■石原都政「評価せず」64%
都職員にアンケート
福祉切り捨て・豪華外遊に批判強く
東京自治労連
東京都の職員の64%が石原慎太郎都知事の都政運営を「評価しない」と考えていることが、東京自治労連(堤敬委員長)の春闘アンケート中間集計結果でわかりました。「評価しない」理由には、福祉・医療切り捨て、職員削減、二〇一六年オリンピック東京招致を口実にした大型開発、豪華海外視察、都政私物化などが目立っています。
調査は昨年十一月から今年二月にかけて実施、都や区市の公務員、非常勤、パート、臨時、嘱託、民間の派遣社員などを対象に実施。約一万五千人の回答(昨年十二月末)を中間集計しました。
都庁職員では、石原都政について、「評価しない」「どちらかといえば評価しない」が63・6%と前年より11・7ポイント増加し、石原知事就任(一九九九年)以降の調査で最高となりました。一方、「評価する」「どちらかといえば評価する」は7・6%(前年は10・9%)で、10%台を割る不人気ぶりでした。(円グラフ)
また、区市職員や民間派遣社員などを含めた総数では、石原都政を「評価する」「どちらかといえば評価する」は10・0%で、前年より4・1ポイント減り、「評価しない」「どちらかといえば評価しない」は54・9%で同11・6ポイント増えました。
(2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-17/2007021704_03_0.html
◎石原都政2期8年の評価<都政新報>
http://www.toseishimpo.co.jp/kensho/kensho.html
●石原都政の平均点は53点 都職員アンケート結果
石原知事の都政運営について、都職員は100点満点で平均53・3点と、やや厳しい評価を下していることが、本紙のアンケート調査でわかった。過半数が合格点としたものの、落第点という回答も半数に近く、評価が拮抗。3選出馬すべきでないという意見も過半数に及んだ。調査は、知事が出馬に意欲を示していた2006年11月下旬に実施した。
●「不合格」が大幅に増加
2期8年の石原都政の採点は、100点満点で平均53・3点だった。
分布の様子を見ると、51~75点がもっとも多く45%、次に多かったのは26~50点で34%だった。76~100点は9%で、0~25点という回答は8%あった(その他、無回答3・8%)。
職層ごとに見ると、部長級と課長級では総じて評価が高く、部長級以上の7割、課長級の6割が、51点以上の評価をした。他方、厳しい評価を下したのは、係長と主任で、係長の4割が26~50点の評価をつけ、主任級の2割が0~25点と採点している。一般職員の評価は総じて高い傾向が見られる。
本紙では、石原知事が就任8カ月を迎えた99年12月にも、職員アンケートを行っている。当時の平均点は60・4点で、今回より高い点数だった。石原都政に対する評価が、職員のなかでは、この7年間に厳しくなっていることが伺える。
石原都政を厳しく評価する傾向は、採点に対する評価にも顕著に表れている。採点基準として、合格点か、落第点かを聞いたところ、「合格点」7・9%、「まあ合格点」44・3%と、52・2%が合格点を与えた。逆に、「落第点」16・8%、「合格点は与えられない」29・7%と、不合格とする回答も46・5%に及んだ。
合格点とする回答は過半数を超えているが、前回のアンケートに比べると大きく減少している。前回は、「合格点」と「まあ合格点」で7割を占めていた。逆に不合格とする回答は、前回の3割弱から、今回は5割弱へと大きく増加している。
99年のアンケートの際は、第1次の財政再建推進プランを策定した直後で、さらにディーゼル車排ガス規制や債券市場創設など、選挙公約の具体化に向けて様々な取り組みを始めようとしていた時期だった。石原都政の「今後に期待したい」という意見が6割に及ぶなど、知事の進める都政改革への期待値の高さが表れていた。
今回は、7年半の都政運営を経たなかで、都職員が2期目までの石原都政の功績は「なんとか合格点」という評価をしつつも、現状や今後について厳しい評価を下している様子が出ているといえそうだ。
●3選出馬 過半数「すべきでない」
石原知事は昨年12月の第4回定例都議会で、自民党の代表質問に答える形で、「首都東京の舵取りを引き続き命がけで行う」と、3選出馬を正式表明している。
