日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1116)「これって、演繹定理かな?」(Ⅱ)

2022-06-11 19:25:13 | 論理

(01)
「・・・という仮定が与えられたならば、・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。
このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、
断定記号(assertion-sign)とよばれる記号,
 ├
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、16頁)
然るに、
(02)
① 真,真,真├ B
② ├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
① ならば、そのときに限って、② である。
とする。
然るに、
(03)
② ├ 真→(真→(真→))
であれば、
② ├ 真→(真→
であって、
② ├ 真→(真→
であれば、
② ├ 真→
であって、
② ├ 真→
であれば、
② ├
である。
然るに、
(04)
② ├ 真→(真→(真→))
であれば、
② ├ 真→(真→
であって、
② ├ 真→(真→
であれば、
② ├ 真→
であって、
② ├ 真→
であれば、
② ├
である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 真,真,真├ B
② ├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
② の「真・偽」は、
② B の「真・偽」に、「等しい」。
然るに、
(01)により、
(06)
├ は、「断定記号(assertion-sign)」であるため、「定義」により、
① 真,真,真├ 偽
ではなく、「恒に」、
① 真,真,真├
である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
① 真,真,真├ B
②├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
① ならば、そのときに限って、② である。
とするならば、「必然的」に、
① 真,真,真├
②├ 真→(真→(真→))
でなければ、ならない。
然るに、
(08)
1  (1)(B→C)               仮定により真。
 2 (2)(A→B)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
 23(4)   B                23肯定肯定式
123(5)   C                14肯定肯定式
12 (6)             (A→C)  35条件的証明
1  (7)       (A→B)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(B→C)→((A→B)→(A→C)) 17条件的証明
従って、
(01)(07)(08)により、
(09)
①(B→C),(A→B),A├ C
②├(B→C)→((A→B)→(A→C))
といふ「定理」は、
① 真,真,真├
②├ 真→(真→(真→))
といふ「条件」を満たすところの、『具体例』である。
然るに、
(10)
大西先生、


といふ、「ヒルベルト式の証明」を称して曰く、
公理による証明)かなり難しい作業なので、こういふ風に、難しいんだといふことだけを、分かっておいて下さい
然るに、
(11)
(1)
1  (1)(B→C)               仮定により真。
 2 (2)(A→B)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
 23(4)   B                23肯定肯定式
123(5)   C                14肯定肯定式
12 (6)             (A→C)  35条件的証明
1  (7)       (A→B)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(B→C)→((A→B)→(A→C)) 17条件的証明
(2)
1  (1)(A→(B→C))           仮定により真。
 2 (2) A                  仮定により真。
  3(3)    B               仮定により真。
12 (4)    B→C             12肯定肯定式
123(5)      C             34肯定肯定式
1 3(6)    A→C             25条件的証明
1  (7)           B→(A→C)  36条件的証明
   (8)(A→(B→C))→(B→(A→C)) 17条件的証明
(3)
1  (1)(A→B)               
 2 (2)(B→C)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
1 3(4)   B                13肯定肯定式
123(5)   C                24肯定肯定式
12 (6)              A→C   35条件的証明
1  (7)       (B→C)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(A→B)→((B→C)→(A→C)) 17条件的証明
といふ『証明』は、「極めて、簡単」である。
cf.


従って、
(10)(11)により、
(12)
『自然演繹の証明』は「簡単」であって、『ヒルベルト式の(公理代入による)証明』は「かなり難しい」。