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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 今春の東京都の卒業式"君が代"の実態

2023年05月03日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ◆ 〝東京都教委流〟国旗敬礼も復活
  岸田首相卒業式「君が代号令」 (『紙の爆弾』【NEWSレスQ欄】)

取材・文=永野厚男・教育ジャーナリスト

 「卒業式の予行日、帰宅後の子どものマスクはよだれだらけ。変色していた」(東京都府中市立小学校卒業生の保護者)
 「(20年4月の)入学時はコロナ一斉休校で式がなく、卒業する今日が初の式。でも、黒服のオジサンと校長が私たちに背を向け、誰もいない正面に何度も礼をする姿に違和感を覚えた。新興宗教みたい」(都立高校の卒業生)
 東京都教育委員会の当時の教育長ら官僚が保守系都議と癒着し03年10月、「教職員は式場舞台正面に掲揚した国旗に向かって起立し国歌を斉唱する。国歌はピアノ伴奏。不起立・不伴奏教職員は懲戒処分にする」等、〝君が代〟強制を強化する〝10・23通達〟を発出。この後、東京の公立小中高校等の卒業・入学式は、主人公が児童・生徒でなく国家権力の歌・旗が前面に出る〝式典〟になってしまった(22年3月号参照)。
 コロナ禍に入った20年4月1日、都教委では当時の藤田裕司教育長が〝君が代〟一切なし(校歌もなし)の通知を出し、杉並区・国立市の小中では16年ぶりに〝君が代〟なしの入学式が実現(ただし国旗は壇上正面掲揚)。だが藤田氏は同年12月24日、「歌唱は行なわず」としながらも、「全員を起立させた上で、歌唱入りCDの国歌を大音量で流す」旨、強制する通知を出した。
 では冒頭に記した態様の卒業式を作り出した元凶は? それは2月10日午前、「卒業式では〝国歌斉唱時等を除き〟児童・生徒と教職員はマスク不着用を基本としたい」と、〝君が代〟斉唱強制を放言した岸田文雄首相だ。同日午後、文部科学省の藤原章夫初等中等教育局長は「国歌斉唱等、マスク着用し実施」と、全国の教育委員会等をガチガチに縛る通知を発出した。
 府中市教委は2月2日の保護者宛卒業式実施方針発出までは、〝君が代〟起立・CD静聴強制の予定だった。だが文科省通知後の2月22日付実施方針で、「卒業式ではマスクを付け起立・斉唱」と変更。冒頭の〝不衛生〟な状態を作り出してしまった。
 一方、都教委は〝10・23通達〟後、全都立学校の卒業・入学式に「祝意を表し挨拶文を読み上げるため」と称し(実は〝君が代〟監視目的)、幹部職員を派遣してきた。19年3月の卒業式では、当時の佐藤聖一・高校教育指導課長が全派遣職員に、「所作について」と題し「国旗に正対し声高らかに国歌を斉唱して下さい」と明記し、かつ挨拶文読み上げの登壇・降壇時、計8回の国旗等への敬礼を指示する、ロシア・中国顔負けの全体主義的文書を配布。コロナ禍の3年間、派遣は中断していたが、今春の卒業式から復活した。これが冒頭の「国旗敬礼を繰り返す黒服オジサン」の正体だ。
 3年前に〝君が代〟一切なしの入学式を体験した、杉並区・国立市の中学校卒業生は3年間、マスク下でもできることを精一杯頑張る生活を送り、自尊感情・自己肯定感を損ねず高校等に進学した。〝君が代〟強制こそ児童・生徒のwell-beingを損ねることに、国家権力(教育行政や校長)は気付くべきだ。

月刊『紙の爆弾』2023年6月号「NEWSレスQ欄」から

 

《追記》今春(2023年4月)の入学式の取材内容
 前記・文科省の藤原章夫氏(59歳)は3月17日、「入学式ではマスク着用を求めず、国歌斉唱等は児童・生徒の体の中心から前方1m程度・左右50cm 程度の距離を確保すること」などと通知。都教委の浜佳葉子教育長(60歳)は同日、これをなぞった通知を発出。東京の公立小中高校等の入学式は、「"君が代"起立、大音量の歌唱入りCD静聴」から、コロナ禍前の「"君が代"起立・斉唱」に戻った。

 

● 開示請求で入手した都教委の内部文書

2023年3月の卒業式で、挨拶文読み上げ名目で派遣する幹部職員に、都教委の堀川勝史高校指導課長(当時)が計8回の国旗等への敬礼等の"所作"を指示した文書。コロナ禍で歌唱入CDを大音量で流すので19年の「君が代を声高らかに歌え」と指示する文言はない。

同じく「君が代斉唱時国旗に正対せよ=生徒に尻向けろ、HTTバッジ着用」と指示した文書


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