知事選では、石原知事が最有力候補として選挙戦の軸になると見られているが、職員アンケートは「3選出馬すべきではない」とする回答が、56・3%と過半数を占める結果になった。
出馬すべきという回答は、19・3%と2割に満たなかった。分からないとする回答は、23・1%だった。都政の現状に職員が厳しい評価を下すなか、3選出馬に対しても否定的な意見が予想以上に広がっていることが浮かび上がった。
アンケートを行ったのは、石原知事が3選出馬表明する前の11月下旬。また、アンケート時は海外出張問題やワンダーサイト事業をめぐる四男起用問題が表面化したばかりで、こうした問題による知事批判の高まりも、それほど影響していない。
職層ごとに見たときに特徴的なのは、石原都政への評価が高い職層の方が、3選出馬には否定的という傾向だ。
都政に対する評価で、合格点が6割を超えた部長級以上では、「出馬すべきではない」が62%あった。課長級も、石原都政2期の採点は他に比べて高かったが、出馬すべきでないという人が66%を占めた。逆に、係長と主任では、都政の状況への評価は厳しかったのに対し、「出馬すべきだ」とする回答が2割を超えており、他の職層よりは高い傾向を示している。一般職員のなかでは、3選出馬について「わからない」とする回答が多く、4割を超えた。
都庁内では、浜渦前副知事更迭問題を通じた知事の求心力低下や、目玉政策中心に進んできた石原都政の政策面での停滞が指摘されている。このため、2期目までの都政運営を高く評価している職員でも、3期目を迎えたときの石原都政に対しては、不安を抱いている様子が、アンケート結果に表れている。
石原都政の現状や今後について、厳しい評価が多かった背景を施策面から分析すると、福祉や教育関連の取り組みに批判的な声が多いことが浮かび上がる。
●福祉「独自性」に厳しい評価
財政再建や都市再生、中小企業対策など12の政策分野について、「評価できる」「できない」の2択で選んでもらったところ、評価する声が多かったのは順に、「環境問題」(78・5%)、「財政再建」(69・9%)、「安心・安全の確保」(68・4%)、「都市再生」(56・3%)だった。
逆に「評価できない」が多かったのは、「福祉・医療改革」が79・1%と群を抜いて多く、続いて「東京五輪招致」(64・6%)、「都立高校改革」(63・6%)、「都立大学改革」(63・3%)の順だった。
環境や安心・安全、都市再生など、石原知事が積極的に取り組んでいるイメージが強い分野では、都職員の評価も高い結果となった。五輪招致をにらんで都が重視しようとしている環境問題で、今後、力を入れるべき分野を聞いたところ、温暖化対策と廃棄物・リサイクル対策の二つが5割を超えた。
隠れ借金の解消や基金積み立てなどの成果があった財政再建については、「景気回復による税収増に助けられた」(90・8%)、「滞納整理など徴収努力に力を入れた」(89・6%)、「職員給与の削減など内部努力を実行した」(87・0%)の三つが、9割前後とずば抜けて高い数字となった。財政再建では、税収増に助けられたものの、内部努力に切り込んだことは評価できるという都職員の認識が見えてくる。
ただ、その一方で、「知事のリーダーシップが財政再建に貢献した」「時代の変化にそぐわない施策を見直した」などの項目には、「いいえ」と答えた職員の割合が他項目より多く、知事のリーダーシップや、政策的な見直しが財政再建に貢献したという見方は多くなかった。
また、五輪招致を評価しないという声が、65%と高い数字にのぼった。 これを、3選出馬への賛成派と反対派に分けてみると、出馬賛成派のなかでは五輪招致を評価する人が75%を超えた。逆に、「出馬すべきではない」とする職員のなかでは、五輪招致を評価するのは16・3%。3選出馬の賛否と五輪招致への評価が、はっきりと連動する結果になった。
逆に福祉・医療改革は、「3選出馬すべき」という人のなかでも、36%の人からしか評価されず、「出馬すべきでない」という人のなかでの評価は8%だった。出馬賛成派のなかで、「評価できる」が4割を切ったのは、福祉・医療だけだった。
福祉・医療施策への評価を聞くと、「高齢者分野は国に連動したものが多く、独自性に欠ける」(74・4%)、「都としての方向性が分かりにくく、具体性に欠ける」(71・5%)、「都独自の福祉施策では、認証保育しかない」(59・8%)、「民間委託が進み、都民ニーズが反映しにくくなった」(59・8%)の順に多かった。
