place London,SW18,UK.
中央の赤丸地点付近が旧エアフィックス本社跡だが、
現在はホテル、レストラン、店舗、貸ビル、エンターテイメント
関連の複合施設となっている。
敷地が広いことから、エアフィックス時代は本社事務所以外に
工場や倉庫もあったのかもしれない。
周囲は住宅地だ。



1/32兵隊さんシリーズ



初期バージョン




1975年公開のアメリカ映画『暁の七人』 ハイドリヒ襲撃シーン。
アントン・ディフリング演じるナチの貴公子(チョッと老けていたが…)は、リアルでよかった。
http://www.youtube.com/watch?v=FhpSaQ05Nts&feature=related

映画『暁の七人』 暗殺メンバーが潜む教会に、SS部隊が襲撃。
激しい教会内バトル。ドイツ側、死傷者続出!
http://www.youtube.com/watch?v=9ui9BeQ4IVA&feature=related

映画『暁の七人』 教会地下室に立てこもった暗殺メンバーとSS部隊との銃撃戦。
ドイツ側の水攻めで絶体絶命。
http://www.youtube.com/watch?v=vG_aVwKpCf0&feature=related

映画『暁の七人』 全編を見たい人はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=LkwVGqqqSGE&feature=related













初期のシリーズから大日本帝国陸軍の勇敢なる兵士が
リリースされていたのは嬉しい。
エアフィックスとしては、かつて大英帝国に敵対して
直接ドンパチやった相手なので、無視するわけには
いかなかったのだろうが、少なくともある程度の需要も見込まれるので
発売したのだろう。
イギリスのモデラーからすれば、やはり斬られ役が必要ということか。
しかし、同じ枢軸国側であったイタリアについては、このときは
リリースされていない。
北アフリカで戦った相手なのに、イタリア軍とは所詮
その程度の存在なのか。

南京攻略戦と入城式の模様を伝える当時のニュース映画。
http://www.youtube.com/watch?v=-ogS_LgyodI

日本軍による香港攻略を伝える当時のニュース映画より
http://www.youtube.com/watch?v=JouDlQ5hG5E

太平洋戦争初頭、日本軍捕虜となったアメリカ軍将兵の姿を
伝える当時のニュース映画。やらせなのかもしれないが、
映像で見る捕虜たちの表情は意外と明るい。
http://www.youtube.com/watch?v=a7ZLUPKou2s&feature=relmfu

















コーネリアス・ライアンの著書『遙かなる橋』を映画化したのが、
1977年公開の『遠すぎた橋』で、橋を巡る英独の攻防シーンが見せ場のひとつ。
http://www.youtube.com/watch?v=yiiUJ4sDuX0&feature=related

映画『遠すぎた橋』 イギリス空挺部隊の降下シーン。
http://www.youtube.com/watch?v=lfv-19f8ZG8&feature=related

映画『遠すぎた橋』 全編を見たい人はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=BH0uC2XUuaA&feature=related








いかにもサッカー王国らしいアイテムだ。



1973年バージョン








































1974~75年バージョン



















こちらは、同じアメリカ兵でもカスター将軍率いる
第7騎兵隊。

Wikipedia
カスター将軍ご本人




騎兵隊といえば、その敵役はインディアン。
モデル化はきわめて珍しい。





1976年バージョン








ドイツ語バージョン




一瞬アメリカ兵かと思ってしまうが、
手にした手榴弾で西ドイツ(なつかしい響きだ)の兵士だと
わかる次第。
でも、戦後も引き続き「ジャガイモつぶし」型手榴弾を
使用していたのだろうか。


ドイツ語バージョン




















グルカ兵のトレードマークである湾曲した特徴ある
短刀、ククリナイフもシッカリ描かれている。







1977年バージョン




























1978年バージョン
 





















1980~81年バージョン












日本兵と同じ巻ゲートル姿だが、あまりダサさを
感じさせないのは、軍服のデザインが優れている
からか。

























1983~84年バージョン












1986年バージョン






























1995年バージョン

ハンブロールの傘下に入った
ときのもの。
スナック菓子感覚の包装で、
パーツがビニール袋にドサッと
入っていた。

2009~10年バージョン




ドイツ兵といえば…

かつてエッシーが発売していた
大ドイツ師団・装甲擲弾兵の
ボックスアートが気に入っている。
エアフィックスとは関係ないけど…























さらに、エアフィックス1/32ものでまたまた発見!
ポスター風ボックスアート




オマケ
エアフィックスでは、動物モノも発売していた。
なかでも動物園関連はチョッと異色。



レトロな絵本を見るような雰囲気だ。
仲良し兄妹(だと思う)を動物たちが
迎える光景は、ほのぼのとしていて良い。
二人の楽しそうな表情がいきいきと
していて、平和でいい。
今風にいうなら、ヒガアロハのほのぼの系ギャグ漫画『しろくまカフェ』の
世界ではないかと思う。





