バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.9 アダージョ

2011-12-15 08:55:09 | 日記
前回練習したバットマン・タンジュの方向転換をしながらのタンジュ・ア・ラ・スゴンドの部分、スムーズに動けるようになりましたか?
方向転換をするときの反動でトルソーがグラついたり股関節のターン・アウトが失われることがないように気を付けて練習して下さいね。
今回はアダージョの練習をしましょう。パ・ドゥ・ブーレやプロムナードなど方向転換をするパを組み合わせますから、軸がグラつかないように気を付けて、ポジシオンを大切にして下さい。
でははじめましょう
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、左脚ドゥミ・プリエ→2 タン・リエ・アン・ナヴァン→3 左脚ポワン・タンジュ・デリエール→4 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ア・テールで大きい4番ポジシオン→5 カンブレ・アン・ナヴァン→6 アン・ロン・ドゥで左へ→7 アン・ロン・ドゥでデリエールへ→8 トルソーを起こして5番ポジシオン→1 右脚ルティレ→2 デヴロッペ・ドゥヴァン→3 ルティレ→4 デヴロッペ・エカルテ・ドゥヴァン→5 ルティレ→6 デヴロッペ・デリエール→7 左脚ドゥミ・→8 プリエ→1 右脚にピケしてパ・ドゥ・ブーレ→2 アン・トゥールナン・アン・ドゥオール→3 パ・ドゥ・ブーレ→4 アン・トゥールナン・リヴァース→左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5 左脚ルルヴェ、右脚バットマン・デヴロッペ・デリエール→6 右脚前のクロワゼで大きい4番ポジシオン→7 右膝を伸ばして左脚ポワン・タンジュ・デリエール・ポゼ→8 右前5番ポジシオン→1 右脚ルティレ→2 アティチュード・デリエール・エファセ→3 プロムナード・→4 アン・ドゥオール→5 →6 アティチュード・クロワゼ→7 クロワゼ・アラべスクにアロンジェ→8 右後ろ5番ポジシオン⇒…
アームスは…
Ⅰ.右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、左脚ドゥミ・プリエのときにアン・ナヴァン、タン・リエ・アン・ナヴァンで左アン・オー、右ア・ラ・スゴンド。
Ⅱ.カンブレ・アン・ナヴァンからアン・ロン・ドゥでトルソーが左のア・ラ・スゴンドに入ったときに左ア・ラ・スゴンド、右アン・オー、アン・ロン・ドゥを進めてトルソーがカンブレ・デリエールになったときに左アン・オー、右ア・ラ・スゴンド、そのままトルソーを起こして5番ポジシオンに戻ったときにアン・バ。
Ⅲ.右脚ルティレでアームスはアン・ナヴァン、デヴロッペ・ドゥヴァンでは左アン・オー、右ア・ラ・スゴンド、エカルテ・ドゥヴァンでは右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド、デリエールでは1番アラベスク。
Ⅳ.パ・ドゥ・ブーレ・アン・トゥールナンでははじめのピケ・ルティレでアン・ナヴァン、右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールで右アン・ナヴァン、リヴァースして左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールのときに左アン・ナヴァン。
Ⅴ.右脚バットマン・デヴロッペ・デリエールのときに左アームスは高めのアン・ナヴァン・アロンジェで1番アラベスク。
Ⅵ.アラベスクした右脚を下ろすのと同時に左はアン・オーを通過、右はアン・バを通過して4番アラベスクのアームスに。
Ⅶ.次のポワン・タンジュ・デリエール・ポゼでは右アームスをアン・オーに引き上げ、左はア・ラ・スゴンド、5番ポジシオンでアン・バ。
Ⅷ.次のルティレでアン・ナヴァン、右脚アティチュード・デリエールで右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド
Ⅸ.プロムナードが終わってアティチュードの脚をアラベスクに伸ばすときにアームスはアロンジェ、5番ポジシオンでアン・バ。

いかがですか?
では大事なポイントをチェックしていきましょう。
はじめのカンブレ・アン・ロン・ドゥはアン・ナヴァンのときに背中が丸くなったり、ア・ラ・スゴンドからデリエールのときに骨盤を前に押し出してウエストの後ろ辺りを押し潰したりしないように気を付けましょう。
デヴロッペ・デリエールをしてからドゥミ・プリエをしますが、このときにトルソーが軸脚のほうに傾いたり、骨盤が横を向いて寝そべるような姿勢になったりしないように、トルソーの軸脚側をしっかり引き上げておきましょう。
アラベスク・ドゥミ・プリエからパ・ドゥ・ブーレに移りますが、デリエールに上げた脚を引き戻すのではなく、さらに遠くにトンベをするようにピケをして素早くルティレにひきあげます。トルソーが反ったり傾いたりしないように、ルティレをする脚でトルソーを押し上げるとイメージして下さいね。
1回目のパ・ドゥ・ブーレ・アン・トゥール・ナンはクロワゼのク・ドゥ・ピエ‐ドゥミ・プリエ、2回目はエファセのク・ドゥ・ピエ‐ドゥミ・プリエで動きを収めます。
バットマン・デヴロッペ・デリエールした脚は1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを通過してクロワゼ・ドゥヴァンにジュテ、ドゥミ・プリエに下ります。アームスを体に沿わせるように大きく入れ替えて4番アラベスク・プリエをしましょう。
次のアティチュードはエファッセ、プロムナードをしてクロワゼで停まります。プロムナードはトルソーよりも軸脚のターン・アウトが先行します。内腿からカカトまでを前に押し出すようにターン・アウトを進めていきます。このときカカトに重心が落っこちているとスムーズなプロムナードは出来ません。ギクシャクした回転にならないように気を付けて下さいね。
最後にアティチュードの脚をアラベスクに伸ばしアームスをアロンジェするときには、脚を高く上げようとして腰を縮めたり肋骨が上がって背中が無駄に反ったり、さらには首の後ろが縮んでアゴが上がったりしないように気を付けましょう。

以前にもいいましたようにアダージョは安定した筋力や持久力が要求される高度なアンシェヌマンです。
上げた脚の高さが高ければ高いほど、ドゥミ・ポワントやポワントで静止してバランスを保っている時間が長ければ長いほど賞賛されもするでしょう。でもバレエは曲芸ではありません。脚を高く上げなくても、ドゥミ・ポワントやポワントの時間が長くなくても、美しいアダージョを見せることは出来ると思いますよ。
そのためにポジシオンをきちんと守ること、軸をしっかり支えること、トルソーをまっすぐに支えること、ターン・アウトを守ること、そしてなによりも音楽を大切にすることです。音楽に語りかけられているように感じられるといいですね