都庁職員は、福祉施策について、国に連動したものが多く、都として方向性を示したり、独自性を持たせた取り組みが少ないとして、厳しく評価していることが見えてくる。(2007年1月9日付)
石原知事のイメージ 行動力評価しつつ増す「無責任」
職員が石原知事に対して抱いているイメージは、行動力や決断力は評価しつつも、独裁的・独断専行という印象も強く、良い意味でも悪い意味でも「強いリーダー」としての知事像を、1期目から引き継いでいる。
知事の印象で最も多かったのは、「独断専行である」の80%。続いて「行動力がある」「決断力がある」「独裁的である」「リーダーシップがある」の順だった。これらは、いずれも7割を超え、知事のイメージとして多くの職員に共有されていることが分かる。
逆に「いいえ」が多かったものを見ると、「民主的」と「優柔不断」が、ともに74%ともっとも多かった。続いて、「親しみやすい」「誠実である」と続いている。
前回、99年12月の職員アンケートでも、行動力や決断力について、8割前後と高い評価を得ており、今回と同様の傾向だった。独断専行的という見方が多かったり、「親しみやすい」や「民主的」という評価が少ない傾向も、前回から引き継いでいる。「独裁的だが、強いリーダー」というイメージを、1期目当初から2期目終わりまで、一貫して職員が石原知事に対して持っていることが浮かび上がる。
前回調査から大きく増減したものを見ると、「無責任である」に「はい」と答えた人が、23%から32%と10ポイント近く増加した。「誠実である」に対する「いいえ」という回答も、40%が58%へと大幅に増えている。
無責任、不誠実といったイメージが高まった背景には、知事が職員や都民への説明責任を果たしていないという印象があると見られる。この間、百条委員会など都政に大きな問題が発生したときに、知事が、職員や周囲に対して責任を押し付けているという批判が高まるケースがあった。このため自由意見でも、「都政に重大な問題が生じても、知事は自分の責任としてとらえることはない」「知事は職員に対して、自らの言葉で説明していない」といった意見が出ている。
都職員にアンケート
福祉切り捨て・豪華外遊に批判強く
東京自治労連
東京都の職員の64%が石原慎太郎都知事の都政運営を「評価しない」と考えていることが、東京自治労連(堤敬委員長)の春闘アンケート中間集計結果でわかりました。「評価しない」理由には、福祉・医療切り捨て、職員削減、二〇一六年オリンピック東京招致を口実にした大型開発、豪華海外視察、都政私物化などが目立っています。
調査は昨年十一月から今年二月にかけて実施、都や区市の公務員、非常勤、パート、臨時、嘱託、民間の派遣社員などを対象に実施。約一万五千人の回答(昨年十二月末)を中間集計しました。
都庁職員では、石原都政について、「評価しない」「どちらかといえば評価しない」が63・6%と前年より11・7ポイント増加し、石原知事就任(一九九九年)以降の調査で最高となりました。一方、「評価する」「どちらかといえば評価する」は7・6%(前年は10・9%)で、10%台を割る不人気ぶりでした。(円グラフ)
また、区市職員や民間派遣社員などを含めた総数では、石原都政を「評価する」「どちらかといえば評価する」は10・0%で、前年より4・1ポイント減り、「評価しない」「どちらかといえば評価しない」は54・9%で同11・6ポイント増えました。
(2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-17/2007021704_03_0.html
◎石原都政2期8年の評価<都政新報>
http://www.toseishimpo.co.jp/kensho/kensho.html
●石原都政の平均点は53点 都職員アンケート結果
石原知事の都政運営について、都職員は100点満点で平均53・3点と、やや厳しい評価を下していることが、本紙のアンケート調査でわかった。過半数が合格点としたものの、落第点という回答も半数に近く、評価が拮抗。3選出馬すべきでないという意見も過半数に及んだ。調査は、知事が出馬に意欲を示していた2006年11月下旬に実施した。
●「不合格」が大幅に増加
2期8年の石原都政の採点は、100点満点で平均53・3点だった。