その他、動物モノ





東宝の怪獣ラドンではありません。
実在した翼竜プテラノドンのプラモ。


イギリスBBCのテレビアニメシリーズ『ひつじのショーン』は、
日本でもNHK教育テレビで放送している。
主人公のショーン、牧羊犬のビッツァー、そしてトラクターが
モデル化されている。

次回の更新は、6月15日夜の予定。


不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館

2012年04月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦












「総動員で線路上のガレキを撤去しろ
 天候が回復してきている
 ヤーボに発見されるまえに移動だ
 急げ!」







つづく


不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
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1968年


1966年


1965年


1962年


1960年


1960年


1959年


1958年


エアフィックス公式サイトは、こちら。
http://www.airfix.com/

Hornbyの鉄道模型広告映像
http://www.youtube.com/user/OfficialAirfix?ob=0&feature=results_main

ところで、2006年の倒産劇から不死鳥のように甦ったエアフィックスだが、
現在はイギリスの鉄道模型メーカーであるHornbyの傘下に入っている。
そこで、Hornby本社所在地を見てみると…

海に突き出た半島みたいなところに
本社はあった。
中央の赤い点に注目。

余談だが、対岸のフランスは目と鼻の先だ。
特にパ・ド・カレー地域は、イギリス本土に
一番近く、かつてアドルフおじさんが連合軍のこの地の
上陸を極端に警戒していたというのが、よくわかる。
まあ、どうでもいい話だけど…


周囲は住宅等はあるものの、典型的な西ヨーロッパの田園風景だ。


Hornby Hobbies Ltd, Westwood, Margate, Kent, CT9 4JX, UK.

田園地帯の一角に工場らしき建物が見えるが、これがエアフィックス本社…
というかHornby本社だ。
来訪者用のセンターや喫茶室も用意してあるのが、うれしい
…といっても実際に現地で確認したわけではないが…

さて、エアフィックスというと、航空機をメインとしたプラモメーカーという
イメージがある。確かにそれに間違いはないのだが、陸モノ関連も
かなりのアイテム数があり、意外な面を見せてくれる。

「鉛の兵隊さん」ならぬ
「合成樹脂の兵隊さん」あれこれ

エアフィックスは、タミヤの躍進でプラモの兵隊さんの
スケールが1/35世界標準となる以前からミニスケール
ながら、兵隊さんシリーズをリリースしていた。
そのジャンルたるやWWⅡばかりでなくWWⅠ、アメリカ
独立戦争、南北戦争、ナポレオン時代、古代ローマ時代など
広範囲に及ぶ。
さらには、古典的軍装のフランス外人部隊やアラブ人反乱軍、
伝説の義賊ロビン・フッド、ターザンなど、ユニークなアイテムも多い。
モールドも小スケールながらも、よくできており
その再現性も素晴らしい。
また、材質も柔らかなプラなので、小銃やサーベルといった
繊細な部分も破損することがなく、消費者に配慮された
ものとなっている。
さらに1/32スケールシリーズも加わり、エアフィックス
歩兵軍団の世界は大きく広がった。





欧米ではエアフィックス・兵隊さんシリーズのファンが多いらしく、
専門図書も存在する。シリーズスタート時からの全アイテムを紹介しており、
貴重だ。







古代ローマ時代のチャリオットレースシーンが
タップリ楽しめるのが、コレ。
映画『ベン・ハー』(1959)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwi3xROzpSE&feature=related






中世イングランドの伝説の義賊、ロビン・フッドも
シッカリとモデル化されている。

アメリカ独立戦争

アメリカ独立戦争におけるイギリス軍擲弾兵。
赤い超ドハデ軍服が印象的だ。


ワシントン率いる独立軍兵士。

ワーテルローの戦い










独仏のバトルは、WWⅡだけではなかった!
決戦ワーテルロー・プロイセンvsフランス資料画像

Wikipedia
チョー至近距離からの銃撃戦だが、このあと白兵戦に
もつれ込むのだろうか。


Wikipedia
フランス軍陣営に突入するプロイセン軍。

映画『ワーテルロー』より、ナポレオン率いるフランス軍と
イギリス・プロイセン連合軍の激突。
http://www.youtube.com/watch?v=pTGPS0qR7v8&feature=relmfu

南北戦争

南軍の軍装は、シックな雰囲気。






こちらは北軍。当時のフランス兵っぽい
軍装が特徴。

日本ではあまり知られていないが、アメリカ南北戦争を
描いた映画としては見逃せない。大量のエキストラ動員で
展開する戦闘シーンがスゴい。
また、オタク的視点からいうと当時の最新軍装「ズアーブ兵」
スタイルの兵が登場するのも、見ていて楽しい。
赤い上着に青のトルコ帽の兵士がソレだ。

Gods and Generals』(2003)
http://www.youtube.com/watch?v=ucrVfUr4_ZA&feature=related

