リフォーム徒然なるままに Reform turezure naru-mamani

我が家のリフォーム日記です。忘れないように記録していきます。参考になれば幸いです。

ウィンドウズビスタ(フリップ 3D)と受胎告知

2007-08-19 07:25:30 | Weblog
ウフィツィ美術館は圧巻だった。
ルネッサンス期の名作が集められ、そのどれもが素晴らしかった。

ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」・「春」
レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」
ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」
・・・・

ゆっくりと鑑賞するには、1週間は必要ではないかと思うくらいだ。

その中でも、私が注目したのがレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」である。
確か、イタリアに行く前に「世界不思議発見」で、モナリザについての問題があったように記憶している。
なぜ、レオナルド・ダ・ヴィンチがあれほど真に迫る絵を描くことが出来たかについての問題であったと思う?
正解は、当時禁止されていた「解剖」をダ・ヴィンチが行い、彼が人間の骨格、筋肉、目と脳を結んでいる視神経などについて正確につかんでいたからであったと記憶している。
つまり、モナリザについても、彼は骨格を組み立て、その上に筋肉をつけ・・・
というように実に精密に描きあげたことが想像されるのである。

多分、この予備知識がなかったらレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」についても、見過ごしていたかも知れない。
数年前、ルーブルでモナリザを見た時と同じように。

しかし、今回は「受胎告知」を見て、がーんと頭を打たれたような気がした。
その絵のテーマではない。
彼の絵の描き方とそれが及ぼす影響力の大きさについてである。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」については、上記の「受胎告知」をクリックすると検索結果が表示される。
「3」をクリックして少し下へスクロールすると、左側に小さく表示されるので、それを「拡大表示」していただけると、大きく表示される。
(絵そのものの解説は検索した2番目に詳しい)

この絵をご覧いただくと、右側に「聖母マリア」が描かれている。
その右手の指先が「聖書?」に触れているのがお分かりいただけるだろう。
びっくりしたのは、この「聖書」だ!

私は驚いて、この「聖書」から20~30cmの至近距離でじっくりと見据えてしまった。
たぶん、これは実物を見ないと分からないと思うが、それでもよく見ると何となく分かると思う。

いったい何に驚いたのか?
ヒントは、今回のタイトル「ウィンドウズビスタと受胎告知」にある。

この「聖書」実は、本の各ページが透明なのだ。
つまり、各ページが透けて見える。
分かりやすく説明すると、各ページは現代のクリアファイルのように、各ページがぱらぱらとめくれている様子(重なっている様子)が、透視して見えるのである。
そして、「聖書」全体としては、各ページが一体となった「本」としての体裁を保っている。

この時代にはクリアファイルはないはずである。
ガラスはあるが。
しかし、重なっているはずの各ページが透明なので、見通すことができる。

レオナルド・ダ・ヴィンチが本まで「解剖学」的に見ていることにびっくりした。
と、同時に「これ、ウィンドウズビスタと同じじゃない」と二度びっくり。

「ウィンドウズビスタ」は、「Windows Aero」インターフェイスを採用し、見た目と使い勝手が大きく進化したと謳っている。
特に、複数のウィンドウの切り替えが「Windows フリップ 3D」で、Windowsキー + Tabキーで立体的に回転しながら表示できる。
このとき、各画面は少しずつずれていて、上の画面から下の画面まで「見通すこと」ができるようになっている。
したがって、全体をすばやく検索し、目的の画面を表示させることができる。
今まで、いちいちタスクバーをクリックして、さらにその中から目的のウィンドウを探していたのとは使い勝手がまったく違う。
(この操作は、親切なヤマダ電機の店員に教わった。私はまだXPである)

そう、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」の「聖書」の描き方と「ウィンドウズビスタ」の「Windows フリップ 3D」が瓜二つなのである。

これから先は、あくまでも私の想像である。

マイクロソフトの技術者は、この絵を見てひらめいたのではないか。
もし、本の各ページが「透視」でき、見えたとしたら目的のページをすばやく検索できる!
それを、Windowsで実現できないか?
そして、実現した。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」というルネサンスの天才と、「マイクロソフト」という現代の天才。
ダ・ヴィンチは、天才であったから、私のような「凡人」には見ることのできない「各ページ」がそれこそ「透視」のように見ることができたに違いない。
そして、どのページに何が書いてあるかもわかっていたに違いない。

「マイクロソフト」は私のような「凡人」にも「ダ・ヴィンチ」並に内容を「透視」できるよう、新しいツール「ビスタ」を準備してくれた。
そして、新しいOSをイタリア語の“展望”を意味する「Vista」と名づけた。
さらに、「未来の“眺望”を呈示する」という意味で最新OSを「WindowsVista」と名づけた。

確かに、現代文明の基礎は、ルネサンスにあった。

その時代の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチのすごさに驚くとともに、そうした天才たちを支援してきたメディチ家の財力とその富の遣い方のすごさ、そして、その成果が現代文明の基礎となっていることをこの目と体、そして心を通して実感することができた。

しかし、レオナルド・ダ・ヴィンチも、ローマの彫刻を見ていたはずである。
フォロ・ロマーノを見ていたはずである。
コロセウムを見ていたはずである。

人間に対する鋭い洞察と叡智。
そして、ローマ時代からの素晴らしい彫刻や建築物などの表現。
その基礎の上に、レオナルド・ダ・ヴィンチも立っている。

イタリアはすごい!