平凡であることの幸せ

人生は光に導かれる旅

☆Life is a journey towards the guiding light

おくりびと おくられびと

2009-01-11 | スピリチュアル

昨秋 観た映画 滝田洋二郎監督 本木雅弘さん主演の映画「おくりびと」が 「第82回キネマ旬報ベスト・テン」や「第30回ヨコハマ映画祭」の第1位に決まりました。

職を失ったチェロ奏者が納棺師の仕事につき 戸惑いや 家族や周囲の偏見に迷いながらも納棺師として 人間として成長していくストーリーなのですが 昨秋 母の一周忌を迎えた私にとっては観ずにはいられない映画でもありました。久石譲 さんの叙情的な音楽も素晴らしかったです。

 久石 譲 - 「おくりびと」オリジナルサウンドトラック  久石 譲 「おくりびと」オリジナルサウンドトラック

本来ならタブーとされているテーマでもあると思いますが、やはり身近な家族の「死」を経験した人であるならば 人間の最期をこれほど丁寧におくりだしてくださる方がいることに 深い感謝を感じるのです。

なので 私もあえて「家族の死」について ここに記しておこうと思います。

37jpg 私にとっての 最初の家族の「死」は 高校生の時に自宅で亡くなった祖母で、人間の死の瞬間というものを生まれて初めて目の当たりにしました。生前祖母が 人は死ぬと土色になるのよ・・。という言葉の通り・・・ 往診してくださった医師から臨終を告げられる直前・・・それまで昏睡状態ながらもアゴで大きく呼吸をしていた祖母の息がだんだんと小さくなり 消えていくように静かになった瞬間・・サーっとまるで血の気がひくように 顔色が黄土色になったので(貧血の人が蒼白になるような感じで色が違う)・・・まるで 祖母が「土色」とはこういうことなのだと、人が「死ぬ」ということを教えてくれたようで 医師に告げられる前に臨終の瞬間わかるのでした・・。

核家族化や医療・福祉の発達(入院・入所など)でこうした人の死を身近に見ることのない子供や大人が増え 「命」の大切さや「死」とはどういうものかを実感する場面がないことが 自殺者や死んでも生き返ると信じている子供が驚くほど多いことにもつながるのではと思うのです。

祖母の臨終後はお医者様がその場で処置をしてくださり、 その後 葬儀屋さんが見えて形ばかりの「末期の水」をとり、清拭後 淡々と納棺、そして白装束を着ているように掛けて 副葬品を添え  頭の天冠(三角巾)に これじゃあ・・・ほんとのおばけみたい・・と ぎょっとしたものでした・・。葬儀も今のように斎場ではなく自宅で行い大変でしたが、葬儀の流れは今とそれほど変わりはありませんでした。 

数年前  チャン・イーモウ 監督、チャン・ツィイー 主演の「初恋のきた道 」という映画を観て深く感動したのですが、このとき 「昔は人が亡くなるとお墓まで「お弔い」の葬列をしてみんなで 「おみおくり」(野辺送り)をしたのよ」 という 子どもの頃「むかしばななし」のように祖母から聞いていた話を思い出し お葬式は死を悼み 死者をていねいに弔い、おくりだすこと。それは亡き人のためばかりではなく、残されたもののためでもあり 「セレモニー」ではないのだと思わずにいられませんでした・・。

6年前の父の死では 病院で亡くなったので 臨終後は家族が立ち入ることなく・・すべて病院がしてくださり 看護師さんが生前のお気に入りの洋服を着せてくださって この時 今は洋服を着るようになったのか・・・とはじめて思ったのでした。自宅に安置後 家族に見守られながら葬儀屋さんと一緒に家族で納棺。白装束や副葬品や生前の愛用品などを添えました。(着せるのではなく)

36 母は自宅で倒れたので  救急車で運ばれてた後、病院から 警察の検死・・・。そして、翌日 そのままの姿で自宅に戻ってきました・・・。(解剖はまぬがれてほっとしましたが 後になって 「Ai Autopsy imaging オートプシー・イメージング)」の知識があればよかったと悔やんでいます・・・) 