ちなみに、ズアーブ兵とは1831年、チュニジア人、アルジェリア人で
編成されたフランス植民地軍兵士のことで、独特のアラビア風軍装をしていた。
その精鋭ぶりは各国に影響を与え、軍装もアラビア風が流行した。
アメリカも例外ではなく、南北戦争当時、南北両軍はズアーブ兵風軍装の
部隊を編成している。軍服にハデな色彩を採用したり、上着に独特の刺繍を施したりと、
相当目立つ存在だった。


Wikipedia
北軍ズアーブ兵の一例。
ダブダブのズボンが
アラビア風。














フランス軍の砦もモデル化されている。

サハラ砂漠におけるフランス外人部隊の戦闘(劇映画)
『March or Die 』 (1977)
http://www.youtube.com/watch?v=I2lvtF8HRIA&feature=related









フランス兵の突撃を撃退するシーンが印象的。
機関銃の登場で、歩兵の突撃が困難になったことが
よくわかる。
映画『西部戦線異状なし』(1930)
http://www.youtube.com/watch?v=Ciq9ts02ci4




スピルバーグ監督の最新作『戦火の馬』予告編。
イギリス騎兵隊の軍馬が主人公で、今では珍しい第一次大戦もの。
http://www.youtube.com/watch?v=81PL9JmWcHA&feature=fvst

第三次イープル戦を描いた2008年公開の映画『Passchendaele』は、
泥まみれのドロドロ・グチャグチャ塹壕戦の雰囲気がビンビン伝わってくる。
http://www.youtube.com/watch?v=CyNPzxrhi-w&feature=related







口径漸減砲2.8cm sPzB41(ゲルリッヒ砲)と思われるアイテムが
付属しているのが珍しい。









おフランスを代表する喜劇役者ルイ・ド・フュネス出演の映画『大進撃』。
ナチス占領下のフランスで、ドイツ軍相手にハチャメチャな大活躍。
後半の追跡劇がオモシロい。
http://www.youtube.com/watch?v=rCaGgbeSoWg



ユーゴスラビアのチトー率いるパルチザンと
ドイツ・イタリア等の枢軸国側との戦いを描いた
『ネレトバの戦い』(1969)
イタリア軍の軍装が楽しめる。7分49秒あたりから
列車で移動してきたイタリア軍が登場する。
ラストに登場する一見山賊風の武装集団は、地元のチェトニク軍。
http://www.youtube.com/watch?v=PTF6tb4qvEA

『ネレトバの戦い』よりパルチザンとドイツ軍の
戦闘シーン。トラ戦車モドキが登場。
なお、ドイツの同盟軍として黒服の将兵が登場するが
彼らはクロアチア独立国のファシズム政党「ウスタシャ」兵士だ。
http://www.youtube.com/watch?v=x-qq107mI2I

同じく『ネレトバの戦い』よりチェトニクの攻撃シーン。
もともとは、1941年ドイツのユーゴスラビア侵攻の際
壊滅したユーゴ王国軍の生き残りで、降伏を拒否して
侵略者ドイツと戦っていた。
しかし、チトー率いるパルチザン部隊の勢力が拡大すると
これに対抗するため、ドイツと協力するようになった。
過去にはクロアチアと戦い、当初から同じ枢軸国陣営の
イタリアから武器・資金援助を受けるなど、きわめて複雑な
背景があった。
さらに劇中登場するオーソン・ウェルズ演じるふとっちょ評議員先生は
イギリスに亡命したユーゴ政府の関係者なのだから、
話は余計にややっこしい。
まあそんなことは別にしても、長髪のチェトニク指揮官は
猛禽類のような精悍な顔立ちが印象的で、気に入っている。
https://www.youtube.com/watch?v=X-XPxlVuMJU












アフリカ軍団との表示があるが、
どう見てもヨーロッパ本土用の軍装だ。
ここにもゲルリッヒ砲が描かれている。




















ジェームズ・メイソン演じるロンメル将軍が、メチャカッコよかった。
1951年公開の映画『砂漠の鬼将軍』は、「砂漠のキツネ」伝説を
不動のものにした。当時の予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=3lE9Vlthvqs

1970年公開の映画『ロンメル戦車軍団を叩け』は、
ドイツ兵に変装した特殊部隊がアフリカ軍団の補給拠点を攻撃する
お話。ここでは、後半にイタリアの海岸砲台を破壊するシーンが見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=20l3xpc5IV0


北アフリカ・トブルク攻防戦を伝えるイタリアのニュース映画より。
弱いことでは定評のあるイタリア軍だが、ここでは
けっこう勇敢に戦っているように見える。
http://www.youtube.com/watch?v=7TEmUhYYaF4&feature=related

西ドイツ時代の兵隊さん




大日本帝国陸軍、登場!

