《電磁波研会報から》
◆ 電車の電装品について
坂本一夫さん(会員、鉄道会社社員)
ES(電磁波過敏症)、またはその疑いがあるむ家族のために、電車を利用する時にはどの辺に乗車すれば良いか?というお尋ねがあります。
これは一概に答えられないという事情が、つまり、高周波だの低周波だの、個人差が少なくないと思われるので、具体的な仕組みをおさえておいていただければ、後は体調と相談して判断してもらえると考えます。
◆ 山手線
山手線の場合、現在はE233系とE235系(こちらが最新型)の2種類で運転されていますが、その11両の編成順序は同じで、上図の通りです。
ここで、ク:運転台、モ:電動車、サ:普通車、ハ:車両(客車)との意味。この標記は各車両の側面中央の下側と。連結面の車内側・上部に示されています。
モハ車は必ず2両1組でユニットとされ、どちらか1両の屋根にパンタ(集電装置)を載せています。
235系ではパンタ付きがモハ235、パンタ無しがモハ234。
電動車のモータは各車軸に一つずつ配置されて、最近のものはネオジム磁石等を組み込んだ交流モータになっており、効率追求の点からも磁力線がモータの外側へ極力もれないような構造になっているそうです。
また、現在のモータ制御の主流はVVVF(司変電圧、可変周波数)コントロール式で、これは50Hzよりかなり低い数値からその何倍もの高い数値までも無段階に出力するので、音として感じられる場合もあって、ちょっと不気味に受け取る方もいらっしゃるかも。この装置はモハ車両のほぼ中央部床下にあるはずです。
パンタは架線をこすりながら集電するので、どうしても細かな振動で離線を起こしアーク(火花)を発生します。が、昔に比べると、目に映る範囲では格段に改善されているようです。
ただし、かつては主に加速時にアークは生じてましたけれど、近年は省エネの観点から原則時の電力回生ブレーキ導入も進みました。
つまりは、止まっている時と、惰行運転をしている時を除いて、パンタからはノイズ(高周波成分も含む)が出ているのでしょうね。
というようなわけで、動力系の大きな電力の流れを避けるのであれば、山手線ならばサハがおすすめではないかと考えられます。
◆ 新幹線
1964年、東京オリンピックに間に合わせるべく開業した東海道新幹線。世界に先駆けて200km/hを超える最高速度で営業運転を行うため初代0系ではすべてが電動車でした。
次の100系(2階建て食堂車が登場の型)では、車体の軽量化が図られ、運転台のある両端の車両や2階建て車両ではモータを省いています。
さらに軽量化を追求した300系でも一部モータの付いていない車両があったように記憶しています。
で、現在の新幹線はどうなのかというと、より高速化しているので、線路設備面からの要求もあって編成の両端の運転台付車両にはモータを積まないのが基本です。
しかし、その他は、グリーン車には付いていないかなァという程度で、特に大宮駅を通る新幹線は種類や編成による違いもあって、よく分かりません。
◆ 私鉄
JR以外の私鉄の電車ではパンタを載せていればそれは電動車と見て誤りはないでしょうが、車体側面にモハという表示があるわけでもなく、また電動車2両が1ユニットになっているとも限りませんので、思い切って車掌に尋ねてみるのが良いと思われます(たとえば、急行の通過待ちをしている時に)。
それと、まったく初めて利用する電車との場合、次善の策として、乗り込んだ車両のほぼ中央に陣取るのがいいかもしれません。
台車から最も離れた位置ですし、第一揺れが最も少ないのがそこなのです。
なお、今でも都電の車内の床面にはモーター点検用と思われる四角い枠が見られます。ここは避けたいです。
『電磁波研会報 第116号』(2019年11月27日)
◆ 電車の電装品について
坂本一夫さん(会員、鉄道会社社員)
ES(電磁波過敏症)、またはその疑いがあるむ家族のために、電車を利用する時にはどの辺に乗車すれば良いか?というお尋ねがあります。
これは一概に答えられないという事情が、つまり、高周波だの低周波だの、個人差が少なくないと思われるので、具体的な仕組みをおさえておいていただければ、後は体調と相談して判断してもらえると考えます。
◆ 山手線
山手線の場合、現在はE233系とE235系(こちらが最新型)の2種類で運転されていますが、その11両の編成順序は同じで、上図の通りです。
ここで、ク:運転台、モ:電動車、サ:普通車、ハ:車両(客車)との意味。この標記は各車両の側面中央の下側と。連結面の車内側・上部に示されています。
モハ車は必ず2両1組でユニットとされ、どちらか1両の屋根にパンタ(集電装置)を載せています。
235系ではパンタ付きがモハ235、パンタ無しがモハ234。
電動車のモータは各車軸に一つずつ配置されて、最近のものはネオジム磁石等を組み込んだ交流モータになっており、効率追求の点からも磁力線がモータの外側へ極力もれないような構造になっているそうです。
また、現在のモータ制御の主流はVVVF(司変電圧、可変周波数)コントロール式で、これは50Hzよりかなり低い数値からその何倍もの高い数値までも無段階に出力するので、音として感じられる場合もあって、ちょっと不気味に受け取る方もいらっしゃるかも。この装置はモハ車両のほぼ中央部床下にあるはずです。
パンタは架線をこすりながら集電するので、どうしても細かな振動で離線を起こしアーク(火花)を発生します。が、昔に比べると、目に映る範囲では格段に改善されているようです。
ただし、かつては主に加速時にアークは生じてましたけれど、近年は省エネの観点から原則時の電力回生ブレーキ導入も進みました。
つまりは、止まっている時と、惰行運転をしている時を除いて、パンタからはノイズ(高周波成分も含む)が出ているのでしょうね。
というようなわけで、動力系の大きな電力の流れを避けるのであれば、山手線ならばサハがおすすめではないかと考えられます。
◆ 新幹線
1964年、東京オリンピックに間に合わせるべく開業した東海道新幹線。世界に先駆けて200km/hを超える最高速度で営業運転を行うため初代0系ではすべてが電動車でした。
次の100系(2階建て食堂車が登場の型)では、車体の軽量化が図られ、運転台のある両端の車両や2階建て車両ではモータを省いています。
さらに軽量化を追求した300系でも一部モータの付いていない車両があったように記憶しています。
で、現在の新幹線はどうなのかというと、より高速化しているので、線路設備面からの要求もあって編成の両端の運転台付車両にはモータを積まないのが基本です。
しかし、その他は、グリーン車には付いていないかなァという程度で、特に大宮駅を通る新幹線は種類や編成による違いもあって、よく分かりません。
◆ 私鉄
JR以外の私鉄の電車ではパンタを載せていればそれは電動車と見て誤りはないでしょうが、車体側面にモハという表示があるわけでもなく、また電動車2両が1ユニットになっているとも限りませんので、思い切って車掌に尋ねてみるのが良いと思われます(たとえば、急行の通過待ちをしている時に)。
それと、まったく初めて利用する電車との場合、次善の策として、乗り込んだ車両のほぼ中央に陣取るのがいいかもしれません。
台車から最も離れた位置ですし、第一揺れが最も少ないのがそこなのです。
なお、今でも都電の車内の床面にはモーター点検用と思われる四角い枠が見られます。ここは避けたいです。
『電磁波研会報 第116号』(2019年11月27日)
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