ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

B型肝炎訴訟・和解のニュースから

2011-06-28 23:30:06 | 日常

集団予防接種での注射器の使い回しでB型肝炎に感染したとして
患者らが国に損害賠償を求めていた訴訟で
細川厚生労働相と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は
本日、和解の基本合意書に調印したとニュースで知った。
基本合意書には、国の責任が明記され
恒久対策として、肝炎ウイルス検査や研究の推進、医療体制の整備などのほか
被害の真相究明を行う第三者機関の設置などが盛り込まれているという。
これから提訴する被害者も含め、症状に応じて、合意書に基き50万円から3600万円が支払われる。
調印式後の記者会見で政府の基本方針を説明した細川厚労相は
全面解決に向けた法案の成立を目指すとし、課題となる財源の確保について
「期間を限って国民全体で広く分かち合う観点から、特別の財源措置を講じる」と述べ
さらに「どういう財源でという話は、今から検討していく」とし、増税への言及を避けたという。


このニュースを見ていた時、B型肝炎患者へのインタビューとして
「補償のための財源を捻出するために増税をしたのでは、お前達のために増税されたと言われかねない。」
という内容の意見が放送されていた。
こうした危惧は、インタビューに応じた方だけでなく、多くのB型肝炎患者が抱いていることと思う。
私には、巨額の財政赤字を抱えながらなぜこの国が破綻しないのか不思議で仕方がないが
まあ、国債のからくりに国民が騙され(破綻すると困るから国民は買い続けているのか?)
雪だるま式に膨れ上がりながら奈落の底に向かって転がっているところなのだろう。
補償の財源として仮に増税が行われたら、B型肝炎の被害に遭っていない人達は
果たして「お前達のために増税された。」と言うのだろうか。
私は、B型肝炎患者の苦しみを、自分のものとすることまでは出来なくとも
昭和時代に予防接種を受けたことのある誰もが、B型肝炎に感染する可能性があったわけであるから
他人事ではなく、自分の身にも起こり得た問題として認識し
B型肝炎患者を皆で支えていく必要があると感じている。
B型肝炎に感染しなかった人は、ただ単に、たまたま感染しなかっただけなのである。


B型肝炎のみならず、薬害エイズやハンセン病などにおいては
国や官僚や立法の不作為が問われているのだと考えている。
今後、このような不作為による国等の責任問題は、アスベストやタバコにも及ぶであろう。
もちろん、原子力発電にもだ。



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