エアフィックスは旧敵の日本兵も
リリースしている。ところで、軍刀を持った
隊長さん、どうも欧米人が描く戦前戦中の典型的
日本人顔のように思えるのだが、気のせいか。


日の丸に書かれた漢字は何とも
怪しげだが、一応それっぽい雰囲気は
出ている。欧米人にとって漢字‥ましてや
筆を使って書かれた漢字など、奇々怪々な
存在なのだろう。

大英帝国の東洋の牙城、シンガポール攻略戦の記録映画『マレー戦記』。
敵将に降伏をせまる「イエスかノーか」で有名な山下・パーシバル会談の
模様も収録されている。
http://www.youtube.com/watch?v=EkkpA3EENuc&feature=related




























ゲームソフトのボックスアート風な仕上がりが
現代を感じる。


兵士の軍装を見ると、明らかにWWⅡものなのに
左上の車両はM113風だし、右端の戦車はM48風ときた。
なんだか戦争映画の撮影現場みたいだ。












ニッカ・ウイスキーの
ヒゲオジサンでは
ありません。
かつてのイギリス王
ヘンリー8世のプラモ。


こちらは、ヘンリー8世の
2番目の妃アン・ブーリン。
女王エリザベス1世(もちろん
現在のエリザベス女王ではない)の
実母でもある。

人物モノの中でも、夫婦の
プラモというのは、非常に珍しい。
なお、ご本人はダンナの
暗殺を計画した容疑により
斬首刑に処せられてしまう。


イギリスのエドワード
黒太子のプラモ。
フランスとの「百年戦争」
前半に活躍した軍人で、
ほとんどの戦闘に
勝利した凄腕指揮官。


いわずと知れたナポレオン。






これは驚き。ジャングルの王者ターザンもあったのネ。


表示は「FOOTBALLERS」となっており、フットボール選手という意味なのだが、
日本ではこの言葉にアメフト的イメージもあったりして、一瞬(?)‥‥などと考えてしまう。
ただ、イギリスではサッカー選手のことをこう言うらしい。

次回の更新は、5月15日の予定です。


外国勢のアポロロケット・ボックスアート美術館

2012年03月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦






「ザコは蹴散らせ!」










「追いつかれるゾ」






「この天候は何だ!地上が見えないぞ」
「かまわん バラ撒け!」


つづく



テオドール・オマケ
         ソ連の戦争絵画だゾ!


決戦・クルスクの戦い



映画『ヨーロッパの解放』をイメージさせる絵だ。
独ソ両軍の殴り合いバトルが凄まじい。
ところで、絵右側のトラ戦車がメッチャ小さく感じるのは
私だけであろうか。

クルスク戦における勝利(?)を伝えるドイツ週間ニュース。
http://www.youtube.com/watch?v=vFuR3pYJB2s&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=ZMjBJ6Tmgm8&feature=related

死闘


スターリングラード攻防戦をドイツ兵の目から描いた映画『スターリングラード』
http://www.youtube.com/watch?v=OiMjWqGcZsk&feature=related





厳寒の戦い・チェルカッシィ

追いつめられたドイツ兵は、身を隠す場所もない雪の大平原において
最後の抵抗を試みる。

チェルカッシィといえば…チョッと脱線

ドラゴンから「コルスンポケット」という商品名で
ドイツ兵のプラモが出ていた。
バラバラの軍装が、敗走するドイツ軍を
象徴していて、良かったナ。

チェルカッシィ包囲戦については、
私が高校生の時パウル・カレルの
「焦土作戦」を読んで初めて知った。

包囲網から脱出しようとするドイツ軍と
追うソ連軍、この息詰まるレースが
大雪原に展開される。
退路には河が流れ、後方からは
敵戦車が迫り、進退窮まったドイツ軍は
この氷のように冷たい河を強行渡河し
なんとか逃げ切る…トルストイの「戦争と平和」に
描かれたナポレオン軍の敗走を連想させる
話で印象的だった。

関連書籍としては、下記のものが
ピカイチ!



ウーン、また脱線してしまった…

チェルカッシィ戦の動画がYouTubeにあった。
厳寒が身にしみる。
http://www.youtube.com/watch?v=P5YGBSEGWWo

神々の黄昏





この凄惨な光景たるや、言葉を失う。

ソ連の戦争絵画には、戦闘終了後の戦場光景というものもある。
上の絵は、雪原に累々と横たわるドイツ兵の死体を描いている。
なんとも凄まじい限りだが、
ソ連軍の圧倒的勝利と国土を荒らし
人民を殺戮した憎むべきファシストどもの決定的敗北を
象徴する意味もあるのだろう。

敗走


ベルリンでの勝利


降伏


ヒトラー最後の映像。ベルリン防衛の少年兵を閲兵する総統。
http://www.youtube.com/watch?v=I3C5Sf8RC7s


ソ連側が撮影したベルリン攻略戦の記録映画

Part1 ベルリン総攻撃のために集結するソ連軍。
http://www.youtube.com/watch?v=Rg_ndWU_vRI

Part2 後半にアメリカ援助のフォードGPA水陸両用ジープに
よる強行渡河(やらせみたいな気もするが)の様子が描かれている。
http://www.youtube.com/watch?v=j-K7b8sAH1w

Part3 ベルリン市内に突入したソ連軍。
市内には女性を含む多くの市民がいたことに驚かされる。
http://www.youtube.com/watch?v=8gx9fI2mc7Q&feature=related

