プラムフィールドからのお便り

プラムフィールドでの出来事などを紹介していきます。                            

昔とった杵柄

2012-02-20 | 社長のつぶやき

「ちょっと、司法書士のところへ行ってくる。」

 

亡くなった親父の相続の件で相談事があり、事務所に電話すると、いつもの先生がインフルエンザでお休みとの事で、

「代わりに所長が承ると言う事ですが。」

あ、そう。まあ、じゃあ。

 

事務所のドアを開け、出てこられたのは、とうの昔隠居されたようなおじいちゃんです。

「お座り下はい。で、ろのような御用で?カク(入れ歯がはずれる音)。」

 

実は生前、親父は遺言書みたいなものを作成していて、ただしそれは直筆でも、公正証書にもなっておらず、有効なものではないのは承知しておりました。

ただ、それが私どもの間で、相続について何か問題になっていると言う事では全然ありませんし、もめるような事もこの先ないと思います。

そういう事ではなくて、

認知症のお袋の成年後見人に家内がなっていましてね。

その場合の相続の手続きについて、相談したかっただけなんですが、一応資料として遺言書を見せました。

 

「で、ですね。家族構成を申し上げますと・・」(私)

「ちょっと待ってくらはいよ、カク。その前にこの遺言書が『有効なのかどうか』れす。」

「そうですか?別に分配についてなんらもめてる訳では、ていうか、後見人としての・・・」

しかし大先生、私を遮り、

「いや、それが大事れす。目の前に裁判所がありますから、有効かどうか行って聞いて見てくらはい。カク。」

さ、裁判所にいー!裁判所が判断してくれるんですか?

「私はこう見えても、〇〇大学で弁護士を目指して勉強をしていたんれす。50年以上前れすがね。君、一緒に行ってご案内しなはい。」

この大先生、そんじょそこらの司法書士とは違うらしく、仰天するような事をおっしゃいます。

 

困ったような顔の事務所の職員の方と裁判所に行き、家事書記室とか何とかに入ります。

しかし、出てこられた方から、案の定、

「一般論を言う事はできますが、個別の案件についての相談は裁判所は受けられません。」

そりゃそうだ。裁判所は無料法律相談所じゃないし。

 

「だめだった?じゃあ、弁護士に相談する事れすな。うん、それがいい。なにしろ私は弁護士を目指して・・・」

いや、私は単に事務的な事でですね、

「いや、断然それがいい。そうしなされ。カク。なにしろ私は・・・」

なんで、遺言書にそうこだわるのか解りませんが、今度は知り合いの弁護士事務所にさっそく、勝手に、有無も言わさず電話して、

「今からすぐに行って下さい。君、案内して。」

 

言われたとおりにその弁護士事務所を訪ねると、

「2時から予定がありまして、それでよかったら。どういう事ですか。」

 

5分しかないじゃん。・・・ちゃんと都合聞けよ。

 

もういいです。

 

三度、司法書士事務所のドアを開けます。

「だめでしたか?」

「ええ。最後に○○○○○の場合の手続きと言うか立場というか、それはどうなります?」

「さあ・・・カク、なにしろ私は最近仕事から離れていますからなあ。カク、いや、これでも昔は弁護士を・・・」

 

さよなら。

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