日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1323)「象の鼻が長い」の「述語論理」。

2024-02-25 12:47:14 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
であるならば、
① 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない
② 耳に関しては、兎の耳は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くはない
③ 顏に関しては、馬の顔は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くはない
といふ「命題」は「真」である。
然るに、
(02)
① 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない
② 耳に関しては、兎の耳は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くはない
③ 顏に関しては、馬の顔は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くはない
といふことは、要するに、
① 鼻は象長い。
② 耳は兎長い。
③ 顔は馬長い。
といふ、ことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「番号」を付け替へるとして、
① 鼻は象長い。
② 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
といふ「3つの集合」ではなく
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
といふ「1つの集合」だけに「注目」するならば、
① 象の鼻長い。
② 象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①{象、兎、馬}
といふ「集合」の、
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
といふ「部分集合」に「注目」すれば、
① 象の鼻長い。
といふことになり、
①{象、兎、馬}
といふ「集合」の、
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
といふ「部分集合」に「注目」すれば、
② 鼻は象長い。
といふことになる。
従って、
(06)
① 象の鼻長い。
② 鼻は象長い。
といふ「日本語」は、「命題」としては、両方とも、
③ 象の鼻は長く、象の鼻以外(兎の鼻、馬の鼻)は長くない。
といふ「意味」になる。
然るに、
(07)
① ∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
といふ「述語論理」の「読み方(意味)」は、
① すべてのyとあるxについて{(xが象であって、yがxの鼻である)ならば、yは長く、(xが象でなくて、yがxの鼻である)ならば、yは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。
となるものの、この場合は、「語順が異なる」だけで、「真理値」からすれば、
①=② である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 象の鼻長い。
② 鼻は象長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(09)
1       (1)∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y} A
1       (2)  ∃x{(象x&鼻bx)→長b&(~象x&鼻bx)→~長b} 1UE
 3      (3)     (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b  A)
 3      (4)                 (~象a&鼻ba)→~長b  3&E
  5     (5)  ∀x{(兎x→~象x)&∃y(鼻yx)}          A
  5     (6)     (兎a→~象a)&∃y(鼻ya)           5UE
  5     (7)      兎a→~象a                    6&E
  5     (8)              ∃y(鼻ya)           6&E
   9    (9)                 鼻ba            A
    ア   (ア)      兎a                        A
  5 ア   (イ)         ~象a                    7アMPP
  59ア   (ウ)         ~象a&鼻ba                9イ&I
 359ア   (エ)                           ~長b  4ウMPP
 359ア   (オ)                 鼻ba&~長b        9エ&I
 359ア   (カ)              ∃y(鼻ya&~長b)       オEI
 35 ア   (キ)              ∃y(鼻ya&~長b)       89カEE
35     (ク)           兎a→∃y(鼻ya&~長b)       アキCP
1 5     (ケ)           兎a→∃y(鼻ya&~長b)       23クEE
     コ  (コ)        ∃x{兎x&∀y(鼻yx→ 長y)}      A
      サ (サ)           兎a&∀y(鼻ya→ 長y)       A
      サ (シ)           兎a                   サ&E
      サ (ス)              ∀y(鼻ya→ 長y)       サ&E
      サ (セ)                 鼻ba→ 長b        スUE
1 5   サ (ソ)              ∃y(鼻ya&~長b)       ケシMPP
       タ(タ)                 鼻ba&~長b        A
       タ(チ)                 鼻ba            タ&E
       タ(ツ)                     ~長b        タ&E
      サタ(テ)                      長b        セチMPP
      サタ(ト)                  ~長b&長b        ツテ&I
1 5   サ (ナ)                  ~長b&長b        ソタトEE
1 5  コ  (ニ)                  ~長b&長b        コサナEE
1 5     (ヌ)        ~∃x{兎x&∀y(鼻yx→長y)}      コニRAA
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ)∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。然るに、
(ⅱ)  ∀x{(兎x→~象x)&∃y(鼻yx)}。従って、
(ⅲ) ~∃x{ 兎x&∀y(鼻yx→長y)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのyとあるxについて{(xが象であって、yがxの鼻である)ならば、yは長く、(xが象でなくて、yがxの鼻である)ならば、yは長くない}。然るに、
(ⅱ)    すべてのxについて{(xが兎であるならば、xは象ではなく)、あるyは(xの鼻である)}。従って、
(ⅲ)         あるxが{ 兎であって、すべてのyについて、(yがxの鼻ならば、yは長い)}といふことはない
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)象の鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻が長い、といふことはない
といふ『推論』は、「妥当」である。
従って、
(07)~(10)により、
(11)
(ⅰ)鼻は象長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻が長い、といふことはない
といふ『推論』、「妥当」である。