Part4 ソ連軍は、ついにベルリンの心臓部に到達した。
ドイツ国会議事堂陥落!
http://www.youtube.com/watch?v=8LXBDKKpLxw&feature=related

Part5 ドイツ敗れたり!廃墟となった総統官邸。
宣伝相ゲッベルスの黒こげ死体が…!
http://www.youtube.com/watch?v=EUBDaAB6glM&feature=related

ソ連の戦争絵画というと、日本ではほとんど知られていないが、
けっこうリアルで迫力ある内容のものが多い。
国民の戦意高揚とかプロパガンダという目的のもあれば、軍事博物館の
展示用壁画として描かれたものもある。

内容としては、当然のことながら「ソ連の勝利」であり「ファシストの打倒」なのだが
荒涼とした戦場の表現が秀逸で、とくに敵味方入り乱れた白兵戦の絵は、
その登場人物の多さやロシア的スケール感に圧倒されてしまう。

あたかもナポレオン時代の戦争絵画を見るような古典的な雰囲気を
残しているのも印象的だ。

参考資料:ナポレオン時代の戦争絵画

















歴史は繰り返す、ヒトラーもまた敗れたり…そんな言葉が
思わず出てしまうナポレオン敗退の絵だ。

1970年イタリア・ソ連合作映画『ワーテルロー』
当時のソ連軍が全面協力した超大作。
きらびやかな軍装のエキストラが画面からあふれ出る。
その数たるや、よこぞここまでと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=7vlcuvrM1po

1965~67年のソ連映画『戦争と平和』
これもソ連軍全面協力作品。そのスケールの壮大さと
重厚感は、後の映画『ヨーロッパの解放』を思わせる。
http://www.youtube.com/watch?v=k97nvOSBDnk&feature=related


外国勢のアポロロケット
ボックスアート美術館



アポロ関連のプラモは、やはり地元アメリカのものが
イチバン多いが、売上増大を狙ってアポロ商戦に参加した外国勢もいる。
その代表格はエアフィックス。
伝統と格式を重んじる英国(?)らしく、しっかりとした作りに好感がもてる。



























































上は英語圏以外のヨーロッパ諸国に配慮したインスト。
















海上に着水したアポロ司令船の宇宙飛行士らを
収容するのに活躍したシーキングをモデル化している。













国産プラモも忘れないでネ!


これは年少者向けだったのかもしれないが、
フライングモデルとなっていた。
もちろん自由自在に飛行するわけではない。
天井にヒモをつるしてプラモ本体をぶら下げ、
スイッチを入れると、ロケット噴射口から突き出た
プロペラが回転して、プラモ本体が円を描いて
動くというものだった。








小松崎茂画伯の作品だ。

アオシマも、アポロ関連にはけっこう力を入れていた。


















オマケ アポロ以外の宇宙モノ関係商品



















アラッ、ロシアモノもあるのネ


















小スケールながら、いい雰囲気を出していた。
クラシカルなスタイルのトレーラーが、いかにも
ロシア的で印象的だ。




























































宇宙服のシワの表現がよくないので、なんだかミイラ男みたいだゾ。

 




オマケのオマケ:旧オーロラ本社跡

44 Cherry Valley Ave.West Hempstead,N.Y.11552

中央の白い建物(赤丸部分周辺)が旧オーロラ本社跡だ。
周囲は住宅地になっている。
現在、駐車場を備えた複合施設になっているようで
レストランやビデオショップなどの店舗、スポーツジム、企業等が
入居している。
広い敷地であることから、オーロラが存在した当時は本社建物以外に
プラモ生産工場や倉庫もあったのだろう。

オーロラ・カタログ










で、出たー

ドイツレベルから往年の名作が復刻された。


レベル黄金時代の1960年代前半に発売されたキットは、
現在でもけっして古さを感じさせない。
この再現力は時代を超越している!

このブログが公開されたとき(3月15日)には、もう店頭に並んでいるので
欲しい人は即刻模型店に急行すること。

過去のパッケージ

















次回の更新は、4月15日夜の予定。


次回は、エアフィックスのボックスアートを
取り上げます(多分)。


アポロよ、永遠に!月ロケット・ボックスアート美術館

2012年02月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

今回も掲載記事多数のため、お休みです。
                                       別にネタ切れではないゾ!


60年代最後の興奮
ロケットプラモは
アポロ
で頂点に達した!!










      






ロケット・ミサイルプラモ、さらには宇宙開発モノの中で、もっとも売れた商品は
やはりアポロ関連ではないだろうか。
人間が他の宇宙天体に降り立つというのは、人類史上初の偉業であり
20世紀最大の宇宙開発一大イベントであった。
そのため千載一遇のチャンスとばかりに、各プラモメーカーで関連モデルの
発売が相次いだ。
アイテム数でいうと、やはり地元アメリカの大手企業レベルがイチバン多く、
次いでモノグラムといった具合だった。
レベルの場合、純然たるアポロ関連以外に過去に発売したマーキュリー
ジェミニなどの製品の再販もあったため、それらを含めると他企業を抜きんでていた。

世界の超大国アメリカが
体感できるキット!





