ワールドカップで盛り上がり中のブラジルですが、相変わらず各地で抗議行動は行われています。
特にサンパウロでは、市内で土地の不法占拠が行われ、各国のメディアに対して「物価の高騰」「貧富の差の大きさ」などを訴える動きがあります。
先日日本のニュースでもとりあげていました。
確かにここのところの物価の値上がりは、驚くものがあります。
給料の上昇率に対して、物価の値上がりの幅のほうが確かに大きい。
日常生活に使うものが値上がりしているので、普通に生活をしている我が家でも「お財布に響くな~」って思うことがしばしば。
最低給料の2か月分、3か月分とか言うお給料で生活している人たちは本当に大変だと思います。
でも、でも!!
それが即、他人の土地を不法に占拠して言いと言うことにはならないと思います。
日本のニュースなどでは、さも人々が家賃を払えなくなったので、不法占拠区の土地にキャンプを張って生活していると言うように報道していますが、実はそう簡単なものではなく、そこには政治的な思惑が大きく絡んでいます。
政治色の強いグループが最初にその土地を不法に占拠し始め、そこに生活に困っている人たちをどんどん入れて、結果として不法占拠地が出来上がるのです。
マナウスの例で言うなら、本当は持ち主がいるけれど何らかの理由で手付かずになっている土地に勝手に入り込み、勝手に整地し、区画わけをしてその土地を売り出すと言うことまでします。
ひどいときには自然保護区に勝手に入り込むこともしばしば。
警察の介入などで彼らを立ち退きに成功させたとしても、後に残るのは無残に伐採された森、多くの野生動物の市街(アルマジロなどの希少動物も食べてしまうそうです)、ゴミの山。
仮に彼らが不法占拠に成功し、そこが新しいコミュニティーとして承認されたとしても、後から出てくる問題は、強盗など普通に起こる治安の悪さ、不法に捨てられるゴミの山、垂れ流しの汚水等々の問題です。
現在サンパウロではしないでも一番地価が高いとされるモルンビー地区の空き地を占拠しているグループがあるとか。
こういうことが起こると、周囲の地価は一気に下がりますから、それだけでも大変な損害になります。
彼らがまだテント暮らしのうちなら何とか立ち退きを請求することができますが、掘っ立て小屋でも建ててそこで生活を始められてしまうと「居住権」が発生してしまうので、司法が介入しても立ち退きを迫るのは難しくなります。
ブラジルは「居住権」がとても効力のある国なのです。
日本などで報道される「貧富の格差により仕方なく土地を不法占拠する」という姿とは異なる一面がそこにはあります。
その日の生活が苦しくても、他人の権利を侵すことなくきちんと暮らしている人たちはたくさんいるのですから。
結局、「自分の生活が苦しいから他人の土地に勝手に入り込んでもかまわない」と思ってしまうのはその人の「教育の程度」の問題になるかもしれません。
これもマナウスの事例になりますが、地元のテレビのリポーターが不法占拠をしている人に「なぜあなたは、この土地を不法に占拠するのですか?」とたずねたとところ「ここは持ち主も使わないでほうっておくのでしょう?だったら、私たちが使ってもかまわないじゃない?」と答えました。
「持ち主が使っていないから、私が代わりに使うわ!!」=泥棒の理屈じゃないかと思うのですが...
また、「自然保護区」など作るのは必要ない。だったら自分達に土地をよこせと言う人もいました。
外国から見れば「ブラジルは貧富の格差が大きくて大変!」て思われるかもしれませんが、実際に地元の人間から見ると、その根底にあるのは「賃金の格差」よりも「教育の格差」ではないかと思います。
教育は教育でも、「学歴」でなく、「生き方」のとらえかた?
同じ額のお給料をもらっても、「これだけの金額でなにができる?!」と不満を抱え、周りに当り散らす人。
「ああ、これだけあれば、パンが買えるな。」と思える人。
後者のように思えるようになるには、やはり「学力」の教育でなく「心の教育」が大切なのではないかと思います。
そういう意味での教育。
「家庭の教育力」、「地域社会の教育力」
そのためには何をしたら良いのか?
ブラジル、まだまだ考えられることはたくさんあると思います。
おかげでペケママ車は猫の足跡だらけ!
爪とぎ禁止だねぇ~
異常にかわいい!
特に、まん丸トラコが!