パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 瓢箪通信「昨日4/30の朝日社説」

2023年05月02日 | 暴走する都教委

★ 「聖域なき議論」のはずなのにそこにあった「教員の働き方改善」の「聖域」

ひょうたん島研究会・TT(高木@千葉高退教)です。
すべての友人の皆さんへ。

(ア)

 昨日4/30の朝日の「社説」を紹介しますが(次項参照)、その前に、クイズを一つ
 この「社説」、タイトルは「教員の働き方/改善へ聖域なき議論を」です。
 このタイトルには賛成なのだけど、ぼく、この「社説」自体に「聖域」があると思います
 「働き方改革」--ぼく自身は「権力側の用語」は使いませんが--に密接に関わる「言葉」が、この「社説」には一切登場しません
 さて、その「言葉」あるいは「考え方」は何でしょう?
 まず次項を読んで5分くらい考えてから、その先に進んでください。

(イ)

朝日「社説」(23/04/30)
教員の働き方
改善へ聖域なき議論を

 小中学校での働き方改革の進展が限定的なものにとどまることが、文部科学省の調査で明らかになった。
 6年ぶりに実施された教員勤務実態調査(速報値)によると、公立の小中学校教諭の勤務時間は、前回より平日で30分程度減った。だが、残業時間が「過労死ライン」(月80時間)に達した教諭は小学校で14%、中学校では36%いた。国、教育委員会、学校はそれぞれの立場で、長時間労働の是正にいっそう取り組む必要がある。
 経済協力開発機構(OECD)の18年調査では、日本の小中学校教員の仕事時間は参加国中で最長だった。事務業務や課外活動の長さが際立っていた。
 過酷な労働環境で精神疾患を発症する教員も多く、なり手不足も深刻化している。文科省などは、働き方改革を喫緊の課題とし、多くの手を打ってきた。
 小学校では35人以下学級の拡大を進め、中学校では平日と土日に各1日以上、部活動の休みをとるよう求めた。地域や学校で差はあるものの、コロナ禍を機に行事を精選・簡素化し、サポート人材の配置も進んだ。こうした対策が一定の時短効果を上げたと言えそうだ。

 それでも、文科省が19年の指針で残業時間の「上限」とした「月45時間」に達していた教諭は、中学校で77%、小学校で64%いる。前回より減ったとはいえ、かなりの割合だ。単純比較はできないが、21年度の総務省調査によると、地方公務員は年度末の3月でも9%弱だった

 国はそれぞれの対策の効果を確認し、足りない部分があれば追加策を講じる必要がある。教委は、教諭の勤務時間を適切に管理できるよう、校長や教頭の多忙解消に力を入れるべきだ。
 今回の調査結果を受け、文科省は教員給与特措法(給特法)の見直しに向けた議論を本格化させる。残業代を出さない代わりに基本給の4%分を一律上乗せして支給する仕組みは、現場の実情に合わなくなっている。ただ、その改善だけで長時間労働が解消するわけではない
 業務や会議のさらなる効率化や削減は不可欠だ。同時に、授業で教える内容や量をどうすべきか、全体の設計も議論すべきだ。総授業時間は「脱ゆとり」をめざして09年度以降、小学校で約5%、中学校で約4%増えた。それに加えて18年度以降、英語教育の強化のために小3~小6の英語・外国語活動は各学年35コマずつ増えた
 教員が心と体に余裕を持てないままでは、多くの子どもの教育に悪影響を及ぼしかねない。働き方改革は、あらゆる可能性を排除せず、聖域のない議論を進める必要がある。

(ウ)

 クイズの答えの前に、コメントを少々。
 まず今回も登場しますが、「勤務実態調査」についてだけど、ぼく、この「調査」の数字自体を、ほとんど信じていません。
 最低限「事実」がどうなのか、「裏」をとってほしいなあ。
 次、文中に「文科省などは、働き方改革を喫緊の課題とし、多くの手を打ってきた」とあります。文科省はそれなりにやってるのに、教育委員会がサボってる--みたいな構図です。
 ぼく、教育委員会の擁護をする立場には立ちませんが、この構図はヒドイ!「悪の根源は国」で、その下でどうしようもなくアタフタしてるのが教育委員会--言葉足らずですが、概ねそう捉えています。

 雑談はこのくらいで、クイズの解答に行きます。
 その答えは--ジャーン、「教員数増」です。
 「教員の労働条件改善」がテーマの「社説」に、「教員数の話」が一切出てこない。
 これを「聖域」と言わずに、何を「聖域」と言うのか?
 血圧が上がりそうなので基本これで終わりにしますが、皆さんも何かコメントをください。

(エ)

 以下、朝日の記者さんへのオマケです。
 ぼく、朝日の罵倒ばかりしてるけど、けっこう、愛読者です。
 いい記事が載ってることも、けっこう知っています。
 紹介したいのは、4/26(水)のオピニオン面の耕論欄に載っていたインタビュー記事です。
 この日のテーマは「保育政策 いま国に言う」で、3人へのインタビュー記事が載っています。
 その中の一人=天野諭(あまのさとる)さんの最後の言葉を紹介します。
 ただし天野さん、保育士なので原文は「保育士バージョン」です。
 勝手に「教員バージョン」に改竄しちゃいました。
 ゴメンナサイ!

 教員はもっと、普段感じている矛盾について職場で言語化し、問題提起すべきです。その上で、政策決定する行政も、「有識者」の意見を聞くだけでなく、第一線にいる若い教員を意思決定の場に参加させてほしい。政策づくりや制度の見直しには、現場感覚に即した議論が不可欠です。

異議なし! by TT

 


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