先月末 教育省からブラジリア大学(UnB)、連邦フルミネンセ大学(Uff)、連邦バイア大学(UFBA)の予算削減が発表され 各方面から非難の声が上がりました。
多くの公立大学は学長名で抗議文を発表、大統領と政府に対して3大学の予算削減の撤回を求めました。
で、政府はどうした?
大統領はどうした???
…逆切れ!!
3大学にとどまらず、今回は連邦立の大学、高校、高等専門学校等の教育機関すべてに対して一律30%の予算削減を適用することを通達してきました。
今回3大学に対してだけ予算削減を適用したことに対して、「政府の方針に是しない校風の大学だから削減されたのでは?」という指摘があったため、それを否定するために「だったら みんな予算削っちゃうもんねー」って感じで今回の通達を出した…?とみんな思っているみたいです。
今年1月に発足したボルソナーロ新政権は、今年大幅な政府予算の削減を目標としていて、すでに今年上半期に一律20%の予算削減を各大学に課しており、今回の30%削減は下半期予算へ適用する予定となっているとのこと。
ブラジルの公立大学は日本の公立大学と比較すると 本当にいろいろな意味で厳しい環境にあります。
インフラ面でも補修修理が必要なところもたくさんあるし、校舎の改築中にいきなり予算がカットされ 完成できずに放置されているケースもブラジル全土で何校もあります。
教員の給料が遅れるなど日常茶飯事。
以前私が働いていた大学の上司に「どのくらいお給料の未払い分があるんですか?」と尋ねたら「ちょっといい車 一台分ぐらい」って言っていたわ。
すでに今回発表された予算削減が適用されると「電気代が払えなくなる」「水道代が払えなくなる」と心配する大学も。
日本だったら「えー、大学でそんなことないでしょー」ってみんな思うのでしょうが、ブラジルでは普通にある。
前述した私が仕事をしていた大学は州立大学だったのですが、州経済の悪化で予算が大幅カット、電気代が払えなくなり 一時大学が閉鎖されていたそうです。
本当にあるのよ、そういうことがブラジルでは。
さて、今回の「一律30%予算カット」に対して すでにブラジル全土で抗議行動が起こっています。
5月15日には ブラジル全土で教育機関関係の一斉ストが予定されているとか。
このストライキを各方面で支持する動きが広まっていて、全国的に大きなストライキになる恐れもあります。