東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫
ご回答
弊社福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所における事故(以下、「本件事故」といいます。)により、みなさまに大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、改めて心より深くお詫び申し上げます。
弊社といたしましては、非難されている方々の一日も早いご帰宅を実現するとともに、国民のみなさまが安心して生活していただけるよう、引き続き、発電所の安定状態の維持等に全力で取り組んでまいります。また、原子力損害賠償支援機構法を含む原子力損害賠償制度の枠組みの下で、被害を受けられた方々への迅速かつ公平な賠償金のお支払いに今後も取り組んでまいります。 さて、5月7日付にて賜りました「東京電力福島第一原子力発電所事故
に伴う損害賠償に関する要求書」につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。
記
<ご要望事項1>
精神的な損害賠償金額については、福島県23市町村と同様の金額とされることを強く求める。
<回答>
原子力損害賠償紛争審議会においては、自主的避難等に係る賠償に関するさまざまなご審議が行われ、対象地域選定の考え方として、原子力発電所からの距離、非難等対象区域との近接性、政府や地方公共団体から公表された放射線量に関する情報、自主避難の状況(自主避難者の多寡など)等の要素を総合的に勘案した結果、中間指針追補に福島県内の23市町村が自主的避難等対象区域として示されました。弊社といたしましては、この中間指針追補を踏まえ、自主避難等に係る損害について賠償させていただいております。
一方、宮城県丸森町様につきましては、この中間指針追補の対象区域に含まれてはおりませんが、上述の対象選定の考え方や福島県にいりこんだ地形であることを踏まえつつ、子供および妊婦の方が放射線への感受性が高い可能性があることが一般的に認識されていることなどを総合的に勘案し、弊社といたしましては、妊婦・子供の方々(自主避難されていらっしゃらない場合も含みます)にお一人あたり20万円を賠償させていただきたいと考えております。
このたび丸森町議会のみなさまからのご要望を真摯にお伺いし、お気持ちをしっかりと受け止めて、弊社といたしまして、放射線量に関する状況(他市町村との比較を含む)だけではなく、上述の通り様々な要素を総合的に勘案し、再度検討させていただきました結果、やはり先日ご回答させて頂きました内容が最大限のものと考えております。何卒、格別のごりかいをたまわりますよう、重ねてお願い申し上げます。
<ご要望事項2>
丸森町は、国・県及び東京電力が何らの処置を施さないため、町独自で住民の健康調査を行っており、今後も継続することになる。将来にわたり町の負担が掛らないよう東京電力がその責を負うことを強く求める。
<回答>
弊社といたしましては、本件事故と相当因果関係が認められる損害につきまして、適切に賠償させていただきますが、本件事故発生時に丸森町にお住まいだった方の健康調査の賠償につきましては、今後、ご事情をよくお伺いさせていただき、対応について検討してまいります。
<ご要望3>
丸森町・丸森町民から生産された農林水産物および商工観光業での直接被害や風評被害に対する損害賠償請求には、福島県と格差のない誠実かつ迅速な対応を強く求める。
<回答>
現在、丸森町さまの農林水産物および商工観光業に生じたご被害につきまして、鋭意、ご協議をさせていただいておりますが、引き続き、誠心誠意ご対応させていただきたいと考えております。
弊社といたしましては、中間指針において類型化されなかった損害についても、ご事情をよくお伺いし、本件事故と相当因果関係が認められる損害につきましては、適切に賠償させていただきます。
以上
町長はこの回答を受けて回答すると言ってましたので
どのような回答をするのか議会で聞くことにしました。
魚介類には農産物がそうであるように、独自の移行係数が存在するそうです。
下図にその魚介類の移行係数をみます。魚介類の場合は、農産物と違って「濃縮係数」という概念を使うようです。
これは海水に1bqの放射性物質があるとして、それを何倍に濃縮してしまうのかを調べたものです。
●魚介類の放射性セシウムの濃縮係数(単位・倍)
・緑藻類 ・・・16倍
・棘皮類・ウニ、ヒトデなど ・・・11
・甲殻類・カニ、エビなど ・・・9.7
・貝類・二枚貝 ・・・12
・頭足類・イカ、タコなど ・・・8.9
・原索類・ホヤなど ・・・3.0
・魚類 ・・・46
これを見ると、魚類の濃縮係数が高いことがわかります。セシウムは、藻類⇒棘皮類⇒甲殻類⇒貝⇒頭足類⇒原索類⇒魚類という移行を通して濃縮しています。
また、生態系における濃縮係数には別なデータも存在しています。
魚介類の放射性物質の濃縮係数(「勝川俊雄 「日本の魚は大丈夫か」による)
生態系におけるセシウムの濃縮係数(同 IAEAによる)
これを見ると、食物連鎖の階段を登るにしたがって、イカ、タコを除き体内濃縮が進むことが分かります。
今すぐではありません。何年もかかってそうなるようです。
測定の結果、岩手や宮城は汚染されてないそうです。
風向きと同じで、海流の関係なんでしょうね。