ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

長谷寺 大観音大画軸大開帳 桜井~初瀬~室生

2018-05-19 23:57:09 | 仏教彫刻探訪

河内長野市の金剛寺参拝後は、奈良に宿泊し奈良公園を中心に散策。
翌日は桜井~初瀬~室生のゴールデンルート経由で名古屋から帰ることにした。


桜井駅からバスで向かったのは安倍文殊院

参道の桜並木はすっかり葉桜になっていたが、ヤエザクラが所々で美しく咲いていた。
境内をぐるりと散策し、安倍晴明が天体観測をした地と伝わる晴明堂へ。

ここから見下ろす花の広場の、今年の干支・戌の花絵。

9時の参拝時刻とほぼ同時に、渡海文殊像を参拝するため本堂へ上がる。

まずは玄関を入ってすぐの控えの間で、本堂に案内されるまで待つ。
五芒星に「安倍山」という文字が象られたらくがんと抹茶が出され
心を落ち着かせていただいた頃合いを見計らって、本堂へと案内される。
以前、この控えの間では畳に赤い毛氈が布かれた場所に座って待ったが
今回訪れたら椅子が並べられており、足腰の悪い人だけでなく、皆に優しい気遣いがされていた。

どわ~
安倍文殊院の文殊菩薩は、いつお目にかかっても心揺さぶられる仏様だ
案内の方が一通り説明をされた後
「どうぞごゆっくりお参りください」
とおっしゃったのを真に受けて、ほかに誰もいないのをいいことに、実にゆっくりとお参りした。


安倍文殊院からバスで桜井駅に戻り、近鉄で長谷寺駅に。
駅から徒歩約15分で長谷寺に着くが、この日は初めて寄り道をして
山道を登って長谷山口坐神社に行ってみた。

長谷寺でのこの日のお目当ては、観音様のお御足に触れて参拝できる特別拝観
西国霊場草創1300年を記念して、本尊の大観音とほぼ等身大の掛軸の大開帳である。

昨年こちらを訪れた時は、寒さでサクラの開花が遅れ、ちょうど見ごろと重なったが
今年は急に暖かくなったことでサクラの開花期間が短かったようである。
それでも、境内にはハッとするような、サクラと景色を堪能できる場所が残っていた。

登り廊の両脇は、長谷寺を牡丹の名所と言わしめるほどの、牡丹の植え込みが続く。

予想外に急激に暖かくなったことで、早くも所々でボタンが開花している。

この日は何かの法要があったとみえ、観音様の前に僧侶が勢揃いして読経していた。
その荘厳な声が辺り一帯に響き渡り、得も言われぬ雰囲気の中を観音様の足元にうずくまって
お御足を触りながらお顔を見上げると、昨年にも増して気持ちが動いた。

本堂から御影堂・五重塔へと歩く道すがら、既にシャクナゲが満開状態。
とくに、本堂裏の斜面と、五重塔から御守授与所に下りる道が見事。

観音様の大画軸を見に本坊へ向かう途中
ヤエザクラの下で法要を終えた僧侶の衣の袖が風にたなびく後姿に、美を感じた一瞬。

こちらが大画軸が開帳されている本坊で、通常の拝観では中に入れない。
本坊に上がり、順路を示す表示に従い歩いて行くと、大画軸の正面左手から足場を登る。
正面に設けられた足場の上からは、観音様の全体像が眺められ
そこから下りた画軸正面右手の一画のみで写真撮影が可能。

写真撮影可能な場所からの撮影だと、あまりに大きい画軸は全体が写らない。
この画軸は、1495年(明応4)年に罹災した本尊十一面観世音菩薩を復興再建するため
設計図として、興福寺の南都絵師・法眼清賢が高野紙430枚を継いで描いたと伝えられ
十一面観世音菩薩のほぼ原寸大だそう。
高さ1646.6cm、横幅622.6cm、重量125.5kgにもなる日本最大の「掛軸」。
画軸が大きいことにも驚くが、この画軸を斜めとはいえこのように展示できる広さのある間が
本坊にあることにも驚き。

スケールの大きさに驚嘆して本坊を出ると、ひときわ目立つ御衣黄が咲いていた。


長谷寺駅から近鉄に乗り、室生口大野駅で下車し、バスで室生寺に向かう。
参拝の前に、門前のお食事処 橋本屋で山菜定食を堪能。
室生寺は至る所で改修工事や建設工事が行われていた。
どうやら、国宝館もできるようである。

仁王門を入り、金堂に向かう石段下まで、シャクナゲがかなり咲いていた。
日当たりのせいだろうか、石段脇や五重塔前はまだ蕾。
この日は金堂諸仏の特別拝観期間内で、金堂の外陣に上がって諸仏を参拝できる。

境内の新緑が美しい。

五重塔に向かう石段の両脇には、シャクナゲがたくさんの蕾をつけている。
開花したら見事な眺めなのだろう。
室生口大野駅に戻るバスの発車時刻まで、まだ時間に余裕があったので
今まで行ったことのなかった室生龍穴神社に行ってみることにした。

思ったより距離もあり、時間もかかって、着いたと思ったら戻るようになってしまった。

境内にうっそうと茂る杉の大木は見事で、長野県白馬を訪ねた際に
仁科神明宮や各地の諏訪神社で見た杉の大木を連想させた。


この日巡った桜井~初瀬~室生は私の大好きなゴールデンコース。
昨年の桜の時季も見事だったが、今回は思いがけずボタン・シャクナゲが咲いていて
初夏の雰囲気も感じられて大満足


仏像の写真は、所蔵寺院のパンフレットから転載しました



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