日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1115)「両立的選言」と「ド・モルガンの法則」と「実質含意のパラドクス」。

2022-06-10 14:55:28 | 論理

(01)
U={太郎、花子、トム、エマ}
とする。
従って、
(01)により、
(02)
① 花子ではない。
② 太郎であるか、トムであるか、または、エマである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
太郎=日本人の男子
花子=日本人の女子
トム=外国人の男子
エマ=外国人の女子
とする。
然るに、
(04)
 P& Q=日本人であって、男子である。
 P&~Q=日本人であって、女子である。
~P& Q=外国人であって、男子である。
~P&~Q=外国人であって、女子である。
とする。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 花子ではない。
② 太郎であるか、トムであるか、または、エマである。
に於いて、
①=② である。
といふことは、
① ~(P&~Q)
②  (P& Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(06)
② ~P∨Q
といふ「論理式」は、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)
然るに、
(06)により、
(08)
② ~P∨Q
といふ「論理式」が、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味」である。
といふことは、
② ~P∨Q
に於ける、
②   P が「偽」であって、
② ~P が「真」である場合は、
②  Q の「真・偽」に拘はらず、
② ~P∨ Q
は、「恒に真」である。
といふことである。
然るに、
(09)
② ~P が「真」である場合は、
②  Q の「真・偽」に拘はらず、
② ~P∨ Q
は、「恒に真」である。
といふことは、
② ~P├ ~P∨Q
といふ「連式」が「妥当」である。
といふことである。
然るに、
(09)により、
(10)
② ~P├ ~P∨Q
といふ「連式」が「妥当」である。
といふことは、
1(1)~P   A
1(2)~P∨Q 1∨I
といふ「推論(選言導入の規則)」が「妥当」である。
といふことである。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
② ~P∨Q
といふ「論理式」は、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味(両立的選言)」である。
とすることによって、「ド・モルガンの法則」が成立し、尚且つ、「選言導入の規則」が「妥当」となる。
従って、
(11)により、
(12)
「両立的選言」と、「ド・モルガンの法則」と、「選言導入の規則」は、
「3つ」で、「1つ」である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1  (1) ~P      A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I(選言導入の規則)
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  26&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
(ⅱ)
1  (1)     Q   A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I(選言導入の規則)
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  26&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
従って、
(12)(13)により、
(14)
「両立的選言」と、「ド・モルガンの法則」と、「選言導入の規則」は、
「3つ」で、「1つ」であるが故に、
① ~P├ P→Q
②   Q├ P→Q
といふ「連式」は、「妥当」となる(実質含意のパラドクス)。
従って、
(14)により、
(15)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は西から昇る。
として、
Pが「偽」であるならば、
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題」は、「真」であって、
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は東から昇る。
として、
Qが「真」であるならば、
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」は、「真」である。
然るに、
(16)
(17)
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
① P=バカボンのパパは天才である。
② P=バカボンのパパは天才である。
といふ「命題」が「偽」であるとすれば、
① 太陽は西から昇り、尚且つ、
② 太陽は東から昇る。
といふことは、無い。
然るに、
(18)
1  (1) ~P& P   A
1  (2) ~P      1&E
1  (3) ~P∨ Q   2∨I
1  (4)~(P&~Q)  3ド・モルガンの法則
 5 (5)  P      A
 56(7)  P&~Q   56&I
156(8)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  47&I
15 (9)   ~~Q   68DN
15 (ア)     Q   9DN
1  (イ)  P→ Q   5アCP
1  (ウ)  P      1&E
1  (エ)     Q   イウMPP
   (オ)(~P&P)→Q 1エCP
従って、
(18)により、
(19)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は西から昇る。
であるとして、
③(~P&P)→Q=(バカボンのパパが天才でなくて天才である)ならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題(爆発則)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(20)
1(1)  ~P&P  A
 (2)~(~P&P) 11RAA(背理法)
 (3)  P∨~P  2ド・モルガンの法則
従って、
(18)(20)により、
(21)
「矛盾(~P&P)」を「仮定」すると、
「背理法(RAA)」によって、「否定」され、その「結果」として、 「ド・モルガンの法則」により、「P∨~P(排中律)」が「導出」されるため、
1  (1) ~P& P   A
1  (2) ~P      1&E
1  (3) ~P∨ Q   2∨I
1  (4)~(P&~Q)  3ド・モルガンの法則
 5 (5)  P      A
 56(7)  P&~Q   56&I
156(8)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  47&I
15 (9)   ~~Q   68DN
15 (ア)     Q   9DN
1  (イ)  P→ Q   5アCP
1  (ウ)  P      1&E
1  (エ)     Q   イウMPP
   (オ)(~P&P)→Q 1エCP
といふ「計算」は、成立しない。
従って、
(18)~(21)により、
(22)
③(~P&P)→Q
④(P∨~P)
に於いて、すなはち、
③ 爆発律
④ 排中律
に於いて、
③と④ は、「両立」しない。
従って、
(17)(19)(22)により、
(23)
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
① P=バカボンのパパは天才である。
② P=バカボンのパパは天才である。
といふ「命題」が「偽」であるとすれば、
① 太陽は西から昇り、尚且つ、
② 太陽は東から昇る。
といふことは、無いし、
③(~P&P)→Q=(バカボンのパパが天才でなくて天才である)ならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題(爆発則)」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことも、無い。
従って、
(23)により、
(24)
「実質含意のパラドクス」と呼ばれるものは、
実際には、「パラドクス」ではない。