分布の様子を見ると、51~75点がもっとも多く45%、次に多かったのは26~50点で34%だった。76~100点は9%で、0~25点という回答は8%あった(その他、無回答3・8%)。
職層ごとに見ると、部長級と課長級では総じて評価が高く、部長級以上の7割、課長級の6割が、51点以上の評価をした。他方、厳しい評価を下したのは、係長と主任で、係長の4割が26~50点の評価をつけ、主任級の2割が0~25点と採点している。一般職員の評価は総じて高い傾向が見られる。
本紙では、石原知事が就任8カ月を迎えた99年12月にも、職員アンケートを行っている。当時の平均点は60・4点で、今回より高い点数だった。石原都政に対する評価が、職員のなかでは、この7年間に厳しくなっていることが伺える。
石原都政を厳しく評価する傾向は、採点に対する評価にも顕著に表れている。採点基準として、合格点か、落第点かを聞いたところ、「合格点」7・9%、「まあ合格点」44・3%と、52・2%が合格点を与えた。逆に、「落第点」16・8%、「合格点は与えられない」29・7%と、不合格とする回答も46・5%に及んだ。
合格点とする回答は過半数を超えているが、前回のアンケートに比べると大きく減少している。前回は、「合格点」と「まあ合格点」で7割を占めていた。逆に不合格とする回答は、前回の3割弱から、今回は5割弱へと大きく増加している。
99年のアンケートの際は、第1次の財政再建推進プランを策定した直後で、さらにディーゼル車排ガス規制や債券市場創設など、選挙公約の具体化に向けて様々な取り組みを始めようとしていた時期だった。石原都政の「今後に期待したい」という意見が6割に及ぶなど、知事の進める都政改革への期待値の高さが表れていた。
今回は、7年半の都政運営を経たなかで、都職員が2期目までの石原都政の功績は「なんとか合格点」という評価をしつつも、現状や今後について厳しい評価を下している様子が出ているといえそうだ。
●3選出馬 過半数「すべきでない」
石原知事は昨年12月の第4回定例都議会で、自民党の代表質問に答える形で、「首都東京の舵取りを引き続き命がけで行う」と、3選出馬を正式表明している。
知事選では、石原知事が最有力候補として選挙戦の軸になると見られているが、職員アンケートは「3選出馬すべきではない」とする回答が、56・3%と過半数を占める結果になった。
出馬すべきという回答は、19・3%と2割に満たなかった。分からないとする回答は、23・1%だった。都政の現状に職員が厳しい評価を下すなか、3選出馬に対しても否定的な意見が予想以上に広がっていることが浮かび上がった。
アンケートを行ったのは、石原知事が3選出馬表明する前の11月下旬。また、アンケート時は海外出張問題やワンダーサイト事業をめぐる四男起用問題が表面化したばかりで、こうした問題による知事批判の高まりも、それほど影響していない。
職層ごとに見たときに特徴的なのは、石原都政への評価が高い職層の方が、3選出馬には否定的という傾向だ。
都政に対する評価で、合格点が6割を超えた部長級以上では、「出馬すべきではない」が62%あった。課長級も、石原都政2期の採点は他に比べて高かったが、出馬すべきでないという人が66%を占めた。逆に、係長と主任では、都政の状況への評価は厳しかったのに対し、「出馬すべきだ」とする回答が2割を超えており、他の職層よりは高い傾向を示している。一般職員のなかでは、3選出馬について「わからない」とする回答が多く、4割を超えた。
都庁内では、浜渦前副知事更迭問題を通じた知事の求心力低下や、目玉政策中心に進んできた石原都政の政策面での停滞が指摘されている。このため、2期目までの都政運営を高く評価している職員でも、3期目を迎えたときの石原都政に対しては、不安を抱いている様子が、アンケート結果に表れている。
石原都政の現状や今後について、厳しい評価が多かった背景を施策面から分析すると、福祉や教育関連の取り組みに批判的な声が多いことが浮かび上がる。
●福祉「独自性」に厳しい評価
財政再建や都市再生、中小企業対策など12の政策分野について、「評価できる」「できない」の2択で選んでもらったところ、評価する声が多かったのは順に、「環境問題」(78・5%)、「財政再建」(69・9%)、「安心・安全の確保」(68・4%)、「都市再生」(56・3%)だった。
逆に「評価できない」が多かったのは、「福祉・医療改革」が79・1%と群を抜いて多く、続いて「東京五輪招致」(64・6%)、「都立高校改革」(63・6%)、「都立大学改革」(63・3%)の順だった。
