民放キー局、TBS以外は黒字 3月期決算
民放キー局5社の2010年3月期連結決算は、TBSホールディングスを除く4社の純損益が黒字になった。企業が広告費を削り、厳しい状況が続くが、番組制作費などを抑えて利益を出した。
TBSは01年に連結決算を公表して以来初めて純損益が赤字になった。昨年4月に番組を改編したが、視聴率が低迷して広告収入の減少に拍車をかけた。
前期に開局以来初めて純損益が赤字になったテレビ朝日は30億円の黒字、日本テレビは前期の3倍の黒字だった。いずれも減収だが、番組制作費を削って利益を出した。フジはカタログ大手のセシールなどを子会社にして増収だったが、費用の削減が進まず、純利益は半分に減った。
テレビ局の収入源である広告収入は厳しい。番組と番組の間に流す「スポットCM」は9月以降増えてきたが、企業が特定の番組のスポンサーになってその番組中に流す「タイムCM」は前期より1~2割減った。各社は今後も広告収入は伸び悩むと見ており、TBSと日本テレビは11年3月期の売上高は減収を予想している。
2. 競合施設との差別化を ユナイテッド・シネマ浦和 『映写室ミュージアム』を開設
JR浦和駅前のシネコン「ユナイテッド・シネマ浦和」(さいたま市)に先月、「映写室ミュージアム」がオープンした。配給会社から届いたフィルムが劇場で実際に上映されるまでの仕組みを紹介したビデオや、映写機の部品などが無料で見られる。シネコンはどこも一緒と思われがちだが、プラスアルファのサービスを提供することで差別化を図り、同時に固定ファンをつくろうという狙いだ。 (石原真樹)
同館は商業ビル「浦和パルコ」内に二〇〇七年十月に開業した。六階が劇場入り口、七階が映写室という造り。スタッフが働く様子を見てもらおうと、当初から映写室はガラス張りにしてあった。だが観客がわざわざ入り口を通り越して七階まで足を運ぶことは少なく、せっかくのガラス張りの映写室を有効活用しようとミュージアム構想を立ち上げた。
ミュージアムの目玉は、映画の仕組みや上映されるまでの過程を紹介するビデオ。一作品あたり五~六巻に分かれている配給会社から届くフィルムをスタッフが上映用に一本につなげる「メークアップ」、ミシンに糸を通すようにフィルムを映写機にセットする「レースアップ」など、映写室で日々スタッフが行っている作業を専門用語を交えつつ解説する。「映画のフィルムは『プリント』と呼ばれている」など、豆知識も盛り込まれている。
展示パネルでは、映像や音声がフィルムのどの部分に記録されているかや、劇場の音響設備を図解。35ミリフィルムやIMAX用70ミリフィルム、フィルムに光を当てるキセノンランプなど実物も展示されている。
展示品を眺めていた埼玉県久喜市の梅野賢二さん(32)は「映写室でどんなふうにスタッフが準備しているのかが分かる本やホームページはあまりないので、面白かった。IMAX用のフィルムがこんなに大きいなんて」と話していた。
最新の音響や映像設備にゆったりしたシート、清潔感あふれる場内などで人気を集め、一九九〇年代に激増したシネコン。今や飽和状態を通り越し、シネコンが密集し、客を奪い合う「シネコン激戦区」と呼ばれる地区さえ出現するほどだ。
ユナイテッド・シネマ浦和も近隣にある「MOVIXさいたま」「ワーナー・マイカル・シネマズ 浦和美園」などと競合する。ミュージアムを企画した蒔田隆之・同劇場支配人は「お客さまに『ユナイテッド~』を選んでいただくために、何か付加価値を付けようと思った」と話す。3DテレビやVOD(ビデオ・オン・デマンド)など、シネコン以外のライバルも台頭しており、危機感を抱いているという。
そこで同館が選んだプラスアルファは「学び」だった。映画の仕組みを知ったり、劇場スタッフの仕事ぶりをのぞいたりすることで、単に鑑賞するだけでなく映画の裏側を知る機会を演出しようとの意図だ。団体向けには映写室の中を案内するツアーも企画。映写機を間近に見たり見本用フィルムに触ったりすることができ、地元の子供会などに好評だという。
また、ミュージアム横には「シネマ・ライブラリー」があり、映画の脚本、監督の著書のほか、写真集などアート系書籍や旅行エッセー、小説など“ゆるやかに映画にかかわる書籍”が千冊以上並ぶ。ゆったりと映画の世界を堪能してもらおうと開業当時に作ったものだ。
「一つの映画が何本ものフィルムに分かれて映画館に届くことなど、スタッフにとっては当たり前のことが、一般には知られていない。映画を見に来たお客さまにそれ以上のものを持って帰っていただき、『またユナイテッド~に行きたい』と思ってもらえたら」と蒔田さんは期待を込める。
3. 米男性誌「プレイボーイ」が3Dに
14日に発売される米男性誌「プレイボーイ」6月号に3次元(3D)画像の写真が掲載されていることが分かった。11日、AP通信が伝えた。付録に3Dメガネも付いているが、浮き上がって見えるのは中央見開き部分のモデルだけという。プレイボーイ誌の発行部数は2006年の315万部から150万部に激減しており、編集部では3D写真を掲載すことで、若い読者の開拓を目指しているようだ。
