日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(684)「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」は「極めて、自然」である。

2020-07-10 09:25:24 | 論理

(01)
仮定として、(1)Pである。
その上   (2)Qかも知れない。
従って、  (〃)Pか、または、 Qである。
従って、  (〃)Qか、または、 Pである。
従って、  (3)Qでないならば、Pである。
従って、  (4)Pであるならば(Qでないならば、Pである)。
といふ「推論」は、明らかに妥当」である。
従って、
(01)により、
(02)
1(1)      P  A
1(2)    Q∨P  1∨I
1(3)   ~Q→P  2含意の定義
 (4)P→(~Q→P) 13CP
といふ「自然演繹(Natural deduction)」は、「自然(Natural)」である。
然るに、
(03)
① P→(~Q→P)
に於いて、
Q=~Q
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② P→(~~Q→P)
従って、
(03)により、
(04)
二重否定律(DN)」により、
① P→(~Q→P)
に於いて、
Q=~Q
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② P→( Q→P)
といふ「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」になる。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
仮定として、(1)Pである。
その上   (2)Qかも知れない。
従って、  (〃)Pか、または、 Qである。
従って、  (〃)Qか、または、 Pである。
従って、  (3)Qでないならば、Pである。
従って、  (4)Pであるならば(Qでないならば、Pである)。
といふ「推論」が、明らかに妥当」であるが故に、
① P→(~Q→P)
② P→( Q→P)
といふ「論理式」は、明らかに、「恒真式(トートロジー)」。
従って、
(05)により、
(06)
① P→(~Q→P)≡Pならば(Qでないならば、Pである)。
② P→( Q→P)≡Pならば(Qであるならば、Pである)。
といふ「恒真式(トートロジー)」は、すなはち、
③ P→( Q→P)≡Pならば(Qであらうと、なからうと、Pである)。
といふ「恒真式(トートロジー)」は、「公理(axiom)」と呼ぶに、相応しい
然るに、
(07)
実際の、「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」は、
② Pならば(Qであるならば、Pである)。
と「読まれる」のが「普通」であり、
③ Pならば(Qであらうと、なからうと、Pである)。
とは、「読まれない」。
従って、
(06)(07)により、
(08)
② P→(Q→P)≡Pならば(Qであるならば、Pである)。
といふ「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」を、最初に知ったとき、私自身も、「戸惑ふ」ことになる。
然るに、
(09)
自然演繹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系 L は、証明の構文規則に関する次のような「9つの基本的規則」だけを持つ。
仮定の規則 "The Rule of Assumption"               (A)
モーダスポネンス   "Modus Ponendo Ponens"     (MPP)
二重否定の規則     "The Rule of Double Negation" (DN)
条件付き証明の規則 "The Rule of Conditional Proof"(CP)
&-導入の規則    "The Rule of &-introduction" (&I)
&-除去の規則      "The Rule of &-elimination"  (&E)
∨-導入の規則      "The Rule of ∨-introduction" (∨I)
∨-除去の規則      "The Rule of ∨-elimination"  (∨E)
背理法             "Reductio Ad Absurdum"        (RAA)
然るに、
(10)
ウィキペディアの編集者も、本当は知ってゐる通り、実際には、ジョン・レモンが開発した体系 L は
仮定の規則 "The Rule of Assumption"               (A)
モーダスポネンス   "Modus Ponendo Ponens"     (MPP)
モーダストレンス  "Modus tollendo tollens"       (MTT)
二重否定の規則     "The Rule of Double Negation" (DN)
条件付き証明の規則 "The Rule of Conditional Proof"(CP)
&-導入の規則    "The Rule of &-introduction" (&I)
&-除去の規則      "The Rule of &-elimination"  (&E)
∨-導入の規則      "The Rule of ∨-introduction" (∨I)
∨-除去の規則      "The Rule of ∨-elimination"  (∨E)
背理法             "Reductio Ad Absurdum"        (RAA)
といふ「10個の原始的規則(10 primitive rules)」だけを持つ。
 cf.
 (MTT)は(MPP)から「導出」されるので、
 (MTT)は、要らないはずである。といふのが、編集者の考へであるやうであるが、
 (MPP)も(MTT)から「導出」されるので、(MPP)でなく、敢へて(MTT)を「除く」のであれば、その「理由(合理性)」を説明し
 なければ、ならない。
 cf.
 (a)P→Q,~Q├ ~P
 1  (1) P→ Q A
  2 (2)   ~Q A
   3(3) P    A
 1 3(4)    Q 13MPP
 123(5) ~Q&Q 23&I
 12 (6)~P    3RAA
 (b)P→Q,P├ Q 
 1  (1) P→ Q A
  2 (2) P    A
   3(3)   ~Q A
 1 3(4)~P    13MTT
 123(5)P&~P  24&I
 12 (6)  ~~Q 35RAA
 12 (7)    Q 6DN   
従って、
(02)(10)により、
(11)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
に於ける、
1(3)含意の定義(Df.→) 
は、「10個の原始的規則」の中には入ってゐない。
従って、
(11)により、
(12)
 (4)P→(Q→P) 13C
の「証明」は、実際には、次(13)のようになる。
(13)
  ― ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)―
1     (1)      P   A
1     (2)  ~Q∨ P   A
 3    (3)   Q&~P   A
  4   (4)  ~Q      A
 3    (5)   Q      3&E
 34   (6)  ~Q&Q    45&I
  4   (7) ~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)      P   A
 3    (9)     ~P   3&E
 3 8  (ア)   P&~P   89&I
   8  (イ) ~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ) ~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)   Q      A
     オ(オ)     ~P   A
    エオ(カ)   Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ) ~(Q&~P)&
           (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)    ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)      P   クDN
1     (コ)   Q→ P   エケCP(含意の定義を、計算の中で、証明した。)
      (サ)P→(Q→ P)  1コCP
然るに、
(14)
以上の「証明(13)」の中で、使はれてゐる「A、&E、&I、RAA、∨E、DN、CP」といふ「規則」は、全て自然(Natural)」である。
従って、
(05)(06)(14)により、
(15)
③ P→( Q→P)≡Pならば(Qであらうと、なからうと、Pである)。
といふ「恒真式(トートロジー)」は、「公理(axiom)」と呼ぶに、相応しい