環境や安心・安全、都市再生など、石原知事が積極的に取り組んでいるイメージが強い分野では、都職員の評価も高い結果となった。五輪招致をにらんで都が重視しようとしている環境問題で、今後、力を入れるべき分野を聞いたところ、温暖化対策と廃棄物・リサイクル対策の二つが5割を超えた。
隠れ借金の解消や基金積み立てなどの成果があった財政再建については、「景気回復による税収増に助けられた」(90・8%)、「滞納整理など徴収努力に力を入れた」(89・6%)、「職員給与の削減など内部努力を実行した」(87・0%)の三つが、9割前後とずば抜けて高い数字となった。財政再建では、税収増に助けられたものの、内部努力に切り込んだことは評価できるという都職員の認識が見えてくる。
ただ、その一方で、「知事のリーダーシップが財政再建に貢献した」「時代の変化にそぐわない施策を見直した」などの項目には、「いいえ」と答えた職員の割合が他項目より多く、知事のリーダーシップや、政策的な見直しが財政再建に貢献したという見方は多くなかった。
また、五輪招致を評価しないという声が、65%と高い数字にのぼった。 これを、3選出馬への賛成派と反対派に分けてみると、出馬賛成派のなかでは五輪招致を評価する人が75%を超えた。逆に、「出馬すべきではない」とする職員のなかでは、五輪招致を評価するのは16・3%。3選出馬の賛否と五輪招致への評価が、はっきりと連動する結果になった。
逆に福祉・医療改革は、「3選出馬すべき」という人のなかでも、36%の人からしか評価されず、「出馬すべきでない」という人のなかでの評価は8%だった。出馬賛成派のなかで、「評価できる」が4割を切ったのは、福祉・医療だけだった。
福祉・医療施策への評価を聞くと、「高齢者分野は国に連動したものが多く、独自性に欠ける」(74・4%)、「都としての方向性が分かりにくく、具体性に欠ける」(71・5%)、「都独自の福祉施策では、認証保育しかない」(59・8%)、「民間委託が進み、都民ニーズが反映しにくくなった」(59・8%)の順に多かった。
都庁職員は、福祉施策について、国に連動したものが多く、都として方向性を示したり、独自性を持たせた取り組みが少ないとして、厳しく評価していることが見えてくる。(2007年1月9日付)
石原知事のイメージ 行動力評価しつつ増す「無責任」
職員が石原知事に対して抱いているイメージは、行動力や決断力は評価しつつも、独裁的・独断専行という印象も強く、良い意味でも悪い意味でも「強いリーダー」としての知事像を、1期目から引き継いでいる。
知事の印象で最も多かったのは、「独断専行である」の80%。続いて「行動力がある」「決断力がある」「独裁的である」「リーダーシップがある」の順だった。これらは、いずれも7割を超え、知事のイメージとして多くの職員に共有されていることが分かる。
逆に「いいえ」が多かったものを見ると、「民主的」と「優柔不断」が、ともに74%ともっとも多かった。続いて、「親しみやすい」「誠実である」と続いている。
前回、99年12月の職員アンケートでも、行動力や決断力について、8割前後と高い評価を得ており、今回と同様の傾向だった。独断専行的という見方が多かったり、「親しみやすい」や「民主的」という評価が少ない傾向も、前回から引き継いでいる。「独裁的だが、強いリーダー」というイメージを、1期目当初から2期目終わりまで、一貫して職員が石原知事に対して持っていることが浮かび上がる。
前回調査から大きく増減したものを見ると、「無責任である」に「はい」と答えた人が、23%から32%と10ポイント近く増加した。「誠実である」に対する「いいえ」という回答も、40%が58%へと大幅に増えている。
無責任、不誠実といったイメージが高まった背景には、知事が職員や都民への説明責任を果たしていないという印象があると見られる。この間、百条委員会など都政に大きな問題が発生したときに、知事が、職員や周囲に対して責任を押し付けているという批判が高まるケースがあった。このため自由意見でも、「都政に重大な問題が生じても、知事は自分の責任としてとらえることはない」「知事は職員に対して、自らの言葉で説明していない」といった意見が出ている。
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