民放キー局5社の2010年3月期連結決算は、TBSホールディングスを除く4社の純損益が黒字になった。企業が広告費を削り、厳しい状況が続くが、番組制作費などを抑えて利益を出した。
TBSは01年に連結決算を公表して以来初めて純損益が赤字になった。昨年4月に番組を改編したが、視聴率が低迷して広告収入の減少に拍車をかけた。
前期に開局以来初めて純損益が赤字になったテレビ朝日は30億円の黒字、日本テレビは前期の3倍の黒字だった。いずれも減収だが、番組制作費を削って利益を出した。フジはカタログ大手のセシールなどを子会社にして増収だったが、費用の削減が進まず、純利益は半分に減った。
テレビ局の収入源である広告収入は厳しい。番組と番組の間に流す「スポットCM」は9月以降増えてきたが、企業が特定の番組のスポンサーになってその番組中に流す「タイムCM」は前期より1~2割減った。各社は今後も広告収入は伸び悩むと見ており、TBSと日本テレビは11年3月期の売上高は減収を予想している。
2. 競合施設との差別化を ユナイテッド・シネマ浦和 『映写室ミュージアム』を開設
JR浦和駅前のシネコン「ユナイテッド・シネマ浦和」(さいたま市)に先月、「映写室ミュージアム」がオープンした。配給会社から届いたフィルムが劇場で実際に上映されるまでの仕組みを紹介したビデオや、映写機の部品などが無料で見られる。シネコンはどこも一緒と思われがちだが、プラスアルファのサービスを提供することで差別化を図り、同時に固定ファンをつくろうという狙いだ。 (石原真樹)
同館は商業ビル「浦和パルコ」内に二〇〇七年十月に開業した。六階が劇場入り口、七階が映写室という造り。スタッフが働く様子を見てもらおうと、当初から映写室はガラス張りにしてあった。だが観客がわざわざ入り口を通り越して七階まで足を運ぶことは少なく、せっかくのガラス張りの映写室を有効活用しようとミュージアム構想を立ち上げた。
ミュージアムの目玉は、映画の仕組みや上映されるまでの過程を紹介するビデオ。一作品あたり五~六巻に分かれている配給会社から届くフィルムをスタッフが上映用に一本につなげる「メークアップ」、ミシンに糸を通すようにフィルムを映写機にセットする「レースアップ」など、映写室で日々スタッフが行っている作業を専門用語を交えつつ解説する。「映画のフィルムは『プリント』と呼ばれている」など、豆知識も盛り込まれている。
展示パネルでは、映像や音声がフィルムのどの部分に記録されているかや、劇場の音響設備を図解。35ミリフィルムやIMAX用70ミリフィルム、フィルムに光を当てるキセノンランプなど実物も展示されている。
展示品を眺めていた埼玉県久喜市の梅野賢二さん(32)は「映写室でどんなふうにスタッフが準備しているのかが分かる本やホームページはあまりないので、面白かった。IMAX用のフィルムがこんなに大きいなんて」と話していた。
最新の音響や映像設備にゆったりしたシート、清潔感あふれる場内などで人気を集め、一九九〇年代に激増したシネコン。今や飽和状態を通り越し、シネコンが密集し、客を奪い合う「シネコン激戦区」と呼ばれる地区さえ出現するほどだ。
ユナイテッド・シネマ浦和も近隣にある「MOVIXさいたま」「ワーナー・マイカル・シネマズ 浦和美園」などと競合する。ミュージアムを企画した蒔田隆之・同劇場支配人は「お客さまに『ユナイテッド~』を選んでいただくために、何か付加価値を付けようと思った」と話す。3DテレビやVOD(ビデオ・オン・デマンド)など、シネコン以外のライバルも台頭しており、危機感を抱いているという。
そこで同館が選んだプラスアルファは「学び」だった。映画の仕組みを知ったり、劇場スタッフの仕事ぶりをのぞいたりすることで、単に鑑賞するだけでなく映画の裏側を知る機会を演出しようとの意図だ。団体向けには映写室の中を案内するツアーも企画。映写機を間近に見たり見本用フィルムに触ったりすることができ、地元の子供会などに好評だという。
また、ミュージアム横には「シネマ・ライブラリー」があり、映画の脚本、監督の著書のほか、写真集などアート系書籍や旅行エッセー、小説など“ゆるやかに映画にかかわる書籍”が千冊以上並ぶ。ゆったりと映画の世界を堪能してもらおうと開業当時に作ったものだ。
「一つの映画が何本ものフィルムに分かれて映画館に届くことなど、スタッフにとっては当たり前のことが、一般には知られていない。映画を見に来たお客さまにそれ以上のものを持って帰っていただき、『またユナイテッド~に行きたい』と思ってもらえたら」と蒔田さんは期待を込める。
3. 米男性誌「プレイボーイ」が3Dに
14日に発売される米男性誌「プレイボーイ」6月号に3次元(3D)画像の写真が掲載されていることが分かった。11日、AP通信が伝えた。付録に3Dメガネも付いているが、浮き上がって見えるのは中央見開き部分のモデルだけという。プレイボーイ誌の発行部数は2006年の315万部から150万部に激減しており、編集部では3D写真を掲載すことで、若い読者の開拓を目指しているようだ。