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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

誰も責任を取らない福島原発事故、東電刑事裁判で旧経営陣に求刑「たった5年?」

2019年02月17日 | フクシマ原発震災
 ◆ 被災が問う東電経営陣の職責 (『労働情報』【福島発】)
地脇美和(福島原発告訴団・福島原発刑事訴訟支援団)

 「死亡した人の数は44名、負傷した人の数は13名に上ります。避難を余儀なくされ、長時間にわたる過酷、悲惨な搬送等の状況の中で、命を失わなければならなかった被害者の苦しみ、無念さは、あまりにも大きいものです。避難で両親を失った被害者の遺族は、『これだけの被害を出しておいて、誰一人、責任者が責任を取っていないのは悔しいの一言で絶対に許すことはできません。私は死んでも許すことができないです』と陳述し、同じく本件事故による避難で父を失った被害者の遺族は、『水分や栄養を摂取できず、身動きもできない状況で、どれだけ辛く、苦しかったことでしょう』と陳述しています。さらに、母親を失った被害者の遺族は、『私は、母が死んだのは心不全では無く、東京電力に殺されたと思っています』」
 18年12月26日、第35回東電刑事裁判の公判で検察官役の指定弁護士は、これまでの証言や証拠をもとに論告。業務上過失致死傷罪の中でも責任は極めて重いとし、被告人3人に禁固5年(法定刑の上限)を求刑した。
 「たった5年?」。あの日から8年目を迎える率直な気持ちもあるが、隠されてきた東電の闇をあきらめない人々の力で、やっとここまで明らかにすることができた。これだけの証拠があるのに、なぜ検察は二度も不起訴にしたのか?ここにも深い闇を感じずにはいられない。
 10月の被告人尋問では、自らの事故の責任を否定し、他者にその責任を転嫁しようとする供述のオンパレードで、裁判官は「あなたの職責は何ですか?」と被告人に質問した。
 指定弁護士は、キーワードは「情報収集義務」であるとし、「15・7mの津波計算結果などを契機に、被告人らが他者に物事を委ねることなく、自らその権限と責任において、積極的に情報を取得し、これらの情報に基づいて的確かつ具体的な対策を提起し、これを実行に移してさえいれば本件のような世界に例を見ない悲惨な重大事故を防ぐことができた」と断じた。
 東電の担当社員や他の電力会社は「対策必要」で一致していた。
 12月27日の第36回公判で、被害者参加弁護士は、「電事連のリーディングカンパニーである東京電力には、『常に安全側の発想』から津波対策をするよりも、コストカットの方が大事だったのであろう。それにしても、表ではどんな地震や津波が来ても原発は大丈夫だと説明しながら、裏でコソコソこんなことをしていたとは。あまりに腹立たしくあきれるような話である」と意見陳述した。
 3月11、12日に結審する。
 世論の力が必要です。さらなるご支援をお願いいたします。

『労働情報 No978』(2019.2)


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