葬儀社の方に

湯灌(かん)はどうなさいますか?」

35 と聞かれ 恥ずかしながら初めて「湯かん」という言葉を聞き 説明していただきお願いしました・・。

その日の午後 まだお若い うちの娘位の年頃のかわいらしい女性と 20代後半位の青年の二人が湯灌車でみえ「湯灌の儀式」を行ってくださったのは衝撃的でした。ポータブルのポンプ?を庭に引き込み、ベッド(浴槽)に寝かせ 家族や親族の逆さ水末期の水の儀式の後、大きなタオルをかけ 決して身体を人に見せることなく シャンプー ボディーシャンプー 顔そり マッサージ 爪切り、髪の毛のセット お化粧 などなど 丁寧に静かに そして尊厳に洗い清めてくださり まるでエステティックサロンのようで 母の顔までが気持ちよさそうな表情に見えてくるのでした・・。

そして 生前愛用していた 洋服や物を・・用意してくださいということで 母が大好きだったコーラスの発表会のドレス着せていただき 靴を置いて 納棺後 楽譜、アクセサリー(金属のものは火葬前に取り出して骨壺へ・・)や副葬品などなどを添え  まるでお姫様のようになり ああ・・・お願いしてよかったな・・と まだお若い 礼儀正しい湯灌師のお二人に心から感謝すると同時に 信念や誇りを持ってこのお仕事に携わっていらっしゃるのだろうと尊敬してしまうのでした。また いわゆる偏見に対して後ろめたさを持つことなく そうであってほしいと願わずにいられませんでした。

映画「おくりびと」が評価されたことで 納棺師や湯かん師などの仕事も評価されると良いなと思います。 また 亡くなった人の死因の特定がしっかりできるよう「Ai」(CTやMRIによる 死亡時画像病理診断)の普及も この映画ようにメディアを通じて 広く一般に知らて活用されるようになってほしいです。

49 ただ・・身内の葬儀をして思うことは やはり費用がかかりすぎること。日頃 タブーといわれる話題だけに相場を知らないことや 突然のことで考える余裕もなく 業者さんのいいなりになってしまいがちなので お葬式やお墓のこと 戒名やお布施などのことについても日頃から勉強しておかなければと思いました。故人のため・・・ということはどのようなことか、残されたものにとって大事なことはなにか・・を おくられるがわも おくるがわも どちらも必ずいつかは自分のこととしてしっかりと考えておきたいですね・・。私が母のためにこだわったものは ずっといつまでもお墓で眠る骨壺を九谷焼のピンクの花模様のものを選んだことです・・。色柄ものがあるのも母の時に初めて知り ご年配の方はピンクなんて・・・と思うかしら・・と思ったのですが きっと母は喜んでくれると思いました。またお位牌も 母の好きなワインレッドを選び お仏壇で父の黒塗りのお位牌と仲良く並んで 父もにっこりしていそうです・・。(選ぶ時、父のお位牌もお店にもっていき、大きさを父よりも母を少し小さめにしました) 

38 こんなことが書けるようになったのも 月日の流れなのですが そんなふうに思えるようになったことは 悲しみから両親への感謝の気持ちへと変わってきて いつまでも泣いていないで 残された者が 笑顔で元気でいることがまた両親への供養になると信じて いつも「ありがとう」と心で手をあわせて 生きていきたいと思います。     

*人は誰でもいつか、おくりびと、おくられびと──

   あなたは大切な人を、どう“おくり” ますか?

     そしてどう”おくられたい”ですか?・・・*

 最後になりましたが 映画「おくりびと」で 本木雅弘さん演じる納棺師の父親役で出演なさり 息子に「おくられる」という役だった 俳優の峰岸徹さんがこの映画の封切り後 ご逝去されびっくりしました・・・・。ご冥福をお祈りいたします。

また 第81回米国アカデミー賞の「最優秀外国語映画賞」部門に最終ノミネートされたそうで おめでとうございます!

~追記~ 2009年2月23日

第81回米アカデミー賞で 滝田洋二郎監督「おくりびと」が 最優秀外国語映画賞に選ばれました!56年度に外国語映画賞が設けられて以来、日本作品の受賞は初めてだそうです。おめでとうございます! 


