日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(679)「パースの法則の証明」と「二重否定」と「直観主義論理の謎」。

2020-07-05 10:30:41 | 論理

(01)
多くの古典論理の恒真式は直観主義論理には証明できない。排中律 P∨~Pだけでなく、二重否定除去 ~~P→P や、
パースの法則 ((P→Q)→P)→P などがその例である。
(ウィキペディア)
然るに、
(02)
「真理値表(Truth table)」により、
①((真→真)→真)→真
②((真→偽)→真)→真
③((偽→真)→偽)→偽
④((偽→偽)→偽)→偽
に於いて、
① は「真」であり、
② も「真」であり、
③ も「真」であり、
④ も「真」である。
cf.
「恒真式(トートロジー)」。
従って、
(02)により、
(03)
①((P→真)→P)→P
②((P→偽)→P)→P
に於いて、
① は「真」であり、
② も「真」である。
従って、
(01)(03)により、
(04)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、
①((Pならば、Qであらうとなからうと)Pなので)Pである。
といふことに、他ならない。
従って、
(05)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
①((Pならば、Qであらうと、なからうと)Pなので)Pである。
といふ「パースの法則」は、「当り前」のことを、述べてゐるに過ぎない。
然るに、
(06)
「真理値表(Truth table)」によらず、
「命題計算(propositional calculus)」によって、例へば、
「P→P(PならばPである)」といふ「同一律」が「恒真式(トートロジー)」である。
といふことを示したいのであれば、、
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
に於ける、
 (2)P→P 11CP
のやうに、
 (#)結論  ##CP
を得た際に、
 (#)の「左側」が「空欄」であるやうに、すれば良い。
然るに、
(07)
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
  7 (7)~(~P∨Q)     A
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則
  7 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
①   P→P
②((P→Q)→P)→P
に於いて、
①「同一律」は、  「恒真式(トートロジー)」であって、
②「パースの法則」も「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(09)
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
  7 (7)~(~P∨Q)     A
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則
  7 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
に於いて、
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則
用ひない場合は、「数学の定理の証明の過程で、他の定理を、証明する」やうなものなので、その分、「証明(10)」のやうに、「証明長くなる」。
(10)
1          (1)  (P→ Q)→P     A
 2         (2)  ~P∨ Q        A
  3        (3)   P&~Q        A
   4       (4)  ~P           A
  3        (5)   P           3&E
  34       (6)  ~P&~P        45&I
   4       (7) ~(P&~Q)       36RAA
    8      (8)      Q        A
  3        (9)     ~Q        3&E
  3 8      (ア)   Q&~Q        89&I
    8      (イ) ~(P&~Q)       3アRAA
 2         (ウ) ~(P&~Q)       2478イ∨EI
     エ     (エ)   P           A
      オ    (オ)     ~Q        A
     エオ    (カ)   P&~Q        エオ&I
 2   エオ    (キ)~(P&~Q)&(P&~Q) ウカ&I
 2   エ     (ク)    ~~Q        オキRAA
 2   エ     (ケ)      Q        クDN
 2         (コ)   P→ Q        エケCP
12         (サ)          P    1コMPP
1          (シ)  (~P∨Q)→ P    23CP
       ス   (ス)  (~P∨Q)&~P    A
       ス   (セ)  (~P∨Q)       ス&E
1      ス   (ソ)          P    シセMPP
       ス   (タ)         ~P    ス&E
1      ス   (チ)       P&~P    ソタ&I
1          (ツ)        ~~P    シチRAA
1          (テ)          P    ツDN
1          (ト)  ~(~P∨Q)∨P    テ∨I