サターンロケットのプラモは、他メーカーでも
発売していたが、これだけ巨大なものはなかった。

当時のアメリカの男の子は、このプラモを
所持することが一種のステイタスだったに
ちがいない。

































アポロ計画の概要を記したパンフレット付















超ド迫力!アポロ打ち上げ映像
http://www.youtube.com/watch?v=3mt9znatmyQ


アポロ・サターンロケット・オンボード映像
切り離されたロケットが青い地球へ落下していく
シーンは、とても幻想的。
http://www.youtube.com/watch?v=HTGk3UM-IOU&feature=related


ロケット・オンボード映像
アポロほどの迫力はないが、地上からどんどん高度を増して
大気圏外へ飛び出すところは感動的!
http://www.youtube.com/watch?v=f0Qr1g70aOg&feature=related





















アメリカの歴代宇宙カプセル(マーキュリー・ジェミニ・アポロ)をセットにしたプラモ。
マーキュリー・ジェミニは60年代前半のレベル黄金期の作品なので、
よく出来ている。それに比べると、アポロはけっこう大味な作りなので
チョッと残念。






































Wikipedia


Wikipedia

Wikipedia
Wikipedia







Wikipedia


アポロ計画初期の概念図。




































Wikipedia



















Wikipedia






アームストロング船長の「人間にとっては小さな一歩だが、
人類にとっては偉大な飛躍だ」という名言が表示されているバージョン。
お客さんに感動を与えつつ、売上増大を狙ったところがニクい。

























アポロ関連書籍というのは、洋書和書含めてけっこうあるが、
その中で印象的なものは、コレ!

アポロ計画といえば、人類史上初の有人月面着陸に目がいって
しまう(これは当然なのだが…)が、一方でアポロ13号の事故も
忘れることができない。
 
事故発生現場が宇宙空間であっただけに、とても救助には行けない。
命の綱は地上との無線交信だけという、きわめてキビシい状況のなか
NASAのスタッフは事態解決のために知恵を絞る…というところが
感動させる。

























1970年代初頭、アメリカの玩具メーカー・マテル社に買収されていた時期のもの。
マテルのロゴが見える。









レベル製品をモノグラム・ブランドで発売したときのもの。
1967年に訓練中のアポロ1号船内爆発炎上事故で
亡くなったガス・グリソム宇宙飛行士の記念バージョン。




































オッと、ロケットプラモじゃないけれど…

アポロ11号回収に活躍した空母ホーネットのプラモ。



パーツ番号68がアポロ11号で、宇宙カプセルのパーツをひとつ加えるだけで
アポロ関連商品となる。レベルも商売がウマい!

空母ホーネットによるアポロ11号回収作業映像
http://www.youtube.com/watch?v=nlhjJHHBnWY

ジェミニもあったゾ!

こちらは、ジェミニ宇宙船回収に活躍した空母ワスプ。
ボックスアートにも、回収シーンがシッカリと描かれている。
もちろん宇宙船のパーツも付属するのだが、このスケールだと
小さすぎてヨーわからん。








パーツ番号68がジェミニ宇宙船のパーツだ。
そういえば、ホーネットのアポロ宇宙船のパーツ番号も
同じ68だった。

空母ワスプによるジェミニ宇宙船回収作業映像(音声なし)

帰還する宇宙飛行士歓迎式典の準備風景などが
記録されていて興味深い。英雄をひと目見ようと
集まった乗員が、艦上に鈴なりになっている状態がスゴい。
http://www.youtube.com/watch?v=iOMRE8PEkak

オマケ 架空宇宙モノ



























架空の宇宙ステーションとはいえ、この作りこみはスゴイ!
実物が存在しないのをいいことに適当にゴマ化さなかったのは
さすがにレベル。























次回の更新は、3月15日夜の予定です。

ロケット/ミサイルプラモ・アットランダム美術館・YouTubeのミサイル映像付Part2

2012年01月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

今回はお休みです。


ロケット/ミサイルプラモ
アットランダム美術館Part2





V1の活躍を報じるドイツ週間ニュース
http://www.youtube.com/watch?v=LEhWYqaX5gE&feature=related







レベルのⅤ-2は、内部構造までシッカリ再現してあるのが
すばらしい。ミサイルというのは、割と単純な外形をしているので、
燃料タンクやらエンジンやら中身付きにしてもらえると、
メカニカルな雰囲気モロ出しで、モデラーはメチャ喜んでしまう。







日本でも気の利いたプラモが存在した。
レベルと比較するとスケールは小さかったが、レーダーや支援車両などが
付属しており付加価値を高めていた。ボックスアートは高荷先生の作品。

