丸森町から! 一條己(おさむ)のほっとする丸森

15頭の乳牛と田に30羽の合鴨。畑に特産ヤーコンを作っています。訪れるだけで「ほっとする町」丸森町の様子をつづります。

町村監査委員全国研修会の講演(一人目)『町監査委員の使命と実務~職員と組織をまもるために』

2022-10-30 13:05:03 | 日記

 

令和4年10月26日・27日町村監査委員全国研修会(渋谷公会堂)に行ってきました。過去2度は中止になり動画での研修でした。

3人の講師が90分ずつで、行政職員と2名の公認会計士の講義でした。

一番最初の地方会計技術者・福岡市職員馬場伸一さんは『町監査委員の使命と実務~職員と組織をまもるために』について

最初の話が、監査事務局職員が監査委員より少ないマンパワー不足(丸森町は1人)。監査委員でも専門家ではないし報酬が少ない。愛する郷土のために汗をかいてください。

 

1、小規模自治体での着服などの不祥事の背景。

・特定の1人に任せっぱなしがほとんど

・大して複雑な隠ぺい工作をしているわけではなく、発覚してから「なんであの程度のことが分からなかったのか」と悔やむことが多い。

・もともと人間関係が濃密で「よく知っている間柄」なので遠慮が発生する。

職責として「嫌事」を突っつく監査の役割が大事。

 

2、新人職員の誤給付・振込、町役場全体でマンパワーが足りてない。「これ以上減らしようがない職員数」

・人口が少ないので、業務量は少ない。

・しかし、仕事の間口は大きな市とあまり変わらない。多くの種類の仕事を少ない職員でこなさないといけない。

・しかも人口が少ないので「何年かに1回」しか扱わない事務がザラ。結果いつも慣れない仕事ばかりすることになる。専門的なことが弱点。県で補うようになれば良いのだが。

・小規模自治体職員は皆さん、「スーパーユーテイリテイ・プレイヤー」

・そのうえ電子化に後れを取った自治体では押し寄せる事務で「業務崩壊」状態も(特に学校現場)

 

3、平成6年には5人でしていた仕事を今は4人で。「同じ仕事」を1700市町村がバラバラに実施する非効率とリスク。

・A町の4630万円誤給付の給付金も本来は「全国一律」の業務。

・国が直接、一斉にやればそもそもこんな事故は起こらなかった。

・1億2千万人のデータを扱うことは現在では技術的には容易。

・国や広域でできることはIT化して国や県でやってもらうべき。

そうしないと町村はまわらない。

 

4、監査で見つけることのメリット。

・町が自らの主体性で対処できるので、キズが浅くて済む。

・町のペースで処理できるので、パニックにならない。

町の自浄能力が高まる。

監査はみんなが安心して仕事をするためにあります。

 

5、地域最大の経済主体は役場。そのために、監査がチェック

・地域の最大の事業発注者であり、地域最大の職員の雇用主でもある。

地域内で最強最大の責任者。

・「地域内再投資主体」としての町村役場。役場の歳出額が、町内のGDPの4割を超えている。(岡田知弘「地域づくりの経済学入門」より)

・財政難の今日だからこそ、地域内投資主体としての自治体は賢明な支出をすることが求められています。

・多額の財政(地方交付税等)が地域経済に果たす地域の雇用と経済の期間を維持する役割は極めて大きい。

・外から送られてきた、貴重な財源を、無駄に使っていたのでは地域の明日はない。「地域内のお金の循環を考えなければならない。」

 

 6,隠ぺいができない時代。監査チェツクで職員を不祥事等のリスクから守る。

・隠ぺいすると傷口が広がる。法令順守の意識を徹底させる。

・前例踏襲は、実はかなり危険。前任者の事務処理が間違っておることはかなり多い。

・休まない職員は要注意

・1人だけで仕事をさせない。

・同じ職員に同じ仕事を長くさせない。

・職員の任意団体の経理も要注意。

 

7,指摘は仕事をよくするための手段

・指摘をしないと何も変わらないのは事実。

・監査の機能。指摘することで問題が公知のものとなり、課題に代わります。

・役場で本気で取り組んで解決しない問題はめったにありません。

・指摘は診断。適切な治療を行うための手段です。

・指摘すべき事実が把握できなければ、何も指摘しない医勇気も必要です。

 

監査事務局の経験者の講演でした。


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