        ナ  (ナ)  ~(~P∨Q)      A
         ニ (ニ)    ~P         A
         ニ (ヌ)    ~P∨Q       二∨I 
        ナ二 (ネ)~(~P∨Q)&(~P&Q) ナニ&I
        ナ  (ノ)   ~~P         二RAA
        ナ  (ハ)     P         ノDN
          マ(マ)          P    A
1          (ヤ)          P    トナハママ∨I
           (イ)((P→Q)→P)→P    1ヤCP
然るに、
(10)により、
(11)
           (イ)((P→Q)→P)→P    1ヤCP
といふ「結論(パースの法則)」を得る「過程」で、
 2   エ     (ク)    ~~Q        オキRAA
 2   エ     (ケ)      Q        クDN
1          (ツ)        ~~P    シチRAA
1          (テ)          P    ツDN
        ナ  (ノ)   ~~P         二RAA
        ナ  (ハ)     P         ノDN
といふ「具合」に、「計3回、DN(二重否定除去)」を用ひてゐる。
然るに、
(01)により、
(12)
もう一度、確認すると、
直観主義論理では、「二重否定除去 ~~P→P」や、「パースの法則 ((P→Q)→P)→P」などが「証明」出来ない
従って、
(11)(12)により、
(13)
           (イ)((P→Q)→P)→P    1ヤCP
といふ「結論(パースの法則)」を得る「過程」で、
 2   エ     (ク)    ~~Q        オキRAA
 2   エ     (ケ)      Q        クDN
1          (ツ)        ~~P    シチRAA
1          (テ)          P    ツDN
        ナ  (ノ)   ~~P         二RAA
        ナ  (ハ)     P         ノDN
といふ「具合」に、「計3回、DN(二重否定除去)」を用ひてゐるが
直観主義論理では、固より「DN(二重否定除去)」そのものを「認めない」。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
直観主義論理では、「DN(二重否定除去)」そのものを「認めない」が故に、
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義(二重否定除去に、依存する。)
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義(二重否定除去に、依存する。)
  7 (7)~(~P∨Q)     A
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則(二重否定除去に、依存する。)
  7 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
といふ「(パースの法則の)証明」を、「直観主義論理」は認めない
といふ、ことになる。
然るに、
(15)
(ⅱ)
1  (1) P→ Q A
 2 (2)   ~Q A
  3(3) P    A
1 3(4)    Q 13MPP
123(5) ~Q&Q 24&I
12 (6)~P    35RAA
1  (7)~Q→~P 26CP
(ⅲ)
1  (1) ~Q→~P A
 2 (2)     P A
  3(3) ~Q    A
1 3(4)    ~P 13MPP
123(5)  P&~P 24&I
12 (6)~~Q    35RAA
12 (7)  Q    6DN
1  (8)  P→ Q 27CP
従って、
(15)により、
(16)
②  P→ Q(Pであるならば、Qである。)
③ ~Q→~P(Qでないならば、Pでない。)
に於いて、
②=③ は「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(17)
(ⅲ)
1  (1) ~Q→~P A
 2 (2)     P A
  3(3) ~Q    A
1 3(4)    ~P 13MPP
123(5)  P&~P 24&I
12 (6)~~Q    35RAA
12 (7)  Q    6DN
1  (8)  P→ Q 27CP
の場合は、
12 (6)~~Q    35RAA
12 (7)  Q    6DN
に於いて、「DN二重否定除去)」を、用ひてゐる。
従って、
(14)~(17)により、
(18)
①((P→Q)→P)→P     といふ「パースの法則」。
②((P→Q)⇔(~Q→~P))といふ「対偶」。
に於いて、「直観主義論理」は、
① だけでなく、
認めない」。
といふ、ことになる。
然るに、
(19)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
①((Pならば、Qであらうと、なからうと)Pなので)Pである。
といふ「どうでも良い法則」は、ともかく、
②((P→Q)⇔(~Q→~P))
②((PであるならばQである)と(QでないならばPでない)とは、同じことである。)
といふ「対偶」をも認めない直観主義論理」は、「あまりにも、変な論理である」。
といふ風しか、思へない。
従って、
(01)~(19)により、
(20)
多くの古典論理の恒真式は直観主義論理には証明できない。排中律 P∨~Pだけでなく、二重否定除去 ~~P→P や、
パースの法則 ((P→Q)→P)→P などがその例である。
といふ「説明」は、『私には、全く、理解できない所の、』である。