ブラジル 北部海岸部に位置するアマパ州。
州都マカパから 300㎞ほど奥地にPedra Branca de Amaparitoiu というインディオ保護区があります。
ここには 約1000人のワイアピ族がいくつかの集落に分かれて暮らしています。
彼らはここで、果物などを採取したり、川で漁をしたりして生活をしています。
また、彼らの作り出す民芸品は ユネスコの無形文化遺産にも指定されるほどの価値を持つほどのものです。
しかし、近年この場所で銅や金が採取できることがわかってから、採掘人たち(ガリンペイロ)のグループが姿を現すようになりました。
もちろん保護区内のことですから 違法行為になります。
インディオたちは 自分たちの居住地を守ろうとし、ガリンペイロたちとの間に対立が起こっていました。
そんな中、7月末 インディオのグループのリーダー(カシッキ)の一人が川で溺死した状態で発見されました。
亡くなった カシッキEmyra Waiãpi
最初、彼の妻は「両方の目をくり抜かれ、陰部が切り取られていました」と証言していましたが、その後の検視で 頭に小さな傷はあったものの命にかかわるものではなく、死因は溺死だということでした。
またインディオたちの証言では、彼らの集落の近くに多くの武装したガリンペイロたちがキャンプをしていたということでしたが、その後の警察の調べではそのような痕跡はなかったということです。
ただし、様々な痕跡から、この事件に外部の侵入者が関わっていることは確かで、警察は今後も調査を進めていくということです。
また、周辺でも他部族などで同じような事件も起こっていて、「アマゾナス地方の鉱埋蔵地区の一部を開放する」という大統領令に対する反発も強くなってきています。
カシッキの死の波紋はまだ広がっていきそうです。
ワイアピ族による抗議