![]() | 盆栽 春夏秋冬 |
村田 勇 | |
講談社 |
【推薦図書】
著者は村田勇さん。埼玉県の盆栽村にある有名な盆栽園「九霞園」のご当主です。
手紙・メールのやり取りと電話でお話しをしただけでまだお会いしたことはありません。
実は私の祖父が勇さんの父君である村田久造さんから戦前に盆栽の指導を受けて大変お世話になった縁を母から聞き、やり取りが再開いたしました。
87歳になる私の母は戦前に「九霞園」を祖父とともに訪問したことがあり、その折ご馳走になったことが今も忘れられないといつも話しています。
本日は今年の2月に講談社から出版された同氏の著書を推薦させていただきます。
紹介がてらに序文の一節をそのまま抜粋いたしましょう。
「・・・盆栽は、決して難しいものでも縁遠いものでもありません。立ち止まって足元の草木を拾い、謙虚に向き合えば、そこには天然自然の原理が凝縮されています。盆栽は、日進月歩の最先端科学にも関わりなく、ひたすら天を仰ぎ、地に伏して草木の命に向かい、自身を問うには格好の趣味です。とかく趣味の道は意識して入口を狭めがちですが、盆栽も例外ではありません。その中で、誰でも、どこでも、いつでも遊べる盆栽を提案してまいりました。・・・」
著者の言葉通り、松、欅、梅などの典型的な素材だけでなく「セリ、大麦、パセリ、ススキ、イチゴ、人参、綿」など私たちの身近のどこにでもある素材を使った作品は意外性もありとても新鮮でした。美しい写真だけではなく巻末にある「私説 盆栽栽培の基礎知識」を一読すればあなたの盆栽も見違える様に生まれ変わること間違いなしです。私が保証いたします。
書籍名 「盆栽 春夏秋冬」
著者 村田 勇 (九霞園)
出版社 講談社
定価 5,000円(税込み)
頁数 208頁
ぜひ、一読をお薦めいたします。
リンク 九霞園ホームページhttp://www.iris.dti.ne.jp/~kyukaen/index.html
私はアメリカとフランスで通算10年間、海外駐在員の生活経験があるのですが、アメリカでもヨーロッパでも盆栽は日本発の文化として極めて高く評価されていることに驚かされました。サンフランシスコ、ロサンゼルス、パリ、ドイツでは多くの ”BONSAI SHOP" の看板を目にしたものです。
わが国のかっての経済大国としての凋落ぶりには本当に愕然としますが、日本が世界で真価を発揮できるのは日本の文化や伝統に裏打ちされた技術や考え方ではないでしょうか。単なる西欧の模倣では所詮先が見えています。日本人にしか発想できない物つくりの原点に立ち返るべき時を迎えています。
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