また北海道の大学から支援の牧草が来ました。22日も1台来る予定です
今まではラッピングされてたので草の匂いは甘酸っぱいものでしたが
今回は一番草の乾草です。乾草はチモシーです
なんだかうれしい気分になりました
これが『草原のにおい』・・・
昨日は酪農学園の4年生菊地正俊さんの息子さんも来ていました
体のおおきい、かっこいい青年がごぶさたしてますと寄ってきたのですが
自宅の牧草収穫の応援に来たのでしょうか
彼と私の長男賢治はカトリック幼稚園から一緒でした。
息子もそうですがずいぶん大きくなったものです
大学4年生新しいステップの歳です
輝いていました
話はかわりますが
農水省の飯館村での実験概要がわかってきました。http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110914-09.pdf
まずは、農水省が中心的除染技術と位置づけた「削り取り」の部分を紹介します。
なるほどと思わせるのは、最初の工程でいきなり表土の削り取りをするのではなく、「砕土」を入れていることです。
➊セシウムの浸透層はおおよそ地表から5㎝ていどまでであって、深く浸透するものではないが、土質にも左右される。 ➋水溶性ではない。(当初は水溶性という説もあり、私自身迷っていました。) ➌粘土と結着する。 農水省の飯館村などの除染実験は、遅すぎるじゃないかこのグズとか言いたいことは山ほどありますが、今まで私たち農業者が「被爆地」現場での乏しいデータで経験的に考えてきたことを裏付けるものにもなりました。http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110914-09.pdf そのひとつがセシウムの浸透特性についての認識です。 この実験報告書はこのように明解に言い切っています。 ■1) 「放射性セシウム(134Cs、137Cs の合計)は、耕起していない農地土壌の表面から2.5㎝の深さに95%が存在」 ここが、第1のポイントです。今まで地表面から何㎝まで沈下しているのかが定かではありませんでした。 地表面からの浸透の深さを知りたいのは、削り取るにしても、深耕ロータリーをかけるにしても、その除去する深さがわからないことには困ってしまいます。 そこで、原子力資料情報室(CNIC)の資料を基にして、50㎝まで反転すれば大丈夫だろうという認識でした。 この実験レポートで2.5㎝まで95%存在するという結果が分かりました。地表面からごく浅い深さを反転させればいいということが再認識されました。 ロータリーの深さ50㎝は、清浄層との撹拌という深耕法ならば、間違いではありませんが、削り取りならば3㎝~5㎝で充分だと思われます。 飯館の 水田の削り取り実験では、4㎝と設定しています。 ■2) 「放射性セシウムは農地土壌中の粘土粒子等と強く結合しており、容易に水に溶出しない。一方、ため池や用水等、水の汚染は軽微」(下図参照)。 セシウムが水溶性かどうかは、農業用水や山林から出てくる水、あるいは溜め池や川、湖の汚染の問題とも絡まって結論が得られていませんでした。 放射性物質は、田畑にも、民家の庭や道路、山林にも等しく降下しました。しかし、その場所によってかなり「その後」が違うのがわかってきました。 ・民家の庭・・・芝や立ち木(特に根元部分)、雨樋下などに高線量の可能性がある。 ・道路・・・・・・・舗装道路は速やかに洗い流されるが、路側や下水溝は放射性物質が集まりやすい。 ・校庭、公園・・芝や立ち木がある場合はそこに溜まる傾向があるが、土の場合は田畑と同じ。 ・田畑・・・・・・・土質によっても違うが、一般的に表土下2~5㎝以内に溜まる。 ・山林・・・・・・・樹の根周辺や枯れ葉に溜まる。高線量の可能性がある。 ・農業用水、溜め池、川、湖などの水系・・・不明。 水系のみが分からなかったのです福島県の独自の水系調査ではすべて検出限界以下でした。 3月12日の水素爆発後の北西への風が水源地帯を覆っていたために、おそらくは水源汚染もありえる覚悟をしていました。 下の計測データを見れば、その心配は氷解します。 飯館村での計測でもすべてND(検出限界以下)です。よかった・・・。ほんとうによかった。これで復興が近づきました。 水が汚染されていると、山林という高線量地帯からのセシウムの流出を考えなければならなくなり、農用水-田んぼ-ため池-小川-河川-湖などの水系全体の浄化が必要となってくるからです。 第一、おおもとの水源から止めどなく放射能が流れて来られると、実際に手の打ちようがないないのです。 ■3) 「放射性セシウムは粘土やシルトなど細かい土粒子に多く結合している。」 今まで畑や田んぼに長年かけて作ってきた団粒構造が、セシウム除去にとっても有効であることが分かりました。 「団粒構造」とは、一般には聞き慣れない言葉ですが、土の三相がほどよくからみあった地質のことです。 土の三相とは、水の通り道である液相、空気をよく通す気相、そして良質な粘土による固相が、おおよそ4・:3・:3となっている土のことです。 ほどよく排水と保水をし、常に新鮮な空気を取り入れ、しっかりと結びついた粘土が作物に栄養を与えます。 このような土地は、いわゆるフカフカの土地です。ほんとうに軽く畑で飛ぶとフカッと大地が私たちを受け止めてくれます。 水も空気もよく入っていますから、微生物も多く住み着き、いっそう豊かな土にしていってくれています。 この微生物が大活躍する腐植という現象も、おそらくはセシウム退治に大きくかかわっているのではないかと思われていますが、今の段階では実証データがありません。 私たちはこれをいわゆる「土作り」として長年行ってきましたが、この効果はなんと放射能対策においても有効なのではないかということが実証されつつあります。 これは単にゼオライトを沢山入れればいいのだ、という近視眼的な考えではなくく、もう一回土作りの原点に立ち返って放射能対策を考え直すのも意義あることだと思います。
*シルト(silt)とは砂より小さく粘土より粗い砕屑物のこと。(Wikipedia)