満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

蚊帳の中~(恐怖の一夜・・・笑)

2007-08-18 | 昔話のハチャメチャ

          

コレ…実は我が家のベランダです~

今、我が家は全面改修工事が行われておりまして…
外壁に足場が組まれ…その外側に蚊帳が張られております(笑)

まぁ~虫除けになるっと言えば…なるんでやんすが…

例年だと…セミの一匹や二匹がベランダでコト切れて
大変な根性と労力を使い果たしながら、捨てておりやしたからね~

昨年の夏なんざぁ~
動かなくなったセミを割り箸で挟んで捨てようっと思った瞬間!
「ジジジジジ~」っと動き出し
私しゃ~腰を抜かしかけたましたから~(ガハハハハ)

が…その苦労を差っぴいても…空が見えないのが辛い…


オマケに…窓も開けられず
そして…洗濯物も外に干せない日々が続いておりやす

だって…足場の上を…
知らないオジサン達がヒョコヒョコと歩いて行きなさるんで…

まさか、パンツなんぞは干せんでしょう(ガハハハハハ)


北海道では蚊帳はあまり見かけませんでしたが…
一度だけ蚊帳を使って寝た事があります

継母さんの実家は旭川で「お寺」を経営しておりました
もちろん継母さんのお父様、私にとっての祖父が住職をされている寺です

祖父には継母さんを入れ娘が3人ワン・ツー・スリーと続き
その下に息子がワン・ツー・スリーっと続く6人兄弟でした
下の3人の息子達の誰一人として寺を継ぐ者がなく
上の3人の娘達の婿さんの中にも坊主に成りえる人は居りませんでした

それでも仲の良い兄弟達は何かと言うと良く寺に集まり
楽しい一時を過ごしておりました

お盆の時期の寺は大変怖い・・・・また、大変忙しい・・・

夏休み何処かへ行きたいっと騒ぐ子供らを連れて駆けつける兄弟達は、
それぞれが寺の仕事を手伝い忙しく働き…
大人達に放って置かれた子供らは、墓場や境内で遊ぶ(笑)
その図式が何年か続いたある年の夏
大層暑い日がありました

盆地である旭川は道内でも比較的
暑い夏を経験できる場所なのですが…
その日ばかりは朝からウダル様な暑さが続き
井戸の水さえも温く感じてしまう一日でした

忙しく立ち働いていた大人達がフッと気が付くと
子供達全員が髪の毛を額にヘバリ付かせ本堂の板の間に
体を寝転ばせながらゴロゴロとしておりました

猫と子供は体温調整が難しい生き物(ハハハハ)
自然と一番涼しい場所を見つけ出しゴロゴロするのが大好きなのです

確かに本堂は寺の中でも一番涼しい場所です
縁側の扉を開け放つと風が板の間をスルりと滑り流れていきます

そこで大人達は本堂の梁に蚊帳を吊るし
そこで子供らを寝かせる事にしました

なにせ、殆どの子供が始めての蚊帳経験です
かなり興奮していました(笑)

総勢7名の子供らが入る蚊帳ですから、かなり大きかったと思います
それでも本堂の脇に蚊帳を吊るすと
広い板の間のハズレに、白く浮き上がる小さな秘密基地の様な
こじんまりとした様相をかもしだしておりました

一枚目の蚊帳を小さくめくり滑り込み
しっかり閉じてから二枚目の蚊帳をめくり中に入る~などと
入り方にまで何やら不思議な秘密めいたモノを感じ
子供らは何度も出入りを繰り返し遊んでおりました

私が気が付いたのは…日付が変わった頃ではないかと思います
何時の間にやら子供らは全員が静かな寝息をたてておりました
それぞれが頭を蚊帳の中央に寄せ
足先を蚊帳に向けて寝ておりました

私が寝ている所から右側の隅にボンヤリと明かりが見えます
ソコに長い髪を後ろに一つに束ね
白い着物を着た女の人が立っておりました
女の人は蚊帳に顔を付けズズズーっと内部に頭を突っ込む様に
蚊帳の中を覗き込んでおりました

それから時計周りに私達の居る蚊帳の四隅を
同じ様に巡って行く様子が伺えました
最後に彼女が来るであろう場所は…私の左足元の隅です
板を踏むミシミシっという音だけが蚊帳の周りに聞こえます

彼女が私の足元に来た時には…
私はハッキリと目が覚め、目は見開いておりました
目を閉じようにも閉じられず、逃げ出したくとも逃げられず~
体の身動きが出来ない状態で彼女が頭から蚊帳に頭を突っ込み
ありえない角度で私の顔の前まで伸びて来ました

2重になった蚊帳を頭から被った状態で私を見つめる彼女の顔は
暗闇の中で微妙に光を発しており
本来見えないハズの産毛までが見える様でした

蚊帳が邪魔して中へ入れなかったのか・・・
お互い目と目が見合った状態で数分間
その後、彼女はス~っと身を引き足音を忍ばせるように
縁側をつたい外へと歩いて行きました

大人達の中にも…寺を手伝いに来ていた人達の中にも…
見た事のない女の人でした
怖かったことは怖かったのですが…
口が耳まで裂けるでもなし、目が逆さに回転する訳でもなく
とりわけて美人でもなく…ごく普通のオバサンに見えておりましたので
変に光ったり、角度を無視した格好で覗かなければ
どこぞのオバチャンかの?っと思ったと思います

次の日の朝、住職である祖父にその話をすると…
有無を言わさず1時間にも及ぶ朝の勤行に参加させられました~
その事の方が辛かったです
そんな…蚊帳の中の…怖い思い出です~(笑)

少しは涼しくなったでしょうか~?(ガハハハハハ)

しかし…今日はそんなに…

暑くないぞ~~~???