ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

瑞牆山

2009-07-16 23:56:19 | 登山(奥秩父)

【7月15日(水)】
金峰山小屋→千代ノ吹上→大日岩→富士見平小屋→瑞牆山→富士見平小屋→瑞牆山荘



金峰山小屋で、20時30分に寝たぴすけは、夜中に2度ほど目が覚めたが
心地よい羽毛布団のお蔭で、翌朝の4時30分までぐっすり眠った。

すっかり夜は明けていて、北の空は美しい色の雲で幻想的な雰囲気を醸し出している。

この日は、極上の天候に恵まれ、瑞牆山(みずがきやま)の向こうに八ヶ岳が
さらにその右手には、北アルプスから妙高までが見渡せた。
5時30分に三膳飯の朝食を摂り、同宿の男性陣をまたもや唸らせたぴすけは
出発の支度をして準備運動をする。
小屋の番犬・ラブラドール=レトリーバーの“ゆずひこ”は
大人しく賢い犬だが、なぜかぴすけが出発する直前になって
猛然とむしゃぶりついてきたのには参った

小屋を6時40分に出ると、これから歩く稜線が、青空のもと、くっきりと見える。

頂上を巻いて千代ノ吹上に出る道の山肌には、コイワカガミがたくさん咲いていた。

振り返ると、両神山・武甲山・雲取山などの奥秩父の山々が雲の上に浮かんでいる。

千代ノ吹上を越える。

千代ノ吹上からは、富士山が空にも負けないくらい青々と見えた。

千代ノ吹上から五丈石への眺めは金峰山の代表的な景観の一つで、惚れ惚れする美しさだ。
砂払ノ頭まで稜線を歩き、そこから樹林帯に入る。

緩やかだが長い長い下りが続き、前方が明るくなると、大日岩の前に出る。

大日岩の下部を回りこむようにして下る。
再び樹林帯を約1時間歩くと、瑞牆山との分岐点がある富士見平小屋の前に出る。

富士見平では休憩し、水場でアルファ米に水を入れる。
富士見平から天鳥川出合までは、ほどよいアップダウンのある道だが
天鳥川を渡った途端、大きな石がゴロゴロとし、倒木のある急登になる。

木製の階段やロープの助けを借りるような場所が何箇所か続き
金峰山からの長い長い下りで無自覚のうちに疲れを溜めたか
ぴすけはかなりへばってしまった
でも、地図のコースタイムと同じタイムで歩いているということは
ここはみんなにとっても踏ん張り所だということだと自らを納得させる。

青息吐息で大ヤスリ岩の下部に辿り着く。
大学生のころから登ってみたくて仕方がなかった瑞牆山。
昨年の10月にはお尻を怪我して登れなかった瑞牆山。
なんとしても、ここで気持ちを強く持たなければなどと考えていたら
なぜか頭の中でヴィヴァルディが鳴り始め、エンドレスに。
やはり山はバロック音楽がお似合い?

この先も、巨岩の続く道に気持ちが折れそうになったが、とにかく足を前に出す。

すると、突然開けた場所に飛び出て、大ヤスリ岩の上部が目の前に現れた。

目を転じると、富士山が聳え、あまりの美しさに勇気百倍
今までの疲れをものともせず、山頂を目指す。
ロープのある岩を越え、梯子を上って少し行くと、瑞牆山の頂上に飛び出る。

瑞牆山の山頂は花崗岩の巨岩で、展望は筆舌に尽くし難い絶景である。
腰が引けているものの、じりじりと岩の先端近くに向かう。

もう怖くて立っていられず、岩に座りながらじりじりと前方に向かう。

大ヤスリ岩を覗きこむ。

八ヶ岳方面。

金峰山(ちょこんと出ている所が五丈石)と、遠くに富士山。

こんなの、どうかな?などといって遊んでみたが、見ている方は結構怖い
でも御安心あれ。
足元はしっかりしているし、まだこの先にも岩が続いているのだ。
帰りのバスの運転手さんに聞いたら、瑞牆山は大変人気のある山で
ピーク時には頂上は順番待ちの列ができるそうだ。
ほかに2組の登山者がいたが、悠然とこんなお遊びができ
人目を気にせずお昼を食べられるのも、空いている時期だからこそで、幸せなことだ
帰路は、同じ道を富士見平まで戻り、そこからバス停のある瑞牆山荘前まで下りる。

バスを待つ間、道に横たわり寝る人

仰ぎ見た梅雨明けの空は抜けるように青く、木々の緑はその色を濃くしていた。

瑞牆山荘前を14時20分発のバスに乗り込んだ我々は、増富の湯で途中下車。
32℃の冷泉で汗を流した

しかし、汚れたザックを持ち込まれたくないという気持ちは理解できるが
そのまま外に放置するような状態は、かなり不安だ
貴重品ロッカーに入れた金額よりもお高い登山グッズが、実はそこにはあるのだ。
まあ、誰もそんな登山グッズなど盗らないのだろうが、こちらとしては心配だ

増富の湯前から15時50分発のバスに乗り、韮崎駅に着いた我々は
最後まで富士山に見送られながら、特急あづさで帰途に就いた。
金峰山小屋に湿布を返してお礼ができ、瑞牆山にも登れて大満足



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2 コメント

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ただいま! (ぴすけ)
2009-07-21 21:30:35
よろもんさんとはなさん、ぴすけの3人で
練習帰りに駅に向かっていたとき
「山に行ってくるね~」と言ったら
はなさんが、嫌~な顔をしていましたね。
「この期に及んで、山に行くんかいっ」と
はなさんの顔に書いてありました
でも
「Avvenirのために大ヤスリ岩につけられ
苦しみを受け、葬られたまえり」
では、はなさんが繰り上げ当選で代表に決定となり
ますます恨まれてしまうので、必死で帰ってきましたよ

この山域は、夏は稜線歩きが暑くてバテると思うので
信濃川上から登り増富に下りる、このブログのコースがお奨めです

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おかえりっ! (よろもん)
2009-07-17 09:59:55
ぴすけさん。
元気に下界に戻られたようで、安心しました。
「くれど」と共に。。。なんのこっちゃ!失言大王
いやあ。絶景ですね。いいなあ
夏の休暇に行ってみたいです。
よろくんは、これから発声のレッスンです。
澄み渡った空のような演奏会になるといいね
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