鏡開きにはお汁粉を

2009-01-11 | 行事 暦

Kagamibiraki3

今日 1月11日は鏡開き

今年はお正月からお天気に恵まれ 今日も快晴。

洗濯物やお布団を干したり 日中の家事を終えた後

アツアツのお汁粉を作って 年神様に感謝しつつ

円満で静かな日曜日を過ごしました。

イスラエル軍のガザ侵攻の報道に胸を痛めながら・・。

Kagamibiraki2 丸餅は 焦げ目をつけて香ばしく。

お汁粉というよりおぜんざい風に。

栗の代わりに いちごを乗せて イチゴ大福?みたいにアレンジしちゃいました♪

お口直しの 塩昆布がなかったので お漬物を添えて。紅白梅を愛でながら。。。♪

* 善哉(ぜんざい)。。。。食べ<wbr></wbr>て善き哉(よきかな) ♪ *

樽酒も飲みた~い♪


人日の節句 (七草の節句)は七草粥

2009-01-08 | 日記・エッセイ・コラム

Nanakusa君がため

春の野に出て若菜摘む

わが衣手にゆきはふりつつ    光孝天皇 

今日、1月七日は「人日(じんじつ)の節句」でしたので、Nanakusa0 お正月に疲れた胃を安め、無病息災を祈って スーパーで春の七草のセットを買い求め、土鍋で炊いて、七草粥をいただきました。

芹(せり)、薺(なずな)、ごぎょう(母子草)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな(カブ))、清白(すずしろ(大根)

Nanakusa1 その名の通り、野原で摘んできたような野草の香りがなんともいえず、からだもほっかほかに温まるので寒い冬の夜に受験生のお夜食にしても良いと思います。お粥だけでは足りな~い!!という方には お正月の残りのお餅など入れて 「ちから七草粥!?(笑)」にアレンジしてもいいかも。。。

七日の日の若菜を 六日、人の持て来 騒ぎ・・・ 枕草子 のように 若菜を迎えて 六日の晩に 七草囃子を歌いながら まな板の上で音をたててトントン刻むのも楽しそう♪ 大昔からインフルエンザは唐土からの渡り鳥が運んできたのですね。。。♪ おまじないのコトバは~♪

♪ 唐土の鳥が日本に渡らぬ先に

                 なずな七草そろえて~♪

春の七草の香りを楽しんだあと、三つ葉 梅干し 白いりごま 抹茶塩を少々トッピングぅ~♪

 Nanakusa2_2

お正月に 高校時代からの友人のお母様にいただいた 手作りの大根のお漬物を添えて。 昨年もいただいたのですが 京都のお漬物のように とても上品な味で美味しく、ほんのりとゆずの香りがして 色も綺麗。昨年作り方も教えて頂きましたが 自分で漬けるとこんなに綺麗にできません。。。お漬物って奥が深い。。。

*****大根のお漬物レシピ***** 

Otukemono 大根 5Kg (細いものなら4~5本)

塩  200g

酢  200g

砂糖 700g

タカの爪 2~3本

ゆず   少々

昆布  適量

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今年もよろしくお願い申し上げます

2009-01-06 | インテリア

Sinnen2 慌ただしい年末年始を過ごし、新年を迎えて早くも明日はもう 人日のお節句で、松の内もあけます。今頃のご挨拶になってしまいましたが・・・

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年の9月より blogの更新も止まってしまいましたが、お陰さまで変わりなく 新しい年を迎えることができました。今年も時々の更新となると思いますが、blogは日々の生活の近況報告と自己満足の覚書きのようなものですので 細々と長く続けていけたらいいなと考えております。でもblogを通じて、お友達ができたり 皆さんのblogを拝見させていただいたくことも楽しみで 勉強になることも多いですし コメントのやりとりも楽しい時間ですので これからもよろしくお願いいたします♪  

今年の抱負も 毎年変わらず 家族みんなが元気に過ごせ、平凡で穏やかな生活ができ、些細な日常に感謝の気持ちを持つことです。一昨年より長女も一人暮らしを始め 次女も今春より社会人になるので 小学校から大学までの教育費にもやっと!解放され・・・娘たちも大人になり、子育ても終わりです。 両親も亡くし・・・この春は銀婚式を迎え、私にとっての新しい人生のスタート地点にもなりそうです。(けれど 何の目的もないので きっと何も変わらなそう。。。(笑) 40代で”おばあちゃん”になりたいは続行中ですが!!!まだまだ当分はわんこが”孫”状態の生活が続きそうです。(笑))

まずは・・・ 昨年の秋にさかのぼって 少しずつ記憶を記していくことから始めようカナ。。。(笑)

  Sinnen1

額は牧進「朝日和」複製画

(昨秋 箱根 成川美術館 名匠・牧進「日本美のすべて」展にて購入)

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追記♪

お正月前の クリスマスの飾り。

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アートフレームはピーターモッツ(Peter Motz 1934~2003 オランダ)。「Time to Share

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