アメリカに渡ったV2テスト映像
http://www.youtube.com/watch?v=Sykfqa3MKAg

空母ミッドウエー飛行甲板上でV2発射
http://www.youtube.com/watch?v=Eug0uV5ko0s

日本では知られていないKMTのボックスアート4種




タロス資料映像
http://www.youtube.com/watch?v=IaeDP4p1qZI




地対空ミサイルなのに、あたかも宇宙ロケットであるかのような描き方を
しているのがオモシロイい。
後方は月面か?もしそうなら、月面から飛来したものなのか。
東宝の映画『宇宙大戦争』をイメージさせるSF的な構図がイイな。





ナイキ・ハーキュリーズ、標的を撃墜!
http://www.youtube.com/watch?v=kpHE9O8ckno&feature=channel





















レンウォール倒産後、金型はレベルに移った。
ヒストリーメーカーズ・シリーズとして復活したが
パッケージの大きさに圧倒されてしまった。

キットのデカさからいっても、まさに横綱クラス!
完成すれば、全長約80センチにもなる。
インストのページ数もハンパじゃない。
レンウォールさん、よくぞモデル化してくださいました‥といいたい。



























Wikipedia


メースB運搬用テラクルーザー
製造元のFWD社広報雑誌より




核戦争をイメージさせるような
赤い空が印象的。
ICBMやロケットの大気圏再突入の際の
データ収集が目的で製作されたX機だ。

レベルのミサイルもので
もっともレアなものがx-17だ。
ホンモノが世間一般に知られていなかった
せいか、再販されることなく姿を消してしまった。




Wikipedia

Wikipedia

YouTubeで見つけた貴重な映像。
アメリカ空軍が制作したX-17記録映画。
本体が回転しながら飛んでいくなんて、映像を見るまで知らんかったゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=5poAAh0CoKE



1962年にアメリカ国防総省が制作した宣伝映画。
前半にミサイル発射映像が集められている。
http://www.youtube.com/watch?v=LYeeL7X-BKU&feature=relmfu































日本のクラウンがコピー商品を出していた。
1/35スケールと、タミヤを意識した表示になっているが、
実際はオリジナルと同じ1/40スケールだった。

1950年代のアメリカ陸軍のミサイルを紹介した劇映画。
コーポラル、オネストジョン、ナイキ・ハーキュリーズ、ラクロス、
ホークなどが登場。とくに、ホークミサイルキャリアによる装填シーンが
見られるのが貴重。24分17秒あたりから見るとエエよ。
http://www.youtube.com/watch?v=AW_RdCHxLgA&feature=related




機体両脇にホークミサイルをかかえて
何とも勇ましい姿だが、このまま空中発射するわけではない。
単なる運搬なのだが、こんな小型ヘリでは荷が重すぎるような
気がする。いろいろ調べてみたが、実際にミサイルを装備して
飛行したことはないようだ。
当初、軍やメーカーにミサイルトランスポーターの構想があって、
これにプラモメーカーが飛びついたのだろうか。
それとも、プラモメーカーのおふざけだったのだろうか。








ライフライクが再販したときのもの。


クルーのサングラス姿が
わかるかな?

こちらは、ホンモノ関連資料




























オネストジョン発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=flaQcJ-ky8I&feature=related


パッケージの表示をよく見ると、アメリカ海兵隊御用達ミサイルとある。
ボックスアートに描かれた兵士も、水兵さんではなく海兵隊員のようだ。
下記のインストの表示ではアメリカ海軍とあるので、チョッと混乱してしまうが
これには訳がある。

このプラモが発売された1958年より前の話になるのだが、
コンベア社では
発注者の海軍以外に海兵隊にも売り込みをしていたのだ。
海兵隊では地上部隊支援用に検討することとし、1個大隊を実験部隊に充て
試験運用させることにした。
それが、レベルのパッケージに表示されたという訳だ。

コンベア社の構想では、陸上部隊用にボックスアートに描かれたランチャーを
大型のトレーラーに載せ、移動できるようにするというものであった。
しかし、当然のことながらこれだけでは敵機を撃墜できない。
レーダーや誘導装置など、支援システムが必要でこれらを地上部隊用ユニットに
すると、かなり大がかりなものになるため、機動性を重視する海兵隊は
これを嫌い、結局ボツとなってしまったのだ。
レベルのボックスアートは、丁度コンベア社が海兵隊にセールスをしていたときの
反映なのである。
でも、パッケージとインストでは使用者が海兵隊と海軍とで異なる理由は
不明のままだった。




Wikipedia

1956年のニュース映画より、テリアの発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=ghCaBHA8mD0

1950~60年代のアメリカ海軍御用達ミサイル映像
貴重な映像盛りだくさん!
http://www.youtube.com/watch?v=n46D6frXVao

1950~60年代のアメリカ海軍御用達ミサイル映像Part2
http://www.youtube.com/watch?v=rUbgtRPkYtE&feature=related
















レギュラスⅡ発射・クラッシュ映像(雑音あり、音声は消してネ)
http://www.youtube.com/watch?v=GbPd5SPElMY



インスト2種。
基本的に内容は同じだが、レイアウトや記載内容が
多少異なるものになっている。

その1



その2





部品番号18Aの人形の図が、上記その1のインストと異なる
姿で描かれている。





画像4点ともWikipedia

リトルジョン発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=ljbxkMvbucY&feature=related

