満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

ぼんくら 日暮らし 作:宮部みゆき

2010-06-15 | 本の紹介
 

「ぼんくら」は2000年の4月に発売されました。
それから5年「日暮らし」は2005年の1月に発売されています。
そりゃ~ワクワクして読みました。が…スグに本を閉じました。
それはナゼかというと、「日暮らし」は「ぼんくら」の続きだったからです。

「ぼんくら」を読んだ時に、こんな面白い本は無い!っと感動したもんでしたが
月日の流れと加齢は残酷なもので、5年の間にすっかり内容を忘れてしまっていました。

まず、もう一度「ぼんくら」を読まねば意味が解らん!っと思ったのです。
ただどちらも単行本だと「上・下」巻の2冊で出版されています。
ちょっとした時間に余裕がなければ、一気に読むことができません。
「ぼんくら」をせっかく読んでも、またぞろ「日暮らし」を読むのに間があいちゃ~
この私の「ぼんくら頭」じゃ付いていけません(笑)

っと言う訳で、この本は楽しみにしつつも、本棚の奥に積まれた状態で眠りに入ってました

それから気付けば5年。しばらく宮部作品に触れていなかったせいか…
私の中で宮部中毒なる症状が現れてきました。
この機を逃す手はありません。少々溜まっていた宮部作品を一気に読むべく本棚を漁り
ちょっと忘れていたこの作品を手に取ることとなりました(笑)

お話しは、お江戸の時代とあいなります。
主人公は、ちょいと馬面な40歳も半ばの同心「井筒平四郎」であります。
彼には美人な奥方がおりますが二人の間に子はおりません。
家督の問題もあるので、甥の「弓之助」を跡継ぎに…というお話が持ち上がっております
この「弓之助」。大変、美しい。しかも頭脳は明晰。
ん~。同心なんぞにして良いものだろうか?ってなお子でございます。

それと同心「井筒平四郎」の見回り先である「鉄瓶長屋」の面々
煮売り屋の「お徳」、官九郎というカラスを飼っている「佐吉」

あの有名な岡引「茂七親分」の一の子ぶんである「政五郎」
政五郎の下で働く「三太郎」通称おでこ。弓之助と同じ年齢ながら記憶力が抜群で
私なんぞは、おでこさんの爪の垢でも煎じて飲ませて欲しいと思ったくらいです。

そんな面々が「鉄瓶長屋」でおこったある事件から、「んっ?」「へ~」「あっ!?」
ってな具合にお話しが進みます(笑)

もちろん「ぼんくら」だけでお話しは一度終わっております

では、「ぼんくら」と同じメンバーが違う事件を解決するのが「日暮らし」かい?といえば
それは違います。
「ぼんくら」で明かされなかった「秘密」が「日暮らし」で徐々に解明されて…

ま、そこは物語を織り成す名手である宮部氏の技が光る部分でもありますです(笑)

宮部氏のお話しは、マジックショーのような雰囲気がありますので
あまりネタバレをしては、彼女の技が霞んでしまいます。それほど絶妙な技なもんで(笑)

ところで先にも述べましたが、鉄瓶長屋に住まう「煮売り屋」のお徳さん。
彼女が大鍋で丁寧に作る煮物にゃ~参りました(ハハハハハ)
見回りの途中でフラ~っと立ち寄っては、たっぷりな汁を吸った大根やらコンニャクやらを
「ハフハフ」言いながら頬張る井筒のダンナにゃ、嫉妬すら感じましたもん。
「ああ~一度でエエ。お徳さんの煮物が食いてぇ~」ってな言葉が、
私の頭の周りをグルグル回りやした(ハハハハ)

「ぼんくら」で煮売り屋だったお徳さんも、「日暮らし」では少々手を広げます。
彼女の作る料理を頭の中で想像するだけでも、そりゃ楽しい本でございます。
お徳さん特製の料理の数々、是非、レシピなんぞ教えてくれんかの~とか思いました(笑)

どなたが読んでも間違いのない作品だと思います。文庫化もされております。
ぜひ、ご一読を。面白いですよ~~(笑)

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