U.S.ARMY

U.S.ARMY

SS-10有線誘導対戦車ミサイル発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=-vivsiToYT8

エジプト軍、有線誘導対戦車ミサイルでイスラエル戦車を
撃破!…ヤラセみたいな気もするが…
http://www.youtube.com/watch?v=Q9coa0r_GLQ




前にも書いたことだが、このボックスアートは第三次世界大戦をイメージさせるものとして
なかなか秀逸だ。後方にニューヨーク風のビル群があり、その上空はナイキに撃墜されたと
思われる爆撃機が描かれる。ナイキを発射位置に移動させて、ただちに退避する地上要員。
その緊迫した姿に、大音量の防空サイレンも聞こえてきそうだ。


メーカーは異なれど、上と同じコンセプトで描かれたと思われる(多分)。

そういえば、防空サイレンといえば…


現代の自由の鐘の音が、防空サイレンの警報音だという発想が
オモシロい。壊滅的な空爆を受けたことがないアメリカならではの
キャッチコピーなのかもしれない。






LIFE photo archive hosted by Google


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周辺のビル群と比較すると、このビルは相当な高さであることがわかる。
第二次世界大戦時、アメリカでは枢軸国の空襲対策に大量のサイレンが設置
されたが、その後の冷戦ではソ連の空爆に備えて、より大音量の強力なサイレンが多数増設された。
この当時生産されたサイレンは、クライスラー・ベル社の「ビクトリーサイレン」が知られており、
180馬力を発生させるパワフルV8エンジンで駆動するものであった。
重量は約2.7トンあり、8キロ離れた場所でも聞こえるように作られていた。
1952年から57年までの期間に生産され、都市部では写真のように高層ビルの屋上などに設置され、
警報音が広範囲に聞こえるようになっていた。

なお、一連の写真の撮影場所だが、おそらくクライスラーのお膝元でもあるデトロイトでは
ないかと思われる(私の勝手な想像です)。

1950年代のクライスラー製防空サイレン音(動画なし)
サイレン駆動用エンジン音も聞けるゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=J9hPHw_EKBU




見にくいので、一部修正したものが下記。



レンウォール倒産後、金型はレベルに渡りヒストリー・メーカーズとして復活した。
ただ、往年のレベル製品と比較すると、精度が落ちるのはやむを得ない。

















ミニットマン空中発射
http://www.youtube.com/watch?v=It7SQ546xRk






スケールモデルにお遊びの要素を加えたのが、コレ。





























オレも忘れないでくれヨ!







1961年にアメリカ空軍が制作したX-15の記録映画
http://www.youtube.com/watch?v=-N646XdTl3w




X-15の劇映画といえば…
Wikipedia


1961年公開のアメリカ映画『X-15』
チャールズ・ブロンソンが出演していた。
テレビでも過去(ホントにむかし昔だが)に何回か放送していたので
50代以上の方ならご存じだと思う。


X-15に関する書籍では、講談社+α文庫の
ものが入手しやすいだろう。この計画の全体像が
わかり貴重だ。また、採用はされなかったものの
ダグラス、ベル、リパブリック各社の設計案も
記載されており、興味深い。
ちなみに、各社設計案の評価だが本書によると
ノースアメリカンとダグラスがほぼ互角、ベル、
リパブリックと続く。なかでも、リパブリックに対する
評価は、あらゆる面で良くなかったらしい。
各社がX-15の設計案を提出したのが、1955年なので
この時点での企業の技術レベルがわかってオモシロい。

そういえば、この時期のリパブリックはパッとしない
状態だったナ。







アトラス・ロケット本体をベースにした実験衛星のプラモ。
これはホーク社が勝手にデッチ上げたものではなく、
当時アトラス製造元のコンベア社が構想していたものをモデル化した。

1955年のアメリカ雑誌に注目!



1955年12月に発売されたアメリカの雑誌「MECHANIX ILLUSTRATED」に
驚くべきものを発見した。
わずか3ページの記事なのだが、レベルの金型製作風景が紹介されているのだ。

なお、表紙のリンカーン・フューチュラは、プラモではなくソリッドモデルで、
この製作記事が掲載されていた。


以下、図面引きから始まって金型の製作、テストショット、製品の完成へと続く。
1950年代当時のレベル開発スタッフの顔ぶれがわかり、メチャ貴重!





50年代から60年代前半のレベル黄金期を支えた
原型師のAnthony(Tony) Bulone氏の写真が貴重。
リアルでイキイキとしたフィギュアは、いまでは伝説の存在。
ところで、ここのページの記載では、Tony Balone氏となっているが
ミスプリントなのか?

偉大なる原型師Anthony(Tony) Bulone氏の映像と作品群
http://www.youtube.com/watch?v=2-dIA-lPvbE


1955年に、これほどまでのスケールモデルを
開発していたレベルの技術水準に脱帽!




















次回の更新は2月15日夜の予定です。